――様といっしょ   作:御供のキツネ

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オリ主はそれなりに強いけれど足利軍の主要人物、元主要人物の中では下位。
ヨシテル様>カシン様>>>松永様>>>ミツヒデ様>オリ主


ヨシテルさまといっしょ そのろく

 腰に差した鬼丸国綱に手を掛けてはいるが特に構えることなく此方を見ているヨシテル様は、一見隙だらけにも見えるがその実そんなものは存在しなかった。

 どのように斬りかかったとしても避けられて斬られるか、弾かれて斬られるか、受け流されて斬られるか、とにかく結局斬られる未来しか見えない。

 普段のポンコツっぷりは完全に成りを潜めており、今目の前にいるのは最強と称されるに相応しい覇気を秘めた一人の戦国乙女だった。ただそれを見て言えることは、何故少し剣を交えるだけなのにこうまで本気になっているのだろうか。

 ヨシテル様の目を見る限り油断や慢心はなく、さながら強敵を前にした時のように真剣そのものである。本当になんでそんな目を俺に向けているのだろう。そういうのは織田様や室生様のような本当の強者にこそ向けるべきであって俺のような一介の忍に向けるものではない。

 

「ヨシテル様、目が大分本気になってますけど軽く剣を交えるだけですよね?」

 

「ええ、そうですよ。だから遠慮なく斬りかかって来てください。結城がどのような攻め手で来るのか楽しみにしていますよ」

 

 遠慮なく斬りかかっても結局は無力化される未来しか見えてないので無理です。

 まぁ、別に純粋な剣術のみでなければやりようはあるのだが……さて、どうしたものか。ヨシテル様はあくまでも剣術の腕前がどうなったかの確認をしたいということなので、大人しく剣のみで挑戦しようか。無理だと判断したら体術も使おう。

 

「あまりわかりたくはありませんが、わかりました。仕方ないので参ります」

 

「どうぞ、何処からでもかかってきなさい」

 

 その言葉を聞くと同時に最大速力でヨシテル様の背後に回り、居合いの一撃を繰り出す。目にも留まらぬ速さという言葉があるが、俺の場合は目にも写らぬ速さとでも言えば良いのだろうか。とにかく、師匠曰く人の知覚できる速さを越えているとのことなので恐ろしく速いとだけ理解している。

 ただ、そんな速さであろうとも勘や直感に従って動き防いでしまうから戦国乙女というのはおかしい。現に背後からの攻撃でさえヨシテル様は鬼丸国綱を背後へと回し、半分ほど抜いた刀身で防いでみせた。そしてそのまま振り返りながら抜刀し、その勢いのままに俺へと一閃。

 直撃するわけにはいかず、また受けたとしても衝撃を逃がしきれないことを理解しているので背後へと大きく跳ねる。ここで半歩下がってその刃から逃れたとしても返す刀で再度斬られるに決まっている。半歩以上下がったとしてもヨシテル様にとっての剣の間合いは広い為に少し後ろに下がる程度でも足りない。だからこそ大きく跳んだのだ。

 それに俺が大きく跳んでヨシテル様の間合いから離れたとしてもその距離は俺にとっては一瞬で詰められる距離だ。以前に剣術を教わってから考えていたがやはりヨシテル様とこうして剣を交える場合は一撃離脱の戦法を取る以外にはない。

 俺の攻撃は通らず、またヨシテル様の攻撃も当たらない。というのは戦況が動くこともないのでなんとも言えない状態にはなるのだが。ただ、ヨシテル様はどういった原理なのか知らないが平然と斬撃を飛ばしてくるので距離を取っているから安心、というわけではないので警戒を怠ってはいけない。

 初撃なんてものは所詮様子見でしかなかったとはいえ、あの速度に普通に対応する辺りやはりヨシテル様は恐ろしい。まぁ、織田様も普通に対応するのだろうが。

 とりあえず速さに任せて斬りかかっても反撃されるのが関の山だ。一体どうやって攻めるべきなのだろうか。そうして考えている間にヨシエル様は納刀して俺を見ている。まだ俺がどう動くのか見るつもりらしく、ヨシテル様から攻めては来ないようだった。

