進めば進むほどに、
しかしそこは―――
それは
「
そう、そこは
であるにも
さらに、彼女を
そして、そんな洞窟の主人は
「こんにちは、リーザ。小さな魔女さん。」
洞窟の
彼女が伝説の魔女だというのがウソじゃないのなら、彼女は今、3000歳を
『魔女の力』を
…3000年を生きた人間。
その人に会うまで私は、私の知ってるお
人当たりの良い
もしも、伝説の魔女だってことを
「こんにちわ。…私のこと、知っているんですね。」
パンディットは少しも
「そりゃあね。
その
「…
「影」は彼女をそう呼んでいた。
あの子たちは洞窟の番人なのかもしれない。けれどもそれは彼女を
その上、あの子たちには
それらが、その呼び名に込められてた。
けれども、彼女はそれを
「”マザー”なんて、
やんわりと私の言葉を
「クレア、さん…。」
「ホラホラ、そんなに
私よりも長生きなのに。
私よりも恐ろしい『魔女』のはずなのに。
私のように『魔女』を
本当に…、『魔女』かどうか
「…それじゃあ、クレアさん。一つだけ、聞きたいことがあるんです。」
「なんだい?」
「私は、他の人たちと…、『魔女』でない人たちと
私は、できれば
最近は『魔女の力』に
もし彼が、私が傍にいることを許してくれたとしても、今回のリッツみたくオカシクして危険に
まるで彼女の心を
「…そうだねぇ。」
きっとお婆さんは今、私が口にした「魔女の呪い」を頭の中で
そうしていなきゃ、
そうしていないと、
私はそれを知ってる気がする。
だからこそ、そんな彼女たちの姿は、まるで自分たちの姿を見ているようにも思えた。
だって、
そんな貴女は永い年月をかけてこの洞窟に
私はその理由が、「クレア」という「『
知っておきたいの。
私はそんなに強くないから。
知っておきたいの。
彼の前で、私が
そうして時間を掛け、
「アナタはどう思うかしら?」
「え?」
「リーザは、”魔女”は”人間”と
どうして私に聞くの?聞いているのは私じゃない。
どうして皆、答えを
「……」
どうせ皆、言うことは
「私の道を決めるのは私でしかない。必ずしも『魔女』の道を歩くとは限らない。」そういうことが言いたいんでしょ?
未来は
自分でも
でも、だったら、どうして皆、答えを知っているような
私たちが期待すると知ってて…
「怒っているのかい?」
伝説の魔女は私の
「だったらヒントをあげよう。」
チリチリと
それも、嫌。
「
私はただ、貴女の口から「
貴女たちは
それが、嫌。
「リーザは、人間に
「……」
聞こえない振りをした。
まんまと
「アナタの言いたいことはよく分かっているさ。私もそう思う
「……」
「その人が汗水流して初めて”
「……」
少し、納得しようとしている自分が嫌だった。
彼女の言葉にもっともな中身を見つけた気になろうとしている自分が
だから、扉の向こう
だって「愛」とか「努力」とか「真実」なんて言葉を使われても、結局それが何なのか私には分からないんだもの。
私は「ソレ」がどういうものなのかハッキリと知りたいの。
じゃないとまた、私は誰かを壊してしまうから。
なのに……、
それなのに、扉の向こうの”私”が気になって耳を
…もう、自分が何を考えてるのかもわからない。
もしかしたら、知らない間に私は彼女を
茶番の台本を突き付けられて顔を赤く
クレアお婆さんは一つ
「リーザ、アナタは今回、今まで心の
「…違和感?」
何が言いたいのかピンとこなかった。
それに、私はまだこの『力』がどんなものかハッキリと分かってない。
だから何がオカシクて、何が正しいなんて
「あの少年のことさ。」
言われてそれと気付いた瞬間、私は彼女への
だって、それは私の中で一番
「…リッツ、ですか?」
もちろん、リッツを悪く思ってのことじゃない。ただ、あの子のあの姿こそがこの『魔女の力』と
「もしも『魔女の力』がアナタの言うような、ただの
だけど、リッツは『私の言葉』を無視した。
とても普通の少年少女には
でもそれは――
自分の命も危ないって分からなくなってただけ。そうでなんしょ?
「それでもアナタを想って、
私は思うままに答えた。
けれどそれは間違いだとでも言うように、お婆さんはそこで話を
「今までにも
「……」
確かに、思い返してみればそんな
フォーレス国に
パンディットに
…それに――これは忘れようとしたって忘れられない――、
エルクと二人でプロディアスに逃げていた時、彼と初めてケンカした時、それでも彼は私を護ろうと抱きしめ、
あの時、私は彼を何度も『拒絶』したのに、彼は
私の『言葉』が
だけどそれにも
……ほんとうに幸せだった。
「それこそが、『魔女の力』の本質なんだよ。」
「…よく、わかりません。」
ゴーゲンさんは…、”愛”だって言ってた。
支配することも、戦争をすることも。世界で起こってること全部、”愛”がそうさせてるんだって。
私の『力』もそんな”愛”の一つ。
でも、だとしたら、私の『言うこと』を聞かないことがどう『私の”
パンディットは?
