聖櫃に抱かれた子どもたち   作:佐伯寿和2

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孤島に眠る従者 その八

ここは常に『命』の息遣(いきづか)いが目に映る。

(あお)木々(みどり)夕日(あか)星々()。朝も夜も、生きた宝石のような光が辺り一面に散りばめられている。

若々しい無数の原石の輝きが目に優しく、一日の活力を奥底から()()がらせてくれる。

「今朝からリアの姿を見ねえけど、どっか出かけてるのか?」

ジットリとした熱気は相変わらずだが、それもどこか心地よく感じ始めた俺は一人、寝過ごしていたらしかった。

「リア嬢、今朝から遊び出てる。昼時には帰ってくる言ってた。」

寝起きの気怠(けだる)げな俺の問い掛けに答えたのは、俺よりも頭二つ三つ大きな黒い影だった。

 

大きな影の名はオザル。

オッサンの助手を(つと)めているという村一の長身で、肌の色も一際(ひときわ)黒い。急に顔を近付けられたら思わず()()ってしまうような迫力(はくりょく)のある大男だ。

けれども、いざ接してみると物腰は女のように(おだ)やかで、よく気の()く優男だった。リアがオッサンと同様、家族のように接しているのも納得できる気がした。

「俺が口出しできるようなことじゃねえけどよ、えらく放任してんだなあのオッサンは。村は安全だって言っても、一歩外に出ればジャングルだぜ?毒蛇とかに(おそ)われたらどうするんだか。」

オザルは俺のお節介(せっかい)に反省の色を見せるどころか、思わずドキリとさせられるような柔和(にゅうわ)な笑みを俺に向けた。

「リア嬢、賢い。森の動物たちのこと、よく分かってる。だから、心配ない。」

「そんなもんかね。」

「それと、昼食食べたらエルクと出かける。楽しみ言ってた。」

窓から入ってくる宝石たちは共に歌う者たちを呼んでいる。「(きら)めく命」を持って生まれた喜びを分かち合おうと(さそ)っている。

我に返った俺の目にはその光りがバラやアザミのように映り、見遣(みや)ることさえ躊躇(ためら)われた。

「……そうかよ。」

「エルクのプレゼントも、とても気に入ってたよ。」

 

手の平に乗る大きさのスノードーム。ちっぽけな置物だ。

作り物とはいえ、5年もこの島で生きたリアにそれはもはや異国の情景に映ったかもしれない。それでも、たかが100ゴッズの安物だ。それに、実際は俺が金を出した訳でもない。

だから、それでリアが俺に何か特別な想いを抱いたとしても、俺としては素直に受け取りきれない。

「ただの気紛(きまぐ)れだって。」

大きな助手から朝食を受け取ると、一人、日陰の横たわるポーチに腰掛ける。

何かの肉と、何かの葉っぱ、それとチーズを(はさ)んだパンを頬張(ほおば)りながら、俺は何処(どこ)とはなしに目を泳がせていた。

「……ウメェじゃん。」

 

「エルク、今日は何処か出掛けるの?」

宝石たちの身内のような豊穣(ほうじょう)の金髪が、俺の日陰にソッと(すべ)()んでくる。

「……海に、出てみようと思ってる。」

(いかだ)、造るの?」

彼女に心を読まれるのもスッカリ慣れてしまった。

「それしかすることが分かんねえしな。」

「私、何か手伝った方がイイ?」

「いいや、力作業だし。ゆっくり休んでろよ。」

彼女とのやり取りがやけに自然に感じられて、俺一人が抱えているしこりが逆に際立(きわだ)って感じられた。

 

俺はてっきり彼女を傷付けたものだと思っていた。彼女を、その『力』も(ふく)めて受け入れている()()()()()()()()()()()()愛想(あいそ)を尽かしたんだと思っていた。

「言ったでしょ。私は私でアナタを(まも)りたいの。」

「……勝手にしろよ。」

「うん、そうするわ。」

俺だって……嘘じゃない。俺だってリーザを護りたい。『力』がどうとか、そんなのカンケェねえ。リーザに幸せだと感じる生き方を送らせてやりたいと思ってる。

でも、リアがオッサンに、オッサンがリアに向ける笑顔を見てると、なんだか自分のやり方が間違っているように思えてならねえんだ。

 