 

 このまま何もしないで時間が経過するようならヨシテル様も攻めて来るだろうし、見学している義昭様やミツヒデ様も退屈だろう。少しばかり冒険をするのも悪くないのかもしれない。

 それにあくまでも軽く剣を交える程度なのだから、そう気負う必要もない。はず。ならば少し試したいこともあるしやってみようか。

 

「ヨシテル様、少しばかり無茶をするかもしれませんがどうかご容赦を」

 

「結城が少しばかりの無茶、と言うと私にとってはとんでもないことをしそうで不安になりますが……わかりました。ですが本当に危ないと思えば止めさせていただきます」

 

「ええ、それは仕方のないことですので大丈夫です」

 

 この場合の止めるというのは、力づくで止めるということだろう。まぁ、多分俺の意識を刈り取るとかそんなところだとは思う。そんな止め方はされたくないので一応注意だけはしておこう。

 

「では、少しばかり手荒くいきます」

 

 言ってからヨシテル様の真正面から居合いで斬りかかる。当然のように防がれたが構わずに返す刀で再度斬り、後ろに大きく跳ぶ。二撃目は受け流されたようだがそんなものは知ったことではない。着地と同時にヨシテル様の背後へと移動して、それに反応するように腕が動いたのを見て左手で鞘を振る。ヨシテル様は見てから対処しているのではなく、攻撃に反応して対処している以上これも同じように刀で防ぐと予想していた。

 そしてその予想通りにヨシテル様は抜き身の刀で鞘を防いだ。その隙に右手に持った刀を振るうがヨシテル様は体を半身にして避けた。本来なら隙を突いた攻撃として充分なはずなのにやはりヨシテル様には通用しないか。

 そうした思考の間にもヨシテル様は此方に向き直り、距離を取っていない俺に対して刀を振るう。右足を一歩踏み込み袈裟斬りを仕掛けてくる。それを姿勢を低くしながらあえて一歩前に出ることで刃を受けることなく、左手で刀を持つ手を受け止めてから一歩前に出た勢いを殺さずに肘をヨシテル様の鳩尾へと打ち込む。

 剣を交えると言いながら普通に体術を使っているがきっとヨシテル様も許してくれるだろう。というか剣だけで戦えるわけがない。ただの兵士や武将が相手ならまだしも戦国乙女、それもヨシテル様が相手となると数度剣を交えてそこで負けるに決まっている。

 

 まともに鳩尾に入ったはずのヨシテル様だが一瞬顔を顰めたがすぐに左手を鞘から離し、脇腹へと掌底を叩き込んでくる。ただそれをそのまま受けるほど俺は体術においては劣っていないつもりだ。すぐに刀から手を放して手首を取り一本背負いの要領で投げる。地面に叩きつけるようにしたのだが途中で俺の手首が掴まれ力の入れかたから関節を外されると判断してすぐさま手を放して、手首を掴んでいるヨシテル様の手の人差し指を掴んで本来曲がらない方向へと一気に曲げてへし折りにかかる。

 だがそれを察知したヨシテル様に寸前で手を放されて地面に叩きつけることも出来ず、少しばかり離れた場所にヨシテル様を投げ飛ばすだけとなった。それも空中で体勢を整えたヨシテル様は着地と同時に地面を蹴り、此方へと突進してくる。勢いをそのままに刺突での攻撃だろうが、これは妨害させてもらおう。

 手を放していた刀を蹴り上げ、突進してくるヨシテル様へと飛ばしながらその足で地面を踏みつけて土遁を発動させる。威力度外視のあくまでも妨害用の術として発動したそれは地面から夥しい数の石礫が散弾のようにヨシテル様へと襲い掛かる。それを見たヨシテル様の判断は横に飛び退くというものだった。真っ直ぐに飛んでくる石礫を避けるにはそれで充分で再度地面を蹴る頃には俺も刀と鞘を手にして距離を取っている。

