「力」に立ち向かうことができず、
「弱い世界」でしか息ができず、理想を
そんな彼の前に、「太陽」は
「太陽」は彼に命令する。「
それまでも彼を
敵を斬ってはその瞳に
「太陽」の
彼は初めて自分の内に眠る『力』に気付く。
「
その『力』は、敵の命を
初めはその
「
――――パレンシア城、地下
「それで、どうだったよ?」
先を行くポコの後ろで、俺はポンコツに
「楽器ニ
「は?本人にもか?」
俺はさっきの戦闘でヂークにポコの『力』を
別に、ポコの情報を
ただ、なんでもいいから
「あレハ
「…それだけ?」
「そレだけ。」
「それで”なるほどな”とはならねえよ。あんな意味分からねえ『力』見せつけられて…。精霊ってのは何でもありの
俺だって『精霊の力』は
なのにアイツときたら、『音』を使って
いったいどういう
「
「精霊はコの世界デ起キトル
「…じゃあ、お前も?今、お前が動いてんのもその精霊様のお
その
「当タり前の
「…あっそ。」
俺だって『精霊の力』がどれほど
ただ、「この世の全て」なんて言われると…、納得いかねえじゃねえか。
だったら俺たちは何のために存在してんだよって思っちまうんじゃねえか。
俺がギルドで手に入れた二つ名は、全部『精霊』のお陰だっていうのかよ?俺一人じゃ、何もできないってのかよ?
…いや、まあ、そう、なんだろうけど……
俺が
「
「『精神感応』?…『サイコキネシス』ってやつか?」
ってか、やっぱり何かあるんじゃねえか。
「チゃウチゃう、『テレパシー』だ。リーザの『力』ト
「…リーザと?」
その
「ポコの場合、”会話”じゃなく”音”で相手の感情を
「…つまり?」
「…オ前、もッと勉強しロ―――、あイタッ!」
俺は
「…昔かラ”
「圧し潰したり、体を
「言っトるだロ?切っ掛ケサえ
まるで神様だな。…気に喰わねえ。
「たダ、ソノ『力』ヲあんナにもハッキリと
それは理解するまでもない。見ればわかる。聞けば嫌でも感じる。
あの、たった一本のラッパが、俺の知らない音色を次々に産み出していた。
ラッパはその音色の数だけ俺の感情を
その『力』が、あの”
肉体と同じように感情だって
どんな
だけど、どう
閉ざした扉の内側に”心”は必ずある。”心”だけを殺すことはできない。それは
だからこそ、コイツの『力』はこんなにも
そう考えると、俺はコイツに「リーザ」の時に覚えた「恐ろしい
一度でもその『音』を耳にしてしまったら、戦場はこの
『力』の強弱なんて意味を
…それが俺には受け入れられない。
「ねえねえ、ところでエルクたちは
「あ?…東アルディア、プロディアス市だよ。」
「へえ、プロディアスかあ。あそこって
「ところでお前、どうしてアークの仲間をやってんだ?」
「え?どうしてって…、だってアークは世界を
「…スメリア王を殺してまで?」
「違うよ!王様を殺したのはアークじゃない、アンデルさ!」
俺を信用しきってるその
「あ、ご、ごめんよ。だけど、それだけは間違えて欲しくないんだよ。」
「……」
アンデルってのはスメリア国の政治を
「じゃあ、アンタは軍人として死んだ王様の
「…それもそうだけど、」
ポコは俺の
「前スメリア王」への
…いいや、「アーク
完全に「アーク」の
「世界を救うとかデカいことはいくらでも言えるだろうよ。」
ククルもそう言っていた。
どうしてだか、俺は彼女の言葉は信じられた。
「だけどよ、
でも、今、この
「え?そりゃあ、世界中にいる悪魔たちを皆、やっつけるんだと思うけど。」
やっぱりそうだ。コイツはただの「
「簡単に言いやがるぜ。世の中にどれだけの悪魔がいると思ってやがんだよ。悪魔だけじゃねえ。
気付けば俺は必要以上に攻撃的になっていた。
イラつくんだ。
弱いくせに、自分でも分かってるくせに「危険」に飛び込んでいこうって姿が
「それでもアークはやろうとしてるんだ。悪魔たちを
「戦争をなくす?それこそどうかしてるぜ。アークは世界
「アーク」を
もしも、ククルに同じことを言ったら、彼女も同じ顔をしただろうか。
「違うよ、アークはそんなことしない!…皆、お
「戦争が始まる前は?
