艦隊これくしょん~五人の最強提督~   作:ODINMk‐3

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第27海 弔いの形

<廊下>

 

うぅ……流石に鳳翔さんの話を聞いて、提督に泣きついていいと言われたものの、今更恥ずかしかったわ……

 

羽黒「(……でも、姉さんや沈んだあの私もあのようなことになってるんだ……)」

 

その事を考えると、今から助けに行く姉さん達が提督をどのように見るのか……不安がたまらない。

どうしたらいいの?と私は沈んだ私に尋ねるように、付けていた髪飾りが装飾されたブレスレットを触る。

 

 

(1週間前…)

 

翔「これだ……」

 

1週間、私達は鳳翔さんを明石さん達に任せた後に執務室にて沈んだ私達の残した物を見せてくれた。

 

潮「!!これって……」

 

如月「ええ、私の付けているものと同じね」

 

羽黒「ということは、本当に……」

 

提督は何も言わずにゆっくりと頷いた。本当に私達が沈んだと思えると、何処か胸が気持ち悪くなる。それは、三人も同じだと言えよう。

 

翔「……すまん。一緒にいたとはいえ、こんな胸糞悪いこと言っちまって……」

 

村雨「……ううん、元は助けられなかった私達なんだから」

 

翔「そうか……とりあえず、それは沈んだアイツらの元へ供養する。とりあえず、回収するな」

 

そう、提督が置かれた遺品を取ろうとすると如月ちゃんが沈んだ自分の髪飾りに手を置いた。

 

如月「……」

 

翔「如月?」

 

如月「……あっ、ごめんなさい。ちょっと無意識に。

……でも、それは私にくれないかしら?私も沈んだあの子も『如月』。沈んだ如月の分まで、生きてやりたいわ。これはその証になるかもしれないの。

提督、これは沈んだ如月から呪われる行為かもしれない。でも、これは見殺しにしてしまった私の弔い方の一つかもしれないの。

お願い、提督。これを……如月に」

 

翔「!!……」

 

如月ちゃんの言葉は、重々しくもどこか決意に満ちたものだった。沈んだ自分の分まで生きてやる……その言葉に、私は強く惹かれた。

 

羽黒「……提督、私もです」

 

村雨「私も、それをくれない?」

 

潮「……提督、如月ちゃんの思いは私達も一緒です。なので、沈んだ私達のそれを……」

 

翔「……ああ、そう言うと思ったよ!」

 

提督は、私達の思いに応えるように笑みを浮かべた。それ言うなら、先に言ってくれれば良かったのに……

 

如月「……あー…これ言うのどれくらい考えたと思ってるのよ、提督。さっきまでのシリアスな空気が台無しじゃない」

 

翔「ハハハ、わりいわりい。まっ、こうなることは分かってたわ。とりあえず、これを新しいアクセサリーにする。明日にはできてるから、また此処に来い。あっ、如月。お前の髪飾り、ちょっと借りるな」

 

そうして翌日、彼女達の遺品は私達のものとなった。私のはブレスレットに、如月ちゃんのは花びらが6枚に増えた髪飾りに、潮ちゃんのは髪を纏めるリボンに、そして村雨ちゃんのは黒いミサンガとなった。アレンジは最小限であるため、原型は留めてある。

というより提督はアクセサリーすら装飾できることに、私はますます己の女子力の低さに落胆するのだった……

 

 

ーーーー

 

羽黒「……あっ、そうだった」

 

成人さんからの連絡で、艦娘全員はグラウンド中央に集合ということを知らされていたのだ。

急がねば皆に迷惑がかかる。そう思って足の速さを上げる。その時、あるものが私の目を釘付けにした。

 

羽黒「……!!」

 

髪が雪のように白く、目がルビーのように赤く染まっている。いつもとは対照的な黒髪と碧眼だ。

いつもの姿はとても優しく頼もしい私達のリーダーなのだが、今はその欠片もなく何処か猟奇的で殺気に満ちていた。差している刀も、妖刀の如く恐ろしい何かが纏っている。

幸か不幸か、この姿に私は運が良かったかもしれないが、逆にその同じ人間なのかと疑うほど恐ろしい殺気とその姿に私は金縛りを受けたかのように足を止められていた。

 

「……!!」タッ

 

すると、蜃気楼の如く彼が何処かへと逃げた。それと同時に、足がまたリピート再生するように動かした。

 

~~~~

 

<佐世保鎮守府→舞鶴鎮守府間>

 

翔「あっちゃぁ……見られちったよ」

 

咲姫「何を?」

 

自分の顔に指さすと何か分かった咲姫はしょうもないのか顔を戻すと足のスピードを上げる。それに、並列するように足を速める。

 

翔「ちょ、正直言うけどこれで足止めちゃったんだぞ、オイ!!」

 

咲姫「それは、君の殺気のせいよ。ブチギレた君、私や成人君ですら滝のように汗流してたのよ?」

 

翔「あ、お、おぅ……それはすまん」

 

この能力を得た自分がメッチャ憎い……いや、LBXの運動性や反応速度無理矢理上げてるからある意味必然的だったのだがな。

 

咲姫「まあ、その殺気は舞鶴鎮守府の連中にぶつけるのよ。トー○ャーアタックでも○血メイスでも妖怪菊を解放した菊一文字でも使って、クソ共を潰しちゃいなさい」

 

翔「分かってらぁ。だが、お前もな」

 

咲姫はそれに笑みを浮かべて、俺に近づくと耳元で囁いた。

         ・・・・・

咲姫「分かってる。お兄ちゃん♪」

      ・・

翔「……俺ら双子なんだからよ、お前が姉ちゃんかもしんねえんだぜ。謎要素の一つだが、いつしか俺とお前どっちが上か決めようぜ」

 

咲姫「私がお姉さんだったら、翔君をダメにしそうなのよ。明石に頼んでショタ化薬作ってもらってそしてショタ翔君を……」

 

あー、こっから18禁のために伏せておく。というかコイツ、ショタ化した俺にその年らしからぬことばっかやってたからな。いわゆるショタコンとやらか。

 

翔「……おい、そろそろ着くぞ」

 

咲姫「フフフ……ハッ!と、とりあえず茂みに隠れましょ。さっきのは忘れて、ね?ね??」

 

翔「わーってる。とりあえず、成人が外と電気系統を潰すまで待機だ。咲姫は、ありったけの銃とグレネード、マインを用意しとけ。敵は銃を持ってるのは確実、艦娘がいるところは出れないように堅固にされている。次いでにロケランも装備しておけ」

 

咲姫「でも、私達は直ぐ様武器を形成できるのよ?ランチャーなんて重いし、まあマシンガンとショットガン一挺ずつで弾切れ時に武器を切り換えればどうにかなるわ」

 

そうだった、と鼻を鳴らす。そうして、上陸すると茂みの中に隠れて憲兵の様子を伺い始める。

さてと……俺達で奏でてやろうか、クソ共の断末魔で奏でるレクイエムを!!


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