聖櫃に抱かれた子どもたち   作:佐伯寿和2

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銀の小魚たち その六

――――ハルシオン大陸南方、軍事国家ミルマーナの最南端

 

翠緑(ターコイズグリーン)水面(みなも)が水平線を(えが)く大陸。泳ぐ木漏(こも)れ日の下で、大きな大きな白銀(はくぎん)(くじら)が疲れた体を横たえていた。

 

「モフリー、もう少し右の方を頼むよ。」

緑の海面すらすり抜ける赤道の陽射(ひざ)しに()されながら、眠る白鯨の上を数匹の小魚たちがいそいそと動き回っていた。

「チチチ」

幼さの残る少年の呼び掛けに(こた)えたのは、少年と同じ背丈(せたけ)の白い茅葺(かやぶ)きの(かたまり)

その(すそ)から(のぞ)くのは岩肌(いわはだ)を思わせる八つの節足(せっそく)。それらが波打てば、潮流(ちょうりゅう)に身を任せるクラゲのように、まるで重さを感じさせない動きを演出した。

「コリャー、ヘモジー!何をサボっとるんじゃ!しかっと働かんか!」

「……へもー?」

飛ばされる(げき)に対し、桃色の肌をした小人は、金髪でクセッ毛のある頭を()きながら気の抜けるような返事をした。

「ダメだよ、チョンガラ。ヘモジー、さっきまでたくさん鉄板を伸ばしてくれてたんだから少しは休ませてあげなきゃ。」

「アホかい。そんなんじゃからそこいらの同族に()されたりするんじゃ。(きた)えんかい!もっと鍛えんかい!根性じゃ!!ガッツじゃ!!ハングリーじゃ!!」

「…そんな、ボクシングじゃないんだから。」

「………へもー」

桃色の小人は一層(いっそう)気怠(けだる)げな()(いき)()くと、手近な果実をもぎっては元主人に向かって投げつけ始めた。

 

そうして始まった猿と猿のケンカを、(はた)からオロオロと見守る少年は「ちょっと二人とも、ケガしちゃうよ」と貧相(ひんそう)仲裁(ちゅうさい)しかできないでいた。

「ハハハ、まぁイイじゃないですか。それだけ船長はヘモジーへの愛情が強いんですよ。」

見慣(みな)れた光景に(こころ)(ほころ)ぶ肥満気味の中年が、同じく肥満気味の少年の心配事を(ひたい)の汗を(ぬぐ)いながら優しく笑った。

「そうかなぁ。……そうかもしれないけど、なんだか落ち着かないよ。」

「ポコさんは人が良いですからね。」

「……チョピン、もしかしてボクのこと、からかってるの?」

口を開けば皮肉(ひにく)しか言わない目上を二人も知っているだけに、中年の不自然な()め言葉は、少年の修道女のような清廉(せいれん)な瞳を細くさせた。

「まさか。素直に(ねた)んでいるんですよ。」

「……やっぱりからかってるよね。チョピンまでそんなになっちゃうなんて。…やっぱりチョンガラたちの影響なんだろうなぁ。」

少年は、小人と同じようにボサボサの頭を掻き、同じように溜め息を吐いた。

「ポコさん。こうやって皮肉を言ったり言われたすることも愛情表現の一つですよ。」

「……そう言われると悪い気分はしないけど。」

少年の、(ほが)らかで愛らしい声色と表情だけを見れば、それはまるで中年が町娘を口説(くど)いているようにも映った。

この鬱蒼(うっそう)とした森の中、高温多湿な風と肌を刺す害虫の飛び回る中で。

 

男たちが(わず)かに許された休息(きゅうそく)満喫(まんきつ)していると、早くもそれに終わりを告げようと一人の僧侶(そうりょ)白鯨(はくげい)の中から姿を現した。

「次の作戦が決まった。会議室に来られよ。」

僧は、伝言を終えると少しの寄り道も許さずに(きびす)を返した。

 

