秋の日のヴィオロンの...もう一つの物語   作:メトロポリスパパ

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大洗女子学園優勝記念エキシビションマッチを終え、帰路につく聖グロリアーナ学園艦。
そこへ、アッサムからへダージリンに急な知らせが入る。


これが処女作になります。
まさか自分が小説をかくとは夢にも思いませんでした。



【Steep news 聖グロリアーナ】

大洗エキシビジョンマッチが終了し、聖グロリアーナ女学院の学園艦は、水平線に陽が沈みかけた中を帰路に就いていた。

聖グロリアーナ戦車道隊長のダージリンとその懐刀のオレンジペコは隊長室にて紅茶を嗜んでいた。

そこへ扉をノックする音が。

 

「失礼します。アッサムです」

 

ダージリンはティーカップを持ちながら扉の方へ向き答えた。

 

「どうぞ」

 

アッサムが扉を開けて中に入りオレンジペコを一瞬見つつ、ダージリンの傍らに近づき耳打ちをする。

 

ダージリンの持っていたティーカップが一瞬揺れたのをオレンジペコは見逃さなかった。

 

「あの・・・大事なお話しのようですので、わたくしは席をお外ししましょうか?」

 

只ならぬ何かを感じ、気を利かすオレンジペコであったが、ダージリンはゆっくりティーカップを置き・・・。

 

「いいえ、よろしくてよ・・・」

 

ふぅと息を吐きゆっくりと話し出す。

 

「大洗女子学園が今月末をもって廃校になる事が決定したそうよ」

 

「へ・・・」

 

オレンジペコの持っていたティーカップが落ち中身をこぼしながら机に転がる。

 

「そんな・・・さっきまで一緒に試合をしていたんですよ!お風呂にも入って・・・しかし大洗は大会に勝って廃校は撤回されたはずでは?!」

 

オレンジペコは立ち上がり声を荒げるが、そこにアッサムが補足に入る。

 

「それはあくまで廃校撤回を再検討するとの話で確約ではなく、検討の結果、廃校は年度末では遅すぎるということになったそうです」

 

ダージリンが聞く。

 

「書類のやり取りは無かったのですか?」

 

「はい。恐らく・・・口約束だったのではないでしょうか?」

 

まさかあの角谷杏生徒会長でも、一介の女子高生相手に国がこのような真似をしてくるとは思わなかったのであろう。

オレンジペコは力無く座り、ギュッと目を閉じうつむき、両の手の拳を膝の上で握り締め、悔し涙を浮かべている。

 

《・・・大洗のあの戦いは一体何だったのですか・・・・?》

 

ダージリンは立ち上がりオレンジペコの後ろへ回り、両肩に手を添え優しく語りかける。

 

「あなたは・・・大洗の大ファンですものね・・・」

 

ダージリンはスッとアッサムに顔を向け

 

「アッサム。引き続き情報の収集をお願いできるかしら」

 

「わかりました」

 

「ペコ、あなたは部屋にお戻りなさい」

 

オレンジペコは少し落ち着きを取り戻し”はい”とうなずき涙を拭きながら

 

「ダージリン様は・・・?」

 

「わたくしは・・・少し風に当たってから戻ります。」

 

ではワタクシも一緒に、とオレンジペコが言おうとした瞬間にアッサムはオレンジペコの肩に手を添えて軽く首を横に振る。

オレンジペコも気が付いたようだ。。

 

「あ・・・」

 

アッサムはダージリンとは長い付き合いである。

ダージリンの何かに気が付いたのだろう。

 

 

聖グロリアーナ女学院

学園艦の甲板

 

 

ダージリンは甲板の手摺りの側で風に当たりながら、眼光鋭く夜空と海の境界を見つめていた。

 

ピロロロロロロ!ピロロロロロロ!

 

そこへ艦内連絡用のPHSが鳴る

PHSの画面に目をやると無線室からの着信であった。

 

「はい」

 

「ダージリン様でございますか?」

 

「そうよ」

 

「サンダース大付属高校 戦車道 隊長のケイ様より通信が入っております。いかがなさいましょう?」

 

電話ではなく無線?

ダージリンは少し首を捻りつつ

 

「わかりました、向かいますので、暫くお待ち下さいと伝えておいていただけるかしら」

 

「かしこまりました」

 

PHSを切り、恐らく大洗の事であろうと思いつつ無線室へ向かうダージリンであった。




サンダース大学附属高校 戦車道 隊長のケイは、大洗女子学園 生徒会長 角谷杏からあるお願いをされる。
次回
「Steep news サンダース」
よろしくお願いいたします。

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後書き

皆さまこんにちは。
この【Steep news 聖グロリアーナ】が人生で初めての小説です。
仕事の休憩中にiPhoneのメモで書いてみたら、何となく書けてしまったのでハーメルンに載せてみた次第です。
さて。
劇場版ガールズ&パンツァー。
なんなんでしょうね?
特に捻った話しでも無く。ザ・王道な話しなのに、非常に胸熱で戦車の描写も最高でした!
学園十色の場面はスパロボ、或いはACECOMBAT5を思わせるような。
で、
何度か映画を見に行く内にまさしく、「もう一つの物語」が気になりまして。
その辺りを気にしながら映画を見る内になんとなーく話が見えてきました。
まず、初めに思ったのは、大洗の制服。
みんな着てますよね。
それと「鉄獅子22両事件」
あなたの所は6両とダーさんに注意されました。
ダージリンのあの「秋の日の・・・」は呼び掛けではなく
事前にある程度周到に準備していたのではないか?
事前に各校が集まり打ち合わせをしていたと。
あの秋の詩はDdayの時にも作戦開始の合図として使われました。
なるほどね〜と。
では、一番初めに大洗廃校を知ったのは誰か?
これは、間違いなくサンダースのケイ。
大洗は戦車を守りたい。角谷生徒会長はすかさずケイに連絡したでしょう。
そして、次は聖グロのダージリン。
カルパッチョかもしれないのですが、あえてダージリンにしました。
それが【Steep news 聖グロリアーナ】であります。
この小説を書くにあたり気を付けたのは
出来るだけシンプルにしたった。
自分のボキャブラリーが無いというのもありますがw
読んで頂いている方々に想像して欲しいな〜と。

アッサムですが、聖グロの諜報機関に所属しているという事らしいので直ぐに耳に入ってくるだろうと。
そして、ダージリンの耳に入り物語が始まるのであります。

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