我らこそは天が遣い八咫烏(笑)   作:ナスの森

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FGOで水着モーさんが当たりました。
後、なんとなく気まぐれ呼符使ったらドレイク姉貴が出てきくれました。……まあ、こういう事もあるもんですよね。




コピー忍者と霧隠れの鬼人

 ――――土遁・土流壁

 

 巨大な土の壁が盛り上がり、それがカカシとナルト達四人を分断していく。

 

「カカシ先生っ!!」

 

「お前らっ!!」

 

 互いに呼び合うも、盛り上がってゆく土の壁を止める事は叶わず、ナルト達第七班の子供たちはカカシと分断されてしまった。

 残されたのはナルト、サスケ、サクラの三人と護衛対象のタズナだけ。

 第七班の主力たるカカシは壁の向こうで強敵と一対一の真剣勝負に持ち込まれてしまった。

 

「カカシ先生……くそ!?」

 

「な、何じゃ!? 超でけえ壁が急に……!?」

 

 悪態を付くナルト。突然の巨大な壁の出現に戸惑うタズナ。何をすればいいのかわからなくなるサクラ。

 三人が混乱している状況の中、ただ一人冷静さを保っている者がいた。

 

「ナルト! サクラ! 前を向け、来るぞ!!」

 

 混乱している二人に大声で呼びかけ、ナルトとサクラの二人もまたハッとなって前を向く。

 視界が限りなく0に近い濃霧の中、大勢の人影が四人に目に入る。

 相当な数だった。

 

『何だ、まだ餓鬼じゃないか』

 

『久しぶりに楽に仕事を終わらせる事ができそうだなあ』

 

『こんな所に忍者ごっこでもしに来たのか? 坊や達よお』

 

『いっちょ前に額当てまで付けてやがる』

 

『しかもそのマーク木の葉のじゃねえか。こんな餓鬼共しか寄越してこないとは、木の葉も底が知れたもんだ』

 

 まだ実戦を積んでない三人にとっては、数えるのも億劫になる数の人影がワラワラと沸いてくる。一人一人が忍者の証たる額当てを付けており、印を結び術の発動の準備をしている者、暗器を取り出して構えているもの、はたまた後ろに控えている者など様々な者たちがいた。

 

「タズナさん、この人たちは!?」

 

 サクラが慌てた様子でタズナに問う。

 

「ガトーが雇った抜け忍たちじゃ!! じゃが、もうこれほどの数を……!?」

 

 正に絶体絶命の危機だった。

 向こうは大勢の抜け忍。

 対してこちらはまだ対して経験を積んでいない下忍になったばかりの三人と、一人の護衛対象の老人。

 これを切り抜けと言われた日には何の冗談だとしか返せないだろう。

 

 ――――しかし

 

 サスケは不意に背後にある土遁の壁を一瞥する。

 正確には、この壁の向こうで戦っているであろう自分の担当上忍をだが。

 

(あんたは……おそらくこいつら以上にやばい奴を相手にしているだろうよ。ならばせめて……)

 

「ナルト、サクラ」

 

「うん!?」

 

「何、サスケ君」

 

 同じ班員のナルトとサクラに呼びかけるサスケ。

 

「こうなった以上、俺達だけでタズナを守り切るしかない。俺がこいつらを倒す。お前達はタズナを守っていろ!」

 

 ナルトとサクラにそうとだけ言い、サスケは眼前にいる大勢の人影と向き合う。

 

(幸い、おそらくこいつらの一人一人はこの間の二人組には大きく劣る。確実に一対一の状況に持ち込んで一人ずつ片していくしかない!)

