やはり俺が甲賀弦之介なのはまちがっている。   作:世間で言うジョージさん

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少し短めですが、
どぉぞー。




第11話 新たな依頼と転生者

 

 

 

総武高校でも指折りのリア充であり、トップカーストの頂点である葉山隼人。テニス勝負の一件があるとはいえ、生徒達に絶大な影響力を持つカリスマでもある。

 

そんな彼が奉仕部に依頼者として訪れたのである。興味が無いわけではないが、厄介事の気配がする。

奉仕部の面々は警戒を密にして、接触を図った。

 

 

 

「用件は何かしら?」

 

 

「いやぁ、部活が終わったのが遅かったからさ。都合が悪いなら出直すけど、まだいいかな?」

 

 

「だから用件を早く言ってちょうだい。こちらも暇ではないのよ。」

 

 

「おっと、ゴメン。気を悪くしたなら謝るよ。それじゃ、本題に入るよ。」

 

 

 

 

葉山は語った。ある悪質なチェーンメールが現在進行形で出回っていると。それは葉山のクラスだけで出回っているものらしい。内容はクラスの友達を悪い噂話で貶めるものだそうだ。

 

八幡はふと気になった事があった。

葉山に対しての雪乃の態度は少し、いやかなり冷たいものがあった。過去に何かしらの因縁があるのだろうか?しかし、それを彼女の口から語られるまでは黙して待つ所存だ。

人には聞かれたくない話も多々あるだろう。 それが嫌な思い出ならば尚更である。気になる事柄ではあるが、今は考えても答えは出ない。今は依頼に集中する事にした。

 

 

 

「それで…どうかな?引き受けてくれるかな?」

 

 

「確かにチェーンメールは非常に許しがたい、人として最低の行為の一つだわ。一つ確認したいのだけれど、犯人を特定して殲滅すれば依頼完了なのかしら?」

 

 

「っ!物騒だね…?いや、止めるように説得してもらえばそれでいい。大事にはしたくないんだ。」

 

 

「またそんな生温いことを…こういうのは元から絶たなければ駄目なのよ。また繰り返すわ。ソースは私。」

 

 

 

雪乃は語った。己の過去にあった凄惨な事件の顛末を。中学生時代の死闘の記憶を。八幡と結ばれるまでの二人のエピソードを。そして二人の今後の未来を。

 

 

 

「……というわけで、子供は二人は欲しいわね。名前は男なら弦之介、女なら朧とかどうかしら?それとも…」

 

 

「ゆきのん、ゆきのん!話が脱線してるよ?どーしてそうなっちゃうの~!」

 

 

「あら?ごめんなさい、由比ヶ浜さん。そうよね、話が逸れてしまったわ。もしかしたら、長男次男と続くかもしれないもの。名前を考えるのはまだ早計と言えるわね。」

 

 

「もう~!間違ってないけど、違うし!」

 

 

 

 

話が未来日記のように進む雪乃、それを制する由比ヶ浜。話が進まないので、この場で一番適した解を八幡は考え導きだす。

 

 

 

 

 

「由比ヶ浜、お前脱線って言葉を知ってたんだな。」

 

 

「ば、バカにし過ぎだから~!」

 

 

 

 

奉仕部の面々が葉山を無視していつものやり取りを繰り広げている最中、葉山の様子が少しずつおかしくなっていった。

 

 

「雪乃ちゃん…やはりヒキタニくんと付き合ってるって噂は本当だったんだね。」

 

 

「ええ、そうよ。私達は過去も未来も添い遂げるのよ。」

 

 

「さっきの子供の名前の話…名前……何だっけ?」

 

 

「弦之介?」

 

 

「いや、もう…一つの……方かな……?」

 

 

 

雪乃は自身の考えた子供の名前に、葉山が共感してくれたのかと思い、嬉々として喋る。

 

 

 

「朧よ♪どちらも良い名前でしょう?」

 

 

 

 

「お、ぼ、ろ?……御母路?…緒慕炉?…………朧!?がぁぁぁぁ!!!」

 

 

 

「またこのパターンかよ…。」

「どうやら転生者のようね。」

「隼人くんなら刑部か将監あたりじゃない?髪薄そうだし。」

 

 

 

もう何度も転生者の覚醒をまのあたりにした奉仕部の面々は落ち着いていた。そして、由比ヶ浜の悪意には気付いたがスルーする八幡。そしてその解を答えるように話し出す葉山。

 

 

 

「ぁぁぁぁ!うぅ………朧……様?…姫、様?グッ、貴様…何故その名を知っておる!」

 

 

「…面倒臭いから先に言うけれど、私が朧よ。そして八幡が弦之介様で、由比ヶ浜さんが陽炎よ。私達も転生者なのよ。」

 

 

「なんと!そうで御座ったか…。俺です、小四郎です。筑摩小四郎で御座いまする。姫様…御健勝で何よりです。」

 

 

「小四郎だったのね…複雑な気分だわ。こんな時に言うのも何だけど、葉山くんの事は嫌いだったから。」

 

 

 

 

雪乃は語った。己の過去にあった凄惨な事件の顛末を。小学生時代のイジメを。その時の葉山の失態を。そして八幡と結ばれるまでのエピソードを。

今回は未来日記は控えたようである。

 

 

 

「あの時は…本当にごめん。前世でも守りきれなかったのに、今生でも守りきれなかった。俺には最早、隣に立つ資格が無い。悔しいが…比企谷八幡、貴様に姫様を託す!」

 

 

「小四郎…朧殿は儂が必ず守る。」

 

 

「弦之介様……。」

 

 

 

三人の転生者は過去と現在の清算を済ます。すぐに確執は解けるものでは無い。だが少しずつその関係は変容していく事だろう。

 

 

 

「…あのさ、ヒッキー。依頼の話はどうなったの?」

 

 

「勿論、覚えているぞ?葉山、今でも依頼内容は変わらないのか?」

 

 

「あぁ。だが、少し考えが変わったよ。犯人には少しだけお灸を据えてやってくれないか?」

 

 

「葉山くん…分かりました。この依頼受けさせて貰います。」

 

 

 

 

新しい転生者も現れ、無事に打ち解けた八幡と雪乃。葉山隼人は過去も現在も清算し、少しだけ前に進む事が出来た。そして由比ヶ浜は思う。

あの時、小四郎を殺した事は黙っておこうと。

この事が後にまた事件になるのだが、この時はまだ誰も知る由は無かった。

 

 

 

 




次回、バジリスク甲賀忍法帖

『八幡・鎮魂歌』


「なぁ葉山。瞳術とはギアスに似てないか?」



「そのギアス…確かに受け取った!」



「小町は、おにーちゃんが側にいてくれるだけで良かったのに…うぁぁぁぁん!」



的な事をやってみたい。
スロットでR2が出たから書いてみた。
後悔はしてない。反省はしている。

嘘予告です。

でわまた~。



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