問題児たちとメカクシ団が異世界から来るそうですよ?【凍結】   作:こじろー

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第2話

 

キド視点

「それではいいですか、皆さん。定例文で言いますよ?言いますよ?さあ、言いますよ?「くどいよおばさん。」・・・すいませんっておばさんとはなんですか!おばさんとは!「いいから早くしろ。」はい。それでは言います。ようこそ、“箱庭の世界”へ!我々は皆さんにギフトを与えられた者達だけが参加できる【ギフトゲーム】への参加資格をプレゼンさせていただこうかと召喚いたしました!」

「ギフトゲーム?」

「そうです!既に気付いていらっしゃるでしょうが、皆さんは皆、普通の人間ではありません!その特異な力は様々な修羅神仏から、悪魔から、精霊から、星から与えられた恩恵でございます。【ギフトゲーム】はその“恩恵”を用いて競い合う為のゲーム。そしてこの箱庭の世界は強大な力を持つギフト保持者がオモシロオカシク生活できる為に造られたステージなのでございますよ!」

なるほど、つまり俺達が持ってる能力の事をギフトといいこの世界には俺達のような能力を持った人達が沢山いるのか。そしてギフトを使ってそいつらと戦うと言う事か。ん?飛鳥が挙手したという事は何か質問するという事か。おそらく大事な事だろうから聞いた方が良さそうだな。

「まず初歩的な質問からしていい?貴女の言う“我々”とは貴女を含めた誰かなの?」

「YES!異世界から呼び出されたギフト保持者は箱庭で生活するにあたって、数多とある“コミュニティ”に必ず属していただきます♪」

「嫌だね」うおい?!即答か!

「属していただきます!そして【ギフトゲーム】の勝者はゲームの“主催者”が提示した賞品をゲットできるというとってもシンプルな構造となっております。」ふむふむ。

「“主催者”っていうのは誰なんスか?」

おお、セトナイスだ。

「様々ですね。暇を持て余した修羅神仏が人を試すための試練と称して開催されるゲームもあれば、コミュニティの力を誇示するために独自開催するグループもございます。特徴として、前者は自由参加が多いですが“主催者”が修羅神仏なだけあって凶悪かつ難解なものが多く、命の危険もあるでしょう。」なに?!そうなのか!

「しかし、見返りは大きいです。“主催者”次第ですが、新たな“恩恵”を手にすることも夢ではありません。」なるほど。それで強くなったりするのか。

「後者は参加のためにチップを用意する必要があります。参加者が敗退すればそれらはすべて“主催者”のコミュニティに寄贈されるシステムです。」ハイリスクハイリターンって奴か。

「後者は結構俗物ね。・・・・・・チップには何を?」

「それも様々ですね。金品・土地・利権・名誉・人間・・・・・・・・そしてギフトを賭けあうことも可能です。新たな才能を他人から奪えばより高度なギフトゲームに挑まれる事も可能でしょう。ただし、ギフトを賭けた戦いに負ければ当然─ご自身の才能も失われるのであしからず。」

なるほど。俺の能力をチップにしてもいいがその時に負けてしまえば俺の能力は相手に取られてしまうという事か。・・・・それはキツイな。

「そう。なら、最後にもう一つだけ質問させてもらってもいいかしら?」

「YES!大丈夫なのですよ!」

「ゲームそのものはどうやったら始められるの?」

「コミュニティ同士のゲームを除けば、それぞれの期日内に登録してくれればOKです!商店街でも商店が小規模なゲームを開催しているのでよかったら参加していってくださいな!」

ん?ってことは

「なあ、黒うさぎ。」

「なんでしょうか、キドさん?」

「【ギフトゲーム】っていうのは箱庭では所謂法律みたいなものと解釈すればいいのか?」

「ふふん?中々鋭いですね。しかし、それは八割正解で二割間違いですね。我々の世界でも強盗や窃盗は禁止ですし、金品による物々交換も可能です。ギフトを用いた犯罪なんかもってのほか!そんな不逞な輩はことごとく処罰します─が!しかし!【ギフトゲーム】の本質は全く逆!一方の勝者だけが全てを手にするシステムです!店頭に置かれてる商品も店側が提示したゲームをクリアすればタダで手にすることも可能だという事ですね。」

「そう。野蛮ね。」

「ごもっとも。しかし“主催者”は全て自己責任でゲームを開催しております。つまり奪われるのが嫌な腰抜けは初めからゲームに参加しなければいいだけの話でございます。」

な、中々に辛辣だな。まあ、その通りなんだけど。

あ、あの封書は、

「さて。皆さんの召喚を依頼した黒ウサギには箱庭の世界における全ての質問に答える義務があります。が、それらのすべてを語るには少々お時間がかかるでしょう。しかし、コミュニティの同士も皆さんの到着を首を長くして待っておりますゆえ、ここから先は我らのコミュニティでお話しさせていただきますが、よろしいですか?」

まあ、特に質問したい事もないし別にいいか。

「待てよ、まだ俺が質問してないだろ。」

ん?十六夜か。何を質問するんだ?