「エルクだって……、エルクのやりたいようにやればいいじゃない。」

俺の隣に腰掛けて、彼女は言った。

「あ?」

言われるまでもなく、俺はそのつもりでいた。それが彼女を傷付けているもんだと思っていた。だけど――――、

「そんなことないわ。私、エルクに振り回されて怒ったり、泣いたり……。悲しかったり、辛かったりもしたけど、今思えば幸せだったかもしれないって思うもの。」

「意味分かんねえよ。」

不意に、力強い金色が一際大きく煌めいて俺の目に映り込んだ。

映り込んだ瞬間は、これもまた俺が勝手に彼女を理解した気になっているもんだと思った。だけど――――、

「大切に想ったり、想われたり。私は今までに、こんなに『力強い声』を聞かせてくれる人に出会ったことがなかったんだもの。……最初は怖かった。でも今は……、こんなに熱い……。だから――――、」

彼女は胸元に手を置き、噛みしめながら言葉を置いた。

 

――――だからやっぱり、私、今がとても幸せなんだわ。

 

 

「それじゃあ私は、行くわね。」

金髪の野鹿はトントンと村の中に消えていく。

「あの子は、何処に行ったんだ?」

「……知らねえ。」

いつの間にか、俺の背後にオッサンは立っていた。

「一緒に、行かんでいいのか?」

「……空気読めよ。オッサン。」

フンと()(いき)を吐くとオッサンは「見せたいものがある」と俺を家の中に呼び込んだ。

 

「今朝の飯は、どうだった。」

黙々と先を歩いていたオッサンが、振り返りもせず唐突(とうとつ)に話し掛けてきた。

「……しょっぱかったな。」

「そうか。」

「……ウマかったけどよ。」

「そうか。」

「……なんなんだよ。」

「なんでもない。ただ、後でリアに言ってやってくれ。きっと、喜ぶ。」

するとまた、自然な沈黙(ちんもく)が下りてくる。

俺には分かった。オッサンは沈黙の中で幼い孫の顔を思い浮かべ、幸せに(ひた)ってる。その子はこの男にとって一番身近な人で、「世界」という名前を持った、たった一つの宝石。

「アレ、リアが作ったのか?」

「……もう随分(ずいぶん)と大人になった。まだ(とお)になったばかりだと言うのに。」

ふと気付けば、前を歩く男の背中が一回り()いていた。

「たくさん、苦労を掛けてしまったからな。」

「……いいんじゃねえの?幸せそうに笑ってるじゃねえか。」

俺はその背中を好ましく思える一方で、無性(むしょう)(もどかし)くも感じた。

そして、背中の曲がった男を支えるような言葉を口にすることができたのは、たった今、同じものを見たばかりだからなのかもしれない。

「……そうだな。」

終止符(ピリオド)のように置かれた初老の男の相槌(あいづち)からは、香辛料(こうしんりょう)の利いた肉の、(こう)ばしい臭いがした。

俺は、また余韻(よいん)に浸り始めたオッサンの邪魔をしないように、ただただ黙って後を付いて行く。

 

 

導かれるままに進むと、俺は一際厳重な扉を(くぐ)っていた。

「……オッサン、今さらどうしたんだよ。」

そこは、この()()()()の中心部だった。

「研究所」と呼ぶには機材や電力に(とぼ)しい。それでもそこには、ヒエンぐらいの小型船なら簡単に収まってしまいそうな空間があり、使い込まれた製図台があり、何本もの試験管が無数に並んでいた。

試験管を満たすものは無色透明な液体ばかりだが、意味ありげに並べられている様子から何かの薬液に違いない。その上、外に積み重ねられたものと同じ木箱がいくつも転がっている。

一部、(ひら)いてある。中は数式や専門用語で埋め尽くされた書類と、毒々しい発色の薬物、そしてホルマリン()けにされた『何か』。どれにも中身を記載(きさい)したラベルが貼られているが、何かの暗号なのか数字や記号ばかりが並んでいて俺には意味が分からない。

(みなぎ)る光に護られたこの村で、この部屋にだけは光にさえ決して(おか)されない異質な臭いを(たた)えていた。

 

ここで何をしてるかなんて俺には分からない。ただ明らかに、気紛れで部外者を(まね)き入れるような場所じゃないってことだけは理解した。おそらく、リアでさえもここへの立ち入りを制限されているだろう。

