蛇女子学園選抜リーダー雅緋
実は彼女には、たった一人の「弟」がいた……らなぁ

という妄想を爆発させてみた

※唐突な忍殺、キャラ崩壊が多分に含まれますので「絶対にノゥ!」な方は回れ右を推奨します

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キャラ崩壊酷いです
唐突に忍殺=ワードがあります

ありえねーよ、と言われても仕方ない描写があるかもです


雅緋に弟がいたらこんな感じが良いなと思ったから

カポーン

 

「………」

「………」

「……なぁ姉ちゃん」

「……なんだ?」

「俺達ってさ、この歳になってもこうして一緒に風呂入ってるじゃん?」

「そうだな。本当に小さい頃からずっとだから、あまり違和感は無いな」

「うん。でさ、友達に話したのよ。こう、一緒に風呂入るくらいには仲がいいって」

「そうなのか。それで?」

「「それはおかしい」って、割と本気で引かれた」

「……そうか」

「その友達が言うには、希少を通り越して軽く異常らしいんだ」

「……よその姉弟は、もう少し仲が悪いと?」

「うん。その友達も姉ちゃんいるらしいけど、会話滅多に無いって」

「……そうか」

「うん」

「………」

「………」

「……背中、流してもらえるか?」

「ヨロコンデー」

 

 

 

「………」

「………」

「……姉ちゃんの肌ってさ、綺麗だよね」

「そうか? あまり気にしたことは無いが」

「いやまぁ、所々傷痕はあるけど、それと弟の贔屓目抜きにしても綺麗だなって」

「……言われ慣れてないから、変な感じだ」

「……でもさ」

「ん?」

「あんま心配かけさせないでくれよな」

「……そんなにかけてるか?」

「3年前」

「っ……」

「俺、あの時マジで気が気でなかったんだけど。一命取り留めたけど、俺のこと忘れてたし」

「………」

「仕方なかったって言ってもさ、割りきれないもんなのよ」

「……すまん」

「許す」

「……ありがとう」

「うん」

「………」

「………」

「……交代だ。次は私が流そう」

「オナシャス」

 

 

 

「………」

「………」

「……大きくなったな、お前の背中」

「そう? まぁ俺ももう18だし」

「背も抜かれているしな」

「現在176です」

「……これではどちらが上かわからんな」

「……俺はずっと姉ちゃんの弟だよ」

「……ああ。そして私は、ずっとお前の姉だ」

「ありがと、姉ちゃん」

「ああ」

「………」

「……髪はどうする?」

「あ、じゃあお願い」

「任せろ」

 

 

 

(……にしても)

(それにしても)

 

((姉弟で仲良いのってそんなに変か?))

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「流石に変だよ雅緋……」

「……そうなのか?」

 

秘立蛇女子学園、選抜メンバーの専用部屋にいるのは、選抜リーダーの雅緋とその親友の忌夢

彼女らのバストは豊満である

幼馴染たる雅緋とその弟のことは忌夢も知っているが、幼少の頃からの良すぎるほどの仲にどこか危険な匂いを感じてもいた

 

「これが男兄弟とか姉妹とかならわかるよ? でも、男と女じゃないか!」

「いや、血の繋がった姉弟なのにそんなこと気にする方がおかしい気がするんだが……」

「いいや今日という今日こそは言わせてもらう! だいたい、昔から仲が良いというか近いんだよ二人は!」

「そこは別にいい気が……」

「いーや、よくない! それに……」

 

『すまん、それを取ってくれるか?』

『これ? ほい、姉ちゃん』

 

『姉ちゃーん、あれどこだっけ?』

『ん? あぁ、あれなら確か洗面所だぞ』

 

『なぁ、あれのことだが』

『姉ちゃん。あの件だけどさー』

 

「熟年夫婦かっ!!」

 

ダンッ! と机を思いっきり叩く忌夢

衝撃が机を伝わり、床板がミシリと軋む

 

「落ち着け」

「落ち着いてられるわけがない! ねぇ雅緋、悪いことは言わないからもうちょっと弟くんと距離取った方がいいって」

「そう言われてもだな……」

 

どこか悲痛ささえ醸し出して雅緋ににじり寄る忌夢

だがこの世でたった一人の、愛して止まない弟と今更距離を置く自分など雅緋には一切想像できなかった

 

そんな時

 

「……何騒いでんのよ」

「ん? 両備か」

 

仕掛け扉から姿を現したのは、一年生で選抜メンバーの両備

そのバストは平坦、されどヒップは豊満である

 

「両備いいところに! 両備からも言ってやってくれ、弟くんと距離を取れって!」

「はぁ? 弟って、雅緋の? ……ていうかいたんだ」

「ん? ああ、そういえば、知ってるのは忌夢と紫だけだったな」

「ふーん……どんな奴なの?」

「知りたいか?」

「ちょっ、なんで食い気味?」

 

話の流れから、ほんの少しだけ興味を示した両備

だが、そんな僅かでも嬉しげに頬を緩ませた雅緋に思わず引く

そして、間髪入れず雅緋は口にした

 

「そうだな、まず料理が上手い」

「……え?」

 

てっきり忍として語るのかと思いきやまさかの変化球

しかし両備の戸惑いと頭を抱えて「始まった……」と呟く忌夢を余所に、マシンガントークの如く矢継ぎ早に飛び出すのは―――さながら惚気のような、説明にかこつけた弟自慢だった

 

「それにだ、掃除洗濯裁縫に家計の遣り繰り、手先が器用で何でも出来る、よく出来た良い弟だ。私の服が破れたり、ちょっとした小物やブラのホックが壊れたりしてしまった時もすぐに直してくれるんだ。ああ、食材の目利きなんかもプロ顔負けでな、機会があったら選抜メンバー全員に振る舞いたいと言っていた」