「違うよ。僕が言いたいのは…、
…多分、家族の愛しか知らない「
人の成長なんて止められないし、「戦場」に立たないと「戦争」は止められない。
「アーク」だってそうだろ?それともなんだ?「アーク」は人を殺しながら、それでも「世界」を愛してるとか言うつもりかよ?だったら、いよいよイカれてるぜ。
俺の「
「難しいのは分かってるよ。でも、誰かがやらなきゃいけないんだ。」
そりゃあ、つまり
…何にしてもそれが「できる」って思ってる
「で、アンデルって悪魔側のボスはロマリア国と
「うん、そうだよ。よく知ってるね。アンデルはね、僕たちが見つけた”
「…聖ヒツ?」
何だそりゃ。コイツらにとっての
「聞いたことない?聖櫃は世界の
「なんだそのテレビゲームみたいなご
「そんなこと言ったって、”精霊”たちがそう言ってたんだよ。」
そういやコイツら、精霊とも繋がってるんだったな。
ヂークは精霊がこの世の全てを取り
「それに僕たち、”聖櫃”の
「認められたって、なんかスゲエ『力』でも
「よくは分からないけど、あの時、アークは変わったんだ。本物の”勇者”になったんだ。」
…なんか、
それって、「アーク」の
俺は精霊と言葉なんか
聞いてる限り「正義」っぽい立ち回りをしてるみてえだけど、神だろうと悪魔だろうと「力のあるヤツら」の本心なんか知れたもんじゃねえ。
人間を「人間」として見てねえ可能性だって十分にあるんだ。
連中の見てる「世界平和」の形によってはガルアーノたちより
…そうだ。ガルアーノを倒したら次は「アーク」が俺の敵になるかもしれねえんだ。
…でも、俺はククルの目を忘れられない。
あの目は誰かを
……分からねえ。信じるべきなのか。そうじゃねえのか。
――――ポコが石のダンゴ虫たちを倒した場所から数分歩いた。
ポンコツの足音が今まで以上に
「なあ、アンタはここが何なのか知ってんのか?」
するとポコは
「アンデルが王様に
「これを?全部?内緒で?」
全体
理解できねえな。王様ってのは自分ん
「それで、何の実験施設なんだ?」
「
確かに。スメリア国は
「…おい、ポコ。」
「なに?」
「
俺が
「え、なんで?どうしたのさ、急に。」
「なンだ、マタ敵か?」
「……」
ポンコツはさて置き、ポコも音以外の気配には
「ご
「
俺が
「まさか本当に
体の倍はある
羽ばたきに合わせて
「うわぁっ!なんなの、アレ!?」
「見て分かるだろ?俺たちは
二匹の狼を
「トウヴィルの人間を助けるつもりか?」
「そ、そうだよ!村の人は何もしてないでしょ?返してよ!」
「…目的は地下通路か。」
ああ、バレちまった。黙ってりゃいいのに、バカ
「人間に
「だって、そうじゃない。何も悪いことしてないのに傷つけられるなんて、オカシイよ!」
…
俺はとばっちりを喰らわないように
「それは、村人を想って言っているつもりか?いいや、キサマはその
「え?」
言葉と声色に
俺は助け舟を出さず、その
「キサマは弱者だった。軍でも、友人の間でも、家族の中でさえ。
「……」
炎を纏う狼たちも、腹に響く静かな唸り声を吐き、悪魔の言葉を
「キサマは自分よりも弱い人間を助けることで、弱い自分を護っているのだろう?」
「……」
悪魔は
「だが、それも
悪魔が叫ぶと
俺には
出す、必要がなかった。
「無駄だよ。」
狼の
「…何?」
そして俺は、そこにある
「僕にはアークが付いてる。アークが僕に”闘うこと”を
仔豚は使い込まれたラッパを口に当てると、その瞳の
「…キサマらはなぜ、そうまでして人間を護ろうとする……」
「僕は今も昔も、どうしようもない弱虫だけど、アークがくれた剣が僕に力を分けてくれたんだ。」
