<鎮守府 縁側>
咲姫「ズズズ……ふぅ」
昼食を作り、その皿を洗い終わり、ようやく私達に休息がおとずれる。縁側の座布団に座り、茶葉で濁った緑茶をすする。
間宮「ふぃ~、少しずつ暑くなってきたね~」
伊良湖「はい。昔は、この時期春と同じくらいなのに……温暖化の影響でしょうか?」
割烹着を脱いだ間宮と伊良湖は、ちゃぶ台に向かい合って暑いことを話しているよう。間宮さんはもう、うちわで扇いでいる。
咲姫「昔は今より涼しかったの?」
間宮「ええ。というより、海上でしたから涼しいというのは当たり前でしたね」
咲姫「でも、赤城と加賀は艦内メッチャ熱かったんだよね?」
伊良湖「……それ、ご本人の前で言わないで下さいね」
は~い、と伊良湖の忠告を受け流しつつも受け止めるように返事をする。
奥には、キラキラと太陽の光に乱反射する海が見える。あの先に、鉄屑のように黒く残虐な深海棲艦と姫君のように可憐で美しい艦娘が無慈悲にも砲弾を撃って撃たれて沈め沈められる光景が見えるのか……
「ふみぃ~……」トテトテ…
咲姫「あら、文ちゃん。どしたの?」
その時、縁側の横手にある小さなグラウンドから電や雷に似た艦娘がふらついた足取りで私の元に近づいて来た。
睦月型駆逐艦『文月』。つい数日前、鎮守府付近海域の戦闘にて沈めた深海棲艦からどういう仕組みか知らないが、この娘が現れたのだ。見たところ如月が自分の姉、そして自分の名前だけしか知らずに、この鎮守府に連れてきたのだ。
まあ駆逐艦の中では如月に次ぐお姉さんだが、どう見ても小学生にしか見えない。ので、出撃も控えてこの鎮守府でのんびりと暮らしているのだ。
私や周りの艦娘も、この娘のことを『文ちゃん』と呼んで親しまれている。つまり、この鎮守府のマスコット的存在なのだ。
次いでに、私の膝は文ちゃんのお昼寝の指定席でもある。翔君の事も好きでちょくちょく執務室で翔君に(だいしゅきホールドで)抱きついて寝てる姿も見られる。
……今、入れてるよねって言った奴と翔君のことをロリコンって言った奴、前に出てきなさい。殺すかkillで済ませてやるから……
文月「むみゅ~……」ポスッ
咲姫「ん、眠いの?」
文月「眠いぃ……」
私の膝に頭を置き、ローファーを履いたまま文ちゃんは縁側になすりついたまま深い眠りについた。この体勢はあまりにもキツいだろうと文ちゃんの顔も少し強ばっている。私は動きたくても眠る文ちゃんを起こしたくない……どうしよう……。
大淀「ふぅ……ようやく終わった……」
咲姫「あっ、大淀。丁度よかったわ」
すると、頭を少しばかりかいてため息をつく大淀が通りかかってきた。どうせ翔君絡みだろうね……勝手に出ていくバカだから……。
大淀「あら、咲姫さんじゃないですか。それに、間宮さんと伊良湖さんも」
咲姫「大淀、ごめんけど文ちゃんの体勢を直してくれないかな?」
大淀「ああ、それなら」
大淀が文ちゃんの腰を抱えて、ローファーを脱がせて縁側に足を置く。文ちゃんのちょっと強ばった顔もすぐに安らかな顔になる。そして、大淀は縁側から上がってちゃぶ台に座った。
文月「ふみぃ~……」
大淀「フフッ、相変わらず可愛いですね」
咲姫「だよね。駆逐艦の中じゃ、二番目のお姉さんなのに雪風ちゃんとかよりも幼い感じがする」
間宮「そういう娘なのですよ、文ちゃんは」
悪戯心に揺るがされて、文ちゃんの柔らかい頬っぺたを人さし指でつつく。メッチャ柔らかい、そして可愛い。……ロリコンでいいかも、私。
咲姫「……平和、ねぇ…」
大淀「……ですね。これがずっと続くといいんですけど…」
間宮「ええ。潮ちゃん達が敵の大群に襲われた時は、本当に大慌てでした。そこで、思わず皿を数枚……」
咲姫「間宮、皿割りすぎ」