簡易(かんい)袈裟(けさ)こそ(かぶ)ってはいるが、男の職業は()()と呼ばれる闘士(とうし)だった。

袈裟から(のぞ)く男の体は、さすが「闘士」と呼ぶべき鍛え上げられた肉体をしていた。

しかしその肉体には、おおよそ法を()く「僧」にあるまじき(あざ)や切り傷、火傷(やけど)などのあらゆる傷が無数に見られた。

しかし、彼の歩みはその一切を感じさせない。

その一歩、一歩が痛みに()らぐこともなければ、風を切ることもない。

静寂(しじま)」と呼ばれる(おごそ)かな「時」だけが彼の体を運んでいた。

まるで、傷を負った身体もまた彼の羽織(はお)る一枚の袈裟(よろい)とでも言うように。

 

脱ぐことを許されない袈裟(よろい)は、彼が闘士であること以外を許さない。

彼の身に付けた教えの中に、(こぶし)以外で語るものはない。

彼の法は常に(たたか)いの中にあった。

 

「……もぅ行かなきゃいけないんだね。」

僧兵(そうへい)の僧兵たる(あゆ)みを見届けた少年の顔から、純朴(じゅんぼく)な町娘の表情は消えていた。

甘い(にお)(ただよ)わせる色とりどりの花や果樹(かじゅ)の森から、血の臭いを感じていた。

「もうしばらくの辛抱(しんぼう)です、ポコさん。終わらない戦争はありません。そして必ず、我々の信念は実を結びます。」

「戦争」と「勝利」から逃げてきた少年は、それがどんなものか想像がつかない。

「まずは私たちがそう信じなければなりません。」

信じることも(かな)わない。

けれども――――、

「私たちはアーク・エダ・リコルヌの折れない(つるぎ)でなければならないのですから。」

信じられる未来はなくとも、信じられる友人がいた。

「……うん、そうだね。」

粗暴(そぼう)利己的(りこてき)()()いの多かった彼が、一人ふたりと増えていく仲間たちを想い、変わっていく姿が好きだった。

誰一人として見捨てることのない先導者(せんどうしゃ)へと(みが)かれていく彼に(あこが)れた。

(かたわ)らで見守ってきた少年にとって、それは「未来」と呼んでも()(つか)えのない魅惑的(みわくてき)な光に見えた。

「ありがとう、チョピン。」

彼にも唯一(ゆいいつ)、見詰めていられる光があった。

彼にも唯一、(ちか)いを立てられる未来があった。

 

 

 

――――(ぼう)戦艦、作戦会議室

 

「俺たちの当面(とうめん)の目標は“ガルアーノ”だ。」

オオルリ色の肌着(はだぎ)を着た青年は、居並(いなら)面々(めんめん)に向かってそう切り出した。

「ほう、そりゃまた何で。ワシらは今までずっとアンデルの足取りを追っておったんじゃないのか?」

青年の言葉に、いの一番に喰いついたのは意地汚(いじきたな)い元商人だった。

安全の保障(ほしょう)された場所でのみ現れる彼の自己顕示欲(じこけんじよく)は、彼の短所であると同時に憎みきれない魅力(みりょく)とも言えた。

「レジスタンスからの情報で、奴らの“兵力増強”を担当しているのがガルアーノだと分かったんだ。」

「例の“合成怪物(キメラ)”のことかい。」

キメラ。人の体に『化け物』を宿(やど)す悪魔たちの受胎告知(じゅたいこくち)

(ささや)きは(とど)まることを知らず、今やその産声(うぶごえ)がこの世界を揺らし始めていた。

「そうだ。そこを(つぶ)し、奴らの勢力拡大(せいりょくかくだい)(ふせ)ぐ。」

「一種の兵糧(ひょうろう)()めみたいなものじゃな。」

その(たと)えはあながち間違いとも言えない。彼らは産まれた『子どもたち』を物資(ぶっし)か何かのように使い捨てる。

激化した戦争の最前線に配置し、組合(ギルド)の目に付くよう町に放っては賞金稼ぎたちの相手をさせ、時には失敗した子どもを他の子どもたちに()()らせている。

まるで、「殺すために産んだ」と言わんばかりに。

産んでは殺し、産んでは殺し……。それはまるで何かの()()()()()()()()()()

