聖櫃に抱かれた子どもたち   作:佐伯寿和2

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孤島に眠る従者 その九

――――ハカセッ、ハカセッ!!

 

上の階から子どもの叫ぶ声が聞こえてきた。

 

――――ハカセッ、ハカセッ!!

 

声の主はこちらが返事をするのも待たず、家の中をバタバタと走り回っているらしい。

「どうしたんだ?」

オザルが怪訝(けげん)な顔で対応に向かう背後で、白髪の「ハカセ」は作業の手を止め、鋭い目付きで声のする方を(にら)んでいる。それはまるで、薄暗い塹壕(ざんごう)の中から旋回(せんかい)する爆撃機にギラギラと(みが)いた敵意の視線を送る軍人のようだった。

「嫌な予感」、それが男の目からありありと(うかが)えた。

「どこ?ハカセッ、ハカセッ!!リアが、リアがっ!!」

 

その、たった一言が合図となり、老兵は唯一残された安全地帯をかなぐり捨てて自ら死地へと飛び込むのだ。

 

俺を置き去りにし、転げんばかりの勢いで階段を駆け上がる。

「どうしたっ、リアが、どうしたっ!!?」

生き急ぐ背中を追いかけ、ようやく上の階へと着いた時、我を忘れた老兵は小さな子どもの肩を乱暴に(つか)み、容赦(ようしゃ)なく()さぶっていた。

「ハ、ハカセ、落ち着いて。それじゃあカロク、(しゃべ)れない。」

大男が狂った老兵をどうにか「カロク」から()()がすと「エルク、ハカセ、お願いします」と俺に預け、(おび)え泣き出した「カロク」を(なだ)めることに(つと)め始めた。

「悪かった。ハカセ、少し驚いてしまっただけ。でも、もう大丈夫。……だから教えて。リア嬢がどうした?」

 

(かろ)うじて理性を取り戻したオッサンは俺の腕の中で大人しくしつつも、脈は速く、火傷(やけど)しそうなくらいに全身に熱を持ち始めていた。

 

「リア、遺跡(いせき)行こうって言った。だから近くまで行った。でも、遺跡着く前に『歩く木』にリア、連れて行かれた。」

「遺跡だと!?あれだけ近付くなと言っておいただろうがっ!!」

「だから、落ち着けって。こんなとこで怒鳴(どな)ったって何もイイことないだろ。」

すると急に、項垂(うなだ)れたようにオッサンの頭が沈んだかと思うと、そのままの勢いで俺の顔目掛けて頭突きを()()してきた。

「ウワッップ!!」

全くの意表を突かれ、(たま)らずオッサンを放してしまう。

「黙れクソガキ!あれは、ワシの孫だぞ!!」

腕っぷしでは俺の足元にも及ばない。しかし、その男の瞳に宿ったモノは、容易(たやす)く俺の喉元を食い千切(ちぎ)った。

瞬間、俺の目には巨人が映っていた。山のように大きな背中。握りしめた拳は熊の(ごと)猛々(たけだけ)しい。駆け出したその一歩一歩は一切合切を蹴散(けち)らす嵐のように荒々しい。

 

その狂気()みた取り乱し方は、死の窮地(きゅうち)で気が触れてしまった同僚(どうりょう)たちに似ていた。だからこそ、そんな連中への対処(たいしょ)も俺は十分に心得(こころえ)ていた。

「!?キ……キサ、マ……」

俺の腕の中に、老兵の体と同じだけの一途(いちず)な想いが()()かる。

「エルク、なにする!?」

老兵の首に腕を回した俺の行動を誤解したらしく、大男は目を()いて叫ぶ。

「心配すんな。気絶させただけだって。こんな頭に血が(のぼ)ってちゃ何するか分かんねえだろ?それよりオザル、縄。俺が戻ってくるまで(ほど)くんじゃねえぞ。」

狼狽(うろた)えながらも、大男は従順に言われたものを用意している。

「エ、エルクはどこ行く?」

一先(ひとま)ずは遺跡だな。それでダメだった時……いいや、リアは必ず連れて帰ってくるからよ。……心配すんなって。お前はオッサンを説得することだけ考えててくれよ。」

大男から縄を受け取り、オッサンの両手両足を手際(てぎわ)よく縛り上げると、まだべそをかいている子どもを落ち着かせ、改めて(たず)ねる。

「リアは、その化け物に食べられちゃいないんだな?」

聞かれた子どもは小さく、小さく頭を縦に振る。

「そんで、ソイツはリアを連れて遺跡の方に行っちまったんだな?」

「……うん。」

目を()せ、蚊の鳴くような声で答える少年は、自分に力がないこと。大事な友だちを助けられなかった自分が「悪人」であると痛感しているように見えた。

少年を見ていると、所構(ところかま)わず()(まと)う『頭痛』がこの好機に容赦なく俺を(おそ)った。

 

