聖櫃に抱かれた子どもたち   作:佐伯寿和2

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悪夢たちは彼の後ろ髪を引く その三

――――エルクコワラピュール

 

男が口にした奇妙な名前に覚えなんかない。

でも、コイツは何か知ってる。『キメラ化計画』でもなく、『リーザ』のことでもなく、他でもない『(エルク)』のことを。この場の誰よりも。

コイツはいったい俺とどんな関係なんだ。俺は、コイツを知ってるのか?

「……誰だ、テメエ。」

(のど)の奥から(しぼ)()したその言葉が果たして声になっているのか分からない。男に告げられた名前(ことば)が頭の中で反芻(はんすう)し続けていて次の言葉が出ない。

「エルク、ダメ。その人は――――」

いつの間にか、リーザの側の黒服たちは撤退(てったい)していた。残っているのはホームレス野郎に真っ二つにされた死体が一つ。

「……そんなことだろうと思ったぜ。『エルク』なんて名乗ってやがるから少しは期待(きたい)したってのによ。」

「おい、お前。俺のことを知ってるのか?」

男の袖口(そでぐち)をよく見ると、その右手首からは刃渡り50㎝を(ゆう)に超える巨大な刃物が()()()()()

「5年間……。テメエにとっちゃあ、さぞ平和な5年間だったろうよ」

男はガサガサとノイズの走る通信機のような声で笑い出した。刃先が、男の右手が男の笑いに合わせてガリガリと床を()()く。

「だけど安心しな。俺は今でも仲間想いな人間だからよ。お前も俺たちと同じところに連れてってやるよ。」

 

男の声を聞いていると、こめかみを鈍器(どんき)で殴られたかのような痛みが走る。

「答えろ。テメエは何者(なにもん)だ。」

「……まったく、まだそんなところで(つまづ)いてんのかよ。(さっ)しの悪いところは少しも変わんねえな。俺だよ。ジーン様だよ。」

男はさらに笑い、俺に歩み寄る。

ガリガリ、ガリガリ

肩を震わせる(たび)に、一歩()()す度に、二つのノイズが俺の頭を掻き乱す。まとめようとする思考がグチャグチャになる。考えても、考えても前に進めない。先が見えない。

ジーン?仲間?……何も、思い出せない。

あの子を置き去りにしてなお、俺はまだあの『悪夢(もり)』の中を走り続けている。

「なあ、何とか言えよ。エルク。」

肉迫(にくはく)する不安。闇夜の中で不鮮明だった男の顔が少しずつ形になっていく。

「久しぶりに二人で遊ぼうじゃねえか。なあ、エルクよぉ。」

(はだ)は水死体のように真っ白だった。(ほお)()け、鼻は(いびつ)に曲がっている。そして、ハンチングでできた影だと思っていたそれは、落ち(くぼ)んだ眼孔(がんこう)だった。()()しになった目玉が魚のようにギョロギョロと生々しく動いている。

「おいおい、俺一人に(しゃべ)らすんじゃねえよ。」

そんなもの、見慣れているはずだった。今までに、()()()は飽きる程見てきたはずだった。

それなのに、俺の知らない過去を知っているというだけで。俺の知らない名前を知っているというだけで。(きた)え上げた感覚が(なぶ)られていく。露出(ろしゅつ)した『俺』が、凡庸(ぼんよう)な恐怖に(おび)えている。

「……なあ知ってるか、エルク。孤独ってのは不死身の怪物なんだぜ?」

男の言葉に割り込む言葉が見つからない。突然、ライトを当てられた猫のように、ただただ男の挙動(きょどう)を見守ることしかできない。

すると不意に、部屋の中の小物がひとりでに動き始めた。

「……ああ、エルクよ。なんだか無性(むしょう)(バラ)したい気分になってきたぜ。」

 

鈍色(にびいろ)の三日月のように、男は右腕に仕込まれた刃物を(かかげ)げる。多くのものと引き換えに手に入れた、逃れられない『怨念(ちから)』が鈍い光を放っていた。

「エルク、()っちまっていいのか?俺一人で遊んじまうぜ?」

何か仕掛けてくる。そう思った瞬間、俺の(わき)を一つの影が駆け抜けた。

「グオッ!」

狼が、ホームレスに体当たりをして窓の外に放り出していた。完全に(きょ)を突かれた男は無抵抗なまま落ちていく。

……終わったのか?

