やはり俺が甲賀弦之介なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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原作に沿うつもりが何故かこうなった。
不思議。きっと麻雀しながら書いたせいかもしれない。

それではどうぞ。





第4話 朧と陽炎

 

 

 

奉仕部より離れ、自動販売機にて熱いお茶を買う八幡の姿がそこにはあった。今生において八幡はMAXコーヒーをこよなく愛していたが、弦之介として目覚めてからは熱いお茶も愛でるようになる。もうMAXコーヒーが無くとも彼は大丈夫だろう。今は最愛の人より甘さを享受する事が出来るのだから。

 

 

 

「さて、少し時間を潰して戻るか。」

 

 

 

この時、八幡は熱いお茶を3つ持っていた。皆様は経験あるだろうか?自動販売機によっては、持つことも困難な熱さの缶があることを。なんと八幡は熱いお茶を2つ宙に投げると、お手玉の要領で残りの1つも投げては受け、投げては受けと、繰り返していった。元甲賀の忍である八幡にとっては朝飯前である。それを見ていたある男子生徒はこう語る。

「比企谷くんは同じクラスで、全然目立たない感じの男の子でした。それが最近は変わってきたんです。こう、オーラというか雰囲気といいますか。そんな矢先に高度なジャグリングを披露してた訳ですから。それは驚きましたよ。」

そして、八幡はジャグリング(お手玉)を披露しながら部室へと戻るのであった。

 

 

 

そして、場所は変わり奉仕部。

こちらは乙女が二人、いや修羅が二人互いに睨み合い、火花を散らしていた。

 

 

「朧ッ!ここで会ったが百年目!お前を討つ!」

 

 

「 あら?貴女はまだ忍法勝負とか言ってるのかしら?ここは平成の日本で、貴女と私は高校生なのよ。そこのところをわきまえて頂戴。」

 

 

「うるさいっ!貴様さえいなければ、私は弦之介様と……!」

 

 

「その口調もどうにか出来ないのかしら?軽々しく前世の因縁を持ち込まないでほしいのだけれど。」

 

 

 

 

自身の口調の変化や、前世からの因縁を持ち込んだ自分の事は棚に上げて、陽炎を責める雪乃であった。しかし現状は何も好転の兆しは見えず、二人の修羅の舌戦は続くのであった。

 

 

「知っておるか?朧よ。弦之介様は胸の大きい女子(おなご)が好きなのじゃと。其方の貧相な胸では棄てられてしまうのぅ。あぁ、おいたわしや。」

 

 

「妾にもなれない毒虫女の妄言なら間に合ってるわ。それとも、自慢の毒で弦之介様を殺すつもりなのかしら?」

 

 

 

二人の舌戦もピークを迎える頃、平塚は己の策がどのような化学反応を起こしたのか確認しに来ていた。事の始まりから全て見ていたのだ。そこで目にしたものは、全く予想だにしない修羅場であったという。部活動を活性化させる為のカンフル剤のはずが、戦国乱世の乙女達☆になっている。平塚は至って冷静を装いながら部室へと入る事にした。ちなみに、平塚は部室へ入るまで二度ドアに手をかけ諦めていたのだが、三度目は勇気を出してドアを開けたのだった。

平塚は思った。こ、これが三顧の礼か!まさか私は劉備の生まれ変わりではないのか?と。勿論、そんな事はなかった。

 

 

「やぁ、君たち。部活は順調かね?」

 

 

「平塚先生。この頭の悪い毒虫女を駆除してくれませんか?弦之介様に悪影響を与えます。」

 

 

「貧相な胸では、貧相な言葉しか出やぬか?平塚殿、そもそも伊賀の娘と祝言など馬鹿げておりまする!」

 

 

「まさか!ゆ、由比ヶ浜……もしかしてお前もなのか?」

 

 

「平塚先生、そのまさかです。さぁ、この牛乳女を可及的速やかに罰して下さい。」

 

 

 

平塚は戦々恐々としていた。

 

何故、自分の教え子たちはこんなにも問題児が揃っているのだろうか?私が何か悪いことでもしたか?むしろ若手の教師(強調)として、頑張ってきたじゃないか!なのにコイツらときたら、誰が好きだの何だのと……。あ、段々と腹が立ってきたぞ。そもそも悪いのはこの二人だ。ならば二人を勝負させて、この場のストレス解消としようではないか。フフフッ、しずちゃんエライ!

 

そして実に痛々しいアラサーである。

 

 

「よし、ならば二人で勝負するがいい!ただし、勝負内容は私が決める。どうかね?」

 

 

「お断りします。自制心も知性も、全て胸に栄養として取られている女と勝負など馬鹿げています。」

 

 

「あらあら、朧様は噂どおりの御方か?伊賀のお幻曰く、何をやらせても駄目な子じゃとな。此度の勝負は、お姫様には荷が重すぎるわ。」

 

 

「いつまで甲賀の忍でいるつもりなのかしら?いいでしょう。その安い挑発に乗ってあげます。」

 

 

 

 

斯くして、戦いの場は整いを見せた。

平塚は勝負の舞台を家庭科室へと移したのであった。そして平塚によって勝負内容は明らかにされる。

 

 

 

「それでは勝負内容だが、ここは女子らしく料理対決とする!判定は、比企谷にしてもらう。ここまでで、何か異論はあるかね?」

 

 

「えぇ、構わないわ。平塚先生、早く始めましょう。」

 

 

「忌々しい伊賀の小娘が!平塚殿、早よう始めようぞ。」

 

 

 

 

その後、校内放送で家庭科室へと呼び出しを喰らった八幡を含めて、勝負の火蓋は切って落とされる事となる。

 

 

 

 




平塚先生は苦労人にしたくてこうなりました。
この人なら転生者の面倒も見れるはず。


それでわ、また次回にでも!



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