艦隊これくしょん~五人の最強提督~   作:ODINMk‐3

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第41海 買われる艦娘と買われた男

<日本本土 海軍立艦娘オークション会場>

 

パキッ

 

成人「ここですか……」

 

鎮守府を襲撃した時翔に取りつかせておいた分離体の映像を介して、海軍らしい白い軍服を繕ってそれを身につけて来たものの……違和感はないな。

 

成人「さてと、行くか」

 

そう呟いて舗装された細いコンクリート道路を歩いて、目の前にある専用のゲートに向かう。ゲートの先には通常を装うのか倉庫の形に見せかけた大きな会場があり、高級車が止まっている。

……随分と、やり甲斐のある所だな。その為に、貯金しておいたし。いや、大体が金や宝石に変化させたクズ共を売っただけだが。もしくは、元々持っていた金を数学の能力で増やしているだけだ。

 

「待て、海軍の証m」

 

成人「“記憶捏造”」

 

「うぐっ……っ、申し訳ありません。どうぞ、お通り下さい」

 

成人「かたじけない。通らせてもらおう」

 

膨大な記憶というものは、自らの自覚が異なると思い出すものも異なるのだ。つまり、記憶に僕の存在を曖昧に作らせておいて男の脳に埋め込んだのだ。

あっさりと入れた施設の中は十数名態勢の警備員が警戒をしている。警棒と拳銃のみか……まあ、警棒をマジック用の奴にして拳銃にも細工するか。警備員はそこまで常連とか知らなさそうだし。

 

ギイィィ…

 

成人「(ッ、聞きたくもない淫らな声と悲鳴ばかり……音楽を聞くか)」

 

誰も、そして監視カメラの無いことを確認してハザマを破り、中にあるスマホとイヤフォンを取り出して適当に動画アプリの音楽を聞きながら会場に入った。昔にいたある妖怪少女の能力に酷似した、自らをこいし同然にして。

 

バタン…

 

成人「始まって無さそうだな……まあ、下らんのは始まっているが」

 

鎮守府の地下室にあった、嗅ぎたくもない臭いが充満している。周りには、獣のように狂ったかのように踊っている(意味深)提督共とそれに動じもせず人形のようにされるがままに、もしくは喉が潰れんばかりに助けの悲鳴を上げる艦娘達が提督共の踊りに付き合っていた。

見てもいられないのでどこぞのドS真撰組のアイマスクを付けて、聴覚もシャットアウトして刻々とオークションまでの時間を待つのだった。

 

成人「……(さてと。コイツらをどのように、かつ奇怪的に葬ってやろうか……)」

 

~~~~

 

MC「さてー!皆様、お待たせ致しました!」

 

成人「(……ん、始まったか)」

 

アイマスクを外して、ステージを注目する奴らの目を盗んで割ったハザマの中から金が無限に出るor機関銃やファウト、チェーンソーを格納したアタッシュケースを取り出す。

 

MC「まずは新たに発見された阿賀野型軽巡洋艦、その1番艦『阿賀野』2番艦『能代』3番艦『矢矧』です!」

 

阿賀野「……」ガタガタ…

 

能代「大丈夫よ、阿賀野姉。能代がついてるから……」

 

矢矧「……」ギリッ

 

服や肌こそは綺麗だが、首枷を付けており精神面的には参ってるようだ。特に長女らしきロングヘアーの子はそうだ。

 

MC「それでは、1万円から!」

 

「2万!いや、20万だ!!」「なら、俺は60万!!」「ヘヘヘ……待ってろよ矢矧ン、100万!!」「阿賀野ムチムチフェスティバルヒャッハー!!!300万だ!!!」

 

おい、後半から変態しかいねえぞ。いや、全員変態か。まあ、誰が貰ったにしろ絶望しかないからな。

 

成人「1億」

 

『……はっ?』

 

MC「お、お客様?本t「1億だと言っている。ほら、さっさと金の延べ棒渡すからその3人を俺にくれ」か、畏まりました」

 

アタッシュケースから金の延べ棒をMCに投げて、俺はステージにいる三人に近づく。やはりだが、次女と三女が俺を睨みつける。

 

矢矧「……貴方、1億で私達を買って、何をする気かしら?」

 

成人「まあ、そこは詳しくは言えん。大人しくしている代わりにその首枷を外してやろう。

おいMC。コイツらの鍵あるだろッ!さっさと寄越せ!!」

 

逃げるようにMCがステージ裏に駆けて行き、三つの鍵を奪うように取ると3人の首枷を外して共にステージを下りた。そうして会場の隅に座らせるとハザマに用意しておいた緑色の湯呑みに入った緑茶を出した。

 

成人「……ふぅ、まあ落ち着きたまえ。とりあえずこれ飲め。毒味は既に済ませてある」

 

能代「本当なの。まさか、阿賀野姉に何かあったらただじゃ済まないわよ!」

 

成人「分かっている。それに、この湯飲みはあらゆる毒薬及び劇薬は勿論、媚薬にも反応を示す特殊な物質でできている。

例えるならば銀にしよう。銀はヒ素と呼ばれる毒素を含んだ物質の中に触れると黒くなるんだ。これの場合も、毒薬及び媚薬を入れれば危険な色である黄色を示す。無論、無反応は緑だ。さあ、俺を信じて飲んでくれないか?一応、高級な茶葉を使っているが……」

 

矢矧「……そこまで言うなら飲んでやるわ」

 

三女の子が飲んで無反応どころか、ほっこりしたことにより信じた姉二人も緑茶を飲んでくれた。この異様な光景に他のクズ共は目を丸くして此方を凝視していたが、次の艦娘が現れるとそちらに目を写した。

 

MC「さてさてお次は……」

 

こっからは見たことのある艦娘ばかりだったので流石にウチで二人も……ということで心の中でジャンピング土下座をかましながら無視して三人と雑談したり、近づいてきたクズ共をハザマの中にあるケルベロスやワイバーンといった幻獣に送ったりと新しい艦娘が来るのを気長に待っていた……

 