ここは3階だ。頭から落ちればいくら化け物でも命はない。窓の下を(のぞ)くが、暗くて下の様子は(つか)めない。それでも……、再び上ってくる気配はない。死体がそこにあるような雰囲気もない。

 

まだ、何も聞き出しちゃいない。でも、あれ以上対峙(たいじ)していられる自信もなかった。

唐突に現れ、何も分からないまま去っていった俺の過去。

俺は自分でも理解できない溜め息を()いていた。

俺はしばらく、無言のまま闇の広がる地上を見詰(みつ)めていた。そんな俺の背中を彼女は不安げな目で見詰めていた。

 

 

どれだけそうしていたか分からない。ただ、ここでこうしていればまた、俺の過去を誰かが教えに来るような気がして、そこから動けないでいた。

もしも本当に誰かが現れたとして、俺にはそれを聞き出す勇気なんてありはしないのに。

「エルク……」

今の俺は、彼女の呼び掛けにも臆病(おくびょう)になっている。何が悪いのか分からない。誰が悪いのか分からない。それでも、俺は俺という人間が信じられなくなっていた。ホームレスの、ほんの一言、二言のせいで。

 

そのまま()りつかれたかのように窓辺に張り付いていると、部屋にノックが響いた。

おそらく騒ぎを聞き付けた近隣住人だろう。そう思い振り返ると、そこには壊れた扉にもたれ掛かる長身の女がいた。

「……おいおい、テメエ。よくもいけしゃあしゃあと俺たちの前に顔が出せたもんだな。」

ラピスラズリのように青い短髪。()()()()()()()。そして、あの無駄に余裕のある()居振(いふ)()い。

たちまち、さっきの連中で消化することのできなかった闘争心が再燃し始めた。

「まったく……、アンタは相変わらずツマラナイ挨拶(あいさつ)しかできない男だね。」

「テメエ相手におべっか使う必要があるかよ。」

すると女は、一切(いっさい)物怖(ものお)じもせず(いか)れる狼に近付くと、その鼻先に一枚の紙切れを置いた。まかり間違って狼が機嫌を(そこ)ねれば食い殺されてもオカシクないというのに。それでも青い歌姫の微笑(ほほえ)みは崩れない。

もはや、気が触れているとしか言いようがない。

 

「明日の正午までに、この店に来な。アタシが案内してやるよ。」

「案内?どこにだ。」

「ガルアーノの(とこ)にだよ。」

「……えらく堂々と宣言したもんだな。それも命令の内か?」

実際、俺たちは目星こそつけていたが、100%の確証は持てないでいた。新聞屋の言う通り、それは俺なんかには到底(とうてい)(つか)めないものだと思っていた。それをこうもアッサリと……。

いいや、これもブラフだって可能性がないわけじゃない。俺たちを混乱させるには打ってつけのネタだ。利用しない手はない。

そんな俺の深読みを、女は面倒臭(めんどくさ)そうにあしらった。

鬱陶(うっとう)しいからさ、いちいち突っ込まないで欲しいんだよね。黙ってついて来ればいいのさ。それが嫌なら一生無人島にでもなんでも暮らしてりゃいいんだよ。」

目障(めざわ)りだと言わんばかりに眉根(まゆね)を寄せ、(つば)()いた。

 

「それとお嬢ちゃん。」

そんな女がリーザに向き直ると、打って変わって不敵な笑みを浮かべ、幾分低い声色で丹念(たんねん)に話し始めた。

「この間は世話になったね。あの後、よくよくアンタの言葉を思い返してみたよ。」

それは、この女にとって本命の用件であるかのような重みのある……、ともすれば温かみさえ感じさせる声だった。

「アタシは他人の()(あし)をとるのが得意でも、自分のことに関しちゃ少し大雑把(おおざっぱ)過ぎたのかもしれないね。すごく参考になったよ。」

「私も、シャンテさんの言う通りだった。自分がどんな『化け物』なのか、分かろうとしてなかった。」

「……お互い様ってことだ。」

女が歩み寄ろうとする一方で、彼女は自分でも抑えられない『化け物』の自分を否定し、他人を(こば)んでいた。

「……もしかしたら、アンタとならもっと良い関係になれたかもしれないのに。だってのに、本当に、世の中ってのは無慈悲(むじひ)だよ。」

女はしばらく間、(うつむ)くリーザの顔を見詰めた後、それ以上言葉を()わすこともなく俺たちの前から姿を消した。

 

