<MI島 森林内>
サクサク…
天龍「チッキショー……アイツらとジャンケンして、オレ達でこの森林を探索するなんてな」
武蔵「ああ。だが、こういうのもなかなか面白いものだ。色々な発見があるだろう」
雪風「うわぁ……いろんな鳥さんの鳴き声が聞こえてきます!」
ザラ「本当ね。でも……ポーラ大丈夫かしら……?」
蒼龍「大丈夫よ。リットリオさんやローマさんがどうにかするって」
『(それが出来ればオレ(私)達苦労しないんだけどな……)』
360°には草木に囲まれて、知らぬ鳥の鳴き声やらが耳に入ってくる。日本よりも南にあるのか、とても蒸し暑い。
一応MI島にいるから、と翔の野郎がオレ達に探索を任せられた。誰もが嫌だ、ということでジャンケンして5人決めた。メンバーはオレ、雪風、武蔵、ザラ、蒼龍だ。オレとかはともかく、まさか雪風が負けるとは思わなかったな……
武蔵「にしても……流石に暑いな」
ザラ「赤道に近いですからね。余計に環境悪くなりましたよ。全く、あの人は……」
蒼龍「でも、冬は寒くなさそうじゃない?雪ないけど……」
天龍「だとすりゃあ、まさか翔の野郎寒い孤島なんかに鎮守府を移動させたりしてな!」
雪風「雪国ですかー!雪風が吹き荒れてるでしょうね!」
天龍「お前の思う雪風なんかより、むしろポ○モンの絶対零度レベルだぞ、オイ」
そう話しながら天から僅かに光が差し込む森林の中をはぐれないように後方を確認しながら進む。あ~……アイス食いたいなぁ……
武蔵「む……どうやら、我々は沿岸に沿って森林を歩いているようだな。だが、島の裏手に行きつつある」
天龍「そうか、武蔵。となりゃあ、姫が出るか鬼が出るか……」
武蔵「ああ、此方だってお前の剣のような武器を持っている」
武蔵は、やたらデカイリュックから二つの46cm三連装砲の砲塔を取り出した。しかも、砲身を柄にするのか基部には鋭い斧のような刃が付いている。
それ持つなら翔の武器貰え……というのはよそう。武蔵のことだ。せめて自分の艤装で近距離を対応したいからだし、流石に拝借して無傷で返せる人でもない。
蒼龍「ふ、普通の斧をつk「蒼龍、よせ」フゴフゴ……!!」
雪風「ほわぁ……砲塔を斧にしたのですね!」
武蔵「うむ。翔の研いだ刃を取り着けている。これで、姫級だってかち割ってやるぜ……!!」
ザラ「接近できれば……という話ですがね」
武蔵「うぐっ……それは言うな……」
さてと、とオレも腰から刀を取り出す。いつも使っている刀だが、最近剣と刀の区別ができたことは黙っておこう……
蒼龍「雪風ちゃん、双眼鏡で何か見える?」
雪風「ん~……何もありませんね。でも一応死角がありますので、直接行った方がいいんじゃないですか?」
天龍「おう、んじゃ行くか!」
剣を担いで軽い身のこなしで草木を駆け抜ける。その音で鳥が飛び立つ羽音や羽根が落ちたりするが、聞くような興味もないのですぐに森林を抜ける。
ザラ「っとぉ。はぁ……ようやく解放された気がします~」
雪風「でも暑いです~」
蒼龍「あ゙~……直射日光がぁ~」
天龍「おっ、此方はなかなかな砂浜だな」
あっちは岩だったが、此方は綺麗な砂浜、ちょうどこの時期にはいいビーチだな。翔に教えてやろう。
武蔵「全く、高速艦はいいものだな。足が速くtうぉっ!?」バサンッ!
ザラ「ああっ!ムサシさん大丈夫ですか!?ん……?」
天龍「おーい、大丈夫か武蔵~。んぉっ、何だコレ?」
武蔵が転んだ足元に、何かが突出物が埋まっていることに気づいた。何か……カタパルトみたいだ。
武蔵「うぐぐ……あー、服もサラシも汚れたよ……ん、どうした?」
雪風「武蔵さんどいて下さい!それよりも、これ見て下さいよ!」
武蔵「ん、あぁ……何だこれ、まるでカタパルトの先端のようだな」
蒼龍「とすると、これは深海棲艦か艦娘の艤装の一部となりますね。掘りましょう」
天龍「おいおい、スコップすら持ってねえオレ達に素手で掘r「ああ、あるぞスコップ。ガーデニング以来だな」お前持ってきたのかよ!!!」
武蔵の何気な用意周到さに感心する。つか、武蔵って意外とアレなんだな……その……女子っぽいというか。
とりあえず、そのスコップを借りて掘る。少しずつカタパルトの周辺を掘る。すると、カタパルトの全体が現れて、しかも、まだ何かあると掘り進める。
ガツッ
天龍「ん、何か当たったぜ」
雪風「にしても、金属音が響きませんでしたね」
蒼龍「そうだね。とりあえず、何か確認しようよ」
とりあえず、此処から大きいスコップは傷つけるだろうと小さなスコップで掘り進める。
すると、巨大な箱のようなものが現れた。それに主砲やらも付いている。砂に埋もれたのか、状態はいい方だ。そうして、どんどん掘ると白い何かとメガネがあった。
ザラ「あら、これはカケルさんの言う『ホンターイ』ですか?」
武蔵「ああ、この武蔵の本体だ……って、これはメガネだポーラ!また変なアニメ見たな!!」
天龍「本体か……確かに、お前の魂にありそうだな」
武蔵「あのDTメガネと一緒にすんな!!!」