 

「それもあるが、奴らの放ったキメラが世界規模(きぼ)治安(ちあん)を悪化させている。」

産まれたキメラたちには、彼らの『囁き』を聞く耳が植え付けられている。キメラたちは彼らの『囁き』に(したが)い、各地で人や獣、時には軍隊を(おそ)っている。

「人の姿をしていた」という証言(しょうげん)も少なくはなく、混乱を()けたい政治家、司法関係者はメディアに対し「見間違い」を主張するが、それこそが彼らの(ねら)いとも言えた。

「上の人間は動かない」、「自分たちでなんとかするしかない」。

身近に(ひそ)んだ疑心暗鬼(ぎしんあんき)は小さな(いさか)いを大戦(たいせん)の火種に()べ、日常的に蔓延(はびこ)る「悪」は「正義」を容易(たやす)(おか)してくれる。

そうなってしまえば『善』も『悪』も関係ない。そうなってしまえば『人』も『化け物』も関係ない。

彼らの上に立った人間の言葉が世界の全てになる。

白鯨に身を隠す彼らを世界が「悪」と決めたように。

 

それでもオオルリの青年は(つばさ)を広げる。青空を目指し、(さえず)り続ける。

世界の嘘に捕まり、羽をもがれてしまわないように。

彼女と重ねた温もりにこそ、剣を(ふる)う価値があると信じるために。

 

土地々々(とちとち)に賞金稼ぎがいるとはいえ、絶対の信頼を置ける連中とも言い切れない。このままだと遠からず、俺たちは護るべきもののない戦いをしなきゃならなくなる。」

青年は「犠牲者(ぎせいしゃ)」を口にしない。

「犠牲者」は、被害から(のが)れている人間と、被害に()った人間との間の「差別」を語ってしまうから。

それは、(いま)だに闘いの「勝利」を法の頂点から動かせずにいる僧兵の『悪夢』を呼び起こしてしまうから。

二人の間には()(がた)(きずな)がある。

けれども、だからこそ彼の法への理解を(おろそ)かにすべきではなかった。

国や命がそうであるように、法や(じょう)にも永遠というものはなく、常に(つむ)ぎ合い(いろど)っていくべきものであるから。

だからこそ、(くせ)が強くそれでいて青年に寄り添う彼らもまた、青年にとって愛すべき戦友であり続けることができた。

だからこそ、彼は口にする言葉に細心(さいしん)の注意を払うことができた。

 

(よう)は、増え過ぎた(まと)を一気に片付けちまいたいってことだろ?」

椅子(いす)の上で胡坐(あぐら)をかく赤毛の(さむらい)がぶっきら棒に言うと、青年は静かに(うなず)いた。

「トッシュの言うように、今後の的を(しぼ)る意味も(ふく)めて、まずはガルアーノと奴が抱えている全ての施設(しせつ)を潰さなきゃならない。」

「で、その施設とやらは(いく)つあるんだ?」

「分かっているものでアルディア、フォーレス、ロマリアの3つだ。」

並んだ名前の中に異彩(いさい)を放つ国があるのを、意地汚い元商人は見逃さなかった。そして、その仕組みも。

「フォーレス……となると、『魔女伝説』が狙いかの?」

「なんだチョンガラ、知ってるのか?」

経済大国アルディコ連邦、世界最大の軍事国家ロマリア。この二か国には施設を維持(いじ)するのに十分過ぎる経済力があった。そこへきて、交通設備さえままならない小国のフォーレスが列挙(れっきょ)される理由は限られている。

伊達(だて)に商人はやっとらんわ。逆にその程度の話も知らんようなヤツはモグリじゃよ。」

 