「あ、その後俺からも質問いいか?」

シンタロー?何か疑問でもあったのか?

「ん?別に俺は後でもいいぞ?」

「いや、ただ疑問に思っただけだから十六夜から先に言ってくれ。」

「分かった。」

「それで十六夜さん、一体どんな質問ですか?ルールですか?それとも、ゲームそのものについてですか?」

「そんなものはどうでもいい。腹の底からどうでもいいぜ、黒ウサギ。ここでオマエに向かってルールを問いただしたところでなにか変わるわけじゃねえんだ。世界のルールを変えようとするのは革命家の仕事であってプレイヤーの仕事じゃねえ。俺が聞きたいのは・・・・・たった一つ、手紙に書いてあったことだぜ、黒ウサギ。」

手紙に書いてあった事?

「この世界は・・・・・・・・・面白いか?」

そうか。この三人は俺達と違って家族とかがいたハズだ。でも手紙には

『家族を、友達を、財産を、世界の全てを捨てて箱庭に来い。』と書いてあった。つまり三人は文字通り前の世界の全てを捨てて箱庭に来たんだ。その分の見返りがなきゃ割に合わないからな。

「・・・YES!【ギフトゲーム】は人を超えた者たちができる神魔の遊戯。箱庭の外界より格段に面白いと黒ウサギは保証致します!」

へえ。これからが楽しみだな。

「それでえーと、シンタロー、さんの質問はなんでしょうか?」

そういやシンタローも何か質問すると言っていたな。

「ああ。これは俺達がお前のいるコミュニティに入るという前提で聞くことなんだが。」

ああなるほど。コミュニティについての質問か。流石シンタローだな。全く考えてなかった。

って!黒ウサギの汗がやばいな。なんかダメな事なのか?

「お前が所属しているコミュニティの現状はどうなっているんだ?」

「ああ、それか。それは俺も気になっていたんだ。どうして黒ウサギは俺達を呼び出したのかがな。」

「そ、それは皆さんに箱庭でオモシロオカシク過ごしてもらおうと思いまして。」

「黒ウサギ、お前は一体何を焦っているんだ?俺はただお前がいるコミュニティの現状についてを聞いてるだけだぞ?“俺がアザミを探す為に抜けた”後どうなったかをな。」

「うう。やっぱりですか。」

「「「「「「「はあ?!」」」」」」」

「は?!えっ!ちょっ!シ、シンタローお、お前箱庭出身だったのか?!で、でもキサラギと兄妹じゃ」

「いや、モモが産まれる二年前に外界に着いたはいいが活動拠点が無くてな。欲しかったんだが戸籍が無かったし。だから適当な夫婦を選んで催眠をかけて息子という事にしたんだ。勿論姿は子供の姿に変えてな。」

