「まさか、作戦がバレてるだなんて…。」
「バーカ。敵にだって”頭”が付いてんだぜ?俺たちに
「そんなぁ…。」
ついさっき悪魔に見せた「
「そんなことより、時間がねぇんだろ?こんな所で油売ってねぇでさっさと行くぞ。」
俺はポコに地下通路の入口を探すよう
「行くぞって、エルク。だって、敵に作戦がバレてるんだよ?」
「だったら何だよ。他に方法もねぇんだろ?時間もねえんだろ?だったら、敵を出し抜けるとすれば敵よりも早く動くこと以外にねぇじゃねぇか。」
「そんなもんなの?」
「…じゃあ、お前らはこんな時どんな風に動いてたんだよ。」
「僕さ、作戦で意見したことってほとんどないんだよね。だって、何をしたら皆の役に立てるのか分からないんだもん。」
何かを
そうして自分で考えることを
「だから僕は皆の言う通りにしか動けないんだ。」
…だからなのか?
アークはこの弱虫に自信をつけさせるために、わざとコイツ一人にこの作戦を
「それでもテメエで考えるしかねえだろ。じゃなきゃ、いつまで
「……うん、そうだね。僕も、そう思うよ。」
「…まあ、それでも肩の力は抜けよな。もしもテメエがポカしても手くらいは
「そウジゃ、ソウジゃ!どんとワシを頼ルガいい!」
「…うんっ!」
…なんだかな。
やるせない気持ちで頭を
「…ッツ!?」
「ど、どうしたの!?」
「…
どうやって手に入れたのかも分からない
――――我が子、炎の
「誰だ!?」
「ドうシタ、誰ト話とる?」
「わ、エルク、見て!精霊だ!」
ポコが指
そしてそこに、
「精霊、これが?」
立てば
ポコが「精霊」と呼ぶ大男は、そういう「自然」とか「
「炎の精霊だよ。前にここに来た時、アークが助けてあげたはずなんだけど…。」
――――
「…俺の、ことか?」
腕を組み、
ここ数年、俺を
遠い昔、俺はこの視線に護られてたような気がする。…だけど……、
――――忘るるなかれ。我はお前の
「…スマネエ。俺はアンタのことを…、
アンタのことも。ピュルカって村のことも。
…だけど、思い返してみれば『
そうだ。『
熱くて、
「…あれは、アンタ、なのか?」
――――我が名は『
…呪うもの?護るもの?
俺の奥底で眠る記憶と悪夢がせめぎ合って理解できない。「精霊」を名乗るこの鬼が「精霊」なのか「悪魔」なのか見分けがつかない。
――――そして願わくば、我が力を
「聖櫃の子」?ポコの…、いいや、「アーク」のことを言ってんのか?…『
どうしてそんなに、アークは…。
俺は、どうすれば……、
――――
精霊の
――――忘るるなかれ。我が名は『
敵の矛に我が名を
敵の盾に我が名を
「…体が…熱い……っ、」
指輪の『
全身から力が抜けて立ってられない。全身が、チリチリと
「大丈夫!?精霊様、いったいエルクに何を!?」
――――
そう言い残すと、精霊は指輪の
「炎の精霊」の出現は、俺の中から『村の記憶』をほじくり返した。
ここで
……俺の村を
だけど、違うのか?アンデル、スメリア国なのか?
それとも…、もっと、「国」とか関係ない、デカい何か、なのか?
