艦隊これくしょん~五人の最強提督~   作:ODINMk‐3

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第28海 舞鶴のレクイエム(咲)

<舞鶴鎮守府>

 

ザンッ!ザシュッ!ギャリッ!

 

翔「(よくやった)……!」b

咲姫「(ありがと)!」b

 

施設外の憲兵が斬首されたことで皆無になったことに、私と翔君は屋根に立っている成人君にグーサインを送る。

と、同時に停電して中が真っ暗な鎮守府に走り出す。

 

翔「咲姫、艦娘の事は頼んだ。中の奴らと大将は俺に任せろ!」

 

咲姫「分かった。でも、施設の構造上相手の戦力が五分五分になるわ。でも、どうにか持たせるから」

 

ああ、と翔君は私に微笑み頷いた。

昔の私じゃないんだから……と、翔君の世話焼きなところを心で指摘しながらも、私も微笑み返した。

 

翔「……私は昔のままじゃない、てか?」

 

咲姫「そうだよ」

 

翔「そうかい……まあ、俺の妹だからな」

 

理由になってない、と反論すると翔君は笑った。私も、これで挟み撃ちが起きるというのに彼の度胸っぷりに私も思わず笑う。

もしかしたら、私達はこんな時でも笑えるくらいの強さを持つのかな……そしたら、それで面白いけど。

 

翔「んじゃ……突撃じゃあぁぁぁ!!!」

 

パリイィィィィンッ!!!

 

咲姫「ドーモ、憲兵サン。シニガミデス」ジャキッ

 

ダダダダァンッ!!

 

翔君が窓ガラスにぶつかり、どこぞの忍者が挨拶代わりに言う台詞を言いながら、度肝を抜かれている憲兵に銃弾を浴びせる。頭に2発、腹に2発。いわゆるコロラド撃ちだ。

 

「なっ!?グァッ!!」

 

「ッ、俺達が何やったってんだ!?!?」

 

翔「テメエらの悪行を裁きに来たんだよ。

艦娘達に代わって……」キュイィィィン…!!

 

咲姫「お仕置きよ☆」キラッ

 

というわけで、翔君は鉄○メイスやらトー○ャーアタックやらの処刑法を間をとってチェーンソー二刀流で憲兵達をバラバラに斬り裂いていく。

対する私は、コロラド撃ちが面倒臭くなったのでドットガトリングガンを二挺ずつ構えて長い廊下を撃ちまくる。

……でも、二挺で毎秒250発って普通だよね?毎秒2000発くらいがいいのかな?

 

「ヒィッ!!な、何だよコイツら……殺人鬼だ!!」

 

翔「ほらほらァ、死にたくねえならもがけもがけ!!」

 

ヴイィィィィン……!!

 

咲姫「(翔君キャラが……)まあ、どっちにしろ、アンタらが上に従ったのが運の尽きよ!!」

 

廊下の敵を一掃したことに、私はガトリングガンから取り回しの良いグランドブラスターに切り換えて、その憲兵とその血で彩られた、鮮血とカーキの絨毯を走っていく。保証として、地雷も腰のホルダーから転がしておく。

 

翔「……おっ、おーい!死ぬなよー!!」

 

咲姫「(死ねない私達にナンセンスな言葉ね。でも……)当たり前でしょ?とりあえずぶっ殺しまくって帰りましょ!」

 

ああ!と翔君の威勢のある声に私は僅かに安心感を覚えた。たった少し離れるだけなのに、翔君はずるい男だよ……

 

「見つけたぞ!撃ち殺せェッ!?!?」

 

咲姫「指示してるだけのバカが撃てよ!!」

 

指揮棒らしき何かを私に向けたため、問答無用にヘッドショットかます。それで、士気が崩れたのか憲兵達の動きがもたついたため、全員一撃で撃ち殺した。

 

咲姫「(……!!これが地下室の扉ね)」

 

「ッ!!隊長の仇イイィィィ!!!」ダダダ…!

