この素晴らしい世界に祝福を! オラ隣町さ行くだ   作:Z-Laugh

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第十一話

 俺は地面の油に火を着けて一気にその場を離れた。すると地面に広がっていた油に火が着いて道と建物が一気に燃え盛り始めた。油が燃える黒い煙が徐々に空を覆う様に広がっていく。すると

「・・・キャー・・・」

遠くから女性の悲鳴が聞こえて来た。

「今の声!?」

「エライオンだわ。あの子、道路の油に火が着いて驚いたのよ」

「あっちの方だったな。わき道を使って少しでも距離を詰めるぞ」

 燃え盛る炎を脇目に俺達は悲鳴が聞こえて来た方角へと走り始める。これって教会とは反対方向、やっぱりエライオンの奴、昨日の夜の内の俺達からの攻撃を警戒して、どっか別の空き家にいたんだな。

「カズマ!ストップ」

「どうしたアクア?」

「いるわ。この炎の向こうにエライオンがいるわ」

「分かるのか?俺の敵感知には全然引っ掛からないが」

「火が着いた大通りから離れるように走っているみたい。まだちょっと距離があるわね。どうするカズマ?ここの火だけ私が消しちゃおうか?」

「いや待て!油は全部燃やし尽くすぞ。エライオンを追いかけるのはそれからで充分だ」

「しかし、そうしている間に逃げられてしまったらどうするのだ」

「ダクネス、それは心配ないと思います。町は外壁に囲まれていますから町の外には逃げられません。それどころか居場所が大通りに分断された町の約半分に限定されたのですから、きっと捕まえられます」

「めぐみんの言う通りだ。ここは焦らずに火が消えるのを待つぞ。アクア、出来る限りエライオンの気配を追い続けてくれ」

「・・・そう簡単に行くのか?」

「ダクネス、お前いつになく慎重だな」

「いや・・・アクアがエライオンの居場所の目星をつけられるという事は・・・向こうも私たちの居場所を把握しているという事ではないのか?」

 そうか、ダクネスの言う通りだ。アクアが女神の感覚でエライオンを補足できる様に、エライオンもアクアを補足できる筈だ。だとしたらこっちが近づいたらその分向こうは逃げる筈だし、こちらの居場所を補足されたまま下手に追いかけたりしたら罠を張られる恐れがある。

「アクアの気配を囮にエライオンを追い詰める事も出来るかもしれないが、それでは私達とアクアが別行動になってしまってエライオンの攻撃に対処できないぞ」

「こりゃ、接近したら能力よりも駆け引きがものを言いそうだな」

 思ったりシビアな戦いになるかもしれない・・・そう覚悟をし直すとめぐみんがニヤリと頬を緩めながら

「図らずもカズマの悪知恵が物を言いそうですね。当てにしてますよ♪」

「そうだな。カズマ、指示は細かく頼む。連係ミスが命取りになるぞ♪」

「カズマ、いつも通りに女の子をイジメるゲスっぷりを発揮しなさい♪」

 ダクネスとアクアも同じ様に頬を緩めた。三人とも俺に何を期待してんだよ。俺なんてヒキニートで只の駆け出しの冒険者なんだぞ。暇つぶしに簡単な冒険をしようと思ってるような奴なんだぞ。そんな奴にそんな楽しそうな顔で期待を掛けてくるんじゃねえよ。けど・・・なんか妙にテンションが上がって来ちまったぜ。こりゃ俺史上サイコーの暇つぶしになりそうだ。

「カズマ見て。火が」

 アクアの声に俺、めぐみん、ダクネスの三人が反応する。あれだけ燃え盛っていた炎が徐々に弱まって来て、朝の晴れた空を覆う程に立ち昇っていた黒煙も少なくなって来ている。もうすぐエライオンの油が燃え尽きて炎が消える。

「炎が消えたら一気に大通りを越えるぞ」

 

