「……」
力だけで言えば俺は決して弱い方じゃない。
そんな俺が、ここ1、2週間の内に知らない天井の下で目を
そして、そこには決まって
どうしてこうなったのかはあまり
動かさなくても体の
ついさっきまで、『悪夢』を見ていた気もする。
それなのに不思議と心は
だけど……、何に対してかは分からない。だけど、「悲しい」気持ちが
ソイツが、涙は出ないくせに
…ひどく、スッキリしない気分だ。
「オぉ、やット起きタカ。
「……」
あと1ミリ
欠伸なんて、もうどうでもいい。
誰か、そのスクラップのスイッチを今すぐに切ってくれ。
「ヂーク、何でテメエが。」
ところがツいてないことに、俺の
「なンジゃ、最強のワシに見守ラレテ
「…ハァ、」
けれど今はそんな小さな努力さえも
『悪夢』の
「ところで、ここは?
こんな、人間でも化け物でもない鉄クズ相手でも。
体を起こして
どうしてこんな所にいるのかも思い出せない。
そんな空間に、このクソロボットと二人きりなんて
「ククルの
「ククル?」
聞いたこと……、あるな。
聞いたことはあるけれど、もしも俺の思い浮かべてる「ククル」がコイツの言ってるそれだってんなら、俺は今、とんでもねえ場所にいることになる。
「もっと分かりやすく言えねえのか?どこの国の、どこの町だとかよ。」
クソロボットは、俺の
「起キテ
「ウルセエよ。そういう情報を
「ワシは世界最強の
…
テメエはあの
「いいから、早く現在地を言えよ。」
「ヂークベック様、オ願イシまスト言え。」
「…ぶっ
ガラクタを
「暴力反対ジゃ!」
「だったら四の五の言わずに言いやがれ。」
言いつつ、出した『炎』に
けれどそんなこととは関係なしに、以前より「
…逆に、自分の体の一部であるような感覚だ。
これも、『悪夢』の影響なのか?
ガラクタは『炎』を前にしても
「フン!こコはスメリア国のトウヴィル村ジゃ。”白い家”デ
「……」
やっぱり、そうなんだ。
ここは
「ククル」ってのは一味にいる女の名前だ。
問題は、どうして俺が奴らに
俺が
「……」
…俺が、
俺は、ガルアーノの
そして、俺は彼女と……。
ザッと自分の体をチェックしてみると、
…いや、ほんの少し、
あれだけ爆発に巻き込まれてこの
「皆は?」
誰もいない
俺が、どうしようもない
「オッかナい顔の野郎はイカス姉ちャント
…コイツ、わざと言ってんのか?
ロマリアってことは、ガルアーノを追っかけてる可能性が高い。今回の
だから――アークのこととは関係なく――シュウが、いつ目覚めるとも知れない俺を置いていったってのは、まあ
だけど―――、
「リーザはフォーレス国に行ったゾい。」
「!?」
…フォーレス国って、リーザの
リーザが、故郷に帰った?
俺を置いて?
エルク、私たちと一緒に―――、
「オイ、聞いとルか?」
「…そうかよ。行っちまったのかよ。」
なんだかひどく
つまらねえ。…つまらねえし……、クソッ。
…でも、彼女のことを思えばそれで良かったんだ。俺の
シュウと別行動してるってことは、追手の方の問題も解決してるんだろう。
だから、これで良かったんだ。これで…。
ただ…、つまらねえ……
…クソ……
「……?そレヨリ、目が覚めタのならククルに挨拶しタ方ガイイゾ。ウなされトッたオ前ヲ心配しとっタカラナ。」
…コイツ、すっかりアークの一味気取りか?