 周りから見れば精々数秒から十数秒の出来事だっただろうが、あれこれやってみても結局俺の当身一回だけがまともに当たっただけの攻防となってしまった。それもヨシテル様の様子を見る限り痛手にはなっていない。

 しかし、ついやってしまったが主の指をへし折ろうとするのは忍としてどうなのだろうか。いや、むしろ人としておかしいのではないか。そんなことを思って少し不安になってしまった。

 

「……剣術を、と言う話だったのに体術に忍術と使ったことに対して少し言いたいことがありますが……とりあえずは置いておきましょう。それよりも結城、何か言いたそうにしていますがどうかしましたか?」

 

「あー……ついヨシテル様の指をへし折りそうになりましたけど、それを謝っておこうかと……

 その、申し訳ありませんでした。いざ戦うとなるとついどう相手を無力化するかで動いてしまって……」

 

「え、あ、いや、それは構わないのですよ?ですが何故体術と忍術を使ったのか聞きたいのですが……」

 

「初手で剣術だけではどうにもならないと悟ったのでそれならば体術や忍術を使おう、と思いまして。普通に考えてくださいよ、どうやったらヨシテル様に剣でまともに勝負が出来るんですか。無理ですよ」

 

 そう、無理である。どう考えても俺程度がヨシテル様とまともに斬り合うことは出来ない。だからといって精々数秒で終わるような無様なことはしたくない。そうなれば俺に出来ることは体術や忍術を駆使してやれるだけのことをやる。それだけのはずだ。決して剣術だけで挑んで惨敗するのが嫌だとかそんな理由ではない。

 それにすぐ終わってしまってはヨシテル様も退屈だろうし、見学に来ている兵士や武将のみならず、義昭様やミツヒデ様も何のために来ているのかわからなくなってしまう。まぁ、忍術を使っている時点で参考にはならないだろうが。

 

「あの、今回皆が見学しているのはあくまでも剣術に関してですので大人しく剣術だけで挑んで欲しいのですが……」

 

「すぐに決着着いても知りませんよ」

 

「結城に当てること自体が難しいことなので大丈夫だと思います」

 

「だと良いんですけど……」

 

 そんな風に会話をしているがヨシテル様は容赦なく斬りかかってきている。それを受けることはせずに避けたのだが、すぐに追撃が来るのでまた避ける。そうすることがわかっているようで更に追撃が来るのでまた避ける。そしてそこからはヨシテル様が斬り、俺が避けるだけの光景が続く。

 受け続けることが出来ないので避けることを選択しているのだが、これは剣術とはまったく関係ないような気がする。いや、それでもこんな状況になってしまったのなら避け続けるしかないのだが。

 とはいえこのままでは俺が延々と避け続け、ヨシテル様がひたすらに刀を振るうだけになってしまう。そんなことを続けるわけにはいかないと思うので仕方なしに避けるのではなく刀で受け止める。

 そのまま力を込めて押せばヨシテル様と鍔迫り合いをするようになる。するとヨシテル様は驚いたような顔をしていた。力は全然弱まらないし少しでも気を抜けばそのまま斬り伏せられそうだったが。

 

「受けるとは結城らしくありませんね……いえ、避け続けてばかりというのも面白くないので私は一向に構わないのですが」

 

「らしくなくても受けるしかないんですよ。ヨシテル様だって理解していると思いますけど、このままだと同じことの繰り返しです。なのでそろそろ終わりにしませんか?」

 

「……そうですね、では最後に現状で出来る最高の一振りで終わりとしましょうか」

 

「それすっごく嫌な予感がするんですけど……」

 

 そんな俺の反応など関係ないとばかりにヨシテル様が大きく距離を取った。そして居合いの構えを取るがどう考えても雲切を使おうとしているようにしか見えない。

 もはや止めても意味はないと悟ってしまった俺は諦めの境地で同じく後ろに跳んで、ヨシテル様と同じように居合いの構えを取る。それなりに離れているのだが雲切は抜刀のみならず剣撃を飛ばすことも出来るのでこんな距離はあってないようなものだ。

 そして最高の一振りとヨシテル様が言った以上は俺もそれに応えなければならない。気が重すぎる。

 