 

 タズナの生命に関してはナルトとサクラを信じるしかないと判断し、後ろから聞こえるナルトの苦情を無視してサスケは彼らを迎え撃った。

 

 

     ◇

 

 

 無音殺人(サイレント・キリング)

 

 その名の通り、気配、匂い、足音の一切を敵に感知させずに、殺す暗殺技。それを極めし者は、隣で仲間が殺された事にすら気づかせず、一度に複数の敵すらも一太刀のもとで葬り去るという。

 かつて霧隠れの暗殺部隊に属し、この無音殺人を極め、彼の“霧隠れの怪人”と並んで『鬼人』の名を欲しいままにしてきたこの桃地 再不斬という男はその名に違わぬ強さでカカシを追い詰めていた。

 

「――――ッ!」

 

 気配も、物音も、そして大刀の風切り音すらも感じさせずに、次々と水遁の術や断刀による攻撃を繰り出される。

 頼りになるのは、再不斬という微かな影を追う彼の左目の写輪眼のみ。

 

 だが、相手とてカカシの写輪眼に注意を怠っていないわけがない。

 ある時は簡単な水遁の術で自身をカモフラージュしたり、またはカカシの写輪眼でない右目の方に回り込みながら戦ったりなど、とにかくお互いに一歩も譲らぬ殺し合いを繰り広げていた。

 

(これ程の奴とは、ね……!!)

 

 カカシは冷や汗をかきながらこの再不斬という男の恐ろしさを実感する。

 彼ほどの忍であるのなら、並の忍であればほんの一瞬で終わっていたであろう。

 だが、カカシという実力者ともなれば話は別だ。

 ……幾度と一閃のみで仕留めてきた技では、一撃だけではカカシを打倒しえない。

 一撃で仕留められず、しかも敵が自分の存在に気づいてしまった時点で暗殺は終わっているのだ。

 ……にも関わらず、再不斬の動きはまさしく暗殺者のソレのまま。

 未だに気配も、匂いも、殺気も、音すらも感じさせず、周辺にいると分かっているのに、まるでそこにいないかのような錯覚にさえ陥る。

 

(こいつ……写輪眼だけじゃねえな。この短時間でコイツ自身が俺の動きに慣れていってやがる……早めに仕留めてえ所だが、そういう訳にもいかねえ)

 

 一方、再不斬の方もカカシが予想外の使い手である事に内心で舌打ちをした。

 “写輪眼のカカシ”という肩書に踊らされ、その左目の写輪眼のみに注意して戦っていたが、それがいけなかったらしい。

 

(そもそも、写輪眼とは本来うちは一族が持つ血継限界、にも関わらずこいつはうちは一族じゃねえ……要はそういう事か)

 

 なぜ本来うちは一族でないにも関わらず、“写輪眼のカカシ”と謳われる程に写輪眼を使いこなせるのか、つまりはカカシ自身が写輪眼なしでも一流の忍である事に他ならない事だった。

 

(ったく、ビンゴブックってのはこれだから当てにならねえ……!)

 

 内心でそう悪態を吐く再不斬。

 所詮は此方(霧隠れ)の主観で書いた情報の羅列に過ぎない……そんな情報だけを過信してはいつか必ず想定外の事態に見舞われる。

 その事態を避けるために再不斬は無音殺人(サイレント・キリング)の技術を極め、敵がこちらに気づき、力を行使する前に暗殺するという手段を取ってきたのだ。

 

(ガトーの奴も余計な事をしてくれたもんだぜ)

 

 自分一人だけに任せるのが不安という気持ちはまあ分からなくもないが、そもそも暗殺の分野に長けている自分と、自分には足元にも及ばない有象無象どもを一緒にした所でよくなる筈がない。

 商業家というものは値段だの利益だのモノの大きさや数だけで判断するからいけない、駒の数をみるだけで戦術というものをまったく考慮しないのだ。

 だからといって再不斬だけが一人突っ込んで獲物を全て掻っ攫う訳にもいかず、あえて彼らの警戒心を再不斬に集中させ、その隙に彼らが標的に仕掛けるという戦法を態々考案してやったのだが……。

 

(それにあの餓鬼共、想像以上に粘りやがる。最初は忍者ごっこをしに来たかとでも思ったが、予定が狂うな、こりゃあ……)

 

 土遁によって出来上がった巨大な壁の向こうからの音を聞き取り、そこから判断するにカカシが連れていた三人の子供はまだ生きていると見た再不斬。

 彼らがやられるのは最早時間の問題であろうが、今はそれを考えている余裕はない。

 

 どのみち、今における自分の失敗は写輪眼を警戒しすぎるあまり、はたけカカシ本人に対する注意を怠ったという事。

 

(あまり高度な忍術は使わずに、簡易な術で写輪眼から撒きながら断刀で仕留めるっつーのが理想的だったが、出し惜しみはしちゃいられねー……なっ!!)