 俺、アクア、ダクネス、そしてめぐみんが炎は消えたが、まだ熱がこもる大通りを走って一気に横切る。

「アクア、エライオンの気配あるか?」

「・・・ないわ。相当大通りから離れたみたい」

「よし。ならエライオンの気配をアクアが感じるまでアクアが先頭で町の捜索をするぞ」

「まっかせなさい!なんならエライオンを見つけ次第、一気に決着つけてあげるわ」

「焦るなアクア。確実に捕まえるか、爆裂魔法を直撃させるんだ。エライオンに考える時間を与えると援軍を呼ぶ可能性がある。今日、必ずエライオンを倒すぞ」

 俺とアクアが入れ替わりアクアが俺達の先頭を走ってエライオンの気配を探る。大通りから離れていくほどに道は細かく分岐し見通しが悪くなる。こっちはアクアの女神としての感覚と俺の敵感知、それに対してエライオンは女神の感覚のみを使っての鬼ごっこ。アクアがエライオンを見つけたらエライオンもアクアを見つけてしまうが、そこからは俺が敵感知を使いつつアクアを囮にしてエライオンを追い詰めればいいという、こちらが有利な状態だけに今現在の俺達の準備不足が悔やまれる。くそっ!こんな事なら昨夜の内に町のマッピングをしておけばよかった。

「! ストップ」

 アクアが小さく鋭い声で俺達の足を止める。俺、めぐみん、ダクネスはアクアの次の言葉を黙って待っていると、

「・・・いるわ・・・向こうの方・・・」

「アクア、ここからはエライオンの気配を見失わない様に歩いて距離を詰めるぞ」

「わかったわ」

「めぐみん、絶対エライオンを足止めしてやるから打ち損じるなよ」

「ダクネスこそ、肝心なところでエライオンを逃がさないで下さいね」

「・・・行くぞ!」

 走り続けていたせいで息は弾み、心臓の鼓動も激しいのだがそれを隠す様に歩きながらアクアの後を付いて行く。細い路地を右に左に曲がりながら歩いていると、とうとう俺の敵感知にもエライオンの存在が感じられた。俺は無言でアクアの肩を叩いてパーティーの先頭を交代した。それを後ろで見ていたダクネスとめぐみんもエライオンが近くにいる事を察して一層慎重に足を運ぶ。

「・・・アクア、そこの十字路を十メートルほど直進してくれ」

 エライオンの気配が俺達の今いる場所からそれほど離れていない、建物の向こう側に感じられると俺はアクアに単独で動く様に指示をする。アクアは最初、俺に何故こんな事を言われているのか分かっていなかったようだが、俺がその言葉に続いて後ろを歩くダクネスとめぐみんに十字路を右に進む様にハンドサインを送るのを見ると、俺がエライオンを挟み撃ちにするつもりである事を把握したのか黙って頷いてソロソロと十字路を直進し始め俺達三人は十字路を右に進む。

「・・・ !」

 いる!そこの角を曲がればエライオンがいる!俺は身振り手振りだけでダクネスとめぐみんに歩くのを止めさせると二人に顔を近づけてから小さな声で

「この角を左に曲がるとエライオンがいる」

「なら、爆裂魔法を打っていいですか?」

「アクアの居場所が確認出来ないからダメだ。折角これだけ距離を詰められたんだから俺とダクネスで捕り押さえる事にしよう」

「ならカズマが合図をしてくれ。一気に行こう」

「わかった、めぐみんは万が一に備えて少し距離を空けておいてくれ」

 小さな声での短い打ち合わせを終えると俺達は少しずつすり足で曲がり角に近づいて行く。あとちょっと、あと二・三歩、曲がり角から目を離さないまま後からついて来るダクネスに手招きをして俺の横まで来させると俺は大きく息を吸い込む。横にやってきたダクネスも俺に合わせる様に息を吸い込み、後ろでその様子を見守るめぐみんは息を飲んでいた。俺は右手をゆっくりと上げるとダクネスに目だけで合図を送って右手を一気に振り下ろして二人して角から跳び出すと目の前には隣の建物の角の向こうにいる何かを・・・まあアクアだろうが・・・気にしながら後ずさっているエライオンの後ろ姿があった。