「では行きますよ、結城」

 

「どうかお手柔らかにお願いします、ヨシテル様」

 

 お手柔らかに、なんて言ったがどう考えてもヨシテル様は本気になっている。中途半端な攻撃で迎え撃ったとしたら確実に怪我をする、程度ではすまないだろう。ならばやりたくはないが、全力でやってやる。

 

「天剣一刀……」

 

「偽天一刀……」

 

 本家のヨシテル様には遥かに劣るが、それでも忍術を使って無理やりに威力を上げればそれなりのものになる。

 所詮は偽物でしかないが最高の一振りとなればこれに尽きる。だからこそ、らしくない真っ向勝負だ。

 

「「雲切!!」」

 

 互いに全力で駆け、渾身の居合いを打ち合う。純粋な威力で言えばヨシテル様が上だが、最も威力が出るよりも先に俺が忍術で威力を補い、最大火力での雲切もどきを叩き込む。これならばヨシテル様が相手でも通用する。

 そんな風に思っていたが、それは傲慢な考えだったようだ。

 

 俺がそうして勝てる可能性を上げたとしても、相手となるのは最強の戦国乙女。その程度では到底敵わない相手なのだ。

 確かに俺の方が先に雲切を叩き込んだ。だがそれは無情にもヨシテル様の雲切によって完全に無効化されただけに留まらず、多少は威力が下がったそれが俺の胴へと綺麗に入った。

 本来ならそれで真っ二つにされているのだがろうが、念の為にと普段から着ているインナーと宗易様から頂いたコートとその内側に着ていたベストが全て防刃仕様であり、そして仕込んでいた幾つもの暗器が破壊されながらも盾の役割を果たしてくれたおかげでそうはならなかった。

 吹き飛ばされたが無理やり体勢を立て直し、倒れないように何とか体に力を入れて膝を着く程度で収まっているが顔を上げることが出来ない。それも当然である。恐ろしいほどの威力を誇る雲切を受けたのだからただではすまない。

 具体的に言うと死ぬほど痛い。もう痛すぎて思考が逆に落ち着くくらい痛い。泣かないが泣きそうである。というか本当にヤバイ痛いヤバイ吐きそうなくらい痛い。

 

「流石ですね、結城。私の雲切と同時に放ちながらも私以上の抜刀速度でした。

 これからも精進を続けていけば今よりも更に強くなれるでしょう。忍である結城に剣術を教えたのは間違いではなかったと今更ながら確信を得ることが出来て私は嬉しく思います」

 

 ヨシテル様俺の状態を見てください多分顔色とか相当悪いと思います。いや顔を上げれないのでそれはわからないか。でもこれは本当に状況が悪すぎる。カシン様に呪術をかけられた時くらい状況が悪いと思う。

 

「よ、ヨシテル様……」

 

「どうかしましたか、結城?」

 

 なんとか顔を上げるがヨシテル様は俺の状態に全く気づいていないようで不思議そうにしている。

 

「その話は、後ほど聞きますから、休ませてはもらえませんか……少し、不味い状態になっているので……」

 

「少し不味い状態ですか?」

 

 俺の顔を見ても何も気づかないってどういうことですかヨシテル様あれですか今気分が良くなっているせいでそこらへんに気が回らない状態ですかそうですか。

 とりあえず主の前で嘔吐するなんて無様な姿は晒したくないので懐から丸薬を一つ取り出して口に含み、噛み砕いて嚥下する。嘔吐することはこれでないはず。

 まぁ、無理やり嚥下したせいで咳き込んでしまった俺を見てどういう状態になっているのか察したらしいヨシテル様も顔色が悪くなったが俺がそれを気にする余裕はまだない。刀の当たった部位を見ればコートやベストは無残にも切り裂かれ、そこから除く壊れた暗器の残骸。そしてその下に黒のインナーが見える。

 微妙に震える手を這わせると湿った感触と鉄の匂いがしたのでインナーの下ではやはり裂傷が出来ているようだ。こんなまともに攻撃を喰らうなんて何時ぶりだろうか。

 そんな風に現実逃避をしている俺の前ではどうしたら良いのかわからずにオロオロしているヨシテル様がいるがその背後から義昭様とミツヒデ様が駆け寄ってくるのが見えた。だがもう無理。顔を上げるだけでも辛い。