「…魔女って、何か特別な人なの?」

人一倍臆病(おくびょう)楽士(がくし)盗品(とうひん)生活を送っていた元商人の知識に不穏(ふおん)なものを感じ、その(かん)が当たっていると分かっていても、聞いてしまったからにはもはや(たず)ねずにはいられなくなっていた。

「そうじゃのう。……言われてみれば確かに恐ろしい女じゃな。」

勿体(もったい)ぶらないでよ。ねえ、どんな人なの?」

「まあ、ワシも(うわさ)でしか耳にしたことはないが――――」

楽士の性格をよく知る元商人は、たわわなアゴ(ひげ)をガシガシと掻き、(みにく)鷲鼻(わしばな)をフンと鳴らすと、寝る子に絵本を読んで聞かせるように、抑揚(よくよう)たっぷりに話し始めた。

 

 

 

――――今から百年、あるいは千年も昔の話、まだフォーレスという国が生まれるよりも前の話。

雪山に囲まれたホルンという村に(あや)しい力を持って生まれた娘がおったそうじゃ。

娘は村の畑に豊作をもたらし、村人や家畜に無病息災(むびょうそくさい)長寿(ちょうじゅ)(さず)けおった。

凶事(きょうじ)を寄せ付けない娘の力のお(かげ)で、村は幸せそのもの。

彼女を(たた)える歌が連日連夜歌われたそうじゃ。

 

じゃが、彼女の恩恵(おんけい)を受ける村人たちの姿は、(ふもと)の町の人間の目に『人間』として映らんかった。

その後も、神の力と言ってもいい奇跡(きせき)を起こし続けた娘を、町の人間は(おそ)れ、いつしか「魔女」と呼ぶようになりおった。

そうなると次に起こる(あやま)ちまでそう時間は掛からんかった。

町の人間は(くわ)松明(たいまつ)を手にし、「魔女追放」を(とな)え、村に火を(はな)ちおった。

 

理由?そんなものありはせん。ただ、恐ろしいからそうするのよ。

お前さんも、体の()けた人間が(となり)におったら身を隠したり悲鳴を上げたりするじゃろ?それと全く同じことよ。

 

……そうして(ひび)き渡る人々の罵声(ばせい)と村を焼く炎は当然、娘の怒りに触れ、彼女はその怪しい力でもって化け物の大群を引き連れては町を焼き尽くし、町の人間を一人残らず食い殺したんじゃ。

その時の、彼女を取り巻いた光景こそ、『ホルンの魔女』を『伝説』足らしめた由縁(ゆえん)となるんじゃ。

 

空を埋め尽くすは竜と(むし)亡霊(ぼうれい)

大地を埋め尽くすは白骨(はっこつ)(けもの)と魔人。

彼女はその中心に立っておった。威風(いふう)堂々(どうどう)と。それら全ての手綱(たづな)を引くかのように。

白き霊峰(れいほう)という(おり)に囲われた小国の、空も大地も、たった一人の少女が埋め尽くしてしまったんじゃ。

 

しかして我に返った彼女が辺りを見渡してみれば、そこは()(たぎ)る地獄だったそうじゃ。

……当時、娘は春もろくに知らぬ生娘(きむすめ)

初めて目にする「死」は天へと差し伸べられた無数の手足、舌と歯を引き抜かれた無数の生首。

 

そこに、生き残った町の人間など一人としておらん。だのに彼女の耳には聞こえたそうじゃ。

(わざわ)いあれ」「命冒涜(ぼうとく)す娘に災いあれ」「魔女に…」「呪い……」「災いあれ……」

町の人間の声が。延々(えんえん)、延々と。

 

「――――恐ろしくなった彼女は深い、深い洞窟(どうくつ)に身を隠し、二度と外の世界とは関わらんかった……と、そういう話じゃな。」

会議室に響く自分の声に満足げな商人がいる一方で、まんまと彼の悪戯(いたずら)()まった楽士が青い顔をしていた。

 