「え!?」

「確保―――――――!」

 ダクネスと一緒に驚いているエライオンに跳びかかる。

「ちょっ!なんでアンタここに?」

「うるさい、大人しくしろ!」

「流石はカズマだ。安定のクズっぷりだな」///

 エライオンの右手右足を組み伏せる俺を見てエライオンの左手左足を組み伏せるダクネスがハアハアと息を荒げている。

「お前だって同じ事をしてるだろうが。俺だけクズマ呼ばわりするのはやめろ!」

「いや、躊躇なく女を組み伏せるさまは私の想像の遥か上をイッテいるぞ。全く貴様という奴は・・・本当に私の期待を裏切らないな♪」///

 ダクネスの安定の変態っぷりに呆れながらも上手くエライオンを捕まえられたので俺は空いている手でロープを取り出し始めたのだがエライオンが俺達に押さえつけられている両手首を俺達に向けて曲げると人差し指を立てた。

「こんなトコで捕まらないよ」

 そう言い放つとエライオンの指先から俺とダクネスに向かって油が発射された。

「ウッ」

「うわっ」

 最初は目元に油をかけられて目をかばったのだが、エライオンはそれでも俺達が彼女の拘束を解かなかったので

「『クリエイト・オイル』!」

 と呪文を唱えると大量に発生した油のせいで俺とダクネスはもちろん、術者自身のエライオンまでもが全身油まみれになってしまった。目の前で組み伏せられているエライオンの白のキャミワンピが透けてほぼ丸見えになってしまった小麦色でテラテラと艶を放つグラマラスな肢体に俺は見惚れてしまう・・・ノーブラなのは知ってしたけど、パンツもこんなにちっちゃいの履いてんのかよ。どんだけ自分の体に自信持ってんだ・・・ついゴクリと喉を鳴らしてしまったのも束の間、エライオンが暴れ出して俺達の拘束から逃れようと足掻き始めた。

「こ、コラ、大人しくしろ」

 ダクネスが声を上げてエライオンを抑え込みにかかるが三人共油まみれで正に掴みどころがない状態、流石のダクネスもその持ち前の腕力が空回りしてエライオンを拘束し続ける事が出来ない様子だ。かくいう俺自身もエライオンの腕と足を捕まえ続ける事が出来ず、更に三人で取っ組み合う状態になってしまうと、

「イタッ!」

「いてっ!」

 ダクネスと頭をぶつけて二人揃って体制を崩してしまった。それを見たエライオンは一気に体を起こして俺達から逃げようとする。もちろんに折角捕まえたエライオンを逃がさない為に手を伸ばして彼女の足を捕まえるが油で滑って捕まえられない。それどころか