 

「結城!無事ですか!?」

 

「命に別状はありません……少し休めば問題ないかと思います……」

 

「無理をするな結城!ヨシテル様の雲切を受けて無事なはずがない!すぐに手当てをしなければ……!」

 

「そ、そうです!誰かすぐに結城の手当てをしてください!!」

 

「大丈夫ですよね!?結城は死んだりしませんよね!?」

 

 なんだこれは。何でヨシテル様も義昭様もミツヒデ様もこんなに取り乱しているんだろうか。死にはしないから大丈夫なのに。いや、死なないだけでだいぶきついが言った通りに休むことさえ出来れば多分大丈夫なはず。

 とりあえず手当てをしなければヨシテル様たちも落ち着かないだろうと思ってコートなどを脱ぎ捨てて傷を自分で確認する。どうやらインナーが傷口を圧迫していたおかげで血があまり出ていなかっただけのようで、脱いでみると血が溢れてきた。傷を見ると思っていたよりも深い。丸薬のおかげで感覚が鈍くなっているので今は大丈夫だが後々響きそうだ。

 

「動くな!すぐに手当てをするから大人しくしていろ!!」

 

「は、早く!誰か早く手当てをしてください!!このままだと、結城が……!」

 

「何をしているのですか!!安静にしてください!それと誰か……睡蓮!睡蓮なら手当ても出来るはずですから呼んで来てください!!」

 

 三人が五月蠅いがそれどころではないのでさっさと手当てをしよう。やりづらいが印を組んで忍術を発動させる。医療忍術は睡蓮の方が上手ではあるが、今この場にいないのなら俺がやるしかない。

 忍術が発動したのを感覚で理解し、そして傷口に手を当てて傷を塞いでいく。本来ならばもう少しゆっくりとやるのだが取り乱している三人がいる以上さっさと傷を塞いで大丈夫だとわかってもらうしかない。

 事実、傷口が塞がっていくに従って三人とも静かになっている。どんな顔で見ているかはわからないが落ち着いてくれたのならばそれで良い。それにしても医療忍術ももっと使えるようになった方が良いのだろうか。

 当たらなければどうということはない。という考えで医療忍術に関しては疎かにしてきたせいかどうしても拙い。忍術の開発よりも既存の忍術を使えるようになった方が良い気がしてきた。それにまたこうしてヨシテル様と手合わせをすることがないとは言い切れない。

 

 そうして考え込みながらも多少時間をかけて手当てを終えてから一息つく。そして顔を上げて三人の様子を確かめるとヨシテル様は安堵したような申し訳なさそうな様子で、義昭様は泣きそうになりながら俺の手を掴んできた。ミツヒデ様は俺の足元に出来た血溜まりを見て険しい表情をしていた。

 ミツヒデ様はわかっているらしい。流した血が多いということに。

 この血の量は俺にとっても予想以上だったので、急いで傷口を塞いだというのもあるが……そろそろ限界かもしれない。

 

「ミツヒデ様」

 

「……なんだ」

 

「ミツヒデ様が一番冷静そうなので、後のことをお願いします。睡蓮にでも言えば、どうにかしてくれるはずですので」

 

「わかった。まったく仕方のない奴だ……後で覚えていろ」

 

「覚えていれば、ですね……」

 

 言い終わると同時に視界が暗転する。こういう無茶は想定外だな、と言う思考とヨシテル様と義昭様の悲鳴染みた声を何処か遠くに聞きながら意識を手放した。




オリ主最強はやりません。ヨシテル様たちよりも強い姿がイメージできないので。
ステ振りは回避極振りの戦闘スタイルはヒット&アウェイの一撃離脱型。
今回のように真っ向勝負をすると基本負けます。

戦闘描写(もどき)でも大変なので二度目は多分ないと思います。
それと描写がおかしかったりするのは作者の技量不足なのでどうかご勘弁を。

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