すでに関わっちまってるのか?俺も、「世界」とかバカみたいな
…体が、熱い……
精霊が消えると体の熱も
「…エルク、大丈夫?」
「あ、ああ……。」
体は動く。多分、戦える。…だけど、違和感が消えない。
これは…、多分、
ただ
少し動かしたつもりが、想像の倍以上の力とスピードで動いてる。
これを「悪くない」って思ってる俺は何かヤバい状態な気がする。ただ、自分じゃどうしようもないって分かってる。
炎の精霊の「願い」を聞き
それとも……、
「…なあ、ポコ。」
「何?」
「アークは、今も
ポコも同じようなことを考えたことがあるんだと思う。すぐに俺の言わんとしていることに気付いたみたいだった。
「…そうだよ。アークは今も昔も何も変わらない。どんなに
コイツの言いたいことは分かる。信用もできる。
だけど、俺の中のこの「違和感」とアークの中の「
だって…、あの「
浮かない顔をしていたのかもしれない。ポコはことさら明るい声で俺を
「大丈夫!エルクだって何も変わってないよ!僕にはわかるんだから!」
「…ハハ、
「安心シろ。ワシも
「そうかよ、そりゃ安心だな。」
『悪夢』は憶えてるし、リーザとキスしたことも憶えてる。
俺はまだ…、リーザを想い、親友たちを殺した「
「悪いな、
「うん!」
…一つ変わったことがあるとすれば、妙な「使命感」みたいなものに
その後、数分と
「どウじゃ、ワシ、役ニ立つジャろ。」
「そうだね、
「そうジャロ、そウじゃろ。」
通路を
「これ、パレンシアタワーに
「そのはずだよ。」
そういって進み始めること10数分。
「…道が分かれてんな。」
「あれ?こんなはずじゃないのに。」
「まあ、これくらいの情報の
「どうしよう…。」
「そんなに
一方の道がここまでと同じようにコンクリートで
けど念のために、もう一方の道をヂークに
「どうして間違ってる方の道も確かめるの?」
「念のため。それと、もしこれが出口と繋がってたら脱出する時にも都合が良いだろ?」
俺は城の床が抜けたことも合わせて説明した。
「ああ、なるほど。」
「……」
それに、気に掛けるべきは帰り道だけじゃない。この先にあるかもしれない「分かれ道」は全部、敵が利用し襲ってくるかもしれない「身を隠すための場所」でもあるんだ。
俺たちだけならまだしも、人質を連れた状態で
ヂークにはこの先に「分かれ道」があれば同じように調べるように言ってある。
俺はできる限り松明を振り回し、分かれ道の
「でもさ、悪い人をやっつけるのに地位も国も関係ないと思わない?」
「…そうだな。」
タワーを
ポコの話から、「アーク」は自分たちの
だけど、ポコ自身はどうやら感情の方が
「こうしている間にも
確かに
だけど、その「悪いヤツ」の
そこんとこの
「…まあ、時と場合によるんじゃねえの?」
ポコは俺の
「僕も、それで作戦が
「どうしてアークはお前ひとりをこの
「…やっぱりそう思うよね。僕なんか、皆の足を引っ張ってばっかりなのにね。」
「……」
コイツは
それだけ、コイツにとって「アーク」の存在は絶対なんだ。
「僕はね、アークを信じてるんだ。彼の考えを全部理解してる訳じゃないけれど、少なくとも僕にもできるって思ってくれてる。だったら僕はそれに
「…ふーん。」
だけど、
少なくとも俺はコイツが
コイツの信頼する「アーク」を信じてもいいかもしれない。
だけど、俺は「正義の味方」じゃねえし、コイツらの「仲間」でもねえ。
化け物どもが
だけど、それでも、コイツらと
「アーク」に
俺には「
その後も俺たちは一時間近く
だけど、まるで俺たちみたいな「ネズミ」を迷わず罠へと
分かれ道を見つける
「
けど、人質のタイムリミットを考えると
「引き返す」
「ポコ、」
「なんだいエルク、恐い顔して。ま、まさか、お化けか何かいるの?!」
勇者の
さっきテメエで
「いや、そうじゃなくて。もしかしたら敵の罠に掛かってるかもしれねえって言ってんだよ。」
「罠?ホント?」
「かもしれねえって言ってんだろ?」
俺はポコに――コイツに
※足場板(アンチ)
工事現場で高所作業をする時なんかに組まれる鉄の足場のことですね。
「アンチ」というのは「安置」のことじゃなく、「アンチスリップメタル」という製品名の略称です。
※今さらですが……
「エルク」の本名、「エルクコワラピュール」という名前を考察してみました。