 

女が立ち去ってしばらくの後、別の来客があった。

「エルク、キサマだったのか。てっきりシュウだと思っていたがな。」

リゼッティ・ローエン。インディゴスギルドの番人でもあるバスコフと並んでこの町の顔を張る警部だ。誰が相手でも物怖じしないその(いか)つい顔はまさにドッコイドッコイだとは思う。

「こんな時間までご苦労なことだな。」

どうやらこの惨状(さんじょう)を見て「関わるべきじゃない」と踏んだどっかの誰かが通報したらしい。この町の連中にとって、こういう抗争(こと)への対処(たいしょ)は日常生活の一部になっていた。

「問題を起こすのはキサマらの勝手だが、自分のケツを最後まで()けるくらい成長してからにして欲しいもんだな。」

「アンタらがいつまでもタラタラやってるからそういう面倒事がコッチに回ってくんだよ。人の揚げ足を取る(ひま)があったら犯人の一人でも捕まえてこいよ。」

賞金稼ぎは言ってみれば民営組織で、しかも大抵(たいてい)が警察よりも高額な報酬(ほうしゅう)を元に動いている。敵対とまではいかないが、自分の縄張りを荒らす競合(きょうごう)相手という意味では犬猿(けんえん)(なか)と言える。

だから、付き合いが長いほど憎まれ口を叩き合う仲になってしまうのは自然な()()きなのだ。

「まったくだな。こうやって足を引っ張ってくれるどっかのクソガキさえいなきゃ、こっちの捜査(そうさ)はもっとノンビリできるってもんだ。なあ、坊主もそう思わねえか?」

こうやって軽口を叩いている間にもリゼッティの部下は室内の調査を進めているし、シュウいわく、一見無駄に思えるこの()()りにもリゼッティなりの情報を掻き集める手練手管(てれんてくだ)が隠れているらしい。

 

「なあ、俺も切羽(せっぱ)(つま)ってるんだ。今回はこのまま帰ってくれねえか?」

このままいけば事情聴取(じじょうちょうしゅ)のために連行され、明日解放されるかどうかも怪しい。

だがそもそも、俺は頼む相手を間違えていた。

「俺の言葉が聞こえなかったのか?それとも、それが理解できないほどオツムが小せえのか?」

するとリゼッティまでもが、あの女のように俺をバカにした目で見始めた。

「『俺たちの足を引っ張ってくれるな』、この意味が分かるかな。坊ちゃん。」

「この事件(ヤマ)はアンタらじゃ手も足もでねえよ。逆に俺の邪魔をしてるって言ってんだよ。」

「ハハッ、目上に対する口の()(かた)も知らねえクソガキが一端(いっぱし)のことを言いやがる。」

「『目上』かどうかは俺が決めることだ。分かったらとっとと消えな。」

「……キサマにあのお嬢ちゃんが護れんのか?」

実りのない遣り取りが延々(えんえん)と続くかと思われた最中(さなか)、厳つい顔にさらにたくさんの(しわ)が寄っていた。

「どうなんだ、小僧?」

この男はすでにこの騒動(そうどう)根幹(こんかん)を見抜いている。『金髪の羊』が『狼』を引き寄せたということに。

 

リゼッティは流行(りゅうこう)を好まない。流行(はや)りの手口が横行(おうこう)し始めると、やりかけの仕事を放り出して犯人を(つぶ)そうとする。そんな人間だからこそ、多種多様な犯罪にも目端(めはし)が利く。だからこそ、「疑わしきもの」は見逃さない。

「よく考えろよ。今は俺を泳がせといた方が便利だと思わねえのか?」

「思わねえな。ガキはいつだって大人に迷惑をかけるもんだ。」

「……あんまり執拗(しつけ)ぇと力尽(ちからづ)くになるぜ。それでもイイのか?」

「俺がそれを許すとでも思ってんのか?」

「当然だろ?それに、アンタが消えてくれればインディゴス(ここ)の住み心地も良くなりそうだ。」

(なか)ば本気でその言葉を吐いた。それくらいの覚悟がなきゃコイツには通用しない。けれどもそう思っていたのは俺だけで、このオッサンにとってはそんな言葉を吐くこと自体が()()()()()らしい。もはや「交渉」ですらないと笑い出した。