けれども俺はその『痛み』に()えなきゃならなかった。せめて、この少年の前でだけは。

「お前はまだ子どもだしよ……、しょうがねえさ。」

少年の頭をソッと()で、俺は力一杯に笑う。

「そうならなきゃいけねえことを、今日知ったんだ。だから……、強くなれよ。まだ、十分間に合うからよ。」

(しわ)くちゃの顔が、俺の『頭痛』を振り落すように何度も、何度も(うなず)いた。

 

 

 

 

「……なんとか行けそうだな。」

オッサンと少年をオザルに預け、俺は一人、自分の記憶と五感(しょうばいどうぐ)を頼りに遺跡へと一直線に向かった。

「9割方、助けられる」俺にはその自信があった。忘れがちなとっておきの切り札を思い出したからだ。ひょっとすると、俺が一番無駄な動きをしているのかもしれない。

アイツはそれだけ気の()く奴なんだ。

それにしても――――、

「歩く木か……。」

妖樹(エント)(たぐい)か?確かにこれだけ緑の濃い場所だ。野生のヤツがいてもオカシクない。

でも、混乱した子どもは周りのものが色んなものに()けて見えるもんだ。木のように大きな熊ってことだってあり得る。そうなると、遺跡に行ったって意味なんかない……。

とにかく、切り札から俺にアプローチがあるまではその周辺を(さが)しておいた方が良いだろう。

 

だが、さらに五感を高め、気を()()めたところで、あっさりと出鼻を(くじ)かれることになってしまう。

「……やっぱり、そうなってたよな。」

「エルクッ!!」

事の終着点で俺を出迎えたのは大きな木の化け物でも、獰猛(どうもう)な熊でもない。

「何かに追われてたりはしないんだよな?」

森の奥から現れたのは金髪の野鹿と、気を失っているらしい少女を背中に乗せた狼だった。

「うん。でも、リアちゃんは早く安静(あんせい)にできる場所に連れて行かないと体、壊しちゃうかもしれないわ。」

「ヤバいのか?」

彼女は首を横に振ったが、その顔から不安の色は消えなかった。

「詳しくは専門の人に()てもらわなきゃ分からないけれど、だいぶ疲れていると思うの。」

脈も息も正常。やや熱があり、所々に()(きず)打撲(だぼく)もあるが、命に(かか)わるようなケガは見当たらない。『何か』に(おか)されている様子もない。パッと見た感じでは、遊び疲れて眠りこけているだけのようにも見える。

「そうだな。()()えずはベッドと水だな。オッサンも安心させてやらねえと、いつ暴発(ぼうはつ)するか分かんねえしな。」

「ヴィルマーさん、大丈夫?」

「いいや、ありゃあ完全にキてたな。あのまま放ってたら間違いなく(かえ)()ちに()っておっ()んじまってたろうよ。」

「そう。」

……気絶している少女に慈愛(じあい)の目を向ける彼女の姿はまるで、そうすることで隅々(すみずみ)まで洗い流す「奇跡の光」そのもののように見えた。

 

「そういや結局、リアを(さら)ったのは何だったんだ?」

スクスクと伸びた森の枝葉が顔を叩き、我に返った俺は誤魔化(ごまか)すようにそう言った。

「……死体だった。」

「死体?ゾンビか?」

予想はしていたがまた、あの子どもが言ってた話と随分(ずいぶん)と食い違ってんだな。

「ううん。もっと、『理由』がないと動いていられない人形みたいなもの。」

人形?「泥人形(ゴーレム)」や「動く(よろい)」ってことか?

「いまいちピンとこねえな。見た目、どんな感じだったんだ?」

「見たこともない文字が書かれた布で全身をグルグルに巻かれてた。」

「全身を布で巻かれた死体」、決定的だな。間違いなく「墓守(マミィ)」だ。……だが、なんだかミスキャストじゃねえか?