「離せ、このスケベ!変態!」

エライオンから反撃のキックを食らってしまい俺はダクネスに向かって転がる様に倒れ込んでしまった。

「クッ・・・すまんダクネス、大丈夫か?」

「あ、新しいぞ!油まみれで組んずほぐれつ、斬新過ぎるぞカズマ!」///

「お前はこんな時までナニ言ってんだよ。エライオンが逃げちまうだろ」

 ダクネスに体のダメージは全くなかったが頭の中がダメになってしまっていた。

「カズマ、大丈夫ですか」

 様子を見ているだけでは我慢出来なくなったのか建物の影からめぐみんが飛び出して来てしまう。俺は慌てて、

「めぐみん、出てくるな!引っ込んでろ」

「なんですか?こんな時まで女の子の体を触っていたいのですか?本当にカズマはクズですね」

「違う!お前がエライオンの油を浴びたらマズいだろうが」

「「!」」

 俺の言葉にめぐみんはハッとして慌てて俺たちやエライオンから距離を取ろうとするが、俺の言葉を聞いていたエライオンがめぐみんが俺達の切り札だと勘づいてめぐみんに向かって人差し指を突き出した。マズい!めぐみんがエライオンの油を浴びてしまったら爆裂魔法を放てない。爆裂魔法は術者は呪文の詠唱だけで本人には当然、爆裂の被害は及ばないが爆発の衝撃波や火の粉が飛んでくる可能性が充分にある。なにしろ遠くに見える廃城に向かって放っただけでも爆風や衝撃波が届くほどの威力だからな。しかも今回のエライオン討伐で爆裂魔法を使う事になれば今までにない近い距離でそれを放つ事になるから、その被害がめぐみんに及ぶ可能性が一段と高い。万が一めぐみんが自分への被害を心配して爆裂魔法を放つチャンスを逃してしまったらそれこそ全部をリセットしてやり直し、最低でも一日を擁する事になりエライオンに反撃もしくは援軍を呼ぶチャンスを与える事になってしまう。それだけにめぐみんだけはエライオンの油に触れさせる訳にいかなかった俺は立ち上がってエライオンとめぐみんの間に立ち、エライオンがめぐみんに向かって放った油の盾になった。

「か、カズマ!大丈夫ですか」

「油を浴びているだけだから大丈夫だ。サッサと隠れてくれ」

「はい・・・すみませんカズマ」

 めぐみんもやっと自分の置かれている立場が分かったのか、すまなそうに建物の影に隠れようとするが

「逃げられると思ってんの」

 形勢が逆転した状態でエライオンがニヤリと笑ってから

「クリエイトオイ・・・」

 大量の油を発生させて俺とめぐみんをまとめて油まみれにしようとする。

「させるか――――っ!」

 呪文詠唱が完了する寸前でダクネスがエライオンにタックルをかます。再び地面に倒れ込んだダクネスとエライオンであったが二人揃って油まみれなので、もつれあう事なく油で摩擦が少なくなった石畳の上の滑って行き、二人の間に距離が空いてしまう。

「そのちびっ子を油まみれにすればアンタたちは手詰まりになるみたいだね。だったら絶対に逃がさないよ」

「おい!ちびっ子とは誰の事だ。じっくり話を聞こうじゃないか!」

「馬鹿!あんな挑発に乗って出てくるな。頼むから隠れていてくれ」

「今度は逃がさないよ。『クリエイト・オイル』!」

 エライオンの油の塊が俺とめぐみんに迫る。マズい!とめぐみんと一緒に身をすくませた時

「『クリエイト・ウォーター』!」

 更に大きな水の塊が俺達に迫って来ていた油の塊を目前で一気に押し流した。声のした方を見てみるとアクアが

「エライオン、アンタいい加減にしなさいよ」

「あ、アクア先輩・・・」

 隣の建物の角から跳び出したアクアに反射的にたじろいだエライオンだったが、すぐさま身を翻して俺達から逃げ始めた。

「待ちなさい!エライオン」

 俺達は再びエライオンを追いかけ始めた。

「サンキュウ、助かったアクア」

「全く、私がいないと何も出来ないんだから」

「それを言ったら、もう少し早く駆けつけてくれても良かったのではないか」

「ダクネス、それは言わない約束でしょ」

「それよりどうしますか。カズマとダクネスがエライオンの油を浴びてしまったのだから作戦を変更してエライオンをどこかに足止めして爆裂魔法を打ちましょうか」

「いや、油を浴びたのは向こうも一緒だ。このまま捕り押さえてしまおう」

「ダメよダクネス、エライオンは自分の体に火が着いたら自分じゃ消せないけど油を出し続けて自分の体が燃えない様にできるの。あの子がヤケになって火の魔法を使ったらカズマと一緒に燃え尽きちゃうわよ」

「そ、そうなのか?ならどうするカズマ」

「とにかくエライオンを見失わない様に追いかけるぞ。めぐみんは距離を置いて付いて来い。捕まえるにしても爆裂魔法を使うにしても、めぐみんが油を浴びたら全部やり直しだからな」

