「エルク、顔の
「火傷?…あ。」
ククルに
「ナンジゃ、気付トらんかッたノカ?」
「……」
「見るか?」
何のために持ち歩いているのか。ヂークベックは
「……」
頬から
…いよいよ化け物
自分の目でそれを見てようやく、頬や
それなのに、「気持ち悪い」とは少しも思わない。
ただ、どうしてだか悲しい気持ちになる。ここ最近、かまってやれてない茶太郎に
「どうしてここだけ?」
全身を
「……」
「…なんだよ。別にアンタが
「言いにくいこと」の
それにどちらかといえば、それを他人の口から聞きたくない。彼女の
「それに、本当ならとっくにおっ
…俺は、
あのまま死んでた方が俺にとっては幸せだったんじゃねえかとも思ってしまう。
…いや、これでいいんだ。
「もっと時間を
「…いや、いいよ。別に顔で
「…本当にいいの?」
「ああ、かまわねえよ。」
もう…、いいんだ。こんな話を続けてたって誰も
パッと見ただけじゃあ、
しばらくは鏡と向き合って、この
「なあ、
もっと
「今は私たちの船も
彼女を悪く言うつもりはないけど、あの天下の「アーク
「そうね。もう一つ、仲間が用意してくれた方法があるのだけれど、それはこの
「…そっか。いや、ちょっと急いでたから言ってみただけなんだ。我がまま言って悪かったな。」
それに、ただ気になっただけで、元々歩いていくつもりだった。
ただ、
「でも、村の人を助けたら必要になるかもしれないから、
そう言って彼女から受け取ったのはカワセミの羽と同じ色の石ころだった。
「これは?」
「”リーフの
使い方は、石を
使用回数は一回に限られるが、
というか、こんな
少なくとも俺はそんな
「アーク一味」は「世界の力」じゃ
俺はそんなことを考えながら、ボンヤリと緑色の珠を
下山した後の、
それなのに…、
「あの子の所には行かなくていいの?」
「…何の話だよ。」
「リーザよ。」
「……」
さっきまでの気遣いはどこにいったんだよ?
ククルはバカにでも分かる「お
「あの子、うなされるアナタの
リーザは…、そういうヤツなんだ。
パンディットを
「でも、もう行っちまったんだろ?だったら、そっちはそっちで
こればっかりはどうしようもない。
俺にだって
彼女から
「何か
「は?」
どこか、彼女に
ミリルの時みたく傷つきたくなくて、少しでも早く彼女を忘れようとしてた。
「俺のため?」
「そうよ。」
ククルは、追い込まれると決まって逃げようとする俺の
「私があの子を
「……」
「アナタのところに戻ってきた時、アナタの手を引いて生きていけるように。」
「…だから、それが余計なお世話だつってんだよ。」
どうしてそんな時こそ彼女の
だって、そうだろ?俺は『お前の化け物』になるって約束したじゃねえか。そのために、色んなものを
「
「また、俺が悪いってのかよ?」
「良い悪いなんて関係あるのかしら?あの子は今、
…クソッたれ……
左頬を
「会ってあげないの?」
「…アンタらの
リーザ…、きっと会いにいくよ。だから、もう少しだけ待ってて。
今の俺に「約束」なんて言葉、なんの
それでも、君の
「強がりね。アナタも、リーザも。」
「……」
余計な、でもこの
火傷の痕は
視界を
だから、この仕事を
なに、シュウが小指を落としたことに
そして、この村で目を覚まして初めて神殿を出た俺を待っていた
「…こりゃあ
神殿の外に出て一番に目に入ったのは、さすが「アークの拠点」という
「『結界』って、今もちゃんと
「ああ、これは
神殿を出ると、下山の
「あ?襲撃じゃなかったら、どうしてこんな
「そもそも、この村はこんな山の上になかったんだ。」
なんでも1年前、アークらがパレンシア城での例の事件を起こした直後、このトウヴィル村を
…ちなみに俺はそんなニュースは聞いたことがない。
こんだけの
村の
「それ、マジかよ?
「それがこの国の
「精霊」と「アーク」、この二つが今のこの村の心の
…ククルと
「
ベッドで寝てた俺とは違って、ポンコツは村人といくらか
ブリキの
「できることはしてるんだけどね。今はまだ
「中途半端」なんて
俺のよく知るプロディアス市の連中なら三日と待たずにデモ行進で
「でも、いいんだ。ラジオでアークたちの
それでも
「冬ハ、寒ムくないのカ?」
「
「へえ、そりゃあスゲエな。」
それだけじゃない。
これだけの超自然的『力』を見せつけたなら、それこそ「精霊の
事実、彼らの彼女に寄せる信頼は、猫がツナ缶に向ける
「そんなにスゲエ『結界』なのに、どうやって村の人間は奴らに
すると、スルトの顔が
「マーレス…、先代村長が裏切ったんだ!自分の命
今、その先代が目の前にいたら、コイツは「人を殺す」って行為になんの疑問も覚えなかっただろうな。
そんな目をしていた。
「…バカだな。」
どんな情報なのか知らねえが、たかが情報ごときで奴らが使い道のない人間を生かしておくもんか。
「ああ、アイツは
「……」
――――この、裏切り者っ!!