一変、その皺一本、一本に鬼が宿(やど)っているかのような威圧感が立ち込めた。

「俺が死ねば?バカ言ってんじゃねえ。この性格が俺やこの場にいる奴らだけで出来上がってると思ってんじゃねえぞ。俺たちはどんな目に()っても犯人(キサマ)らを追い込む。キサマらが、天に向かって()らしながら地面に頭を(こす)りつけるまでな。インディゴスの、ここで育った警察(ポリ)ってのはそういう人間の集まりだ。」

逆に俺は気色(けしき)ばむリゼッティに気圧(けお)され、口を(つぐ)んでしまった。

 

「刑事さん。」

俺のリタイアを見届けた彼女は、そう言ってリゼッティに近付いた。

「お嬢ちゃんも、エルクの(そば)にいるってことはそんな(なり)してカタギじゃないんだろ?」

流石(さすが)と言うか。彼女の素性(すじょう)なんか何も知らないはずなのに、リゼッティは一見して無害にしか見えない彼女を警戒していた。

「刑事さん、私たち、本当に困ってるんです。」

リーザは不自然に刑事に詰め寄った。

「……変な気は起こすなよ。ギルドの関係者だからこそ優しくしちゃいるが、邪魔すればそれがキリスト様じゃない限り誰だって変わりゃあしねえんだ。」

リゼッティは近付く彼女を手で(せい)し、容赦(ようしゃ)のない警告を発した。本能的に彼女の実力を見抜いているのかもしれない。その態度は俺と対峙(たいじ)している時よりも慎重に見えた。

「……アナタがそんな人だから、アナタはあの人たちを助けられなかったんだわ。」

「……何の話だ。」

「アルウェンも、ホープも、本当にアナタの助けを必要としてた。それなのに、アナタはエルクの力にばかり気を取られてるから。だから彼女たちのサインを見逃しちゃったのよ。」

「……」

「よく話を聞いてさえいれば、二人を助けられたかもしれないのに。」

リーザは俺たちの過去を『覗いていた』。俺たちの大きな接点であり、俺たちの大き過ぎるミスを。

「それは、エルクから聞いたのか?」

「……いいえ。」

リゼッティはすでに彼女の『()()()()()』に気付き始めていた。眉間(みけん)に皺をつくりながらも、彼女の話に耳を(かたむ)けていた。

「……俺はただ、犯罪の種になりそうなヤツからは目を離さねえ。油断しねえ。そう思っていただけだった。それが裏目に出たんだ。」

驚いたことに、俺にはそれが「懺悔(ざんげ)」に聞こえた。

男は彼女の瞳を真っ直ぐに見据(みす)え、彼女の『力』を認めようとしていた。

 

「……お嬢ちゃんの連れは、金さえ積まれれば下水掃除でもしちまうようなクソ野郎だ。プライドやポリシーなんざ持ち合わせちゃあいねえ。」

「コノヤロウ……」

昔の話だ。それに、俺だって好き好んで下水掃除なんかしてた訳じゃない。生き残るためだったんだ。あんな事件の後だったから余計に、俺は仕事を選べなかっただけなんだ。それを……、

「それでもコイツを信用するってのか?」

「……私はエルクしか信じていません。」

「……そうかい。」

リゼッティは手をヒラヒラと振り、部下を撤退(てったい)させ始めた。そうして部屋を後にする直前、男は彼女のために最後の忠告(アドバイス)を置いていく。

「俺は弱いヤツしか信用しねえ。お嬢ちゃんも覚えておいてくれよ。」

一人、二人……、そうして俺たちだけが残された部屋は(みょう)に静まり返っていた。

 

全員が引き揚げ、俺たちだけになったと分かると、何処(どこ)からともなくパンディットが帰ってきた。それでも部屋の中の静けさは変わらない。

「エルク……、ごめんね。」

「何が?」

「あんな話、するつもりじゃなかった。でも……、」

「本当のことだし、それであの堅物(かたぶつ)を追っ払えたんだ。リーザには感謝してるよ。」

それよりも気になることは他にあった。リーザが俺たちの過去を『語った』ってことは――――、

「ううん、別に『力』が強くなったわけじゃないと思うの。ただ、エルクと話してる時、あの人はずっとそのことを気にしてたみたいだったから。」

「アイツが?」

確かに、ああ見えて正義感の強いヤツだってことは知っていたけれど、それをどうしてあの時に思い出していたのかが分からない。するとリーザは、そんな(とぼ)けた顔をした俺が気に入らなかったらしく、少し(まゆ)()()げながら言った。

