問題児たちとメカクシ団が異世界から来るそうですよ?【凍結】   作:こじろー

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なるべく


第9話

第9話

 

十六夜視点

 

「皆さん大丈夫でしょうか?」

「大丈夫だろ。薊もいるんだしよ。」

「た、確かに薊さんが居れば大抵のことは大丈夫ですけど今回はキドさんたちもいらっしゃいますし・・・・」

「まあ確かにヒビヤやヒヨリみたいに小学生もいるからな心配になるのは分かるが大丈夫だろ。」

「何故でしょうか?」

「だってあいつらカゲロウデイズとかいう世界をクリアしたんだろ?で、そのカゲロウデイズっていうのはこのギフトゲームより簡単なものなのか?」

「いえ、カゲロウデイズの難しさはこんなゲームの比ではありません。一歩間違えたら白夜叉様でも抜け出せなくなる可能性があります。」

「なら大丈夫だ。あの白夜叉でも下手したら抜け出せないゲームをあいつらはクリアしたんだ、今回もクリア出来るだろ。それにお嬢様と春日部もいる事だしな。そんなに心配なら主神様にでも祈っとけ。」

「・・・・・・そうですね!私もここで帝釈天様に皆さんが無事にクリア出来るようにお祈りします!」

「おう、そうしとけ。」

 

しかし気になるのはヒヨリのギフトだな。昨日カノやセトに聞いた話から敵であったクロハとかいう奴は“目が冴える”が擬人化したようなものだと考えた。そして今朝薊に聞いたところ本人もちゃんと知っているわけじゃなかった。冴える蛇は特別で能力の筈なのに意識が存在していたためだと言っていた。一応能力の推測はしていたらしく恐らく「能力者の願いを叶える」という能力じゃないか、と言っていたが本当にそうなのか?そして今はヒヨリのギフトになっている。そして擬人化出来る。もしかしたら・・・・・まあなんかあればシンタローに言えばいいだろ。アイツなら願いを叶える能力でもどうとでもしそうだしな。

 

キド視点

 

「よし、それじゃあヒビヤ頼むぞ。」

「もうやってるよ。今指定武具を探してる。」

「そうか、何か見えたか?」

「うん。なんか部屋の中に刺さってる剣が見えるから多分それだと思う。」

「そうか。なら家みたいなのを探せばいいんだな?」

「多分そうなるね。剣の奥に映ってる窓から見えるに多分2階にある部屋だよ。」

「そうか。」

「ただ何かの獣の尻尾が見えるから気を付けてて。多分指定武具を守ってる。」

「分かった。それじゃあ建物を探す「見つけた。」ぞ、って早いな!」

 

そういえば部屋に剣が刺さってるって言ってた辺りから木にのぼっていってたが探すためか。

 

「この先に屋敷が見えた。多分そこ。」

「そうか。ありがとな、これで余計な体力を消費せずに済んだ。」

「凄いね〜耀ちゃん。どうやって見つけたの?」

「木の上から友達の鷹の視力を使っただけだよ。」

「なるほど。そんな使い方があるんスね。」

「よ、耀ちゃん凄い!」

「ありがとう。」

「お前ら早く行くぞ。」

「分かった。」

「獣の相手はエネとコノハだ。よろしくな。」

「分かってるわ。ギフトの方も大体把握出来たしね。」

「うん。これなら大丈夫だよ。」

「そうか。心強いな。」

 

これなら簡単にいけそうだな。

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「この屋敷であってるか?」

「うん。周りは木しかないから。」

「そうかなら行くぞ。」ガチャ

 

中は・・・・特に問題ないな。

「よし、ヒビヤのおかげで指定武具は2階にある事は分かっているが一応1階も見ておく為に二手に別れよう。」

「なら私と遥、後セトとキドにアヤノちゃんが2階ね。」

「あら何故かしら?理由を聞いても?」

「まず指定武具を取るために私と遥が行く事は決定してるわ。そうなると戦える力を持っているのは耀ちゃんとアザミさんだけになる。でもアザミさんが戦うのは本当にピンチになった時だけだから普通に戦えるのは耀ちゃんだけ。結果耀ちゃんが下に行く事は確定してるわ。それにもしかしたらその獣がガルドかもしれないから判別の為に心を読むことが出来るセト。何かあった時に逃げる為にキドと1階にいる皆にそれを伝える事が出来るアヤノちゃん。そして逃げるならなるべく少数の方がいいから、っていう理由よ。理解した?」