 

ちらっと地下室の様子を窺い、仇と乱射してくる憲兵を前にする。それに、私は扉を開けて……

 

咲姫「よっと」ギイィィ

 

後ろに跳んだ。扉はそれで開かれ、そのまま階段を転げ落ちる。背中と後頭部が痛いが、これくらい何のその。

 

「!?階段に落ちただと!?」

 

「バカめ!!それこそ自殺行為だ!」

 

咲姫「馬鹿なのは、アンタらよ!!」

 

対人グレネードを集まっている憲兵達に投げる。接触信菅によって、地面にぶつかると爆発した。

 

咲姫「(さてと……探さないと)」

 

CCMのライトで暗い地下をゆっくりと歩き始めた。

 

~~~~

 

咲姫「(……やはり、部屋があるね)」

 

扉が2つ。一つは普通の扉だったが、もう一つは鉄で出来た扉だった。

普通なら、鉄の扉を選ぶだろう。しかし、私はそんなに単純じゃない。その間の壁を手の感覚で探し……

 

コツッ

 

咲姫「(ビンゴ!!)」ジャキッ

 

ドオォンッ!!

 

一歩退き、そのレンガ造りながらも違和感のあった壁に向かって、ロケランを放った。近かったため爆風で壁にぶつかったが、大したことはない。

 

咲姫「(そういえば、息苦しいわね……まあ、関係ないけど)」

 

煙が巻き上がる隠された部屋に一歩一歩歩みながら、そう考えた。確かに、この地下室は密室すぎる。ダクトや換気扇すらも見えない。まるで、倉庫のようだ。

 

咲姫「貴女達、大丈夫かしら?」

 

ロケランを消して、私は敵意の無いことを両手を挙げて示した。その間に、優しい眼差しながらも艦娘の様子を見る。

 

「君は、誰だい?」

 

咲姫「そうね……海軍を敵に回そうとしてる組織かしら?そのリーダーの奥さんってとこね」

 

「……それは無理だよ」

 

その言葉に、私は手を崩れるかのように下げた。発言した子は、村雨ちゃんの着る服とそっくりだが、無論ボロボロだ。その時、小さくだが時雨と言った。

周りも、私に恐怖や威嚇の目で見ている。

 

時雨「だって……僕らは『兵器』なんだ。何度も何度も出撃させられて、殴られて、辱しめられて、そして沈められていく……」

 

咲姫「……」

 

時雨「それに、僕らは何度も作れるし使い捨てみたいなものさ。そんな僕達を……助けれるの?」

 

咲姫「アンタ達……!!」ギリリ…

 

歯が軋み、目を鋭くする。彼女の発言に、恐ろしい怒りを感じる。私達だったら、そんな下らない理屈捨てて自分らしく生きている。

 

咲姫「……ねえ、そうならアンタ達生きる気ないの?」

 

時雨「えっ……?」

 

咲姫「アンタ達……犬死にするの?無能で、傲慢で、自分じゃ何もできやしないアイツらのせいで」

 

時雨「……」

 

咲姫「そんな、自分の首を絞めてるようで大丈夫なの!?生きたくないの!?だったら、アンタ達より先に沈んだ子達に何て詫びを入れるつもり!?!?」

 

怒りの眼差しで艦娘を睨みつける。

 

咲姫「私達だってね、私達の少しの油断で二人も目の前で殺したのよ!二人だけど、私達にとっては何よりも重く尊い命だったの!!

だから、私達はその子の分まで生きている。意地でも生きているのよ!!何度殺されかけようが、地に這いつくばろうが、何としてでも生きている!!

私達のとこの艦娘だってそうよ!!目の前で違う自分を沈められて、遺された物を身に付けて『沈んだ私の分まで生きてやる』って言った!!!

じゃあ、アンタ達は何!?ただ自分が殺されるのを待っているの!?下らないアイツらのせいで!!!」

 

声を張り上げすぎた……でも、これだけは言わなくちゃ。

 

咲姫「だったら……生きなさい。

沈んだ姉妹、友の為にも、生きて……その為には、私達が守ってやるから……誰一人殺さないから!!