 

 今までは再不斬の一方的な攻撃だったにも関わらず徐々に再不斬の動きにも慣れて反撃に転じ始めるカカシ。

 朧げながらに写輪眼で捉えられる再不斬の動きを見切り、そしてカカシ自身の戦闘センスが再不斬が攻撃してくるであろうタイミングも掴んでいた。

 このままではじり貧になると思い至った再不斬は一気に決める事にした。

 

 ――――水遁・破奔流

 

 断刀・首切り包丁を上へ放り投げ、印を結んだ再不斬は掌にチャクラで作り出した水の渦をカカシに向けて近づける。

 

 瞬間、再不斬の掌の水の渦は巨大な水の竜巻へと変貌した。

 

「――――ッ!?」

 

 カカシの眼前で変貌したその水の竜巻はカカシの体を巻き込み、その水圧でカカシは腕で防御する姿勢を取ってしまう。

 

(これで……写輪眼は一時的に閉じられた!)

 

 水の竜巻をうまく目晦ましとして利用した再不斬。

 ――――そして、カカシが目を開け、目の前にあったのは……地面に刺さっていた首切り包丁だけ。

 それは先ほど再不斬が上へ放り投げた断刀だった。

 

「こっちだ」

 

 そして、背後から再不斬が苦無を持ってカカシに迫る。

 地面に刺さった首切り包丁のおかげで後ろへ退却して回避するという選択肢は既になくカカシは左右のどちらか避けるしかない。

 

 右へ避ける選択肢を取る。

 左に避けては写輪眼越しに再不斬の姿を目視できないからだ。

 ――――だが、それを読めない再不斬ではない。

 

 カカシの動きを読んでいた再不斬は即座にカカシの写輪眼目掛けて苦無を投擲する。

 そして即座に地面に刺さった首切り包丁に持ち替え、カカシに斬り付けた。

 

 自分の写輪眼目がけて飛んでくる苦無を、顔を反らして回避するカカシ。

 だが、顔を反らした方から逆に大刀の刃がカカシの頭を真っ二つにせんと迫る。

 

「――――ッ!?」

 

 タイミングも相まって、さすがに二撃目を難なく避ける事は難しかったのか、なんとか躱したもののカカシは体を大きくよろめかせてしまう。

 

 そして、その隙を逃さず、再不斬は首切り包丁を地面に差し、カカシに回し蹴りを見舞った。

 

「……ッ!?」

 

(今だ!)

 

 その衝撃でカカシの体は池の方へと吹っ飛び、宙へ舞うタイミングを見計らった再不斬は地面に刺さった首切り包丁の柄を再び握り、宙に舞うカカシへと肉薄する。

 が、直前に地面に何かがある事に気づき、足を止めた。

 

「マキビシ……ふんっ、くだらねえ!」

 

 池に落下する直前、自分の行く先に暗器をばら撒いたカカシを嘲笑う

 

 一方、池に落ちたカカシはと言うと

 

(この状況を打開するには、これしかないか……!!)

 

 ――――土遁・土流壁

 

 自分とナルト達を分断している土の壁とはまた別の巨大な土の壁が対になるようにして池の中から盛り上がってくる。

 そしてカカシはそのまま池から顔を出した。

 

「な、何だこの水……やけに重いぞ……!?」

 

 水底から水面まで上がって来た時の違和感を呟くと同時、背後から声が聞こえた。

 

「ふんっ、馬鹿が」

 

 カカシが動きを読んだ再不斬は水面から顔を出したカカシの背後に回り、水面の上にたちながら印を結び、術を発動した。

 

 ――――水遁・水牢の術

 

「――――ッ、しまった!」

 

 その瞬間、一部の池の水が人ひとりすっぽり入るような水球を形成し、そのまま水牢となってカカシの体を閉じ込める。

 

「クククク、嵌ったな。脱出不可能のスペシャル牢獄だ。大方、その巨大な土の壁を作る事で俺にテメーがその壁の外へ逃げ込んだと見せかけようとしたんだろうが……チャクラのとんだ無駄遣いだなあ、カカシ」

 

「くっ……!?」

 

