――――プロディアスの
どうやら
今、目の届く範囲を見渡しただけでも、
前回の仕事で
知らない間にエンジンも
この調子なら無理をせずに『
……いいや、そもそも追い付く必要もない。シュウの作戦において、俺の役目はあくまでシュウにとっての『囮』であれば良いことになっているのだから。黒服連中の注意さえ
ビーッ、ビーッ……、
警告音が耳を打ち、
ふと、振り返ると、リーザは窓に
まだ……、怒っているんだろうか。
すると、彼女はそれに
「エルク、何か後ろから来るわ。」
するとそこにはリーザの
「喰いついてきたか。」
日はほとんど沈んでしまい、まだ目視での確認はできない。
高速で接近する反応はアルディア方面から来ている。俺たちが飛んできた
ただ、100機近く
とりあえず、ここまではシュウの計画通りに進んでいる……、と思って良いはずだ。
だが――――、
それにしても、いくらヒエンに積んである電探が古い
「周りに誰もいないから、その分、聞こえ
正しいかどうか分からないが、
確かに今の時期、
それにしても、だ。
「……そうかよ。」
前へ向き直り、今聞いたことを忘れるかどうか迷った。
「なるべく、忘れないで。私は、エルクの『道具』であった方が都合が良いかもしれないから。」
口調に、さっきまでの
それは俺にとって
当然、この『声』も聞こえているだろうに、リーザは何も言い返さない。
俺は彼女から、『信用』はされていても、『信頼』はされていないのだと思い知らされる。
――――だが、
「予想以上に速いな。」
飛行速度だけをとればヒエンはここ数年の、世界で
そのための
シュウもそう計算していたに違いない。
だが、後方のソイツらは明らかに、
まだ
なにせ、
それなのに、こんな距離から機体に無茶をさせる
こうなってくると、ヒエンと
しかし、これは「不幸中の幸い」なのかもしれない。
もしも、
なぜなら、俺の『炎』は完全には
いつまでも『冷静』でいる自信は、ない。
だが、先に
やることをやって、さっさとシュウの
誤算は、このまま逃げ切ることができるかどうかということだけだ。
「私にできることはある?」
「……しっかり
――――そうだ。
死ぬ気で逃げなきゃならない。
俺は今、一人きりじゃないんだから。
※デフォルメ=フランス語の「デフォルメ=変形する」という言葉が由来のようです。現在の日本では対象への意図的「誇張」や「簡略化」を含んだ表現方法を意味しているようです。
※オーバーホール=機械製品を部品単位で解体し、清掃、再組立し新品の状態に近づける作業のことを言います。
部品単位にまで解体することで、劣化した部品を新品のものや新規格のものへと交換するなどの改造を
ただし、再組立には相応の知識と技術が必要になるので、担当の技師がこの水準に達していないと作業前よりも状態が悪くなってしまう可能性が高くなってしまいます。
シュウやビビガに航空技師の資格はありません。全て独学なので、人並み外れた努力と根性を持っているのです。ヒエンに対する『熱意』ですね。
必要な設備や場所(工場)は知人のものをレンタルしたと思ってください。
※水中聴音機(パッシブソナー)=水中の船(相手)が出す機械音を拾って、相手のいる方位を知る機械のことです。
エルクがこれを例に挙げた理由は、障害物や水質などの環境によって得られる情報が大きく左右されるからです。
※飛行機の仕組み
飛行機が空中で3次元運動をするには操縦桿とラダーペダルというものの操作が必要になります。
操縦桿が補助翼(エルロン)と昇降舵(エレベーター)を動かし、ラダーペダルが方向舵(ラダー)を動かします。(この3つは可動式の羽の名前です。)
簡単に言えば、この内の2つが機体の横回転、縦回転を
だから、実際に空中で方向転換するには前述した3つの羽を組み合わせてネジルように飛ばさなきゃならないそうです。
その辺は複雑で、間違って書いてしまうといけないので控えたいと思います(笑)
そんなこんなで今回、ヒエン(飛行船)関連のワードが必要になるので、(噛り程度ですが)勉強しました。
すると、ふと疑問。この子、本当に飛べる形してるのか?(笑)
という訳で、その辺りは少し濁すか原作の形をイジッて書こうかと思ってます(;´▽`A
※電探(でんたん)=電波探知機、電波警戒機、レーダーの略称。
……ここで新事実。というか自分の勉強不足だったのですが、私たちの世界での話、戦闘機でも、旅客機でも後方を探知するレーダーは積んでいないようなのです。奇襲される確率や管制塔などの存在があるなどの理由で必要ないんだとか。
でも、もう「銀の小魚たち」でチョピンたちがヒエンを見つけるシーンを書いてしまったので……。
フィクションですから!何でもアリですから!なにとぞご容赦ください!ヽ(`Д´)ノプンプン
……スミマセン。なるべく勉強してリアルっぽく書こうと頑張っていましたけど、やっぱり限界ってあります。(。-人-。)
ちなみに、アークの世界では前方後方を探知する2機を一体にしたタイプが主流だと思って下さい。