やはり俺が甲賀弦之介なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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今回は忍者らしさを披露できると
思います。

それでわ、ドーゾ。


第13話 捜査と忍者

 

 

 

葉山から依頼を受けた奉仕部の面々は、チェーンメールの犯人は三人の中にいると仮定して捜査を進めるのであった。

休み時間に入ると、八幡は笛を吹きながら聞き耳を立て、由比ヶ浜はグループの女子に聞き込みをしていた。

 

 

 

「だよね?でさぁ、最近の男子の噂なんだけど、どうかなー?って。」

 

 

「はぁ?結衣、あんたメールのこと言ってんの?友達を悪く言うのって、あんまなくない?」

 

 

「あ、いや、違くて!あのメールのせいでクラスの雰囲気ギスギスしてるじゃん?だからなんとかしたくてさ。」

 

 

「だ、男子の雰囲気がギスギス…ぐ腐腐腐…ブハッ!」

 

 

 

由比ヶ浜が聞き込みらしき事を始めるが、同グループの腐女子により話は脱線する。元より、由比ヶ浜にはあまり期待はしていなかったので問題は無かったと言えよう。

そこで葉山が様子を聞きに、八幡の元へとやって来た。

 

 

 

「どうかな?比企谷。何かわかったかい?」

 

 

「少しは…な。あとは仕掛けをするから、お前に協力を頼みたい。昼休みになったら、大和を校舎裏の花壇がある場所へ呼び出してもらいたい。周りに気付かれずにだ。」

 

 

「それぐらいなら任せてくれ。大丈夫だ。」

 

 

「じゃあ任せたぞ。あまり長居すると怪しまれるからな。そろそろ戻れ。」

 

 

 

 

葉山は軽く頷くと、自分の群れへと帰っていった。八幡はスマホを取り出すと素早くメールを送信する。送信してから2分後に、『了解』の二文字が返信されてきた。それを確認すると、八幡は昼休みまで寝るのであった。

 

 

昼休みになり、校舎裏の花壇には葉山にメールで呼び出された大和がいた。その背後から忍び寄る二つの影在り。

背後からの当て身により、大和は気を失って倒れてしまう。そしてその大和の姿に興味を持ったのは一つの影だった。

 

 

「わしは少々この死人(気絶)に用がある。」

 

 

「うむ。後で落ち合おうぞ。」

 

 

 

一言交わすと、一つの影は消えるように去っていった。そして残るもう一つの影は、花壇の土を少量手に取ると品定めをするかのように捏ねる。

 

 

 

「ふむ。なかなか良い土じゃ。」

 

 

 

影は大和の顔を花壇の土にめり込ませて型を採り、彼を縛りあげると、花壇の裏に隠すように寝かせた。

大和を型どった土に、影が顔を重ねる。そして起き上がり、影は校舎の中へと消えていった。

 

 

 

「さて、教室へ戻るか。」

 

 

 

 

 

食後の談話が教室内のあちらこちらから聞こえてくる。ドアを開けて入ってくる人影は大和であった。彼は自分の所属するグループへと戻る。

 

 

 

 

「大和、早かったな。もう用事は終わったのか?」

 

 

「用事とか言って~ホントはトイレっしょ!俺もなんかトイレ行きたくなったわ~。一緒にいかね?隼人くぅん~。」

 

 

「それな。」

 

 

「だな。」

 

 

 

 

いつもの光景に、いつもの会話。このグループのやり取りはだいたいこのような流れだ。ただ、葉山は一つの違和感を感じていた。一度気になった疑問の種は徐々に膨らんでいき、ついに葉山は我慢の限界がきてしまう。

 

 

 

 

 

「ところで大和、どうしてジャージ姿なんだ?」

 

 

「俺もそれなんでかなー?って思ってたわ~。大和~マジっぱねーしょ!」

 

 

「それな。」

 

 

「だな。」

 

 

 

 

頭の痛くなるような一連の会話は、さながら無限ループのようであり、葉山の思考を混乱させる。彼が指摘したいのは何もジャージ姿だけではなかったのだ。

 

 

 

「まだある!どうしてそんなに小柄なんだ?」

 

 

「小さくなるとか、マジでヤッベーしょ!無いわ~。マジそれ無いわ~。」

 

 

「それな。」

 

 

「だな。」

 

 

 

 

 

「ハァ…わかったよ。もういい。」

 

 

 

何かを決意した葉山は静かに決意した。この不審者の正体を暴こうと。そして、大和の身柄も捜さなければならない。

友人の顔をした偽者が横行する様が、葉山には許せなかった。だから葉山は静かに攻勢を開始する。

 

 

 

「吸息旋風…かまいたち!」

 

 

 

『吸息旋風かまいたち』

小四郎の必殺の忍術である。

本来ならば、成人男性一人を軽くミンチにする破壊力がある。今回はそれを最小にして、偽大和へと放つ。

 

 

 

「だな!?」

 

 

 

葉山の放ったカマイタチが偽大和の外装を引き剥がす。

ジャージの袖で顔を覆う偽大和は駆け足でその場を離脱する。後を追おうとする葉山の前に、八幡が立ちはだかる。

 

 

「待て。あれを追いかけるな。アレはこちら側の密偵だ。」

 

 

「比企谷…そういうのは先に言ってくれ。」

 

 

※このあと大和は無事保護されました。

 

 

 

 

 

 

「それで、何か有意義な情報はあったのかい?」

 

 

「特に何もない…だが、解った事はある。」

 

 

「それは、いった…」

 

 

 

葉山が八幡へ問い掛けようとしたその時、葉山グループの方より叫び声が聞こえてきた。大岡と、大和が叫んでいるようだ。

八幡と葉山は駆け寄り、アワアワ言ってる戸部に状況を聞き出す。

 

 

 

「なんか急に~大和と大岡が叫びだしたってワケよ~。」

 

 

「まさか!おい、戸部。直前まで何の会話をしてたんだ?」

 

 

「メールの内容について話してたんよ。んじゃ誰も信じないからさ~。前世から話してたら叫びだしたんよ。女の子は誰も話を聞いてくれなかったんだけど、マジ無いわ~。」

 

 

「どういう事だ?比企谷。…まさか!?」

 

 

「あぁ、正解だ。転生者だよ。」

 

 

 

大和と大岡がまさかの転生者!

この先を暗示するかのように戸部は不敵に笑う。葉山も身構えるものの、友達とは闘いたく無い。八幡はそっと笛を吹いていた。

 

 

 

「それなぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

「だなぁぁぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

 

続く。

 

 

 




チェーンメール事件解決させようと
思ったのに。
かなり引っ張ってしまった。反省。

次回は解決予定です。
あくまで予定。



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