「ええ、理解したわ。そういう事なら納得よ。」

「・・・・・・これ・・・・俺じゃなくてエネの方が団長向いているんじゃないのか?」

「ど、どうなんですかね・・・アハハ」

 

いやだって俺だったらこんなにすぐに考えれないんだが・・・・・

 

「まあ貴音は沢山ゲームやってたからこういうのは慣れてるんだよね。まあ普段の事とかはキドの方がしっかりしてるから安心して。」

「そ、そうか。・・・・・よしならそれで行こう。」

「「「「「「「「了解!」」」」」」」」

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

キド視点

 

「どう?遥。どの部屋にいるか分かった?」

「うん。大丈夫だよ。どうする?すぐに突入する?」

「そうね・・・・・キド。」

「なんだ?」

「能力を発動してセトとアヤノちゃんと隠れててセトが判別したら私達に教えて。」

「分かった。俺の能力もギフトになったからか箱庭に来たからか分からないが強化されているからな。今ならサーモグラフィにも映らないだろう。それに一度触れたぐらいじゃあ消えないだろう。」

「俺の能力も強化されてるっスね。前は目を合わせないと読めなかったっスけど今なら俺の視界内なら思考は読めるッス。後は少しだけ思考に干渉出来るようになったっスね。」

 

思考に干渉だと?強すぎないかそれ?

「へー、凄いね幸助!それってどんな感じに干渉出来るの?」

「なんと言うか相手の思考を違うものにすり替えるって言えばいいんスかね?例えばAの事について考えていたとするつス。その人がAについて色々考えている所に干渉するとAではなくBについてを無意識に考えるようになるつて感じっスかね。」

「それって謎解きの対決の時に凄く使えないか?」

「まあそうっスけど完全に違う事とかに変える事は出来ないので微妙っスね。」

 

それでもかなり使えると思うんだが・・・・・

 

「それじゃあ行くわよ。っとその前に私もギフト発動しとかないと。遥もしときなさいよ。扉開けたらすぐ戦闘なんて事もあるかもしれないからね。」

「そうだね。僕達だけじゃなくてキド達もだよ?」

「ああ、了解した。」

「了解っス!」

「分かりました!」

「それじゃあ発動するわね?ギフト“電子生命体”発動。」

「僕も発動するよ。ギフト“人造人間”発動。」

「うおっ!」

 

なんだ!?急にエネとコノハか光出したぞ!

だんだん光が収まってきたな。やっと見えてきた。二人はどうなったんだ?そこにいたのは・・・・・ってええ!?

 

「どうです団長さん驚きましたか?」

「・・・・・ネギま・・・・・食べたい。」

「お、おおお前らその姿は」

「た、貴音先輩と遥先輩?」

「これが私のギフト“電子生命体”と遥のギフト“人造人間”の効果ですよ団長さん!つまりコノハとエネの姿になるんですよ!しかもコノハは“目が醒める”を使っていた時と同等の筋力や体力、速度を手に入れたり傷付いたらすぐに回復できるようになってるんてすよ。私の場合は実体化するですけど足が無いせいか空を自由に飛ぶことが出来るんです。さらに物理攻撃が聞かないようにもなってるですよ〜。あ、機械があれば入る事も出来ますよ。まあ制限時間があって連続3時間が限度ですけどね。しかも一回使ったら使った時間と同じ時間使えなくなるのでそう簡単には使えないんですよね〜。後は物理じゃなければ効くのでそこの所も注意ですね。まあ今回は大丈夫だと思いますけど。」

「いやそれでもかなりのチートだぞ?相手が物理攻撃しかなかったらダメージが全く通らないって事だろ?」

「後は私からの物理攻撃も通らないので早く攻撃手段が欲しいって感じですかね。」

「なるほどな。まあそこら辺はホームに帰ってからシンタローに頼むかしたりすればいいんじゃないか?」

 

あいつなら何か丁度いいものを持ってそうだしな。いっその事皆の分も頼んでみるか?

