聖櫃に抱かれた子どもたち   作:佐伯寿和2

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ラッパ吹きの行軍 その二

……どうやら、俺の耳は完全にイカれちまったらしい。

 

……そう、

それはまるでバイオリンのように()りつめた空気の上を華麗(かれい)(すべ)ってみせた。

それはまるでグランドピアノのように空を(うつ)水面(みなも)に落ちる無数の雨粒(あまつぶ)だった。

なのに、それはクラリネットのようでもあり、スネアドラムのようでもあり、トロンボーンのようでもあり、アルプホルンのようでもあるんだ。

 

だけど、俺の目にはたった一本のトランペットしか映らない。

俺が(くる)っちまったのか?それとも、この世界の音が狂っちまったのか?

酒を飲んだ訳でもないのに、感覚は(みだ)れ、意識(いしき)もハッキリしない。

たった一人の、お世辞(せじ)にも優雅(ゆうが)とは言えない青年楽隊が、たった一本の金属管(きんぞくかん)を使って――俺の知識(ちしき)じゃ表現(ひょうげん)しきれない――無限の音色で()()()()(くる)わせた

 

「…どうなってんだよ……」

経験のない世界に放り込まれ、混乱している間にもう一つの信じられない出来事が起こっていた。

 

殺意だけで息をしていた『気配』たちが、()()した息もろとも天使に抱かれていくかのように消えていった。

その表情は、「幸せ」とまではいかないものの、(あき)らかに「戦争」から解放されているのが分かった。

「…こコハ、ドこダ?」

いよいよポンコツが本格的(ほんかくてき)(こわ)れ始めたところでようやく、金管(ラッパ)()()んだ。

 

「…ダメだよ、エルク。戦いだからって何でもかんでも暴力(ぼうりょく)で解決していいものじゃないんだよ?」

一仕事終えたポコは深呼吸すると、なぜか俺に説教(せっきょう)をたれ始めた。

「何でだよ。」

いや、そんなことよりも、

「何なんだ今の?お前、何やったんだ?」

「あれはね、城の爆発に()()まれた兵士たちと、アンデルに(だま)されて命を落とした貴族たちの(たましい)忠誠(ちゅうせい)(ちか)った王様がいなくなったことが信じられなくて、今でも自分たちの仕事をまっとうしようとしてただけなんだよ。」

「それをどうやって()(はら)ったかって聞いてんだよ!」

会話(キャッチボール)ができねえ。まるでウチのポンコツと(しゃべ)ってる気分だ。

そのポンコツは(いま)だに「…敵ハ、どコダ?」なんてバグってやがるからついでに頭を(はた)いて、さらにポコを()()めた。

「そんなに怒鳴(どな)らないでよ…。」

相変(あいか)わらず臆病(おくびょう)で、殺し合いに対する気構(きがま)えもない。

だけど…、

「ただ、僕は皆に幸せになって欲しいって思ってるだけだよ。」

「……」

確かにコイツのかもし出す空気には、奇妙(きみょう)居心地(いごこち)の良さのようなものがある。

 

だけど、だけどよ!こんな殺し合いの仕方(しかた)があってイイのかよ!?

…いいや、そうだよ。こんなの、もう「殺し合い」でもねえ。

これじゃあまるで、「救済(きゅうさい)」じゃねえか。神様が亡者(もうじゃ)の魂を天上に送るみたいな。

これが、「アーク一味」のやり方なのか?ククルといい、コイツといい…。

誰も傷つけないとか、そんな、偽善者(ぎぜんしゃ)(かたまり)みたいな…、「アーク一味」ってのは、そういうイカれた宗教団体だってのかよ?

 

「多分ね、皆できることなんだよ。だって、誰にだって一度くらいは”幸せ”を感じたことがあるはずでしょ?」

だったらなんだってんだ。「気持ち」で人の命が(すく)えるつもりか?

そんなクソみたいな文句(もんく)聖書(せいしょ)訪問販売(ほうもんはんばい)だけで()()ってるんだよ。

だいたい、だったらその(こし)()るした剣は何なんだよ。(たの)むから(かざ)りだとか言うんじゃねえぞ?