お決まりの茶番に付き合った青年は「十分だろう」とばかりに、彼の話から浮かんだ疑問点を問いただした。

「それは、お前の使う召喚術(しょうかんじゅつ)とどう違うんだ?」

一年前、彼がまだ艦長(かんちょう)になるよりも前、彼は一つの(つぼ)を抱えた召喚術師として青年と共に戦場に立っていた。壺の中に数匹の怪物を()い、意のままに呼び出しては(あやつ)っていた。

「ぜーんぜん(ちゃ)うわい。あれは壺に入れたヤツしか使えんし、一つの壺に入れられる数もだいたい決まっとる。……さらに恐ろしいことにのぅ、」

「な、なんだい……」

昔話の余韻(よいん)が冷めていないのか。満足していないのか。またも商人は(おび)える楽士に顔を寄せては声を張り始めた。

「その魔女は死んだ村人や町の人間までも『魔物』に変えてしもうたらしいわい。文字通り、魔法のようにな。」

「人を魔物に?本当か?」

楽士の悲鳴ではなく青年の(つね)落ち着き払った詰問(きつもん)が返ってきたとなると、さしものイジメっ子も(きょう)が冷めたらしく、フンと鼻を鳴らしドカリと椅子に腰を下ろした。

「じゃから“伝説”じゃと言うとるじゃろうが。じゃが――――、」

「火の無いところに煙は立たない、か。」

「そういうことじゃな。……ただ、伝説だ、迷信だと言われとるが、大騒(おおさわ)ぎしとるのは外野(がいや)ばかりで(めん)を取ってみれば存外(ぞんがい)拍子抜(ひょうしぬ)けな顔をしとるっちゅうのが噂の醍醐味(だいごみ)でもあるわけよ。となれば、その『魔女』もいざ化粧(けしょう)を落としてみれば、実はただの酒場のネーチャンだったってオチもない訳じゃあないぞい。」

「……そうだといいなあ。」

楽士の表情が面白いように食い付いてくる様に商人はまたアゴ髭をガシガシと掻いてはクツクツと失笑(しっしょう)し、その顔を見て「揶揄(からか)われている」と気付いた楽士は申し訳程度に(まゆ)()()げ、(ほお)(ふく)らませていた。

 

 

その後、その地を(おとず)れた人々の、決死の「魔女狩り」が()(かえ)されることで町は無事に復興(ふっこう)し、現在のフォーレスが生まれる。

 

『ホルンの魔女』

 

その名は彼らにとって()()()()()となった。

年に一度行われる「魔女狩り(さい)」では、誰もが大きな篝火(かがりび)に向かって「魔女」と名付けられた人形を罵声を上げながら投げ込むという。

それが、フォーレスという国だった。




※節足(せっそく)
正しくは関節肢(かんせつし)。クチクラという硬い物質で覆われた足、複数の節(関節、つぎ目)が連結することで構成された足のこと。
要は昆虫の足のことです。
「節足動物」という言葉の由来になっていますが、「節足」単独での用語は正式にはありません。

※茅葺き(かやぶき)
茅(かや)は、イネ科植物のススキやチガヤの総称。葺く(ふく)とは、瓦などで屋根を覆うこと。
よく「茅葺き屋根」という言葉を耳にすると思います。それです。

※清廉(せいれん)
私利私欲がなく、心が澄んでいる様子。「清廉潔白(せいれんけっぱく)」とか言いますよね。

※オオルリ
瑠璃色の羽を持つスズメ目の鳥です。
高木の上で(ほが)らかに(さえず)る姿は妖精のように美しいと言われています。

※キメラ
()()()()()()()二つ以上の遺伝子情報を持った細胞がある状態。もしくはその個体。
臓器移植などのよそから持ってきて、ただくっつけたものとはまた別物。
(斉藤さんの細胞の中に、斉藤さんになるための情報を持った遺伝子と高橋さんになるための情報を持つ遺伝子が混じってる状態。)