そして、飛ばしてやる!!こんな薄暗くて汚い場所より、とっても綺麗で明るい場所に連れてってやる。私達が!!!」

 

ジャキッ、ダァンダァンッ!!

 

牢屋の鍵穴に向かって、ビームを撃ちこむ。開けれることを確認すると、私は入り口に目を向けた。

 

「ッ、あのクソアマ……!!」

 

咲姫「よくそんな口叩けるわね!この子達のおかげで、この国は何度も守られているのよ!!」

 

「関係ねぇ!!どんな姿だろうが『兵器』なんだよ!人間みたいに喋れて感情もあって、気持ちわりいんだよ!!!」

 

プツッ

 

その時、違う怒りが込み上がった。艦娘に向けたのは希望に向かわない怒り。

そして、コイツらはこの子達を『兵器』呼ばわりするという、人間をかけ離れた思考をしていることへの怒りだ!!!

 

咲姫「ッ……ブッ殺すッ!!!!」ジャキッ

 

ダダダダダダダダ……!!!

ドオォドオォドオォンッ!!!!

 

使えるだけの銃とランチャーを撃ちまくり、憲兵達を潰していく。怒りのあまりオーバーキルにも関わらず、私は撃ちまくった。

 

咲姫「ハァ……ハァ……ねえ、逃げましょう?こんな所よりも、私達の所の方がとっても綺麗だよ?」

 

『……』

 

咲姫「大丈夫。私も皆も、貴女達を『兵器』なんて呼ばない。寧ろ皆同じ釜の飯を食べてるから、仲間みたいで家族みたいなもの。

だから……一緒に帰ろう?私達の家へ」

 

武器を全て消して、私は満面の笑みを浮かべてそう呼び掛けた。それに、皆の顔に恐怖や威嚇は無かった。

そして……

 

キィィ…

 

時雨「本当、なんだね?」

 

咲姫「ええ。嘘だったら、私も、リーダーも、皆殺していいから」

 

時雨「そう、か……」

 

心を僅かに開いてくれて、その鉄格子を開いてくれた。

その時、空間が割れて成人君達が現れた。

と、同時に憲兵も私達に撃ってきたため、応戦する。

 

パリイィンッ!!!

 

長門「お前達。よく耐えてきた!もう大丈夫だ、我々が助けてやろう!!」

 

大和「私達が来た以上、もう貴女達に『兵器』として扱われる必要はありません!」

 

憲兵を一人一人を撃ち殺しながらも、ハザマから一人一人現れて怪我の酷い艦娘を助けていく。その艦娘の顔には、安心と希望が現れていた。

 

咲姫「グッドタイミングよ!意外に、見つけるの簡単だったわ」

 

成人「そうですか。しかし、することは一つ……!!」

 

シュルルル……!!

 

加勢してきてくれた成人君の腕が触手になり、憲兵を捕まえては首をへし折り、その腹を喰い破り始めた。私も、辛うじて逃げられた憲兵を撃っていく。

 

時雨「……!!な、何だいあの人は……!腕が触手に……」

 

アイオワ「No groblem!彼はMe達のleaderのfriendよ。very very kind!!」

 

成人はアイオワの言葉に笑ったが、それと裏腹に触手の先をチェーンソーに変えて、憲兵を斬り刻んでいく。そのグロテスクな光景に、思わず銃撃を止めてしまう。

 

咲姫「うぁぁ……R-18Gだね」

 

成人「ふざけたこと言ってないで殺って下さいよ!流石に斬りもらしがあるんですよ!!」

 

咲姫「分かってる、とりあえず、潰したら私は戻るから」

 

成人君は了承したが、その時何かを見つけたようだ。だが、目はあの何もない廊下の奥の壁に向けられている。

 

成人「戻って下さい。何かを感じたので、早くハザマに!!」

 

咲姫「……言葉に甘えるわ。頼むよ」

 

そう言うと銃を消して消えかかっているハザマに走りこみ、翔君譲りの馬鹿力でこじ開けてハザマへと入ったのだった。




<咲姫>
・内部憲兵の掃討
・艦娘の発見&説得
・艦娘の避難時の防衛

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