艦隊これくしょん~五人の最強提督~   作:ODINMk‐3

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第28海 舞鶴のレクイエム(成)

<舞鶴鎮守府>

 

パリンッ…

 

成人「よっと」

 

午後9時を回る舞鶴鎮守府。施設内外にも関わらず憲兵が警備を続けている。茂みに隠れている二人も、気づかれないように身を潜めている。

しかし、先日に観察した僕は警備外であろう鎮守府の屋根に身を竦めながら下り、外部の憲兵の数を調べる。透視能力も発動させて、内部の憲兵とクソの確認も行う。

 

成人「(外部に272人、内部はその半分。そしてクソは執務室で夜食ですかい……やはり、此処の守りは固い。しかし……!!)」

 

僕の能力は『学問』、しかも“司る”ことからその定義を無視することも可能。それを応用して外部の憲兵の死角にハガマを開く。

と、同時に外部に情報を漏らさないことや存在がばれないために電波を妨害、電気系統を間接的に破壊する。

次いでに鎮守府の敷地に出た時の為に底無しの穴を視覚的に変化が無いが無尽蔵に開ける。

 

「……?何だ、停d」ザンッ!

 

「ったく、何でこんなときィ」ザシュッ!

               ・・

成人「……憲兵、許せ。それでも慈悲ある拷問道具だからな」

 

ハザマから高速回転するチャクラムが射出され、外部の憲兵全員は首を落とされる。ピアノ線や薄い刃は一定以上のスピードで首チョンパは可能なのである。ギロチンはそれを重力加速させたものだ。しかし、こっちはチャクラムを高速回転、高速射出することでギロチンよりも強力な斬撃力を持っている。

 

成人「……」コクッ

 

翔「……!」b

咲姫「!」b

 