アイツらは与えられた『命令』でしか動けない。その上、ドクロやゾンビみたく命がねえから跡形もなく吹き飛ばすか、奴らをこの世に縛ってる『何か』を利用するしか基本的な対処法がねえ。

確かに、遺跡や(とりで)の番人にはうってつけだろうが、この島の湿気はアイツらにとって不都合の方が大きいはず。

アイツらは完全に乾燥(かんそう)した動物の死体が素体(そたい)になっているからだ。湿気は奴らを(くさ)らせ、身体を維持(いじ)できなくなってしまうはずだ。

「だから、村を襲っているのじゃない?」

……そういうことか。アイツらは本来、半永久に存在していられる。外部からの力が働かない限り、世代交代や補充は必要ないはずなんだ。しかし、この熱帯気候のせいで「腐敗(ふはい)」という条件を()せられ、新たな門番を「製造」する必要性が生まれてしまった。

……だったら、初めからドクロや泥人形にしておけば良かったんじゃないか?

わざわざ墓守を選んだ理由は?ドクロや泥人形になくて、墓守にある利点は?……「呪い」…か?

奴らの(まと)い、発する「呪い」の類は親類縁者(しんるいえんじゃ)に効果的だと聞いたことがある。そして、そういう目的で設計されたものだからドクロや泥人形のそれよりも(はる)かに強力だ。

 

あの晩、人間を選んで眠らせたんじゃない。過剰(かじょう)に反応してしまったのが「血縁(けつえん)」だったんだ。それに、「呪い」の効果は何も「眠り」に限ったものじゃない。「催眠(さいみん)」や「記憶障害」だってある。

村人たちは遺跡に関する知識や関心があんなに薄いのはそのせいなのかもしれない。

反対に、それを怪しんだ余所者(よそもの)のオッサンや鍛冶屋(かじや)連中は遺跡に目を付けたんだ。

どうしたって人目を引いてしまう遺跡に必要だったのは防衛力(ぼうえいりょく)じゃなく、その存在を知られないことだった……のか?

いいや。だったら、村を全滅させてしまった方が断然、手っ取り早い。それなのに、そうしなかったのは?

村人が必要だからだ。……誰にとって?

ここは不可侵領域だ。どこの国も介入(かいにゅう)はできない。……本当か?

実際に、俺たちを撃墜(げきつい)した何処(どこ)かの空軍らしき連中はこの空域に入ると――――別の理由があったのかもしれないが――――、俺たちの遺体確認もせずに引き返していった。

だが、オッサンと鍛冶屋がこの島にいる時点でやはり「不可侵」は守られていないと考えた方がいい。

となると今、遺跡の黒幕を(しぼ)るのは難しい。

……それなら、村人を必要とする理由は?

それはおそらく墓守の製造云々(うんぬん)よりも、遺跡の中身に関係しているはずだ。「()(にえ)」を必要とする何か。有事(ゆうじ)の際の「労働力」。

……もしくは、「木を隠すのなら森の中」……ってとこか?

そうなるとまた、余所者組が一気に怪しくなってくる。そもそも、外の世界と関わりのない村の人間が俺たちの言葉を日常的に使ってること自体がオカシなことなんだ。……アイツら、本当に()()()()()()()()()

「エルク、ヴィルマーさんたちは違うわ。村の人たちも、エルクが思ってるような()()ちを持ってはいないはずよ。」

墓守を相手にしたことが彼女の気分を悪くさせたのか。しばらくダンマリを決めていた彼女が不意に、俺の考え事に割り込んできた。

「……そうか。」

昨晩、彼女の『力』を当てにしないと言った手前、それ以上突っ込むことができなかった。だが、彼女がそう言い切るのなら間違っていないんだろう。

今、オッサンに直接聞く訳にもいかねえしな……。

俺の疑問は中途で行き(づま)ってしまった。

 

「そういやパンディットは大丈夫か?呪いとかもらってねえのか?」

造られた墓守たちは()わば、そのものが「呪いの道具」だ。自発的なものだけじゃなく、対象に壊されることで付与(ふよ)させる「呪い」なんて厄介(やっかい)なものだって仕掛けられる。

当然、墓守を倒したのはパンディットなのだろうし、だとしたら「噛み付き」、「体当たり」なんかで相手に接触しているはずだ。その時に「呪い」をもらっていてもオカシクない。

「大丈夫みたい。あの人自身はだいぶ腐ってたみたいだけど、身体に毒は持ってなかったみたい。」

確かに今はリアにも狼にも変調は見られないが、油断はできない。遅行性(ちこうせい)の場合、潜伏(せんぷく)期間がどれだけあるのか俺たちには判断がつかない。

だからと言って黒幕が分かってない現時点で、この島に呪術に()けた人間が他にいるとも思えない。()いて可能性を()げるのなら、遺跡に興味津々な余所者組だろう。

「それでも念のために後で体を洗わせた方がいいな。」

それでどうにかなるモノかどうかも分からないが、肉片(にくへん)付着(ふちゃく)しているかもしれない状態が良いはずがない。これはせめてもの対処法だ。

「うん、そうする。」

ところが気が付けば俺は、不用意にもパンディットの頭を()でていた。

どうやら頭で考えている理屈(りくつ)よりも、この狼のナイスな仕事っぷりを()めたい気持ちの方が(まさ)っていたらしい。

……オッサンのあんな顔を見た後だから、ついスイッチが入っちまったのかもしれない。

 