 

「そうですね。ご主人なら銃とか持ってそうですし。それじゃあ早く聞く為に急ぎましょうか。」

「そうだね。シンタローなら絶対何か持ってるよ!」

「コノハ、よろしくね。」

「分かった。・・・・・それじゃあ行くよ?」

「いいですよー。」

「了解だ」

「オッケースよー。」

「準備万端ですよ!」

 

さあ合図だクールに行こう。

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

第三者視点

 

コノハが扉を開け中を見て最初に見たのは大きく真っ白な毛並みをした虎だった。

「ゴガアアアアアアアアアア!!」

「・・・・・!」

「コノハ!」

「大丈夫。エネは先に剣を。」

「分かった!」

「キドとセトとアヤノちゃんも気を付けて!」

「「「分かって(る/るっス/ます)!」」」

「“目を盗む”!」

(ここは俺の城だ!俺が王だ!テメェら程度に奪われてたまるか!殺す!殺して貪り食ってやる!)

(この感情に思考は・・・・・ということは!)

「コノハさん!エネさん!この虎、ガルドっス!気を付けて下さい!」

「分かりました!ありがとうございますツナギさん!」

「分かった。・・・・・エネ、なるべく早くね。」

「了解です!アヤノちゃんは今の内に下の皆に連絡して下さい!」

「は、はい!分かりました!」

アヤノが1階にいる皆に連絡している間に戦闘は過激化していった。

ガルドはその巨大な体で襲いかかる。前脚で押し潰そうとしたり尻尾で薙ぎ払おうとする。ガルドが暴れるたびに周りに置いてあった絵画や像などの装飾品が飛んでくる。しかしエネはギフトの効果で空を飛んでいる為高さが足りずに当たらず、コノハはその身体能力や動体視力、そして昔やっていたシューティングゲームの経験からか綺麗に躱し捌ききっていた。

(右、右、左、下、右、左、・・・・・跳ぶとエネみたいに動く事が出来ないから迂闊に跳ぶ事は出来ないね。“人造人間”を使うと体力とかも全然減らないからまだいける。)

ガルドのスピードはますます上がっていく。しかしコノハのスピードも追随するように上がっていく。既にコノハの残像が見えそうな位の早さだ。しかしここで実戦経験の無さがあだとなってしまった。ガルドに気を取られ過ぎて足元にある装飾品の一つに躓いてしまい体勢を崩してしまった。そこに迫るガルドの前脚。

(・・・・・!しまった!この体勢じゃ躱しきれない!)

(コノハは頑張ってる。私の体と触れている物だと物理攻撃が出来なくなるから一度コノハに渡さないといけない。でもこんな狭い部屋じゃいずれコノハが追い詰められる。なら・・・・・!)

「コノハ危ない!」

「ぐあっ!」

間一髪で腕をクロスさせ受け止めたが力が強くまた体勢が悪かった為に吹き飛ばされてしまった。

「コノハ!大丈夫!?」

「僕は大丈夫だよ!それより早く剣を!」

「っ・・・・・分かった!」

(とにかく剣を取って一旦外に出ないと!剣まで後少し!)