「…お前、もしかして誰も殺したことがねえとか言うんじゃねえだろうな。」

そんなことはない。そう信じたかった。

そうでないと、俺は本格的にコイツらを信じられなくなる。

そして「()()()()」は、(かろ)うじて俺の願いを()(とど)けてくれたらしい。

ポコは(うつむ)き、声を(よど)ませながらも俺の質問に答えた。

「…ううん、そんなことはないよ。むしろ、今みたいに戦わないですむことの方が少ないんだ。」

当然(とうぜん)だろ?(きば)()いて、剣を持って襲い掛かってくる状況(じょうきょう)で、話し合いで解決するなんてことを考えてる方がどうかしてる。

「それでも僕はできるだけ戦わない方法を探したいんだ。そうじゃなきゃ、いくらアークだっていつかは(たお)れちゃうもん。」

「そりゃあ、お前がアークを護ってるって言いたいのかよ?」

「あ、もしかして、僕じゃ役に立たないとか思ってない?」

「ああ、そうだな。」

 

0(ゼロ)とは言わねえ。だけど、俺たちがやってんのは「ごっこ」じゃねえんだ。

(かり)に、さっき見せたコイツの『力』が本物だったとしても、本物の「戦争」にルールなんてねえ。

だけど「死」は絶対だ。

だからコイツの言う『気持ち』なんかより、一発の「銃弾」の方がよっぽど役に立つに決まってる。

それが当たり前だろ?

もし今戦ってたのが、ガルアーノの(つく)った化け物だったら『幸せ』なんかで倒せるもんかよ。

……そんな絵本(クソ)みたいな方法で、アイツらが救われるはずがないんだ。

 

「まあ、見ててよ。僕だって役に立つんだから。」

臆病で(こわ)がりなくせに、妙に楽観的(らっかんてき)な奴だ。

でも、多分、コイツの言ってることは本当なんだと思う。何度も言うけど、コイツも()()「アークの一味」の一人なんだ。

それがどんな方法であれ、「俺たちにできないようなこと」が当然のようにできちまうんだ。

それを(みと)められないのはただ、コイツのやり方が気に入らないから…。

「アンた、誰?」

相変(あいか)わらず空気の読めないウチの粗大(そだい)ゴミは、(とぼ)けたツラで俺を見上げながらそうほざいた。

()いた拍子(ひょうし)に目を回したらしく、まだ一人で「記憶(きおく)喪失(そうしつ)ごっこ」を続けてやがる。

「…お前もいい加減(かげん)にしろよな。」

 

ポコは…、ポコ・ア・メルヴィルは、元スメリア軍でアークと接触(せっしょく)したことを()に、アーク一味に(くわ)わってる。

当然、「スメリア王暗殺の犯人」として祖国(くに)から裏切り者(あつか)いされてるってのに、軍服を着続けてる意味はなんだ?

それってのは今でも殺された王への「忠義(ちゅうぎ)」を忘れてないって主張(しゅちょう)してるつもりか?

それで「正義」が証明(しょうめい)できるとでも思ってんのか?

()らず()らず、俺の頭の中は「ポコ」のことで一杯(いっぱい)になっていた。

どうにかしてコイツを否定(ひてい)できる何かを探そうとしてる。

もしくは、その反対か…。

 

()()えず先に進もうよ。」

(たん)にマイペースなのか。それとも、それがコイツの()()なのか。ポコはモヤモヤしたままの俺を無視して先へ、先へと進んでいく。

「……」

「おイ、わシもいっショにイクぞ。」

整理(せいり)のつかないまま、俺は正体不明の楽隊の背中に追いかける。

 