 水牢を形成するチャクラを練っている右手を翳しながら、再不斬は勝利を確信したような笑顔で言う。

 やはり水の多いフィールドにおいては、水遁を得意とする再不斬の方に一日の長があった。

 

「このまま餓鬼共の悲鳴をお前と一緒に聴くのもいいが、あいつら、想像以上に手こずっているようだな、情けねえ」

 

 そう言うと再不斬は片手で印を組み、水分身を出す。

 

「奴らには悪いが、仕方ねえ。あの餓鬼どもの首も俺の水分身が掻っ攫ってくるとするか。なあ、カカシ?」

 

 愉快そうに笑いながらカカシを見る再不斬。

 しかし。

 

 

 

「そいつはどうかな?」

 

 

 

「あぁ? 何言って――――グオオオオォッ!!?」

 

 カカシの発言に訝し気な表情をする再不斬だが、次の瞬間にカカシの体が強烈な電気へと姿を変え、水牢を通じて電撃が再不斬の体へと行き渡り、再不斬はその電気をもろに受けてしまった。

 体が麻痺し、悲鳴を上げる再不斬。

 だが次の瞬間、水牢の中にカカシの姿が既にないことを目にする。

 

(まさか……俺が水牢に捕らえたのは雷遁のチャクラで練られた影分身……嵌められたのは俺の方だったか!?)

 

 相手を嵌めたつもりが逆に嵌められていた事に気づく再不斬であったが、時はすでに遅かった。

 

「さっきのお返しだよ」

 

「――――ッ!?」

 

 今度はカカシが再不斬に向けて渾身の回し蹴りを見舞う。

 再不斬は避けようと体を動かそうとするが、先ほどの電撃で体が痺れているせいかうまく動くことが出来ず、カカシの蹴りを受け入れてしまった。

 

「ぐぅっ!!」

 

 そのままカカシとナルト達を分断する土の壁へと叩き付けられ、地面へと崩れ落ちる再不斬。

 そして再不斬が顔を見上げたその先に見えたのは、カカシの複数の影分身が再不斬へと特攻してくる姿だった。

 

(おそらくあの影分身も雷遁のチャクラで練られている。当たってやる訳にはいかねえな……)

 

 手を握りしめたり開いたりしながら己の体の調子を確かめる再不斬。

 土の壁に叩き付けられた衝撃により痺れからはある程度解かれているようだった。

 ――――十分だ。

 そう判断した再不斬は特攻してくる影分身を紙一重で躱しながらカカシへと接近する。

 

 再不斬が交わしたカカシの雷遁の影分身たちはそのまま土の壁へと衝突してゆき、その土の壁に電気を流した(・・・・・・・・・・)後に姿を消した。

 

 影分身体の消滅を一瞥して確認した再不斬は、即座に印を組んで術を発動した。

 ――――そして、カカシもまた再不斬と同じタイミングで印を結び、同じ術を発動させた。

 

 ――――水遁・水龍弾の術/水遁・水龍弾の術

 

 巨大な水が龍を象り、それらがぶつかり合って巨大な水流が発生する。

 二つの巨大な龍はぶつかり合った後、そのまま一つの水流となってあたりへ霧散していった。

 

 キィン!

 

 互いの術が無力化され、再不斬の首切り包丁とカカシの苦無がぶつかる金属音が響く。

 二人は鍔迫り合いの態勢のまましばらく膠着状態となった。

 

(コイツ……!?)

 

 自分の動きを真似て、まったく同じタイミングで同じ術を発動された事に驚愕する再不斬。少なくとも自分はこの術をカカシに見せた覚えなど一度たりともない。となれば、既にカカシが別の霧隠れの忍びからコピーしていたか、それとも……

 

(まさかな……)

 

 とある可能性に至る再不斬。

 ――――やはり、ビンゴブックは当てにならない。

 即ち、写輪眼は術や体術をコピーするだけにあらず、瞬時に相手と同じ動きを真似、そのうえでコピーするという荒業も可能という訳だ。

 

 再不斬はカカシの右に回り込まんと動くが、カカシもまたそれに合わせて再不斬の左に回り込まんと動く。

 まったく同じ速さ、まったく同じタイミングで平行線となった両者は立ち止まり、印を組み始める。

 再不斬が印を組み、カカシがまたそれを真似てまったく同じタイミングでまったく同じ印を組む。

 