~~~~

 

成人「そうだな……ウチは初期にいるのが40人くらいでその半分が最近来たな。まあ、その半分は実力が低いから一からやらせているが」

 

矢矧「なるほど……やっぱり、貴方の鎮守府は私達の知る鎮守府とは全然違うわね。良い意味で、ね」

 

成人「俺のではないな。俺にはもう一人親友がいて、彼が実質的な提督だ。無論、彼がいない時に俺や親友の妻が代わりになるがな。なあに、俺も心を許す存在だ。怖がることはない。それにとても頼もしくも、面白い人だ。是非とも友好的に接してくれ」

 

そう話しているとオークションも終盤に入ったのか、提督達もステージに顔が常に向けられており、何か何かと目を輝かせている。逆に阿賀野達は目を逸らしている。

 

MC「さてさてェッ!このオークションも最後の商品となりました!!

このオークション最後を飾るのは、海外からの艦娘ッ、38cm連装砲を備え金剛型と同速を誇る戦艦『ビスマルク』だッッ!!!」

 

成人「ッ!?(ビ、ビスマルクだとッ!?一応ドイツ海軍所属の艦娘はグラーフとプリンツがいるが、まさかオークション会場で合間見えるとは……ッ!!)」

 

それに、プリンツの言う『御姉様』がビスマルクのことである。彼女がビスマルクを最後に見た存在だから、姉妹よりも親しみがあり、恋しくて当然だ。これは……

 

MC「それではッ、100万円からどうぞ!!」

 

「1000万!」「1010万だ!!」「この為に待っていたァッ!2000万だ!!!」「ビス子ォッ!!8000万にしてくれッ!!!!」

 

あーあー、またまた白熱してるよ。それに、ビスマルク自身も怖そうに震えているし……んじゃ、

 

成人「1京で」

 

『……ハァッ?』

 

「い、1京だとッ!?そんな金額があるかァッ!!」

 

成人「1京だぞ?下手すりゃ、貧困になったこの国を救えるのだぞ?日本の英雄になりたくば、この金額は喉から手が出るほど欲しいだろ?」

 

さてと……とあらゆる出入口及び窓を閉めて、金属で固めるように雑談しながら放出した分離体に指示する。無論、本体である僕はそのオークション会場のあらゆる場所に時間を止めて小麦粉の入ったケースを配置する。

 

成人「さてと、1京だ。後々に送ってやるからビスマルクを渡せ、今すぐ」

 

MC「ッ……さっきから、偉そうにッ……!!」

 

僕の態度にキレたのか、MCの営業スマイルは消えて怒りで青筋が立っている。まあまあ、と宥めながらこう発言した。

 

成人「いいこと教えてあげよう。1京は渡す。ただし……」

 

ドオォンッ!!!!