そうツッコむと、間宮は私に謝る。それにいいよと答えると、埠頭に白波が立つ。
翔「ただい__」
咲姫「あ゙?」
翔「まあぁぁ……」トッ
落ちてくる翔君の大声を一睨みで静める。と同時に着地の際に腰のブラストマグナムによるホバリングでゆっくりと地面に足を付ける。
咲姫「お帰りー」
翔「あ、うん……あっ、そうだ。大淀、南西諸島海域の件だが……奴ら、姫級を構えていた」
大淀「……で、それを潰したんですよね?」
翔「おお。ご察しがいいもんで」
翔君も縁側に座りこみ、腰のポシェットに入ってる栄養ドリンクを口に含む。
翔「所詮、砲と艦載機を無くした基地はただの建物だ。艦載機を全てLBXで対処、そして巨大な単装砲をひしゃげりゃあ何もできんのさ」
大淀「……まさか、飛行場姫を?」
大淀、すごいわね……翔君の戦ったエピソードですぐ種類を当てるなんて……
翔「いや、それプラスこの前の戦艦棲姫とやらが前線とその飛行場姫の護衛、全部で5隻いた。まあ、AMライフルブッ放せば一撃で沈んだから弱かったわ」
『(この人、強すぎ……)』
私以外の三人が呆れと驚愕の目で翔君を見る。それに、彼は首をかしげるがどういうことなのか知るわけがない……
翔「まあ、前よりはマシだわ。前はレ級とかネ級とかいたし、それプラス数も恐ろしかったからな」
大淀「でも……よくよく考えると、あの戦力差で全員生還させて返り討ちにしたのがすごいですよ」
咲姫「大丈夫。彼がいると、味方の死人はほぼ確実に出ないわ。まっ、その味方の頑張りのおかげでもあるけどね」
確かに、昔の友人は恐ろしかった。七色の大玉ブチまけたり、でっかい炎の剣を薙ぎ払ったり、太い柱をぶつけたり……あそこはマジで修羅場だわ。
大淀「翔さんは、まさに戦いの守護神なのですね」
翔「そうでもねえぞ。ただ単に戦闘好きで純粋な戦闘がチートな奴だ。成人みたいな超能力じみた力は微塵も持ってねえぞ」
咲姫「(……とかいいながらも、エルフェン○ートみたいな能力でワールドセイバーをミンチにしたじゃないの)」
この能力をご存じない方は、検索することを比較的お勧めしないわ。グロいのよ。だからあの時数多くの子供達にとんでもないトラウマ植え付けたのよね~……
翔「まっ、俺も弟子とかはいたな。俺について行ける奴なんて、指折りできるくらいの数しかいないがな」
伊良湖「流石、深海棲艦を生身にして相手にでき、かつ姫級を余裕で叩けるだけありますね」
確かに。武術の講師として自警団の男達に戦い方を習わせたし、数多くの実力者をねじ伏せてきた男だから、こんなのいつもの事のようなものね。
翔「……ん、深海棲艦の鉄の臭い……敵襲か。咲姫、ちょいとそいつらシメてくるから宜しく」
翔君は縁側から立ち上がって、海に向かって走り出す。その加速力は異常で、すぐに新幹線とほぼ同等のスピードとなる。埠頭から大きく跳ぶと、すぐに見えなくなった。
咲姫「……ハァ、相変わらずの切り込み隊長ね」
大淀「まっ、それが私達の『提督』なのですから。私達はその破天荒でお気楽な彼の下に従えるのですから、彼が何をしようが止める権利はないと思いますよ」
咲姫「……まっ、そうね。だけど、アイツは死ぬ気でムチャしまくる奴よ。その時は力ずくで止めなさい」
間宮「力ずくって……私と伊良湖ちゃんは補給艦ですし、大淀さんの艤装は手元にないのですよ?」
そう言われると、笑わざるを得ない。何せ、この三人で……それどころかこの鎮守府にいる全艦娘の戦力でも翔君の10000分の1にも満たないだろう……。
翔「ただいまー」
「「「「早っ!!」」」」
相変わらずのスピードである。何せ、一対一万の差でも半時間以内に全滅させれるのだ。必殺ファンクションのタイムラグを完璧に改善、しかも超必殺ファンクションを連発できるなど明らかにチートを用いたかのような感じなのだ、彼は。