○エルク→エルク(elk「アメリカアカシカ」)
北アメリカにおける「アメリカアカシカ」の別称。エルク、もしくはワピチと呼ばれている。
ただし、鹿のエルクがアルファベット表記で「elk」なのに対し、アークのエルクは「elc」表記になっている。
もしかしたら、ですが、アーク「ar
以下、紛らわしいので「elk」は「アメリカアカシカ」、「elc」はそのまま「エルク」表記にします。
アメリカアカシカは狩猟生活をしていたインディアン部族(アメリカ大陸先住民)らにとって食糧であり、その雌は「力」「勇気」「性愛」の象徴とされていました。
○コワ→Coeur
フランス語で「心臓」「中心」「精神」の意味。
○ラピュール→la pur
フランス語で「ラ(la)」は女性名詞に使われる定冠詞。英語でいう「the」のようなもの。
フランス語では性別のない名詞にも疑似的な性別が振られていて、女性名詞の前には「「ラ(la)」、男性名詞の前には「ル(le)」、複数(男女共有)名詞の前には「レ(les)」がつきます。
フランス語で「ピュール(pur)」は「純粋な」「無垢な」「澄んだ」という意味の形容詞です。
結局、理由は分からなかったんですが、purは形容詞なので、前にlaはつかないはずです(定冠詞+名詞なので)。
でも、商品名や特定の用語にはそのまま「ラピュール」と使われていました。
ちなみに、「pur」の名詞は「pureté」で、女性名詞でした。
なので、「la pureté」という用法はきちんとありました。
○ピュール→πῦρ
いきなりですがギリシャ語で「火」の意味です(笑)
なんでここだけギリシャ語なのかは分かりませんが、どうしても無関係に思えませんでした。
本編165話『始まりの魔女 その四』の注釈で書いたように、
エルクの出身地「東アルディア(アルディコ連邦)」は古代ギリシアより、ギリシア南部の特定地域を指す地名「アルカディア」になぞられているんじゃかと思います。
なので…まあ、ありなのではないかとf(^_^;)
ちなみに中性名詞です。
○まとめ
「エルクコワラピュール」の直訳?「純粋な鹿の心臓(精神)」。意訳?「無垢な先住民」さらに意訳して?「炎の戦士」なのかなと。
アメリカアカシカが北アメリカの
また、アメリカアカシカが力と勇気の象徴から「先住民」と合わせて「戦士」ともとれるのかなと。
そんで、「ピュール」が「炎」なので合わせて「炎の戦士」…ってことでどうでしょう?(笑)
○余談(いつものやつですwww)
「どうしてフランス語なの?」と思って調べていると、16~19世紀の北アメリカには「ニューフランス」というフランスの植民地領があったそうです。
17世紀には、そこに住む一部の部族と、毛皮交易を目的としたフランスの商人とが同盟を結んでいたそうです。
また、アメリカアカシカ(エルク)は「食料」であるとともに、「毛皮商品」の材料でもありました。
…が、結果的に彼らの同盟はうまくいかず、インディアンはフランス人に虐殺されてしまいます。
この因果関係から「フランス語」を使って「部族っぽい名前」にしているのかもしれません。
あと、この「虐殺」というワードから、「魔女狩り」に遭ったリーザと共通点があるようにも感じられました。(ただの印象です)
さらに、インディアンは「大いなる神秘」という宗教観念があり、その中で「狼」は「偉大な精霊の犬」と呼ばれていたそうです。
なので、「パンディット(狼)」にはエルクとリーザを繋ぐ役目があるんじゃないかとも思いました。
※呟き司郎
資料探しで検索してたらアークRの画像が出てきた。
「……ミリル実装!?」
いやぁ、そんなことまでしちゃうの?って感じでした。(いやいや、それはナシでしょ?)
でも、ボイス聞いて秒で泣きました。(アリでしたwww)
……( ̄^ ̄゜)グスン
アルフレッドもいるわ、ガルアーノもいるわ、ヤグンもいるわ……、アンデルとザルバドはよ(笑)
今さらながらにRやれば良かったなと少し後悔。
少しはやったんですよ?でも、ガチャとか期間限定イベントとかに付いていけなくて、すぐに離れてしまいました。
僕自身ゲームが上手じゃないので、ソシャゲ的縛りがあるとモチベーションが保てなくて……。
ただ、プレイしてて気になったRのオリキャラもいましたよ。「トロア」と「シア」…。
…もし再開したらまたやってみよっかなぁf(^_^;)