ふと、パンディットを撫でていて幾つか思い出したことがあった。

「もう一つ聞くけどよ。どうやって墓守に(とど)めを刺したんだ?」

おそらくリアをオッサンに返した後、再び向かうであろう遺跡には当然、墓守が何体もいるに決まっているのだから。今の内に弱点を知っておくことに()したことはない。

すると彼女は、出会ったばかりの頃のように伏し目がちになり、答えを(しぶ)った。

「言いにくいことか?」

「……分からない。自分でも、少し怖いの。」

どうやら、最後の一撃は狼じゃなく彼女が(くだ)したらしい。

「その『力』が?」

「うん。……なんだか、この島に来て急に育ってる気がするの。」

『力』の成長。その性質によっては、『力』の(およ)ぶ範囲が広がったり、全く新しい『(モノ)』に変化したりすることがある。

俺にもそんな時期があった。けど、俺の場合は主に火力が上がったことと、()()()()()()()()()()()()()()()くらいのことだ。

だが彼女の場合、その範疇(はんちゅう)を超えているらしい。

何が切っ掛けで彼女にそれが(おとず)れたのか。確かなことは分からないが、もしかするとあの「墜落」の衝撃が一つの引き金になってしまったのかもしれない。

 

「安心しろよ。俺たちはこれ以上関係が悪くなることないって。」

それは昨晩から今日にかけて俺が彼女から学んだことでもあった。

俺たちは(たが)いにおっかなびっくり()かれ合ってる。怖くなって距離を取りたくなってしまうことだってある。でも、二人が完全に「無関係」なることを根本では嫌がってる。

俺は彼女と一緒にいたい。でも、彼女に触れること、触れられることにいちいち困惑(こんわく)してしまう。……それでもやっぱり、一緒にいたいんだ。

その気持ちだけは共通してる。今朝の彼女の笑顔で俺はそう確信した。

 

「独りで抱え込んでるから余計に(こえ)えんだよ。逃げ場がねえから。だからさ、無意識に俺の心を読んでる時みたく何も考えずに言ってみろよ。本当に嫌だったら、聞いてる振りだけでもしてやるからよ。」

だから今更(いまさら)、彼女がどんな化け物染みた『力』を身に付けたとしても、俺が、彼女が見えなくなるような場所に行ったりする訳がないんだ。

どんなに恐ろしくたって。どんなに傷だらけになっても。絶対に――――、

「……フフフ」

彼女は失笑するばかりで何も言わない。(うつむ)いたまま、肩を震わせてクスクスと笑い続けている。

「なんだよ。何か言えよ。」

そうして持ち上げた彼女の顔を見て、俺は思わずギョッとしてしまった。

「クツクツクツ……、ゴメンね。ちょっと……、色々、嬉しくて……言葉が、出ないの。」

 

泣いていたんだ。

今朝見たあの顔を浮かべながら、泣いていたんだ。

「エルクは……、本当に素敵(すてき)な人だわ。」

鼻をすすりながら口にした言葉はまるで、遺言(ゆいごん)のように、彼女の生涯(しょうがい)を語る言葉のように聞こえた。

そう聞こえてしまったからか、俺は彼女を失った喪失感(そうしつかん)と少しでも彼女を満たすことができた幸福感で思わず目頭(めがしら)を熱くさせてしまった。

滅多(めった)なこと言うなよ。今の俺はマヌケなだけだぜ。故郷(くに)に帰るだけのことだってできやしない。リアのことだって、ただ走り回っただけ。……ホント、とんだマヌケ野郎だぜ。」

目尻を(ぬぐ)う彼女の手を引き、俺たちは先を行く狼の後を追った。

 

完全に墓守のことを聞くタイミングを失ってしまった。彼女を気遣っているってのもあるが、何より俺自身、今の空気を壊したくなくなってしまったんだ。

彼女の手を引き、ただ一緒にポツポツと歩いている。それだけのことが、どうしても(たま)らなく(いと)おしいんだ。

こんな所をあの即物的でデリカシーのない大家(おおや)が見たら「ダラシねえ」と笑うだろう。世俗(せぞく)に無関心な親友が見たら「優先すべきことを見失うな」と()()くだろう。