勘違(かんちが)いしてるみたいだけど、あの人もアレでエルクのことは信じてるのよ。」

「……ああ、分かったよ。」

そう言われて初めて、俺も心のどこかであのオッサンを信頼していたように思えた。

「……悪かったよ。」

彼女の一言はいつだって鮮烈(せんれつ)だ。

俺は彼女の言葉に当てられて、他にも俺の周りにそんな連中がいるのかどうかが気になり、その夜はあまり眠ることができなかった。




※ラピスラズリ
方ソーダ石という鉱物の種類の鉱物、青金石(ラズライト)を主成分としており、同じく方ソーダ石の藍方石、黝方石などを含んだ半貴石。
半貴石は「宝石」と称される鉱物の中で、総合的に価値の低いモノを指します。(硬度や希少性など)
ちなみに、和名は瑠璃(るり)もしくは天藍石(てんらんせき)と言います。

※リゼッティ・ローエン警部
「ローエン」は勝手に付けましたが、リゼッティ警部はゲームのメインストーリーにも出てくるちゃんとしたキャラクターです。渋カッコいいのに出番に恵まれない可哀そうな人です。
バスコフは前々回の話でチラッと出てきたインディゴスギルドの受付をするおじいちゃんのことです。

※競合(きょうごう)
競り合うこと。競争すること。

※手練手管(てれんてくだ)
人を思いのままに操り騙す方法や技術。
語源は、遊女が客をあの手この手で引き込むために用いた手段とも言われていますが、諸説あるみたいですし僕としてもしっくりくるものがありませんでした。

ちなみに、手練れ(てだれ)の武芸者が管槍(くだやり)という槍を用いて戦う姿だとか。同じく武芸者が見せる変幻自在な戦法を、まるで手の中に管狐(くだぎつね)を飼っているようだと語った語源もあったりなかったり。
管狐=筒の中に潜む小さなキツネ。様々な神通力を使うことができるキツネ。お稲荷さんや妖狐とは別。イタコ……、に近いのかな。

※「天に向かって()らしながら地面に頭を(こす)りつけるまでな」
カッコいいセリフじゃん。とか自画自賛ながら、「天に向かって」「地面に頭を」……なんのこっちゃ(笑)

※警部と刑事
ふと気になって調べてみました。

警部=警察官という部隊組織における階級の一つ。
刑事=生活安全課や公安部組織犯罪対策課に属する捜査活動をする警察職員(捜査課)のこと。制服(いわゆる警察官コスチューム)の場合もありますが、私服(基本スーツ)での勤務が多いみたいです。

なので、場合によっては警部を「刑事」と呼んでも間違いではないみたいです。リーザがその辺を理解して言っているかというと、そうではありませんが(笑)

※キリスト様
ゴメンナサイ。前にも書いたかもしれませんが、ゲーム中での一般的な宗教が確認できないので分かりやすいように現実にある宗教を拝借させてもらっていました。一応、今のところこの方だけにお世話になろうと思っています。

※アルウェンとホープ
ゲーム中に出てくるギルドのお仕事の一つ「モンスターを殺してください」に出てくるキャラクターです。原作では依頼場所がプロディアスなのでリゼッティとは全く接点がありませんが、今回のシチュエーションを活かすためにも彼女たちにはインディゴスに引っ越してもらい、そして仕事は「失敗」という形にさせてもらいました。

簡単に紹介しますと、
ある時、アルウェンはキメラ研究所から逃げ出した女の人(ホープ)を拾います。ホープはまだ完全にキメラ化してはおらず、二人で平和な時を過ごしていましたが、徐々にキメラ化は進行していき、遂には恩人であるアルウェンまでも襲うようになるのです。
自分では現状を解決できないと判断した彼女は、自我を保っていられる内に「()()()()()()()()()()()()()」という依頼をギルドにするのでした。
成功例→ヤゴス島のヴィルマーから特効薬を受け取り、アルウェンを手に掛けてしまう前に二人を救い出します。
失敗例→特効薬を届ける前にホープがキメラ化してしまい、アルウェンを殺してしまう。その後、彼女が助かるか、警察の手で射殺されるかでまた分岐します。

本作で過去にエルクが仕事で大きなミスをしてしまうという話を書きましたが、それがこの事件だということにしようと思います。

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