エネと剣まで後3mもなかった。そして、

「よし!剣は手に入れた!コノハ、一旦外に出またしょう!仕切り直ししないと!」

「了解!」

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

館から約500m地点

 

エネ視点

 

ここまで来れば大丈夫でしょう。

 

「皆さん全員いますか?」

「ああ。」

「いるッス!」

「いるよー。」

「はあ、はあ」

「マ、マリーちゃん大丈夫?」

「いるよ。」

「・・・・・うん。」

「はい。」

「いますよー。」

「うむ。」

「ええ。いるわ。」

「以下同文。」

「OKです。それじゃあどうやってガルドを倒すか作戦を考えましょう!」

「それより一つ質問いいかしら?」

「はい!何でしょう?」

「貴女とそこに立っている不思議な格好をした方はどなたでしょうか?」

「ああその事ですね?では自己紹介しましょう。私はスーパー電脳プリティガールのエネちゃんです☆」

「・・・・・僕は・・・コノハ・・・・よろしく。」

「え、え?で、電脳?」

 

案の定パニックになってますねー。

 

「・・・・・?遥さんと貴音さん?」

「おお〜。正解ですよ耀さん!よく分かりましたね!」

「匂いが一緒だったから。」

 

流石犬の嗅覚を持ってるだけはありますね〜。

 

「え!遥さんと貴音さんなの!?」

「そうですよ〜。この姿はギフト“電子生命体”を使っている時の姿ですよ〜。ちなみにコノハは“人造人間”を使ってます。」

「そ、そうなのね。喋り方が全然違ったので気づかなかったわ。」

「この姿だとこの喋り方が染みついているんですよね〜。まあそんな事は置いといて作戦会議しましょう。誰か案がある人はいますか?」

「あるよ。」

 

お、ヒビヤ君ですか。見かけによらず頭はいいですからね〜。これは期待です!

 

「ヒビヤ君どうぞ!」

「その前に、飛鳥さん一つ聞いてもいい?」

「何かしら?」

「飛鳥さんのギフトでそこら辺にある木や草とかを操る事って出来る?」

「ええ。出来るわ。」

「そっか。ありがとう。これで前提条件はクリア出来たよ。」

 

ほうほう。一体どんな作戦何でしょうか?

 

「えっと、僕が考えたのは・・・・・・・」

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

第三者視点

 

館の1室では鬼化して見た目は完全に獣になったガルドが横になっていた。

 

(特に怪我もない。敵を一匹ぶっ飛ばしたが恐らくダメージはないだろう。)

 

鬼化したせいで戦闘中にはほぼなかった理性が今少しだけ戻ってきていた。

 

(いつからだ。いつから俺は何かを恐れるようになった。森の番人をしていた時はこんな感情はなかった。一体いつから・・・・・!)

 

ガルドが考え事をしている時に部屋にある匂いが充満しているのに気づいた。

 

(この臭いは!まさか!)

 

ガルドが部屋から飛び出して見たものは、真っ赤に燃え上がる自分の城だった。そして1階の真ん中に立っている自分が吹き飛ばした筈の敵が目に入った。

 

(テメェか!テメェが俺の城を!)

「ゴガアアアアアアアアアアアア!!」

 

少しだけ戻ってきていた理性も自分の館を燃やされた怒りによって消え去っていた。

そしてコノハは背を向けて逃げていく。

 

(まちやがれええええええええ!)

「ゴガアアアアアアアアアアアア!!」

 

既に考える事もせずに一心不乱にコノハを追いかけて行く。木や草がなく一直線の道を走っている事に疑問も抱かずに。そして、

 

『木や草達よ!その身を使ってガルドの動きを止めなさい!』

 

その命令によって周りにあった木や足元にある草が一斉にガルドに絡みついていく。

 

「グガアアアアア!?」

「耀さん!遥さん!今よ!」

「うん。」「分かった。」

 

そして上から自分の体重を象に変えた耀と拳を握ったコノハが降ってくる。

 

「えい!」「はあ!」

 

二人の攻撃の衝撃によりガルドは地面に叩きつけられた。そこに白銀の十字剣を持った飛鳥が走ってきて、

 

「あなた、その姿の方が素敵よ。」

 

眉間に突き刺した。




この小説初の戦闘描写です!戦闘描写が難しすぎて心が折れそうになりました。予想以上に長くなったガルド編。自分的には比較的上手くいったと思うのですが他人から見たらただの駄文にしか見えないでしょうね!最近は違うssも書こうかな〜って思ってるんですけどまずはこのssが一段落着くまでは書こうと思ってます。これからもぜひ読んでください!

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