理解すると俺は無意識に、辺りに変化がないか目を走らせていた。

……()()えず、危険なものは見当たらない。

 

俺をこんな所まで案内したオッサンはというと、俺の問いには耳を貸さず、作業台の上に置かれた紙の(たば)を俺に差し出した。

「もしも、お前がこれを(あつか)えるなら、くれてやってもいい。」

前置きもなく渡された図面とマニュアルには、どの国でも見たことのない(タイプ)簡素(かんそ)潜水艇(せんすいてい)(えが)かれていた。

「つったって、オッサン。これ、()るから持ってんだろ?……イイのかよ?そんなに簡単に手放しちまって。」

おそらくここで造ったものなんだろう。人力での搬出(はんしゅつ)方法まで描かれている。

「くれてやる」などとまるで中古車のように言うが、今の科学技術では、空に明るくても海にはめっぽう(うと)い。

鉄を空に浮かせるための揚力(ようりょく)を補助する「飛行石」は見つかっているが、求められる深度での水圧をクリアする資源が見つかっておらず、技術面においても(ひど)く不安定な上に、これを支えるコストが半端(はんぱ)ではないことが理由だ。

この船にしても、「移動手段」として以外の用途(ようと)は積み込まれておらず、加えてその使用頻度の低さと、その倍以上のメンテナンスをがあって初めて維持できているに違いない。そのための単純な構造なのだ。

 

「それで、乗れるのか?乗れんのか?」

一応、一通りの乗り物の教育は受けている。もちろん、その中に潜水艇(せんすいてい)もある。だが、結局覚えられたのは大まかな操作方法だけだ。

潜水艇は、操作さえ覚えれば乗りこなせるようなものじゃない。

目の()わりに音のみで障害物や海流、諸々(もろもろ)周囲の環境を把握(はあく)する作業が至難(しなん)(わざ)なのだ。それに加え、コンパスと海図で航路(こうろ)を決めていくとなると、どう見繕(みつくろ)っても俺一人の操舵(そうだ)では手に余る。

「悪いけどよ、俺一人じゃ無理だぜ。」

「……そうか。」

オッサンは溜め息混じりに言った。

「ところでよ、一体どうしたってんだよ。急にこんなもんくれるなんてよ。」

椅子に腰掛けると卓上(たくじょう)のウィスキーを(あお)り、俺にも一杯進めてきた。

「いや、俺は飲まねえよ。」

「そうか。」

白髪の男はもう一杯をグラスに(そそ)ぐとようやく、ここに(いた)経緯(けいい)を話し始めた。

 

「聞けばお前は賞金稼ぎらしいな。それもかなり腕の立つ。」

昨日の今日で、あの鍛冶屋(かじや)はオッサンに俺の素性を報告したらしい。二人が繋がっていることは分かっていたし、いつかはバレるとは思っていたが。

「周りが大袈裟(おおげさ)に言ってるだけさ。俺はただバカみたいに暴れ回ってるだけだってのに。」

オッサンはまた、グラスを一気に空ける。

「なんだよ。もしかして、仕事の報酬(ほうしゅう)としてなんて言うつもりだったのか?」

「……まあ、簡単に言えばそういうことだ。」

飴色(あめいろ)の酒がまた、注がれる。

とても、良い飲み方とは言えない。だが、そうでもしていないと落ち着いていられないのだろう。注がれる量は徐々(じょじょ)に増えていた。

「ここでの暮らしは悪くない。あの子にとっても、あの(くさ)った人間どもの中で育てるよりは何倍も良い空気がここにはある。」

オッサンは卓上の写真立てを指先で()でた。

「だが、自分を産んだ親に会わせてやれんことが不憫(ふびん)でならん。」

オッサンたちがこの島に来てからの5年間、どれだけの頻度なのかは分からないが、鍛冶屋(オールドマン)たちはここと向こうを行き来している。それでも(いま)だにこの家にその二人はいない。……つまり、そういうことだ。

 

俺は自分の親の事なんて何も知らない。

『悪夢』の中に、故郷らしき風景を見る時はある。でも、俺の「母」や「父」を名乗る人が一度だって現れたことはない。

それはある意味で救われた。

おそらくその人たちはもう、俺の手では助けられない人たちだからだ。

でも、女の子は分からない。

もしかしたらまだ、間に合うのかもしれない。

その希望的観測だけが、唯一俺が『炎』として生きていられる理由だ。

 