俺は…、
「…ミリル、ジーン……。」
山に
「なにか?」
「…いいや、なんでもねえよ。」
その眼差しが
もしも俺に羽があったら、あの
「ちなみに、アンタはあの村の秘密とか知ってたりすんのか?」
いくら精霊が強力な『力』を持ってるったって、「地殻変動」はアイツらにとっても大きなリスクを
変動後、
場合によっては特定の精霊の
そんなリスクを
そうしなきゃならない「秘密」があの村にはあるんだ。
そして、その「秘密」は間違いなくあのククルのいた部屋にある。
あの七本の
…とはいえ、それだけ重要な「秘密」をいち村人が知っている訳もなく、スルトも例に
「…わからないよ。」
…まあ、当然っちゃあ当然だよな。
「でも…、」
この
けれども、スルトの
顔を上げ、俺に向けたその瞳には、
「でも、あそこは、ククルの神殿はこの世界を救う
「マジで言ってんのか?」
それはさすがに言い
けれど、それは「世界の
『力』の質が違うんだ。七本の石碑の奥に佇んでいたモノを少しでも感じ取れたなら、それに気付けるはず。
でも、
「僕たちは、そう信じてる。そうでなきゃ、生きていけないんだよ。」
「……」
「そうでなきゃ、僕らはアークを受け入れられないんだよ。」
「……」
どうしてそうんな風に考えられるのか俺には理解できなかった。
それは本当にスルト自身の考えなのか?もしかすると、それもまた『結界の力』のせいなんじゃねえのか?
…「秘密」を護るために。アークって名の「
「それじゃあ、僕はこれで。」
「ああ、案内サンキューな。」
山の麓で俺たちは
今のスメリア軍は大臣に
そもそも「身分証」自体、スメリアが開国してからできた
だからこそ、
「…どこまで?」
「コルボ。」
「…そっちの鉄人形は?」
電車に乗ると、運転手は合言葉のように聞いてきた。
そして、打ち合わせ通り、ヂークは低知能の作業用ロボットという
「軍が捨てたゴミから俺の村の変わり者が
「…手前の席に。」
「悪いな。」
コルボ市は首都から徒歩でだいたい3日かかる距離にある。あくまで
「こリャ、ゴミとハナンじゃ!」
コルボ市で降り、
「似たようなもんだろ?それより、さっきはよく
「そりゃバカにしトるじャロ!?」
「そうか?俺はようやくお前の良い所を一つ見つけられたと思ったんだけどな。」
「ワシは世界最強ノ
「ハハ、そうだな。いや、気の抜けたビールでも最悪
「…オ前、
「金欠?何だそりゃ?聞いたことねえ言葉だな。そりゃあ、俺みたいに
「有能な賞金稼ぎというのはこんな風に町から町へ走って移動する者なのか?」
「俺の足に付いてこれるか、お前の
「バカもん!ワシが本気を出せば、さっきの電車の10倍は速く移動できるわい。」
ヂークは自家発電式のエネルギーを消費して、バックパックに
エンジン自体は小型だけど、その
「そうだな。俺もそう思ってるよ。」
「…信じておらんじゃろう?」
「信じてるよ。お前がさっきの電車より10倍速く俺を温めてくれる家庭用ボイラーだってな。」
ムキになって俺を追い回すヂークを、木々や
※トウヴィル村からの移動手段
原作ではトウヴィル村には空からのアプローチしかできないため、シルバーノア以外の移動手段としてはククルの『テレポート』がありますが、あまりに便利すぎるので今回は自力で山を下りてもらうことにしました。
原作マップを見る限り登山道はなさげなんですが、道がある設定でお願いしますm(__)m
ただ、都合上「リーフの珠」システムだけは採用させていただいてます(どっちやねん(笑))
※山羊(やぎ)
険しい山道も渓谷も難なく渡ってしまう忍者のような獣たちです。
人が乗って山道を移動しているような動画は確認できませんでしたが、彼ら単体であればかなり傾斜のキツイ山肌も素早く移動できるらしいです。
私としては、もの○け姫の「ヤ○クル」をイメージしています。
※茶太郎
たぶん、ビーグル犬です。
ギルドのお仕事を解決するとエルクの家に配置されることになるアークの隠れマスコットキャラです。
※カワセミ
「水辺の宝石」とも呼ばれる彩の綺麗なスズメより少し大きい鳥です。
主だった羽毛の色はコバルトブルー(
このコバルトブルーは羽毛に備わった色素によるものじゃなく、CDの裏面やシャボン玉、タマムシに見られるような「構造色」によるものです。
簡単に説明すると、「色素」による色彩の決定条件は「色素」がどの色の光を吸収し、どの色の光を反射するかです。
一方、「構造色」による色彩の決定条件は、どの色の光を反射するかではなく、入射する光を
波長(それぞれの色の光)によって反射する角度が違うため、見る角度によって色が変化するのが最大の特徴ですね。(光を分解して反射しているため、「透明」でも「
※リーフの珠(リーフ【leaf】=木や草の葉)