「そ、そうだったのか。」

「でもさ〜、なんでシンタローくんはアザミさんを探しに外界に行ったの?あ、もしかしてアザミさんの事が好きなnゴハッ!」

「修〜也〜たとえ冗談でも言っちゃいけない事があるんだよ〜。」ニコッ

「そうだよ、カノ。次そんな事言ったらどうなるか分かるよね?」ニコッ

「ダメですね〜猫目さん。これは団長さんに猫目さんの秘蔵フォルダを送信しておかないと。」ニヤリ

「ちょっ?!エ、エネちゃんま、待ってそれだけはやめ「ダメですよ、カノさん。あなたはそれだけの事を言ったんですから。」って、ヒヨリちゃんまで?!」

あいつらの前でこんな事いうから。自業自得だな。それと、「なあエネ。後でその秘蔵フォルダっていうの見せてくれないか?」ヒソヒソ

「了解です!」ヒソヒソ

カノの奴シバイとかないとな。

「それでなんでシンタローさんはアザミさんを探しに行ったんスか?」

「ああ、そういや知らなかったんだっけ。俺とアザミは兄妹だからな。」

「え?!それじゃぁシンタローさんは人間じゃなくてメドゥーサなんスか?!」

「ああ。だから夏とか冬は嫌いなんだよ。」

「というかシンタローがアザミの兄っていうならシンタローの年齢は」

「6桁は軽く超えてるぞ。」

「やっぱりか!」

「ヤハハハハハハハハハ!お前ら面白れえな!」

「ええ。カノ君はご愁傷さまだけどね。」

「あれはカノの自業自得だと思う。」

全くだ。

「んで、黒ウサギ。結局、コミュニティはどうなっているんだ?ちゃんと全部言えよ?俺に嘘は効かないぞ?」

「うう。わかりましたよ〜。ちゃんと全部話しますよ〜。」

「おう。お前らもちゃんと聞いとけよ。これから所属するかもしれないコミュニティなんだから。」

「「「「「はーい」」」」」

「それでは話しますよ。まずは皆さんの為に最初から話しますね。元々私達のコミュニティは箱庭の東区画最大手と言われるほどのコミュニティでした。」

「へえ。それは凄いわね。」

「はい。それもこれもシンタローさんといった強者がいたからです。そして約15年前主力のシンタローさんが箱庭を出て行かれました。それは特に問題ではなかったのです。事実その後の12年は特に問題という問題もありませんでしたし。強いて言うなら事務仕事の負担量が増えたくらいですかね?」

「あいつら。ハァ。」

「別にシンタローさんが悪いわけじゃないですよ。それはあの人達が・・・っと脱線してしまいましたね。まあ12年程は大丈夫だったんですよ。しかし、三年前、私達はとあるゲームを挑まれ、そして、負けました。」

「負けたですって?!あなた達のコミュニティは東区画最大手と言われていたんじゃないの?!」

「はい。しかし負けてしまったのです。箱庭の天災と呼ばれる【魔王】に。」

「マッマオウ?!なんだ、箱庭にはそんなステキネーミングで呼ばれる奴までいるのか?!」

「は、はい。しかし、十六夜さんが考えてる魔王とは少し違うと思います。」

「そうなのか?けど魔王なんて名乗るんだから強大で凶悪で、全力で叩き潰しても誰からも咎められるとこのないような素敵に不敵にゲスい奴なんだろ?」

いや、その言い方どうかと思うぞ?

「ま、まあ・・・・・倒したら多方面から感謝される可能性はございます。倒せば条件次第では隷属させる事も可能ですし。」

「へえ?」

「魔王は“主催者権限”という箱庭における特権階級を持つ修羅神仏で、彼等にギフトゲームを挑まれたが最後、誰も断ることはできません。私達は“主催者権限”を持つ魔王のゲームに強制参加させられ、コミュニティは・・・・・・・・コミュニティとして活動していく為に必要な全てを奪われてしまいました。」

「なるほど。だから異世界のギフト保持者を召喚したという訳か。」

「はい。魔王には名前も旗印も仲間も全て奪われてしまいました。さらに奪われなかった仲間もその魔王との戦いがトラウマになってしまい箱庭から出ていってしまい、結果残ったのは空き地だらけの廃墟と120人の子供だけとなりました。」

「そうか。」

「ならよ。新しく名前と旗印を作ったらダメなのか?」

「た、確かにそれは可能です。しかし、改名はコミュニティの完全崩壊を意味します。しかしそれでは駄目なのです!私達は何よりも・・・・・仲間達が帰ってくる場所を守りたいのですから!」

「黒ウサギ。」

「茨の道ではあります。けど私達は仲間が帰る場所を守りつつ、コミュニティを再建し・・・・・何時の日か、コミュニティの名と旗印を取り戻して掲げたいのです。その為には皆さんのような強大な力を持つプレイヤーに頼るしかありません!お願いします、皆様どうかその力を我々のコミュニティに貸して頂けないでしょうか?!シンタローさんもまたコミュニティに戻って来てくれないでしょうか・・・・・・?!」

「ふぅん。誇りと仲間をねぇ。」

誇りと仲間を取り戻す為か。俺の答えは出てるが他の皆は、まあそうだよな。

「黒ウサギ、俺達メカクシ団は黒ウサギのコミュニティに入ろう。お前の覚悟しかと受け取った。」

「キドさん!他の皆さんも!」

「黒ウサギ。俺は元々コミュニティに戻ろうと思ってたんだ。断る分けないだろ。またよろしくな、黒ウサギ。」

「シンタローさん!」

俺達は入る事にしたが他の三人はどうなんだろうな。

「いいぜ。俺も黒ウサギのコミュニティに入ろう。仲間と誇りを取り戻す為に戦うか。ハッ。ロマンがあるじゃねえか。」

「ええ、そうね。というわけでこれからよろしくね、黒ウサギ。」

「・・・・・・よろしく。」

「にゃーにゃー(これからよろしくな、黒ウサギのねーちゃん。)」

「十六夜さん!飛鳥さん!耀さん!皆さんありがとうございます!」

ふう。これで一件落着か。そう、俺は気を抜いていたから気が付けなかった。その時シンタローの目が真っ赤に染まっていた事に。




これからテストなので来週は投稿できないかもしれませんのでご了承ください。

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