「オッサンの敵って何処のどいつだよ。」

目は合わせられなかった。心の何処かに(やま)しさがあったのかもしれない。

「言ってどうする。同情で仕事をするつもりか?止めておけ。そんな安いものじゃない。」

「それは俺の実力を知ってて言ってんのか?」

大凡(おおよそ)はな。」

対して、オッサンは俺を真っ直ぐに見詰め返してくる。

「アルディアでは『炎』の異名で知られている。百件以上こなしてきた仕事の3割近くが化け物退治。しかも、その多くを単身で成し遂げてきた。確かに驚異的な功績(こうせき)だ。」

「だったら……。」

「だが、どれもこれもワシの敵には遠く(およ)ばんよ。」

視線であしらわれた俺は、段々と意固地(いこじ)になり始めているのが分かった。何としても、オッサンの敵を言い当て、鼻を明かしてやりたい気持ちになった。

「それってのは、ロマリアのことだったりすんのか?」

ピクリと酒を持つ手が震え、返ってきたオッサンの目には明らかな苛立(いらだ)ちが宿っていた。

「……さすがに、()()()()に流されてきただけのことはある。」

オッサンやリアの話し方にロマリアの(なま)りがあるように感じられた。そこまでいけばその名前を出すのに苦労なんかなかった。

「大国ロマリア」、徹底(てってい)した秘密主義の裏側では危険思想を世に広める(たくら)みに着手(ちゃくしゅ)している……という(うわさ)はもはや一般常識のレベルだからだ。

「違うのか?」

そして、今の俺にはあの歌姫の情報もある。

「人類キメラ化計画」……、あの女の話全てを鵜呑(うの)みにしている訳じゃないが、その話を裏付けるピースの一部がこの孤島(ことう)の研究者であるように思えてきた。

「正直、ワシ自身、あの組織の頂点が誰なのかを把握しとらん。ただ、その辺の半端な連中とは一線を(かく)しとる。それだけは()()()()()()。」

オッサンはそこの構成員だったんだ。俺はその声色から確信した。

 

「それ以上は聞かん方が身のためだ。特に、今のお前にはな。」

オッサンはソッと写真立てを伏せ、懺悔(ざんげ)するように目を閉じた。

「どういう意味だよ。」

「聞くなと言っておるだろう。」

取り付く島がない。

たかが数日。されど数日。俺とこの男の間に「他人」以上のものは生まれなかったんだ。勝手に盛り上がっていた俺の若さが(またた)く間に(しぼ)んでいく。

「何にせよ。ワシがお前にしてやれることはこれが限度じゃ。あとは自分の力で何とかするんだな。」

「当然だよな。これからずっとオッサンの手を借り続ける訳にもいかねえしな。」

「だが、村に迷惑だけは掛けるなよ。」

「分かってるさ。とにかく俺はまず、あの遺跡(いせき)を調べてみることにするよ。」

オッサンの話を聞いていて、どうしてだかそこにヒントがあるように思えた。

 

「遺跡を?どうして。」

オッサンの、俺に向けられた表情(かお)は予想以上に強張(こわば)っているように見えた。

「何もイイ考えが思い浮かばねえんだ。そんな時は手当たり次第に当たってみるっきゃないだろ?それにあそこはなんかキナ(くせ)えしな。」

「お前たちと遺跡は何も関係がないだろう。」

「……なんだよ。俺があの遺跡に近付いたら何かマズイことでもあんのかよ?」

しばらく俺の目を見詰めるとオッサンはメガネを(はず)し、眉間(みけん)を押さえて低く(うな)った。

「……いいや、スマン。少し酔っ払ってしまっただけだ。それより――――、」

オッサンは何かを隠したが、敢えて突っ込まなかった。それはリアのためであるようにも思えたからだ。

 