内部から爆破したというヂークの言葉通り、奥に進むほど城の損傷(そんしょう)は大きかった。

床は一面に(ひび)が走り、天井(てんじょう)だっていつ(くず)れてきてもおかしくない。

そう思った矢先(やさき)、足元から巨大なガラガラヘビの威嚇音(いかくおん)()()けていく。

「危ねえっ!」

三人の体重に()えられなくなった床が俺たちを飲み込もうと、(またた)()大顎(おおあご)を開いた。

俺の警告(けいこく)が早かったお(かげ)か。小太りの楽隊も危なげなく崩落(ほうらく)回避(かいひ)してみせた。

「あーあ、(こわ)れちゃった。」

「壊れちゃった、ってなぁ…。」

穴の直径(ちょっけい)は、おおよそ4、5m。身軽(みがる)な俺と、一応(いちおう)、ロケットエンジンもどきを()んでるヂークにはどうってことのない穴だけど…。

「お前、帰りのことはちゃんと考えてあるんだろうな?」

ここまで一本道だったし、横穴を()って逃げようにも(かべ)相当(そうとう)分厚(ぶあつ)い。そもそも、穴を掘る道具だってない。

「しょうがないよ。帰りのことは帰りに考えよう。」

「言っとくけど、俺たちはテメエの尻拭(しりぬぐ)いのためにここにいるんじゃねえからな。」

「大丈夫、これでもこのお城に(つと)めてたんだから。中のことはよく知ってるんだよ?」

…そうだったな。

間の抜けた言動が多いせいか。どうしてもコイツが「兵隊」だったって情報が板につかねえ。

なんか、俺の方がマヌケみたいでムカつくぜ。

 

小太りの楽隊は言葉の通り、少しも迷うことなく進んでいく。

「ありゃりゃ…、」

「どうしたよ。」

ポコは縦長(たてなが)()いた大穴の前で立ち止まった。

「前はここにエレベーターがあったんだよ。」

「いや、こんだけボロボロになってんだ。そりゃあ、エレベーターだって落ちるだろ。」

「そレに、エレベーターなんカナくテも普通に()りてイけバイイジャろ。」

ヂークの言うように、かつてエレベーターがあったらしい穴には、さらに上の階から()(そそ)がれた瓦礫(がれき)が階段感覚で()りられるくらい良い感じに積み上がっていた。

ただ、その一段目に辿(たど)りつくのに5mほどの高さを飛び降りなきゃならない。

「まあ、そうなんだけどね。でも、その方が楽ちんだなって思っただけだよ。それに、ちょっとだけ、高いじゃない?」

と言いつつも、ポコは躊躇(ためら)う様子も見せずにヒラリと飛び降り…、ズシンと着地(ちゃくち)した。

「痛たたた。足、(しび)れちゃった。」

「……」

こんなヤツが「国際指名手配犯」でよく(まわ)りの連中は何も疑問(ぎもん)に思わねえでいられるな。

今はもう、何を見ても同じ疑問しか浮かんでこない。

だったら今はククルの依頼(いらい)に集中してる方が何倍もマシ、だとは思うんだけど…。

 

瓦礫を(つた)って降り始めて数分とせず、下の方から耳障(みみざわ)りな羽音(はおと)が聞えてきた。

「…おい、ちょっとそこでジッとしてろ。」

「え、もしかして一人で戦うつもりなの?」

「わかんのか?」

「僕、耳は良いからね。」

「オい、何の話ヲしトるンじャ?」

耳が良いってのはだいたい予想がついてたけど、俺と同じタイミングで気付くくらいの集中力があることに少し(おどろ)いた。

 

「…どうすんだ?またご自慢(じまん)のラッパで追っ払うつもりか?」

「うーん、そうだね。僕にはこれしかできることはないしね。」

ポコはあっさりと言ってのけた。まるで俺の方が「()()()()()()()()」とでも言われているかのように。

…本人にその気は少しもないんだってのは分かっちゃあいるけど……、

「じゃあ(あらた)めてお手並(てな)拝見(はいけん)といこうじゃねえか。」

「え、もしかして僕一人でやるの?」

その女々(めめ)しい(つら)は笑えるくらいコイツにピッタリで、もはや見慣(みな)れてきたまである。

けれどそれが(ぎゃく)に、知らず識らずの内にコイツに「()かされてる」ような気分にもさせられる。

「できねえの?」

だからこそ、今の内に()()()()本性(ほんしょう)を知っておきたいんだ。

そうじゃねえと無駄に苛立(いらだ)って、いざって時に集中できなくなるかもしれねえ。

「…エルクって結構(けっこう)、意地悪なんだね。」

「これから一緒(いっしょ)に人質の救出(きゅうしゅつ)って繊細(せんさい)な作業をしなきゃいけないんだぜ?身内の能力はこの目で見ておかねえと不安なだけだよ。」

「コラ、ワシも話ニ混ゼンカ!」

雑音(ラジオ)の音が(むな)しく(ひび)き、羽音はこれを目掛けて()()ぐに突っ込んでくる。

 