 

MC「ァ……ァ……」

 

成人「この会場で生き残れた、ならな」

 

MCの床下からハザマを展開、そこからパイルバンカーの穂先を覗かせてそのままMCを串刺しにした。

その恐ろしい光景に会場は騒然とした。腰抜けクズ共は持ち物となった艦娘を置いて出入口に向かうが、開くことはない。

 

成人「おやおやぁ?何を逃げてるんだ腰抜け共。人が串刺しになる程度で逃げるとは、それでも艦娘を道具にする者かァッ?」

 

「ッ……き、貴様、最初からッ……!!」

 

成人「ええ、最初から此処にいる全員を殺す為に来ましたよ。ただ、俺がスカウトした艦娘は違うがな」

 

そうして、ビスマルクのいる床に阿賀野型三姉妹をMI島に繋がるハザマを開いて避難させた。とりあえず、逃げるコイツらを殺さないとな。

 

成人「さてと……誰から死にましょうか?」

 

「ッ……ふざけやがってェッ!!」

 

逆上した一人の男が此方に銃を向けて発砲。放たれた弾は僕に真っ直ぐ向かう……

 

「ガッ……!?」ドサッ

 

成人「銃を使うとは……腰にあるその刀は何なのか?」

 

銃弾のベクトルの方向を男の額に、力はその方向にそのまま向けて返してやった。無論、男は即死である。男の死体は蹴り飛ばして、会場の隅で怯えるクソ共に歩み寄る。

 

「ヒ、ヒィッ!お願いだ、何でもしてやるから……!!金だって、艦娘だってお前にやってやる!!!」

 

成人「……ハァッ?何言ってンだよクソが。テメェは何人艦娘を殺した?何人艦娘を犯した?何人艦娘を絶望に陥れた?何人艦娘を買った?何人艦娘を捨てたのだ?我々を侵害する深海棲艦でもなく、我々に期待に応えきれない艦娘でもなく、紛れもなく貴様らだろ。

姉妹や友を人質にして好き勝手にやって、だけど高見の見物しかできなく命令しか何もできない無能な貴様らが、昔にいた人間よりも弱く、卑しく、下らなく、人徳もなく、頼もしくもなく、権力だけの獣で、憤りを覚えるぞ。見苦しいぞ、死に間際くらいは潔くしやがれ」

 

自動的に開かれるケースから、大量の小麦粉が放たれた。会場が白い霧に包まれる。次いでにとケースから酸素を放出させながら循環させ、酸素も小麦粉も全体に行き渡るようにする。

 

「な、何をする気だッ!?」

 

成人「可燃性の粉塵は体積に対して表面積が非常に多いため、酸素と結合しやすい。無論、それが全体にかつ大量の小麦粉と酸素を使っているのだよ。

つまり……?」

 

「ま、まさか……粉塵爆発を起こさせる気かッ!?」

 

成人「無論です。しかも、さっき言ったように大量の酸素と小麦粉があるわけです。通常よりも恐ろしい爆発が起きますよ~♪」

 

アタッシュケースに格納された機関銃を展開して、その銃口を向ける。一斉に逃げ惑う一斉だがもう逃れられない。しかも、少ない分離体には爆弾に変化してもらって粉塵爆発と共に爆発してもらう。粉塵爆発と分離体の爆弾の火力ならば、死んでもおかしくない。それに会場を爆弾に対する耐性をMAXにすることで中に一酸化炭素が充満して余計に死を促すのだ。

 

成人「それでは、皆さん。Goodbye、地獄の死後をお楽しみくださいませ~♪」

 

パンッ!!

 

ドゴオオオオオオオオォォォォォォォォン!!!!

 

~~~~

 

<鋼翼鎮守府 執務室>

 

翔「おお、ハデにやりやがったぜ……」

 

白露「うわぁ……」←翔の膝の上

 

パリィンッ

 

成人「ゲホッ、ゲホッ……た、ただいま~」

 

翔「お帰りー。そしてお疲r……ブッ!!ダッヒャッヒャッヒャッ!!!!wwwww」

 

成人「ちょっ、こちとら真面目にやりましたよ!!何ですかその笑いはッ!?!?」

 

翔「ギャーッハッハッハッ!!!!」

 

白露「ププッwww」

 

ドゴオォォォン!!

 

長門「うるさいぞ貴様ら!!今nブッ!!!」

 

成人「なが、と……?いや、ながもんか」

 

長門「ながもんじゃないやい!!」

 

翔&白露「「wwwwww」」

 

その後、成人の姿にほぼ全員爆笑したとか……

 

ビスマルク「……何か、カオスわね」

 

プリンツ「そういうとこですから」パシャ


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