俺は義理堅(ぎりがた)い人間だから、それがどんな意味で掛けられたものでも恩人たちの言葉に(なら)うだろう。

だから今、彼らがここにいないことを心から喜ぶ不義理な自分に、自分でも戸惑(とまど)っていた。

「……後で、ちゃんと、聞くからな。」

「……うん。」

それが精一杯だった。それ以上、この場には何も、必要なかった。




※エント
映画で一躍有名になりました「指輪物語」の作者、J・R・R・トールキンが創り出した架空の生物。
木のような性質を持った巨人。皮膚は樹皮のようで、体毛は枝葉や苔のよう。さらに手足は木の根のようにがっしりとした怪力の持ち主。
「木の牧人」とも呼ばれ、高い知能を持っており、樹木たちの守護者のような役割を担っている。
普段は温厚で、思慮深い性格をしているが、一度怒りに燃えると破壊の限りを尽くすという。

アークのゲーム本編でいう「マンイーター」や「ポイズンオーク」などの植物系モンスターを指しているつもりです。

※ゴーレム(泥人形)
言わずと知れた魔法人形。魔法使いの手で作られた泥、もしくは岩の人形というのが現代ファンタジーの一般的な認識ですが、もともとはラビ(律法学者=旧約聖書を専門に読み、人々に説く人のこと)が土をこねて作った人形に呪文を込めた札(真理と書いたもの)を額に貼ることで動き出す人形のことだったのだとか。(……キョンシーみたい)
一説では最初の人間、アダムとイヴのアダムもゴーレムなんだって。……てことは、私たちも半分はゴーレム?(笑)
ちなみに、ゴーレムはヘブライ語で「真理」と書いた札の一文字を消すことで「死んだ」という意味に変わり、壊れる……てのも皆知ってるかな(^_^;)

※動く鎧
ゲーム本編でいう「リビングアーマー」のことです。
鎧そのものが動き回り、危害を加えるモンスターです。なんでも生前の騎士の無念が動かしているんだとか。

※マミィ
調べていると「ミイラとマミィの違いって何?」というタグが多くありました。……なるほど。そういやそうだ。
結果だけ言うと、「どっちも一緒」なんだとか(笑)。
マミィは英語(mummy)、ミイラはポルトガル語(mirra)からきた和製語。さらに、「マミィ」には「乾燥遺体」つまり日本でいうところの「ミイラ」の意味がありますが、「ミイラ」の語源になった言葉の中に「乾燥遺体」の意味は全くなかったんだとか。まあ、和製語ってそんなもんですよね。

ここでようやく本題(笑)
マミィは前述の通り、「乾燥遺体」。エジプトのピラミッドで見つかるあれです。
これを作る時は天敵となる腐敗を防ぐために、とにかく遺体から水分を取り除きます。内臓を摘出(てきしゅつ)したり、薬液を塗ったりと手間がかかります。
とにかく「乾燥」していることが、遺体を維持していられる最低条件です。

権力者が死後、復活した際の家来として作られました。
その性質は基本的に鈍足で、怪力。特筆すべきのはやはり、本文でもあげたように「呪い」を発すること。
即死させるもの。病や毒を撒き散らすもの。精神に働きかけるものなどなどバリエーション豊富♪
侵入者があると棺から起き出して襲ってきます。中には棺から出ず、魔法や呪いを駆使してくるものもいるそうです(知らんかったっ!!)。
弱点は「火」。乾燥している肉体と、巻き付けている布が抜群の効果を発揮!!
もちろん、本編ではそんな単純な退治法は採用させません。だって、チートじゃん(笑)

さらに調べていくと、「乾燥遺体」に対し、「死蝋(しろう)」という湿潤気候下の文化圏でも永久死体をつくる風習がありました。日本を例にすると、「即身仏」がそれのようです。
一言でいえば、生きたままミイラ化するのだとか(怖っ!)
断食(木食行)をして脂肪や筋肉を燃焼させたり、(うるし)のお茶を飲んで体内の水分を吐き出したり(体内の抗菌作用もあります)……。この後、命を落とし、完全に外気を遮断すると、残った脂肪等が変性して死体全体が蝋状(ロウソクのような状態)になり、腐敗を免れる身体になります。
……これ、『修行』の一つらしいです。(( ;゚Д゚))

※即物的
主観的な考えをなくして、物質的、金銭的利害を中心に考えること。

※オザルとカロク
またもや裏設定。オザルととカロクは親子です。(マジどーでもいい(笑))
ゲーム本編では、リアのピンチを知らせに来たのは村の中年さんでしたが、エルクの『苦悩』を書くためだけにオザルさんに子どもを産んでもらいました(笑)

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