まあでも、今どう動けばいいのか
アークの裏を
少なくとも相手は俺を殺す気はないようだし、俺は
何より、早く人間と会話がしたい。これ以上こんなスクラップと二人きりで会話し続けるなんて
それに…、いくら相手が犯罪者でも礼くらいは言っておくべきなのかもしれねえ。
それだけ
「…ん?なんだコレ?」
ベッドから出ようと手を動かしたその時、初めて自分が何かを
「
「どうしタ?」
「……」
誰かが着けてた気がする。俺の、よく知ってる人が。
「おイ、オーい。」
「……」
「ワシを
「あ?…あぁ、なんでもねえよ。それより、そのククルって奴の所まで
指輪のせいなのか。さっきまでのささくれ立ってた気分がウソのように落ち着いていく気がした。
よく理解もしないまま、俺はその指輪を着けたままにすることにした。
俺は、ガシャガシャと
足音は
「神殿」だからなんだろうか。
「その、トウヴィルだっけ?それってのはスメリアのどの
それどこか、生活に必要な物も
篝火のおかげで包容力《ほうようりょく》のある
「
「…ふーん。」
その様子は、いつやって来るともしれない敵に
スメリア国は20年前まで他国との
そのため、科学技術の面で他国との間に大きな
事実、スメリア国はどの国よりも
それが「
しかし
それまでは馬が
「精霊の国」という幸福を
だが、それでも
また、国が
表向きは
そして、この限られた機関は軍が管理しているものの、
そういう
でも、アークの敵の
もっと言えば、世界中の賞金稼ぎだって「アーク一味」って大金を
俺はこの村がアークの拠点だって聞いたことないけれど、
アイツらの手元にこの村の情報がないとも思えない。
…やっぱり、何か
「この村ノ
「それは、ククルが言ってたのか?」
「いイや、クマみたいなブタみたいな
「艦長?シルバーノアのか?」
「ソウソウ、そレじゃソれじャ。」
アーク一味がスメリア国所有の飛行船を
その”シルバーノア”はスメリア王家専用機のため、かなり
その大きさと、
事実、あの船に乗った連中を追い詰めたなんて
「名前は…なんつったかな。」
「トドでよかロう?トドで。」
「……」
俺が前に
自称、かつて
その
「ほれ、コの先にククルがおルゾ。」
ポンコツがその広間を
そこから
「…まるで、台風の目みてえだな。」
「何言ットる。外ハ雲一ツナい快晴ダぞ。病院、行クカ?」
「……」
「コリャ、人ノ話を聞カンか!」
ポンコツを無視して進むとそこに、人の
※「中東」
私たちの世界で言うトルコ、エジプト、シリア、イラク辺りを想像していただけると助かります。
※端材(はざい)
材料を使った後の残り物。不要になったもの。半端な材料。
※木製の指輪
原作のエルク専用装備「マジックキャンセラー」のつもりです。
原作でのマジックキャンセラーの解説
「炎の精霊の加護を受けた民の為の指輪。魔法攻撃に対しての防御力を上げる。」
材質の指定がなかったので、今回はより「部族」的なイメージを出すために木製にしてみました。
原作では「魔法に対する防御力が上がる」効果でしたが、私のお話では何か別の効果を付け足すかもしれません。(未定です)
ちなみに原作でのこのアイテムの入手場所はもう少し先の話になります。
※トウヴィル村~首都パレンシアまでの距離
原作の地図を参考にすると分かりやすいのですが、スメリア国は日本列島のような形をしています。
アークⅠのスメリアMAPは世界地図と同様に真上から描いてるのでそれぞれの位置が分かりやすく、
トウヴィルは青森、岩手、秋田辺り。
パレンシアは千葉、茨城辺りの位置関係だと思われます。
対してアークⅡのスメリアMAPは地表に対し斜め45度辺りの視点で描かれているためか。トウヴィルとパレンシアが非常に近い位置関係にあるように見えます。
仮にスメリアが現実の日本と同じ面積でトウヴィル=青森、パレンシア=千葉だったとすると、
千葉~青森間、約581㎞(直線距離)
飛行船、車(時速100㎞)で約6時間
高速バス(時速70㎞)で約8時間
馬(一日約60㎞)で約10日間
徒歩(一日約30㎞)で約20日間
アークⅠでアークが頻繁にトウヴィルとパレンシア城を行き来してたことを考えると、この二つの村市の間には少なくとも高速バス的な何かが公共交通機関として確立していたと思われます。
※今回は期限付きなんだ。
リゼッティ、バスコフたちの命がかかってる。おおよそ一週間。
…正直、あまり日数を把握していません。(読み返しておおよその見当はつけているんですが(^_^;))
※動員
目的のためによそから人や物をかき集めること。
兵隊を召集すること。
※属国
よその国に支配されている国。独立していない国。
※ロマリアによるスメリアの開国
黒船みたいな感じかなと。
※チョンガラの正しい(公式)フルネームは、
「チョブリン・グルタン・ゴー・ガラッハ・ドブラン・ダダ13世」です。
エルクは腐ってもデキる
ただ、面倒くさがり屋でもあるので、どうでもいいこと(笑)はあまり憶えようとはしません。
※修道女と巫女
ククルは誰が何を言おうと「巫女」さんなんですが、
エルクは一応、アルディア(アメリカイメージの)出身なので、「巫女」よりも「修道女」って発言が正しいのかな…、と無駄に設定にこだわろうとする私(笑)
※人の背丈を越える七本の石碑に囲まれ~
文字は読めませんがおそらく「七勇者」の名前が彫ってあるのではないかと。
七本の内、一本だけ折れていました。……本当におそらくですが、これは「ゴーゲン」の分の石碑ではないかと。
ネタバレになるので詳しいことは省きますが、この七本の石碑にはそれぞれの勇者の『力』のこもっていて、一つの効果を生んでいるんだと思います。
その中でゴーゲンだけはアークⅠで「ラリュウキと共に封印される」という「途中リタイア」みたいな形で勇者一行から外れているので、石碑の作成時に十分な『力』がなく、「効果」に対する負荷に耐えられなくなったのではないかと……ホント、多分ですけど(笑)
※石碑(せきひ)
↑(上記注釈の続き)なので、石碑には「墓石」の意味もありますが、どちらかというと「オベリスク」のような宗教的意味合いのあるオブジェだと思います。
※紫髪(しはつ)
そんな言葉はありません。ただ「むらさきがみ」という語呂の悪さが気に入らなかっただけです(笑)
※言葉遣い
ゴーゲン、チョンガラ、ガルアーノ、アンデル、ヂークベックetc.……ジイさん言葉って、思ったよりセリフで個性を出すのが難しい(^_^;)