原作では、もう少し後で別キャラクターからもらうアイテムになっていますが、ここでククルが渡さないのはなんだか不自然に思えて、今回、ゲットする運びとなりました。
(原作はストーリーの進行をスムーズにするために後回しにしたのかもしれません。)
いつもの余談になりますが、
世界各地、古くから「植物」を文様(唐草模様=アラベスク模様)、柄として描く風習があり、始まりはエジプト、メソポタミア。そこからシルクロードを経て世界に広まったとされています。
ありきたりかもしれませんが、これらの文様には「永遠」や「生命」、「母性」の象徴という意味が込められていたそうです。
また、日本で描かれているような麻の葉には、丈夫でどんどん伸びていく様子から「子どもが健やかに成長する」というような意味もあるそうです。
余談プラスですが、
オリーブの木で作られた冠がオリンピックのメダリストに贈られることからも分かるように、「オリーブの木」には「勝者」「英雄」などの意味がある他、「平和」や「知恵」という意味もあります。
「知恵」の方は省きますが、「平和」は「ノアの方舟」という物語から由来します。
ある時、神は人々の悪行や傲慢に怒り、地上を洪水で呑み込んでしまいます。
神から信頼を得ていたノアは、事前にこの「災害」のことを知らされ、地上の動物のつがいを一組ずつ船に乗せて避難します。
「災害」が訪れてから40日後、ノアは状況を確認するためにハトを飛ばすと、ハトはオリーブの若葉を咥えて戻ってきました。
「若葉」を見たノアは洪水が止み、地上に「平和」が戻ったことを知るのです。
~まとめ~
「ククルの神殿」の全体像は分かりませんが、正面玄関のグラフィックは「ピラミッド」を連想させる造りをしているように思えます。
私は「ノアの方舟」=「シルバーノア」だと思っていますし、
オリーブと似た
私の話では「スメリア」は「日本」設定なので「子どもが~」の意味も含むとなると、
「リーフの珠」は、ククルもしくは神殿の「純潔」「母性」「生命」など、「子どもを支える、守る」というような場所へと導く「魔法のシルクロード」なんじゃないかと思いました。
…なんとなくですけど、月桂冠を被るアークって結構イイ絵になる気がしません?
※君の
風になびき、夕日を浴びたリーザの「金髪」を表現しています。
…確か、前にもどっかで書いた覚えがあるんですけど……、見つけられないf(^_^;)
※トウヴィル村の住人
原作において、この時点では村人は全員スメリア国に捕えられて無人の設定ですが、色々な都合上、私の話では捕まったのは住人の一部ということにしています。
さらに、「地殻変動」による死者はいないと書きましたが、原作のトウヴィルを見てみると「墓標?」のようなもの(
……あれって何なんでしょうね(笑)
思い切って「地殻変動で亡くなった人たちの墓」って設定にしてもいいんですが、そうすると村人からアークたちへの信頼は中々確立できないんじゃないかと思って「お墓説」は保留にしました。
※卒塔婆(そとば)
お墓の後ろに立てかけられる長さ1~2mほどの細長い板です。
礼拝の対象となる塔(お釈迦様のお墓、もしくは仏塔)を模したもののようです。
細かいことは省きますが、これを立てるだけで亡くなった方への良い供養になるらしいです。
※掘っ立て小屋
粗雑な造りの家。
※「事実、彼らの彼女に寄せる信頼は、猫がツナ缶に向ける眼差しのように熱い」
「熱い眼差し」と「厚い信頼」をかけてます。
なんとなく言っておきたくて(笑)
※スルト
原作にはいないキャラクターです。
※マーレス(トウヴィル村の村長)
原作では「アークⅠ」の冒頭にのみ登場しました。名前は創作です。
※社(やしろ)
神様の降りるところ。現れるところ。祭ってある建物(神社)。
昔は特定の清められた場所を指していたそうです。
※コルボ市
原作マップに「コルボ平原」というフリーバトルエリアがあります。
このコルボ市はその近辺にある町だと思ってください。
日本地図にあてがめると、だいたい栃木県の辺りにあります。
※スメリアの列車
公式販売されていたトレーディングカードの中に「スメリア」の設定が書かれたカードがあり、カードの画には路面電車(別名、チンチン電車)のようなものが描かれていました。
電車が走るってことは電線が必要なんですが、原作のトウヴィル村でも電線、電柱が描かれていたので、スメリア国の細かい所まで走っていてもおかしくないと思います。
※ヂークのボディ→家庭用ボイラー
公式の設定で、ヂークの体の一部はヴィルマー博士の家にあった「ボイラー」を流用しているらしいです。
※ホントの後書き
……長い。後書きも含めてほぼ2話分ある。
その分、ミスも多くあるかもしれませんが、今回はご容赦くださいm(__)m
(正直、にらめっこに疲れました(笑))