文月「むぅ~……」
咲姫「あ、起こしちゃった?ごめんね」
上体を起こして、不機嫌そうに目覚める文ちゃんを宥める。すると、寝ぼけているのか、文ちゃんは私の首に細い腕を回して、また寝息を立てるのだった。
翔「へへっ。相変わらず、文ちゃんは可愛いな♪」
文月「ふみぃ~……」
咲姫「(……やっぱり、この子も『人間』なのね。眠るし笑うし食べるし……じゃあ、何故海軍はこの子達を『兵器』として見るかしら?)」
文ちゃんを撫でながらも、その疑問が消えることはなかった……
・雌崎咲姫(めざき さき)
年齢:約一兆歳(容姿は大学生くらい)
身長:180cm
体重:ヒ・ミ・ツ♪
容姿
翔の妹なだけか、黒髪(ロングヘアー)碧眼(たれ目)である。しかし、顔つきは子供っぽいことから、翔は『大人』だが咲姫は『子供』である。
全体的な体格体形も良く、モデルにも勝る程のプロポーションを持つ。そして何より凄いのは彼女の豊満な胸である。Kカップという巨乳を持ち、翔もそれには撃沈するという……
(※翔は巨乳フェチじゃありません。ただ単に、彼女の包容力には負けてしまうからです。誰だって甘えというのは必要よね?よね??)
服装は、翔に似るかのような半袖のシャツとミニスカート。ハイニーソも履いて、絶対領域がとても輝かしい。
モチーフは六兆年と一夜物語の『アイ』。彼女とはあまり似てないと思われるが、意外に似てるのである。
概要
佐世保鎮守府の提督である翔の妻にして妹。佐世保鎮守府の影の提督として、彼女の家族と友人、そして艦娘と共に2つの勢力に立ち向かう。
性格
通常…翔にとても似ており、心優しく穏やかな性格。鎮守府でも、彼女がいると安心感に溢れる。(そのため普通は緊張感皆無だが、襲撃が分かるとすぐにその空気をブチ破る)
翔がモテる(+鈍感)故に艦娘達には少しばかりの嫉妬を抱いているが、それでも大切な仲間だと思い、とても仲間想い。特に、翔に一目惚れした潮の事をとても気に入っている。
夫かつ兄の翔には強い愛情と依存性を持ち、夜となると確実に夜戦(意味深)に入る。しかも、包容力も恐ろしいため頑固な翔も一撃でやられる。
戦闘&マジギレ&ヤンデレ…非常に残虐で無慈悲。もはや敵を潰せばいいという思考を持っている。
翔同様に(性的)虐待を受けたが為、翔とほぼ同じ対象に付け加えて、クズ男共を相手にすると手段は選ばない。
翔に対する愛が募りすぎると、彼を殺して■べるというとんでもないヤンデレになる。しかし、何故か彼女は絶対に周りを傷つけない。次いでに、咲姫がよく作るのはフr___
(※作者は咲姫の狙撃によって頭を砕かれました……)
翔「砕かれたのかよ!!」
作者「痛いなぁ~」←顔を直してる
翔「そして復活早っ!!」
咲姫「チッ、流石この小説の作者ね……。今すぐリアルのアンタを狙撃したいところだけど、成人君の次元探索がまだなんだよね~……」
作者「(リアルの俺、逃げて、超逃げて!!)」
翔「お、おい待てよ……設定まだあるんだぞ?」
咲姫「ああ……私の戦闘能力は翔君とほぼ同等。けれど、私が銃撃戦を得意としてるわ。まっ、狙撃が大の得意ね。まっ、私も前線に出る時は二刀流ね。まっ、翔君がオーディーンMk-2で私がアキレスD9といったとこね」
翔「弱点は、俺と同じリンゴだな。それとキノコだ。理由は……問うな」
咲姫「翔君のグングニル(意味深)はいいけどね」
翔「それと……何より致命的な弱点は、泳げないことだ。息止めることも無理だしけのびやバタ足すらできない。だから、海上では俺がどうにかするハメになるんだよね~」
咲姫「……作者、これどうにかして」
作者「無理です」
咲姫「(´;ω;`)」