武蔵が鋭いツッコミ、ますますあのアニメのツッコミキャラに近づいていく。とりあえず、メガネは後n……
蒼龍「ん、どしたのてんry……」
武蔵「全くこの馬鹿達は……ん、どs……」
ザラ「皆さんどうなされました。あれ、それh……」
雪風「どーしたんですか皆s……」
全員が固まる。その視線の先にあるものに鋭い寒気と鳥肌が立つ。それは……白い球体に穴が二つ、カチカチと動くものだった。そして、それに必ず付く下のものもある。
『……ヴ』
『ヴェアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!!!!!!!!!』
~~~~
<鋼翼鎮守府 執務室>
<ヴェアアアアァァァ……
綾波「あれ、島の裏手から悲鳴が……翔さん、何かあったんでしょう」
翔「白骨死体でも掘ったんじゃないの?はい、緑茶」
綾波「ありがとうございます、翔さん。……見に行かないのですか?」
翔「メンドい。というか大丈夫だろ」
綾波「(何かこの人仲間意識がル○ィよりもボー○ボ寄りなんだよね~……赤城さん達よく武器やら盾やらにするし)」
※翔の愛情表現です。
空母『(嫌な愛情表現だ……)』
~~~~
<MI島 鎮守府反対側の砂浜>
天龍「あ、アバババババ……!!」
は、白骨死体だ……しかも、体勢からして艤装付けたまま死んでやがる……この姿からして、生き埋めされたのか……
武蔵「お、おい……天龍、お前……後ろ……」
天龍「えっ……」
後ろを見ると……ブロンドヘアのおどろおどろしい奴が……
ザラ「わぁっ!!!」
天龍「ヴェアアアアアアアァァァァ!!!!」
ザラ「アハハハハハハ!!!私ですよ、ザラです」
天龍「ちっ、テメェッ……!!!」
武蔵「ハハハ、一人だけ叫んでいたな」
なっ……声からして和音だったからてっきり皆叫んでたのかと思った……って、は、恥ずかしい……
雪風「まあまあ、雪風も怖かったですよ」
蒼龍「私は慣れてるよ。だって、最近カメラを貰って沈んでいく深海棲艦の間際を撮ってそれ見てるから」
『(……あれ?ヤバいの蒼龍じゃね……?)』
ザラなんかより蒼龍がやってたら、死んでたかもしれん……でも、白骨死体があったことは変わりはない。
天龍「と、とりあえずこの死体どうするんだ?」
武蔵「……骨壺があればいいのだが、流石に騒ぎを起こさせる訳にはいかん。すまないだろうが、海に沈めよう」
雪風「塩ありますよ?」
天龍「何で!?!?」
一応塩分補給の為だと知ってるが、思わず突っ込んだ。塩分補給の為の塩がそれ専用に思えるからだ。
とりあえず武蔵が掘った白骨死体を抱いて海上を歩き、そして見えない所にゆっくりと沈めた。
武蔵「すまない、そこで眠ってくれ。供養はちゃんとするから、我々を祟らないでくれるか?」
蒼龍「とりあえず、艤装にも塩振り撒いときました」
天龍「ま、まあ、その、ありがとう……とりあえず、これを持って帰ろうか」
ザラ「とりあえず、提督には白骨死体の艤装を貰いましたというのは黙りましょう」
雪風「はい!」
少々不安もあるが、帰りは主機で水上を滑って鎮守府に戻るのだった。
~~~~
<工廠>
大淀「あぁーっ!!!これ、私の艤装です!!」
『マジで!?』
大淀「あぁ~!そのカタパルトに水上機格納庫……まさしく私の艤装ですぅ」
目の前には、天龍が(白骨死体から)取ってきた艤装にベタベタと触る大淀の姿があった。何かいつもの大淀じゃなくて気持ち悪い。
明石「まさか、砂浜に埋まってるとはね……」
天龍「まさか、そこらへんに艤装が落ちてるとは思わなかったな」
明石「私としては深海棲艦の艤装か艦載機があれば良かったですがねぇ」
翔「アメリカがゼロを鹵獲して弱点を見抜いたかのように、深海棲艦の艤装の弱点を見抜くためか?」
そうです、と頷く明石を見て、何かそわそわする五人を見る。……あっ、後ろに霊が、しかも大淀じゃねっ!?
翔「ん~……そういえばお前ら、ちゃんと供養したか?」
「「「「「あっ」」」」」
明石&大淀「「はい?」」
天龍「ハ、ハハハ……マサカ、ユウレイガイタノカ、カケルサン……?」
翔「いたよ、大淀に似ててまさしくメガネ=大淀な霊がいた」
大淀「どういう意味それ!?というか、私の霊!?まさか、貴女達死んだ私の艤装を持ってきたのですか!?」
蒼龍「まっ、待って待って!話せば分かるわ!」
翔「それを犬養のように意味のないものにしてやる」
とりあえず、置いてある超巨大メイスを手に取る。何気に明石は対艦娘&深海棲艦チェーンソーを構え、大淀はRPGを二丁担いで五人を照準している。しかも、背中にはもう二丁マウントしてある。
雪風「……Get away!!」
ザラ「ザ、ザラは逃げることにした!!」
大淀「しかし回り込まれた♪」ジャキッ
明石「そして目の前が真っ赤に染まった♪」ブルル…
チュドオオオォォォンッ!!!!
ギュイイイイイィィィィィィンッ!!!!!!
この後霊力がどこぞの紅白巫女並にある俺や咲姫がお祓いやら何やらで成仏を促し、成人が供養や経典を読んだことから無事に成仏してくれ、ちゃんと今の大淀の艤装となったとさ。