この子の『声』は日に日に私と「
「私たちの『力』は、彼らに私たちへの”愛”を
私が本当に欲しい答えの時とは打って変わって、お婆さんはスラスラと『
だけど、そうして出てきたお婆さんの言葉は、繰り返せば繰り返すほど私たちの存在をただただ
―――
―――一人ひとり、
家族や恋人のような「本物の愛」は
だったら、
「強要」ってそういうことでしょ?
…とても、気味の悪い女だわ。
それに、とても
だから貴女はこんな「洞窟暮らし」をしているの?
私は教えてもらえない「
お婆さんの用意した鍵には目を向けず、扉に耳を当てて向こう
そんな私を
「だから、すでに”アナタを愛している人”には
私を愛しているから?
だからリッツはあんな無理をしたの?
それが私への”愛”を
机の上の仔猫が大きな
「そんなの、嫌だ。」
私を”愛すること”でしかこの『力』から逃げられないなんて、そんなの
「そう言うんじゃないかと思っていたよ。」
お婆さんの表情が――初めて――
「色々遠回しな言い方をしてきたけれど、結局はただの”
…ただの、赤ちゃんだわ。
棺桶に
「…そんなの、嫌だ。」
すると、お婆さんの『命令』を聞き届けたヘモジーと同じ
※「影」→原作の「ブラックレイス」のことです。
※ヘモジーと同じ種族の、一回り小さな大男
→原作の「野生ヘモジー」のことです。ヘモジー系統で一番ランクの低い種族です。
(本編では、読みにくくなることを避けるため、チョンガラの召喚獣のヘモジー以外を極力「ヘモジー」と表記しないようにしています。)
ちなみに、チョンガラの召喚獣のヘモジーは「主要キャラクター」扱いなので「モンスター」よりも多くアイテムを装備できるからか。攻撃力と防御力のステータスは低めですが、習得する特殊能力(魔法)を見ると、一部ではありますが「マスターヘモジー」や「キングヘモジー」(ヘモジーの上位種)と同じものがありました。
だからなんだという訳ではありませんが、召喚獣のヘモジーはヘモジー系の中でも上位ランクのモンスターなんじゃないかなと思ってみただけです(笑)
※霊峰カルミオ
原作にはない設定です。
原作で位置説明をするのなら、「マザークレアの洞窟」に設定された場所の山のことです。
「カルミオ」は原作のmap、「カルミオの丘」から取りました。
※真っ赤なカーペットが部屋の中央を凛と走る様
いわゆる「バージンロード」のことです。
ここで書くべきか迷いましたが、気になる解説を見つけたのでそれだけ載せておきます。
”赤く染められたバージンロードには「精霊の祝福」と「命を共にする深い愛」という意味があります”
だそうです!
なんとなく関連性があるように思えますね。
※頭頂で結わわれた髪の毛を包むモブキャップが…、ううん。キャップの中身が薄っすらと光っている~
……こればっかりは、何を表しているのかよく理解できませんでした。
書くかどうかも迷いましたww
原作の「マザークレア」のイラストで、モブキャップのような、ナイトキャップのような、zun帽のようなものを被ったクレアの頭部が電球のように光っているような描写がされているのです。
…天使の輪っか的な?
魔女の輪っかとでも?(もしかして、すでにお亡くなりになられてたりする?)
……まあ、そんな風に受け取って頂いて大丈夫なのかと思いますm(__)m
※モブキャップ
18世紀にヨーロッパで流行したモスリン製(木綿や羊毛を使った織物)の婦人帽の一種です。
頭をシュウマイのようにすっぽりと覆い、その縁はフリル加工されているものですね。
ナイトキャップ(寝る時にかぶる帽子)、メイドキャップなどの原型でもあります(多分)。
今では工場で働く際の作業着であったり、美容用品の一つだったりします。
zun帽というのは…、アレですよww(この作品って著作権ってあるんだっけ?)
※ロザリオ
西洋の数珠のようなものです。本来、十字架が付属しています。
「ブレスレット」と表現すると「数珠」のイメージが湧かないし、「腕輪」もなんか違うかなと。
何より、フォーレス編は「宗教」が注視されている感じがあったので、もう「ロザリオ」の方がいっそ雰囲気が出て良いかなと思ってしまいました(笑)
ちなみに、猫ちゃんは原作の「マザークレア」のイラストでマザーの膝の上に抱かれて描かれてます。
シャレオツなリボンなんかも着けてますが、省略しました(笑)
※聖母(マザー)
キリスト教(カトリック)において、”神父”のことを「ファーザー」といいますが、「マザー」は”女性の修道院長”のようにそれ自体を指す日本語がないみたいです。
なので、仮に「聖母」と表現しました。