憲兵の屍の転がる中、グッドサインを送った二人は停電した鎮守府内部へ向けて走り出した。暗いにも関わらず髪が白いことが目立っていますがね……

とりあえず、次は咲姫さんが到着した際の救助の為にまたハザマに身を隠すのだった。

 

~~~~

 

<ハザマ>

 

成人「よっと……とりあえず、外部の憲兵を殺りました。後は、咲姫さんが艦娘の安全を確保するまでですね」

 

長門「ああ、だが油断は出来ん。奴らは正規軍とはいえども何をしでかすかは分からんからな」

 

長門の言葉に僕は深く頷く。僕の目の前には、救助する際に動く戦艦と空母が準備している。しかし、例外にも翔さんの純粋な直属艦娘四人がいた。

残りの艦娘は入渠の手伝いやある組織が栄養失調の子供達に与えるウエハースを配布の役割を担っている。力のない駆逐艦や軽巡でも果たせれることだ。あの戦いたがりの天龍も、この役割には異を唱えたが意外にも早く引き下がったのだ。

 

雪風「成人さ~ん、雪風達はこれを配布すればいいんですよね?」

 

翔「ええ、しかし食べないで下さいよ。それ、見た目の割に凄い量の栄養があって、僕らが食べれば鼻血が出るのは確実ですから」

 

吹雪「だから『健康な人は食べないで下さい』って……私、頑張りますね!」

 

成人「ええ、とりあえずいつ来るかは分かりません。態勢は整えておいて下さい」

 

はい、と吹雪は元気よく答えると雪風と共に入渠風呂が並ぶ空間の中に戻る。

 

成人「皆さん、貴女達の素早い行動が救助に必須です。一人でも多く避難させて下さい!」

 

加賀「任せて。私達が出来ることはこれくらいだからこそ、貴方達の期待に応えてみせるわ」

 

リットリオ「はい、私達にお任せ下さい」

 

サラトガ「リュウジョウ……いや、こんな事を今考えては……!!」

 

戦艦と空母達は僕達の期待に応えるように、言葉や体操でそれを表している。

 

成人「押しかけは駄目です。まず一人が安心できるような発言をして救助を行って下さい」

 

大和「なら、私に任せて下さい」

 

長門「それだけでは駄目だ。大和、私も発言しよう」

 

皆、何かと二人が発言してくれるのに納得する。やはり、最終兵器である『大和』とビッグセブンの『長門』だからだ。

 

大淀「……!!咲姫さん、艦娘の安全確保及び牢を全て破壊しました!」

 

成人「分かりました!それでは……!!」

 

その空間に向けて正拳突きをして、ハザマとその空間を繋げる。

 

パリイィンッ!!!

 

長門「お前達。よく耐えてきた!もう大丈夫だ、我々が助けてやろう!!」

 

大和「私達が来た以上、もう貴女達に『兵器』として扱われる必要はありません!」

 

一人ずつハザマから現れてきて、怪我が酷い艦娘から助け出し始める。僕はこの部屋を守ってる咲姫さんの加勢に入る。

 

咲姫「グッドタイミングよ!意外に、見つけるの簡単だったわ」

 

成人「そうですか。しかし、することは一つ……!!」

 

シュルルル……!!

 

腕を触手状に変化させて、憲兵の四肢を押さえて首をへし折る。次いでに腹を喰い破る。捕らえられたなかった憲兵は咲姫さんのヘッドショットによる一撃で葬る。

 

時雨「……!!な、何だいあの人は……!腕が触手に……」

 

アイオワ「No problem!彼はMe達のleaderのfriendよ。very very kind!!」

 

成人「ハハハ、アイオワさん口がお上手で。しかし……!!」

 

触手の先を口からそのままチェーンソー状に変化させ、憲兵を滅多斬りにする。血肉と断末魔が飛び散り、暗い部屋を紅く染める。

 

「ヒ、ヒィッ!!」

 

「な、何だよあのバケモノ……!!」

 

成人「あ゙?散々お前らを助けてくれた艦娘共をバケモノにして俺らにもか。んじゃ……死ね!!!!」

 

バケモノ……?ふんっ、バケモノなんてのはテメエらの上にいるクソがそうだろ。ああ……!!腹が立つ!!!!

 

咲姫「うぁぁ……R-18Gだね」

 

成人「ふざけたこと言ってないで殺って下さいよ!流石に斬りもらしがあるんですよ!!」

 

咲姫「分かってる。とりあえず、潰したら私は戻るから」

 

成人「分かりました。……ん?」

 

この階からとんでもない何かを感じられる。恐怖、快楽、絶望、喪失、別離……恐ろしいものばかりが流れる。

 

成人「戻って下さい。何かを感じ取ったので、早くハザマに!!」

 

咲姫「……言葉に甘えるわ。頼むよ」

 

銃撃を止めると咲姫さんは塞がりかかってるハザマに入りこむ。そして、塞がると同時に腕を元に戻して重力を強くする。

 

成人「デストロイプレス!!」

 

「っ!?ウァッ!!」ベチャッ

 

「ぐぼぁっ!!」グシャッ

 

地球の数百倍の重力は人間にとってはプレス機で潰されるもの。憲兵は骨を砕かれ、内臓を潰されて紅いカーペットを敷く。

そのカーペットを駆けて、その恐ろしいエネルギーを辿る。着いたのは、さっきの部屋よりも200mくらい離れた所である。

 

成人「(……煉瓦の壁と思わせて、核シェルターですかね)」

 

しかし、あくまで核を防御できるものだ。だが、空間を通り抜けるくらいできる。物質の干渉を受けない穴を開けて、その密室へと入る。

 

成人「……!!!こ、これは……」

 

恐ろしい鉄やイカ、吐瀉物が混じったような悪臭が鼻腔を突き刺す。眩むような悪臭に思わず嗅覚を遮断させる。

 

成人「……こんなにも!?」

 

それは、艦娘と深海棲艦の死骸だった。艦種関わらず、バラバラなものや下半身だけのもの、何処か欠けたものばかり、五体満足な死骸なんて片手で数えられるくらいしかない。

 

成人「……」プツッ

 

何かが、込み上がる。僕の大切な兄さんと姉さんを殺したあのテロ組織と遭遇した時と同じくらいの何かが込み上がる。

 

成人「……ヴヴ」

 

意識ガ消エテイク……何モカモワカラナクナル……コワス。コワス。コワシテヤル……!!

 

パリィンッ

 

成人「ヴヴヴヴヴアアアアァァァァァ!!!!」

 

コノチヲハカイスル……オロカナニンゲンドモガツクウコノチヲコワス……!!!!!

 

成人「……アルマゲドン」

 

ヴオォォォォォォォォ……!!!

 

ソシテ、コノチハシロクナリ、ムトカシタ。




<成人>
・外部憲兵の暗殺
・電気系統破壊、電波妨害
・逃亡者の追撃
・艦娘の避難時の防衛

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