それでも仔豚は
「だから僕は、僕の
弱いくせに強がってみせるのも、バカなくせに前を歩こうとするのも、ポコの人生を狂わせてきた「
俺はその姿に強く共感してしまった。せずにはいられなかった。
その姿を憎らしく思わずにはいられなかった。
…俺は、護れなかったから。
ポコの、
※炎を纏う狼→原作のモンスター「ヘルハウンド」のことです。
※暗緑色の悪魔→原作のモンスター「スペランカー」(ガーゴイル系)のことです。
原作のこのシーンでは、指名手配犯「ディロス」という名前で登場していました。
そんで、「スペランカー」をググったところ、「無謀な洞窟探検家」を意味するらしいです。
他のガーゴイル系統が「ガーゴイル」とか「デーモン」とか「悪魔」的な意味の名前がついているのに、このモンスターだけ「人間」を指すような名前になってるのは何か意図があるのかな?
今回は特に設定を設けませんでしたけれど、今後「スペランカー」が出てきた時にはもう少し注意して考察しようと思います。
※識る(しる)
物事の道理を見聞きすること。また、それらへの心の働き。
※サイコキネシスとテレパシー
サイコキネシスは、「念動力」のことですね。手を触れずに物体を動かす力です。
対してテレパシーは、「精神感応」。表情、言葉など五感を使った伝達手段に頼らずに相手の心理、思考を読み取ること。または、自分の考えを伝えること。
※バルバラード国
アークの世界にある国の一つです。
私たちの世界でいう「サウジアラビア」や「イラク」などのある中東の国だと思ってください。
※挿げ替える(すげかえる)
別の物(新しいもの)と取り換えること。ある者の地位に別の人物を置き換えること。
※暗緑色(ダークグリーン)
「ダークグリーン」を検索してみたんですが、なかなかちゃんとした解説っぽいのが見つかりませんでした。(色味のサンプル画像はでるんですが)
もしかしたら「ダークグリーン」は正式な「色」として扱われていないのかもしれません。
「暗緑色(あんりょくしょく)」も当て字です。
※葡萄色(ボルドー)
「ボルドー」、フランスのボルドー地方でつくられる赤ワインの色が由来です。
ワインレッドよりも暗く、紫に近い赤です。
和名がなかったので、近しい「葡萄色」を当てました。
※暗緑色の悪魔は目を細め、ポコの瞳を覗き込むとまた薄く笑った。
ディロスがポコをイジメるシーン。
ガーゴイル系のモンスターの「追加能力(マザークレアから付与される魔法)」に「天の裁き」というものがあります。
確定はさせませんが、対象者の「罪」や「負い目」を明らかにする『力』、それらを罰する『力』があることにします。
原作では光のレーザー的なものが敵に降り注ぎます。
後述する「鈍色の煙」の煙は、この「天の裁き」の『力』を補助する「スリープウィンドウ」とします。
「スリープウィンドウ」は「スペランカー」の特殊能力の一つです。
※躱す(いなす)
「いなす」は、攻撃を避ける。簡単にあしらう意味。
本来、「いなす」の漢字表記は「往なす」もしくは「去なす」ですが、意味が分かりにくいので、今回は「躱す(かわす)」を使いました。
※シャコー帽がやけに明るく輝いて見えた
ポコの専用装備「太陽のぼうし」のことです。
装備した時の効果は「毎ターンHPが5ポイント回復する」。
(以下、若干ネタバレです)
遺跡ダンジョンの地下44階で手に入ります。
「ちょこ」のイベント回収のために必要なコンバート(ⅠからⅡへのデータ引き継ぎ)要素のために、地下44階は訪れてなきゃいけない場所なので、このアイテムは取得済みということにしておきます。