「敵カ?敵ナノカ?」

前言撤回(ぜんげんてっかい)だな。やっぱりウチのポンコツの方がよっぽどポンコツだわ。

「もし危なくなったら助けてよね?」

「ああ、いいぜ。」

「…さびシい……」

「おいおい、そうイジけんなよ。お前、強いんだろ?だったらお前の出番はまだまだ後になるってだけの話だよ。」

金管(ラッパ)片手にポコが敵に向かっていくのを見届(みとど)けながら、俺は適当(てきとう)にポンコツを(なぐさ)めてやった。

「当然ジゃ、ワシは最強ノ機神(きしん)じャカラナ!」

…でも、そうだな、

「そんじゃあよ、そんな世界最強にしかできない仕事があるんだけどよ…。」

「オ、わカッてキたじゃなイか!なんジゃ。何デモ言ってミろ。」

俺はこの()()()()の間に、ポンコツにちょっとした仕事をさせることにした。

「任セロリ!」

「……」

 

ポコの相手は、大型犬ほどの大きさで、岩くらいの(かた)さの外骨格(がいこっかく)をもつ羽の()えたダンゴ虫が2匹。

サイズこそ小型犬にも()たないけれど、ダンゴ虫の羽音に気配を(しの)ばせ、獲物(えもの)の死角から(するど)い牙で襲い掛かる吸血コウモリが2羽。

ダンゴ虫の威圧感(いあつかん)のある体躯(たいく)と耳障りな羽音で敵の注意を引き、忍び寄ったコウモリが敵を切る。

吸血コウモリの牙は肉も骨も紙のように()()いてしまう。さらに、唾液(だえき)には流血を促進(そくしん)し、血の凝固(ぎょうこ)阻害(そがい)する作用(さよう)もある。

このコンボを決めてしまえば、あとは適当(てきとう)に付かず離れず飛び回っていればいずれ獲物(えもの)は出血多量で倒れてしまう。

お互いの特徴(とくちょう)()かして共生(きょうせい)共闘(きょうとう)することはよくあることだ。

だけど一目見ただけで俺は気付いた。「動き」も「力」も野生とはレベルが段違(だんちが)いだと。

 

「うっひゃあっ!?」

ラッパの()わりに裏返った悲鳴(ひめい)が吹き抜けを駆け上がっていく。

「……」

「アイツ、かッこ悪イ戦い方をスるな。」

早速(さっそく)、お手上げのサインかと思いきや、それはコイツの(なさ)けない戦い方の仕様(しよう)の一つらしかった。

 

ブッパッ!

 

さっきまでの心惑(こころまど)わす華麗(かれい)なメロディはなく、低く(にぶ)い一音がラッパから(はな)たれる。すると、ポコを威嚇(いかく)する一匹の石のダンゴ虫が突如(とつじょ)、見えない何かに()(つぶ)された。

「ふ~、危ない危ない。」

そのままもう一匹のダンゴ虫を潰せば一気に優位(ゆうい)に立てたってのに、余裕(よゆう)だとアプローチしてやがんのか。

あろうことか(かま)えを()いて冷や汗を(ぬぐ)うと、ひたすら敵から逃げ回ってやがる。

 

体格(たいかく)物語(ものがた)っているように、機敏(きびん)な動きとは程遠(ほどとお)い。「逃げ回るので精一杯(せいいっぱい)」って感じしかしねえ。

「ひえぇぇ〜!」

そこまでして攻撃しねえ理由って何だ?まさか、さっきみたく同情(どうじょう)してるとかか?

…連発できねえのか?もしくは、実力を隠すための演技(えんぎ)…、

 

パンッ!

 

それでも、狡猾(こうかつ)に忍び寄る吸血コウモリの気配に気付き、照準(しょうじゅん)もそこそこに今度は高く鋭い一音を放った。

それはボウガンのように、(ねら)(たが)わず標的(コウモリ)(つらぬ)いた。

そして、相変(あいか)わらず一匹仕留(しと)めるとまたしばらくは逃げに(てっ)している。

 

一音一殺。ポコの『音』は強靭(きょうじん)な肉体を持つ化け物相手にそれだけのダメージを与える確かな「攻撃力」を(そな)えていた。

間違いなく「兵器」に匹敵(ひってき)する『力』がある。まるで足の()えた砲台(ほうだい)を見てる気分だ。

なのに、余波(よは)とはいえ、同じくその『音』を聞いているはずの俺たちにはまるでダメージがない。

そこにアイツの『力』の仕組み(タネ)がある気がする。

 

