やはり俺が甲賀弦之介なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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今回は早く書けたー!
台詞多め、展開早めですが、
本来の通りに書けたと思います~!


それでわ、どーぞ!




第8話 戸塚の依頼と第5転生者

 

 

 

材木座の依頼も終わり、その翌日の登校時に平塚先生へ新たな転生者の報告をしに職員室へと向かう奉仕部の面々。

報告を終えると、材木座への転生者としての諸注意を教えるように平塚より言い渡された。転生者は原則として、幾つか掟があった。ここで簡単に説明させて頂く。

 

 

 

転生者の掟

其の壱

転生者であることを他言してはいけない。

 

其の弐

忍法や忍術を悪用してはいけない。

 

其の参

過去の因縁は持ち越さない。

 

其の肆

時代錯誤な話し方をしてはいけない。

 

 

 

平塚曰く、掟は随時更新されるらしい。その掟は彼らの学生生活を円満に送る為に、必要不可欠であると言えよう。例えば、転生者であることを話せば、頭の痛い人扱いになり最悪の場合は、病院や施設に強制入院もありえるだろう。

忍法や忍術も悪用すれば、簡単に人を殺傷してしまうので当然禁止である。過去の因縁を持ち越してしまうと、マフィアの抗争みたいになってしまう。話し方も時代錯誤なそれが切っ掛けで、周囲から奇異な眼で見られてしまうだろう。依って、この掟は所謂常識やマナー、モラルといったものとして存在する。八幡は箇条書きにして、そのまま材木座にメールを送った。

 

 

 

材木座よりの返信メールは早く、恐る恐る開いてみた。

『やはり女子(おなご)は、細腰の女子じゃのうwww』

メールを開いた事を後悔しつつ、そのまま授業を消化していった。そして昼休みとなった。昼休みは主に、部室かベストプレイスで八幡と雪乃は昼食をとっていた。その日は天気も良く、風も気持ち良かったのでベストプレイスで食べる事にしたのであった。いつものように穏やかな時間が流れていた。そこで八幡は何気無く疑問を口にする。

 

 

「なぁ雪乃。いつも彼処で昼練している奴いるよな。あんなに熱心に部活に打ち込む奴がこの学校にもいるんだな。」

 

 

「そうね、ここは進学校だから運動系の部活には余り力を入れてないわね。確かテニス部も弱かったと記憶しているわ。」

 

 

 

何気無い二人の会話であったはずが、この後にもう一度同じ内容を交わす事となる。そして午後の授業も終わり、放課後。今日も八幡と雪乃は部活動に打ち込む。部活動と言っても依頼待ちの待機状態である。二人は本を読む事も好きなので読書に勤しむ事もあるが、基本は八幡が笛を吹き、雪乃がその音色に合わせて舞いを踊る。今日は昼練を見た影響か、八幡が雪乃に舞いを教わっていた。

 

 

「っ!意外と難しいんだな、日本舞踊って。」

 

 

「日舞にも色々と流派があるのよ?私が伊賀で教わったのは、伊賀流といったところかしら?大事なのは体幹を真っ直ぐ保つことよ。ほら、また背中が曲がってるわ。」

 

 

 

雪乃が八幡を後ろから抱き締めるような形で教授していると、部室のドアが勢いよく開いた。入って来たのは由比ヶ浜と昼休みに練習をしていた生徒であった。

 

 

「やっはろー!て、ゆきのん何してるの!二人共、部室でイチャつくの禁止ー!」

 

 

「あら由比ヶ浜さん、こんにちは。これはイチャつくのではなく、八幡に舞いを教えていたのよ。」

 

 

「そうだぞ由比ヶ浜。もう少し状況判断を見極めろよ?で、そこの人は何?」

 

 

「あ、そーだった。ジャーン!なんと依頼人を連れて来ました~!あたしも奉仕部の一員だからね。それじゃ、彩ちゃんどーぞ!」

 

 

 

 

由比ヶ浜が自信タップリで連れてきた者は、見た目はか弱い少女といった容姿であるが、眼を鍛えてきた八幡には瞳術以外にも観察眼、洞察力といったものが高く、男性で在ることを見抜いていた。中性的な顔でジャージ姿なので大半の男性は間違ってしまうことだろう。彼の者は意を決したように言い放った。

 

 

 

「2年F組の戸塚彩加といいます。テニスを強くして欲しいんです。どうかお願いします!」

 

 

「ここは依頼人の願いをサポートする場所よ。願いが叶うかどうかは貴方次第だけれど、それでも構わないかしら?」

 

 

「はい!構いません。僕が強くなれば、きっと部員達は認めてくれると思うから。」

 

 

 

どうやら弱小テニス部にも色々と事情があるらしく、戸塚は個人では無く、部の皆で大会に出たいらしい。だがその事情は今回の依頼には含まれないので、奉仕部は依頼を受理する事となった。

 

 

 

「それでは早速だけど、死ぬまで走って、死ぬまで素振りして、死ぬまで筋トレかしらね。」

 

 

「え~!ゆきのん、それって大丈夫なの??」

 

 

「適度に筋肉をつけることで痩せ易くなるわよ。由比ヶ浜さんもやってみる?」

 

 

「いいじゃん、それ!彩ちゃん、早速やろーよ!」

 

 

 

 

そうして筋トレを始める由比ヶ浜と戸塚と八幡。八幡は当初、予定になかったのだが、本人の希望により特訓に付き合う運びとなる。ちなみに由比ヶ浜は序盤でバテてしまいリタイア。筋トレが終わり、走り込みを始める。戸塚は体力が無くなっている為、八幡の後ろでその姿を拝むように走っていた。忍走りで走る八幡を見て、戸塚は既視感を覚える。

 

 

(あの走り方は……どこかで見たような?)

 

その時、戸塚は気付いてしまったのだ。

 

 

 

 

(あれは……甲賀の……忍の足じゃ!」

 

 

 

「うぅ、がぁぁぁ!あ、頭が…痛いっ!」

 

 

「戸塚っ!おい、どうした?大丈夫か!」

 

 

「ぼ、僕はっ!お、俺はぁ……ぁぁぁぁ!!」

 

 

 

地に伏し、倒れ苦しみ出した戸塚に八幡が駆け寄るが、戸塚はユラリと立ち上がった。雪乃と由比ヶ浜も駆け付けると、戸塚は不敵な笑みを浮かべ、目を細めていた。そして八幡に語りかける。

 

 

「そうか…俺は黄泉返ったのだな?して、主は何者じゃ?見たところ甲賀の忍のようじゃが?」

 

 

「まさか…戸塚が?」

「え?彩ちゃん??」

「戸塚くんも転生者…?誰なのかしら?」

 

 

「おい、質問に答えろ。返答次第ではただではおかぬ。」

 

 

 

その変わり果てた戸塚の雰囲気に呑まれる三人。戸塚の顔で殺気を放つその姿は少しシュールであったが、有無を言わさぬ迫力に臨戦体勢に入る陽炎。距離を取る朧に、護るように間に立つ弦之介。果たして戸塚の転生者とは?伊賀か、甲賀か?それとも別の何かなのか?

 

 

「…儂の名は、弦之介。甲賀卍谷衆の一人、甲賀弦之介じゃ。」

 

 

 

 

弦之介は正体を明かした。

果たして吉と出るか、凶と出るか?

この時点では誰も知る由は無かった。

 

 

 

 




続きはまた今度になりますが、
他作品も書かなきゃなので、
遅れます!

それでわ、また!



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