 もうクラッチの町のどこをどう走っているのか見当もつかないだが、とにかくエライオンを見失わない様に必死に追いかける。エライオンは白いミニのキャミワンピに足首を留めるタイプのサンダル履き、それに何より女性である事が災いしてそれほど速く走れない様子だ。その気になれば男の俺が本気で走れば一気に追い付いて捕まえる事が出来そうなのだが体力バカのダクネスはともかくアクアとめぐみんは今の走る速度が精一杯の様子だったので俺一人が走るスピードを上げる事が出来ずにエライオンとの距離を今一つ縮める事が出来なかった。

「カズマっ!このままではラチが開かん。私がエライオンに追い付いてとっ捕まえてやる」

「待てダクネス!一人で行くな、俺も行く。アクア、あとひと踏ん張りだ。キッチリ付いて来て俺達のサポートを頼む」

 俺は単独先行をしようとするダクネスと後ろで息を切らし始めていたアクアに声を掛けてから走るペースを上げてダクネスに追い付き、エライオンとの距離を一気に詰めた。

「クソッ、来んな!」

 俺達に距離を詰められて焦るエライオンが後ろを振り返って俺達に悪態をつく。この距離ならエライオンが大量に油を出そうとしたりゴキブリを呼んだりしようとしても、その詠唱途中で追い付いて取り押さえる事が出来はずだ。さっきは逃がしたけど今度は絶対に逃がさねえぞ。その事はエライオン自身も良く分かっているのだろう、後ろを見るのを止めて走る事に集中し、すぐ先の小さな交差点を右に折れた。

「逃がすか!」

 ダクネスが気合の入った声で走る速度を上げる。俺もダクネスに負けずにスピードアップをしてダクネスと同じタイミングで交差点を右に折れたのだが

「うわっ!」

「なっ、なんだ!?」

 それこそ俺に出せる最高速度で角を折れて右の道に入り込んだのだが、その途端に俺とダクネスが足を滑らせて二人揃って脇の建物の壁に衝突、ダクネスと一緒に壁に跳ね返されて石畳の道に倒れ込んでしまった。

「なんだ?急に滑ったが・・・」

「・・・油か!?畜生、エライオンの奴、角を曲がった時に道に油をまきやがったな」

「ちょっと、二人とも何してんの。エライオンに逃げられちゃうわよ」

「こんな道端で組んずほぐれつだなんてダクネスはともかく、カズマはどれだけ変態なんですか」

 俺達がスッ転んでいる間にアクアとめぐみんが追い付いて来てしまい、その一方でエライオンとの距離が広がってしまった。しかし幸いな事に俺達がスッ転んでいる姿を見たせいでアクアとめぐみんは転ばずに済み、俺達は再びエライオンの追跡を開始した。

「くそっ!あんな簡単な罠に引っ掛かるなんて・・・エライオンの奴、結構、頭が回るじゃねえか」

「エライオンに騙されるなんてカズマはどれだけ馬鹿なの。ほら、そこを左に曲がった所にエライオンの気配があるわよ」

「言われなくても分かってる。俺の敵感知にもビンビンに引っ掛かってるつーの」

「カズマ、今度は転ばない様に気を付けろよ」

「お前に言われてたくねえよダクネス。それよりお前鍛え過ぎなんじゃないか!?ぶつかった時、お前の胸スゲー硬かったぞ」

「ば、馬鹿な事を言うな!それは甲冑のせいで決して私の大胸筋のせいではない」///

「そうですか、とうとうダクネスは胸まで筋肉になってしまったのですね」

 これだけ大騒ぎをしながら追いかけたらエライオンも俺達が自分との距離を再び詰めてきている事には気付いているだろう。案の定、左に曲がったすぐの場所に油が撒いていあったが今度はそれに引っ掛かる事なく四人揃ってその場を走り抜けると再び必死に走るエライオンの姿を発見した。

 

― 続く ―

 


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