 

「待って、今すごいこと言ってなかった?」

「だめだ両備。こうなった雅緋はちょっとやそっとじゃ止まらないんだ……」

 

「顔立ちは整っている方だと思う、身内の贔屓目を抜きにしてもな。性格もかなり良いやつだ。紫の引きこもりに対しても嫌な顔一つせずに真剣に向き合ったり、お人好しなところはあるが締めるところはしっかり締める芯の強さも持ち合わせている。背は……176cmと言っていたからそこそこの長身だな。一緒に風呂に入った時に背中を流しているとその大きさがよくわかる」

 

「一緒にお風呂入ってんの!? その弟いくつよ!?」

「……18」

「嘘でしょ!?」

 

「ああ、ちなみに強いぞ。こことは別の悪忍の学校で選抜リーダーやっているからな。努力家で勤勉家な可愛い奴でな、向上心を今でも持っていて、強くなるためならいかなる努力も惜しまない奴だ。ああ、思い出すだけで可愛いなぁもう!!」

 

「帰って来て雅緋ぃ~!」

「……とんだブラコンじゃない」

 

共に忍として研鑽に励んでいた思い出でも浮かんできたのか、普段の凛々しさをかなぐり捨てただらしない笑みを浮かべる雅緋

そんな彼女の姿に忌夢は咽び泣き、両備はそれまでの雅緋のイメージが音を立てて崩れ去るのを感じていた

 

「……でもさ」

 

だが、その言葉を聞いていた両備は禁断の一言を口にしてしまう

 

正直なところ、彼女はあまり理解できていなかった

雅緋の弟、彼が如何ほどの人物なのか

そして、そんな彼を雅緋がどれほど愛しているのかを

 

「18にもなって姉と一緒にお風呂とか、まぁまぁ恥ずかしい奴よね、そいつ」

「っ!? ばか、両b」

 

 

 

「 は ? 」

 

 

 

「!?」

 

威圧

 

圧倒的威圧

 

なんということか、あらゆる死線、あらゆる強敵を退けてきた両備を一瞬で震え上がらせるほど、雅緋の纏う殺気と絶対零度の瞳は平時の彼女のそれを上回っていた

 

「み、雅緋……?」

「両備、謝るんだ早く! 殺されるぞ!」

「ころっ……」

「雅緋は弟くんを馬鹿にされるのが一番許せないんだ! それで今まで何人が血を見てきたことか……!」

「……い、いや、ウソでしょ? いくらなんでもそんな……」

 

「 り ょ う び 」

 

「ひっ!?」

 

「 い ま 、 わ た し の 弟 を ぶ じ ょ く し た な ?」

 

「あ、あぁ……!」

 

涙目の両備、その身体は捕食者に狙われ、眼前に立たされ震え上がる獲物そのもの

 

「ごっ、ごめん雅緋! そ、そこまで怒るっていうか、雅緋がそこまで弟のこと好きだなんて思ってなかったから!」

 

普段は(いつもそばにいる変態のせいで)粗野な発言と素直じゃない気質ばかり目立つが、心根は優しい少女である両備

悪いことを言ってしまったならば、即座に謝罪する

命の危機に比べれば安いもんである

 

「 わ た し じ ゃ な い だ ろ う 」

「へ……?」

「 弟 に あ や ま れ 。 お お き な 声 で 」

「ど、どうやって……」

「両備! 窓だ窓!」

 

もはや手の届く距離にまで詰められ、いよいよ震えが止まらない両備

だが悲しいかな、彼女の平坦なバストは一ミリたりとも震えなかった

 

そんな彼女に救いの手を差し伸べた忌夢

窓際まで駆け、大きく開け放つと両備を手招いた

 

「………っ!!」

 

南無三

背に腹は変えられん

 

両備は窓から身を乗り出し、肺が膨らみきるまで息を吸い

 

 

 

「雅緋の弟ぉぉぉぉぉぉぉぉぉッッッ!!!」

 

 

 

「ごめんなさぁぁぁぁぁぁぁいッッッ!!!」

 

 

 

さぁぁぁぁぁぁぁい

さぁぁぁぁぁぁい

さぁぁぁぁい

サアアアイ

 

そんな木霊が消えるまでたっぷり十数秒

そして両備は恐る恐る背後を振り向き……

 

 

 

「……これからは気を付けろよ、両備」

 

 

 

聖母の如き微笑みを浮かべた雅緋を目にし、そっと膝から崩れ落ちた

 

 

 

後に両備はこの出来事についてこう語った

 

『両姫姉さんのライバルってのを改めて思い知ったわ……』

 

合掌

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

同時刻

蛇女より離れた、とある忍学校

 

「アイエエエエエエ!!??」

「グワーッ!?」

「アバーッ!!」

 

サツバツ

窓ガラスは割れ砕け、床には無数の穴が穿たれ、壁の一部は消し飛んでいる

 

「なんじゃあこりゃあああああっ!?」

「いっ、一年の馬鹿が、リーダーのお姉さんを男女呼ばわりしたらしい!!」

「どこのボケだその歴史的バカモンは!? そいつどうした!」

「逃げ回ってやがる! おかげでこの有り様!!」

「取っ捕まえて突き出すぞ! ついでに良い具合にシメとけ!!」

 

あの姉にしてこの弟あり

最悪のブラコンシスコン姉弟、ここにあり




カグラの世界って各陣営に弟キャラ一人放り込むだけで倍面白くなると思うの


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