「昨日、ワシとした約束はどうするつもりだ?」

「あ。」

俺とリーザが転がり込んできたせいでヴィルマー家の(たくわ)えていた食料が底を尽き始めていたのだった。今日はリアと一緒にその補充(ほじゅう)をする約束をしていた。

「え……、えーっとな。……その時間までには帰ってくるよ。」

「何を言っとる。今からじゃどんなに頑張っても入り口辺りで時間切れだぞ。」

「……そうだな。また明日にするよ。」

観念(かんねん)した俺を見るとオッサンは溜め息一つ()き、奥で作業をしていたらしい大きな助手を呼び寄せた。

「オザル、コイツを入り口まで案内してやってくれ。」

「え?」

「約束を破る奴は好かんが仕方あるまい。リアにはワシから言っておいてやる。」

呼ばれた大男は部屋の奥からやってくると、またあの牧師のようなスマイルでオッサンに了解の(むね)を伝える。

「何か、ワリいな。」

「フン」と鼻であしらうと今度は一冊の本を投げて寄越(よこ)した。中にはオッサンの筆跡(ひっせき)でこの島に棲息(せいそく)する動植物や遺跡の簡単な注意事項が書かれてあった。

「遺跡はお前の知っとる都会の下水道とは訳が違う。表層はワシが粗方(あらかた)調べて危険も少ないと思うが、万が一、火を吐くトカゲが出らんとも限らん。十分に気を付けることだな。それと、下層に進むにつれ毒ガスが滞留(たいりゅう)しとる。これを付けとっても小一時間が限度だろう。くれぐれも長居(ながい)はせんことだ。」

オッサンは言いたいことだけ言い終わると簡易(かんい)のガスマスクを投げて寄越し、オザルがしていた作業の続きに取り掛かり始めた。

「おう、サンキューな。」

返事はなく、黙々と試験管と睨めっこをしているオッサンを尻目に俺たちは研究室を後にした。

 

――――まさにその時だった。

 

ハカセッッ!!

 

新たな『種火』は、まるで俺たちのやり取りを全て見ていたかのようなタイミングで放り込まれてきた。




※アザミ(薊)
キク科の植物。葉っぱや総苞(そうほう)(タンポポの花と茎の境にある花びらを支える緑の器みたいなやつ)にトゲをもつ花。春になればスーパーで食用が売られていることもあります。味噌汁の具にどうぞ。
スコットランドの国花にもなっているんだよ。花言葉は「独立、報復、厳格、触れないで」。
本文で言いたかったのは、「触ったらトゲで痛い目をみるよ」的なことです。分かりにくいと思いますが(笑)

※ポーチ
海外の家でよく見かけますね。建物の玄関前で(ひさし)のついた空間。「車寄せ」と呼ぶこともあるそうです。

※製図台(ドラフター)
板上にT定規、勾配定規、縮尺定規などの製図道具の機能を集約したアームを備えた、作業者に楽な姿勢での製図を可能にする台のこと。『紅の豚』でフィオが図面を引いていたあの台のこと。
アームに付いた各定規のお陰で、平行線や斜線、正確な縮尺図が描けるそうです。

※潜水艦いろいろ
『構造』
まず、潜水艦にはチタン合金のような高強度の「高張力鋼」が用いられ、「耐圧殻」と呼ばれる構造を駆使することで、船体は水圧に耐えられるそうなのです。
耐圧殻には「単殻式」(船の装甲が一層のもの)や「複殻式」(魔法瓶のように二層のもの)などがあり、それぞれに長所短所があります。
さらに、潜水艦の潜航浮上には空気圧がネックになっているので、必然的に構造的に気密性の高さが要求されます。そのため、金属の腐食や変形が大きな問題点になると思います。

『空気』
潜航中は空気の供給が完全にストップされます。空気はエンジンの可燃材料や乗組員の生命維持に欠かせないものです。
シュノーケルという吸気管でこの問題は解決されますが、次にこの管自体が天候や潜航深度に制限を掛けてしまいます。
このシュノーケル開発までは、定期的な浮上が必要だったんだとか。

『航行手段』
本文で少し触れていますが、潜航時は天体による位置の算出ができないので、音波と速度計からの算出で自機の場所を把握しなければなりません。(GPSとかない場合ね)
その上、海中の水温や塩分濃度の変化によって音の進み方が変わるので、これも見極める必要があります。(ただし、これは深度に影響するみたいなので、必ずしもこの影響を受けるという訳ではなさそうです。)

などなどの技術(だいぶ端折(はしょ)りましたが(^_^;))がまだ「アーク」の世界では完全に確立できていないことにします。なので、潜水艇はとても貴重かつ危険な乗り物だという認識でお願いしますm(__)m

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