テイルズオブメンティーフ〜君の嘘を暴くRPG〜   作:紫桜

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これから終わりに向けて話が進みますよ!


真実を暴いていきましょうか?

村長から話を聞き終えた二人は、夕食の誘いを丁重に断りアンフェールがいる彼の家に戻った。その時にはすでに日は落ち、辺りは静まり返っていた。

 

「…シルヴィアって…」

 

そんな中おもむろにジルは重い口を開く。トアはそれに一瞬視線をジルに向け

 

「アンフェールに初めてあった時に俺と間違えたヤツのことだろうな」

「なら、トアと似てるってことかな…?」

「どーだろうなぁ…髪色とかで間違ったんじゃないか?」

「…それは、自分が女顔って認めるってこと?」

 

と、ジルはそれを口にしたことをすぐに後悔した。目の前にはジルのことを忌々しそうに睨む青年がいたからだ。しばらくそのままの状態で歩き続けたが、ふとトアがため息混じりに別の話題をふってきた。

 

「シルヴィアってやつのことをアンフェールにきいて見る必要がありそうだな」

 

未だ瞳の色は厳しいままだがジルから視線をそらし、その上これからやるべきことについての話題まで提供してくれたトアに感謝しながらジルは今度こそトアを怒らせるような言葉を言わないように注意しながら言葉を発した。

 

「そうだね。今やれることって言ったらそれぐらいしかないだろうし…」

「それじゃそれで決まりだな」

 

その言葉の後は少しの沈黙が流れる。たまらなくなってジルは「トアっ」と震えているようにも聞こえる声で呼んだ。

 

「何だ、お化けでもいたか?」

 

その声に彼は苦笑混じりに応える。ジルは「読んでみただけ…」と返しニッコリと笑う。それにトアは苦笑しながらため息をこぼし、再び無言で歩き出した。

それを見ながらジルは小さな声でつぶやいた。

 

「ねぇ、トア…」

 

その先を、ジルはつぶやくことはなかった。

 

 

 

アンフェールの家に着くと、家に灯りはついていなかった。代わりに、彼のアトリエであり今はトアとジルが寝泊まりをしている小屋の方に小さい光が漏れ出ていた。

 

「アンフェールのやつ小屋で何してるんだ?」

「んー…私達の帰りでも待っててくれてるのかなぁ?」

 

とりあえずと、ジルは首を傾げながらも小屋のドアをノックし「アンフェール、いるの?」と声をかけようとしたが何かに気づいたような顔をしたトアに腕を取られてそれを阻まれた。

「なに?」と仕方なくトアに聞こうとするけれど、それすらも人差し指をたてそれを口元に当てているトアに止められる。彼女は不服そうにしながらも素直にその指示を受け入れた。それを確認したあと、トアは口元にあった指でアンフェールの自宅をさした。相変わらず無言だが、言いたいことは分かったのでわざとため息をするしぐさをして頷いた。トアは珍しく優しく微笑んでジルの頭を撫で、声には出さず「行け」と言った。

 

 

ジルがうらめしげにアンフェールの家に入るのを見届け、改めて小屋に目を向ける。心を落ち着かせるように形だけの深呼吸をしてドアを叩いた。

 

「…誰です、」

 

聞こえたのはかぼそく、けれど重苦しい響きを持った声。ある程度は予想していたが、これほどとは。

トアは無意識にため息をつき「ソラルトリアだ」とあえて自身の長い名を言った。しばらく流れる沈黙。トアは「入ってもいいか」と聞いた。アルフェールは応えることはしない。紅色の少年はそれを了承と受け取り小屋の中に入った。

 

「…まだ、何も行ってはいませんよ」

「そうだな。だから都合のいいように解釈させてもらった」

「貴方って人は…」

 

そこには椅子にだらりと腰を下ろし紅色の少年を睨むように見つめる青年がいた。青年は、気だるそうに少年を咎めたが、逆に開き直られてしまった。

ふと紅色の少年は薄く笑うと、青年に一歩だけ近寄った。

 

「お前に、聞きたいことがあるんだが」

「なんです?」

 

貼り付けたような薄い笑を崩さずに、紅色の少年はまた一歩青年に近づいた。

 

「この村の村長さんから全部聞いたよ。あんたが最初にあの惨劇の場所にいたってこと、そして何より…」

 

そこで言葉を切り、「言いたいことはわかるよな?」と紅色の少年は今度は動かずにじっと薄い笑を青年に向ける。青年は一瞬驚いたように目を見開いたが、すぐにその瞳に疑惑の色をにじませた。

 

「貴方は、『彼女』のことを…彼女がどこに行ったのかを知っているのですか?」

 

しかし、それでも青年はすがるような声で紅色の少年に問う。

 

「さぁ…なんのことやら」

 

けれどトアはその声に応えない。未だ張り付いている笑みが不気味に思えるほどにトアは穏やかに語りかけた。

 

「それはお前が一番わかってるだろ?」

 

ビクリと肩を震わせ言葉もなく紅色の少年を見つめる青年に…アンフェールに、紅色の少年は優しく、けれどどこまでも残酷に突きつけた。

 

「わかってるんだろ?シルヴィアを殺したのは…」

 

その言葉をかき消すようにアンフェールの叫び声が響いた。

 

 

 

 

 

灯りをつけてただ一人、トアとアンフェールを待ち続ける少女はふとつぶやいた。

 

「なんだか…嫌な天気」

 


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