それにしても、あのコウモリたち相手によく逃げ回る。

呆れ半分、感嘆(かんたん)半分の目でポコの動きを追い続けた。

 

数分後、どうにかこうにか全部仕留(しと)めると、肩で息をしながら俺たちのところに戻ってきた。

「ハァハァ、どうだった?」

見た限り、演技をしている風には見えなかった。

正真正銘(しょうしんしょうめい)、あれが「ポコ」って”1000万の賞金首”の戦い方なんだ。

「悪くはねえよ。ただ、一つ聞いときたいんだけど、アンタのその『力』、音を出さずに使えねえの?」

「え、なんで?」

ここまでそうしなてこなかったから何となく予想はついてるんだけど…。

「なんでって、無駄に敵に居場所を教えちまうじゃねえか。」

「…そういえば、そうだね。」

「お前、本気で人質を助ける気があんのかよ。」

でも、これもアークたちの采配(さいはい)なんだ。コイツなら目的を()げられると()んでの。

「その腰の剣は飾りか?」

「…一応、アークに言われて持ってるだけなんだよ。僕、あんまり剣術は得意じゃないから。」

「使えねえならここで捨てろよ。」

「ええ、なんで?」

コイツは本気で言っていた。本気で、俺の言い合う必要すらないアドバイスに疑問を覚えていた。

「いい加減(かげん)にしろよ。俺たちは人質を()()()助けなきゃいけねえんだぜ?意味もなく敵の注意を引いちゃいけねえし、少しでも早く敵の目を()(くぐ)っていかなきゃなんねえんだ。そんな使い慣れてもいねえ()()()()()()持ってるだけでメチャクチャ危険だって分からねえのかよ。」

「…そうだけど…、そうだけど、これは持っておきたいんだよ。」

そのナヨナヨした表情だけはどうにも鬱陶(うっとう)しくて仕方がなかった。

「…勝手にしな。それでミスっても俺はテメエのケツなんか()いてやらねえからな。」

「うん、僕、頑張るよ!」

「……」

「タフじゃナ。」

「足手(まと)いだ」って意味で言ったつもりだったんだけどな。

まるで(こた)えてやがらねえ。

たとえ、そのタフさがコイツの長所だったとしても、それがあの無慈悲(むじひ)な連中から人質を救い出す何の役に立つってんだよ。

 

…まあ、いいや。人質を救出するまでには答えを出してやるよ。

俺が、「アーク一味(テメエら)」に付くかどうかをよ。




※石のダンゴ虫→原作のストーンフライのことです。
※吸血コウモリ→原作のヴァンパイアバットのことです。


※まるでバイオリン~アルプホルンのようでさえあった。
実際の楽器には、それぞれに限界音域(その楽器で出せる音程の幅)がおおよそ決まっています。
なので、トランペットにピアノの音域全てを出すことはできませんし、トロンボーンの音域全てを出すことはできません。
そもそも、それぞれの楽器に特有の「音色(おんしょく)(音の質)」は他の楽器では真似できないものだと思います。(浅い知識で書いていますが)

そして、この注釈で何が言いたかったかというと、
ポコの『力(技術)』はこの不可能を可能にしてしまうということです。
ポコの吹くトランペットからはピアノの音色が鳴り、スネアドラムの拍子を感じさせることができるのです。
スゲえぜ!

※ポコの装備
原作でのポコの装備可能な武器は「シンバル」と「フレイル」です。
ですが、私都合で楽器以外にも「剣」を装備していることにします。
また、ポコの特殊能力には「和太鼓(バスドラム)」や「小太鼓(スネアドラム)」、「オカリナ」、「(ホイッスル)」、「竪琴(ハープ)」はては「オーケストラ」を使ったものがありますが、さすがにこれら全部を常備してたら一歩もあるけなくなるので、
基本的に「トランペット」と「剣」ってことにしようと思ってます。
ちなみに激しい衝撃で壊れてしまわないようにトランペットは「ハードケース(強化プラスチックなどで作られたケース)」に入れてることにします。
ただ、基本的にトランペットを懐に入れて持ち歩く人はいません(笑)
普通は背負うものですね。

※「低く鈍い一音」と「高く鋭い一音」
それぞれ、ポコの特殊能力「へろへろラッパ」と「気合いラッパ」のつもりです。

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