※受胎告知(じゅたいこくち)
天使ガブリエルが処女マリアにキリストを身ごもったことを知らせるお告げのことです。

※土地々々(とちとち)
本来なら、「土地土地」もしくは「土地とち」と書くべきなのかもしれませんが……、何となくです(笑)

※鍬(くわ)
字面(じづら)と音だけを見て一番シックリきた農具です。なので、ここでは「くわ」と表記しましたが、厳密には「ピッチフォーク」をイメージして頂ければと思います。
ピッチフォーク(熊手)もまた農具の一つです。

ピッチフォークは、そのまんま大きな「フォーク状」の農具です。
刈り取った麦や干し草を掻き集めたり投げたりします。また古くヨーロッパでは、剣や銃など高価な武器を買うことができない一般市民の数少ない武器の一つだったそうです。

※霊峰(れいほう)
信仰の対象となるような神聖視される山。神仏などが(まつ)ってある山。

※チョンガラの召喚獣
原作をプレイされた方ならご存知かもしれませんが、「シルバーノア」の船長こと「チョンガラ」は元々手持ちのモンスターを使って戦う「召喚術師?」のようなキャラクターでした。
そこで登場する召喚獣が
ケラック、モフリー、ヘモジー、オドン、ライジン、フウジン
です。原作では上記の名前は「種族名」のような扱いになっていますが、このお話では「固有名詞」にしたいと思います。さらに彼ら以外のケラックやモフリーは今まで通り「3匹の悪戯妖精」、「白いサソリ」のような名前で呼びたいと思います。

・種族名で呼んでる姿にアークたちとの一体感を感じない。
・他の同族(特にヘモジー)と区別つけにくい。

なんかの理由が主です。初めは、それぞれに恒例のモブ臭のする名前をつけようかと思ったんですが、それだと読み手側に違和感がある気がして没にしました。
ただ、ケラックに関してだけは3匹一個体という特殊な設定なので、やむなくそれぞれに名前を付けたいと思います。
(ケラックは小さな妖精が3匹集まった状態で一つのキャラクターとして扱われているんです。)

ちなみに名付け親はもちろんチョンガラですので、雰囲気を出してアラビア語でくくってあります。(ちょっと悔しいので、それ以外も載せています。使いませんが)
ケラックA:アギフ(宝石)
ケラックB:アクラム(高貴)
ケラックC:アシュラフ(気高い)
モフリー:マフディ(導き手)
ヘモジー:サラーム(平和)
オドン:タフル(粘土)
ライジン:シャムス(太陽)
フウジン:カマル(月)

どうっすか?親近感、湧かないっしょ?(笑)
それでもカッコいいと思ってしまうのは病気なので許してくださいm(__)m

※シルバーノアを修理中の召喚獣たち
モフリーはカブトガニに白い(わら)(かさ)を被せたような子です。重量はおそらく成人男性かそれ以上はあるかと思います。
そんな子が船の上を(トゲトゲの足で)歩けば逆に傷付けるように思いますが、そこは彼最大の特徴である特殊能力「床造り」を足先に発生させることでこれを回避しています。

また、ヘモジーのことを「小人」と書いていますが、それは妖精のような小人ではなく、ドワーフ程度(身長150㎝辺り)の小人だと思ってください。


※ホルンの魔女、マザークレア(ちょいネタバレ)
原作のフォーレスMAPの「マザークレアの洞窟」という所にはマザークレアというおばあさんが住んでいます。
彼女をこの魔女伝説のヒロインにしたいと思います。

ネット上でようやく見つけた彼女の設定らしきものでは、彼女は「元々ホルン民ではない」というような記述がありました。
ですが、この話ではホルンの民にしたいと思います。

ちなみに、「村人や町の人間を魔物に変えた」という(くだり)は、原作でいうリーザのモンスターを「クラスチェンジ」する能力に被せたつもりです。

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