(俺の動きはもう完全に見切られている……おそらくこれから放つであろう術もコピーされる……ならば……)

 

「こちらが先に印を組み切って術を発動させるまで……か?」

 

(……何? こいつ、俺の心を……)

 

「読み取ってやがる」

 

 自分が心の中で思った事を先に言われていく事に段々と苛立ち始める再不斬。

 

(くそ、こいつ……)

 

「見透かしたような眼しやがって」

 

(だが、所詮はコピー、二番煎じだ……追いつかぬ速度で……)

 

「追いつかぬ速度で印を組んでやればこっちの物、か?」

 

「――――ッ!!!」

 

 そして、心の内を次々と先読みされた再不斬はついに堪忍袋の緒が切れた。

 

 

 

「……ッ、てめえのその猿真似口、二度と開けねえようにしてやる!!」

 

 再不斬は高速で印を結んでいく。

 カカシも同じ速度で結んでいく。

 

 ――――これでは、ダメだ。

 

 このままの速さではダメだとカカシを見て再不斬は思う。

 

 ――――もっと印を早く、奴が追い付けないほどの速さで……!

 

 しかし、どれだけ早く印を結ぼうとも、カカシの印を結ぶ速度が再不斬に遅れを取ることはなく、まったく同じタイミングで同じ印を結んでいく。

 

(ダメだ、どんだけ早く印を結んでもまったく同じ速さで真似してきやがる、こうなりゃあ……、――――ッ!!?)

 

 その時だった。

 カカシの背後から何かが現れるのを再不斬は目撃する。

 その影の正体は――――

 

(あ、あれは……俺?)

 

 その姿は紛れもなく桃地 再不斬と相違ないモノだった。

 となれば、あれは――――

 

(幻術なのか? いやしかし奴は俺とまったく同じ印を結んでいる。俺が結んでいるのは紛れもなく水遁の術。幻術をかける暇なんて何処にも……まさか……)

 

 ――――これも写輪眼の能力なのか、と思ったその時だった。

 

「ナルト! サスケ! サクラ! すぐにタズナさんを運んでできるだけ遠くにある高い木の上に避難しろ!!」

 

「――――ッ!?」

 

 カカシの大声で正気に戻される再不斬。

 だが、時は既に遅かった。

 

 ――――水遁・大瀑布の術

 

 カカシのいる位置を中心にして大量の水が舞い上がり、まるで滝が落ちてくるかのような水流が発生する

 地面を抉る程の威力を持った水流は、発動した後も尚大量の水を巻き上げ吸収していき、巨大な凶器となって再不斬に襲い掛かった

 

「――――ッ、しまった……!」

 

 ――――水遁・大瀑布の術

 

 幻術に気を取られていた再不斬もまた、遅れたタイミングで同じ術を発動させる。

 しかし、術を早く発動させたカカシに利があったのか、再不斬が放った巨大な水流も押し返されてしまう。

 

「ぐ、グオオオアアアアアアアアアアアアアアアァ……!!!」

 

 自分が発生させた水流にすらも巻き込まれ、再不斬は後ろへと流されていく。

 

(くそ、術のタイミングが遅れちまった! このままじゃあ……、――――ッ!?)

 

 思考すら与えてくれぬ程の豪流の中、再不斬はある違和感を感じた。

 ――――水の流れの方向が、変わった?

 その違和感を感じた再不斬は流されながらも、必死に前方を向く。

 

 ――――それは、先ほどガトーが雇った抜け忍が、カカシとナルト達を分断させるために作った巨大な土壁。

 

(……まさかっ!?)

 

 そして再不斬は理解した。

 先程、互いに術を発動させる前――――

 再不斬の背後にあった――――カカシが作り上げた土の壁。

 カカシの背後にあった――――ガトーが雇った抜け忍が作り上げた土の壁。

 

 再不斬は思い返す――――カカシが土遁により作り上げた壁は、流れてくる水を跳ね返すような形状になっている。

 再不斬は思い出す――――先ほど、自分に向けられて特攻してきたカカシの雷遁影分身は、自分には当たらず自分の背後にあった、抜け忍が作り上げた土遁の壁に当たり、電気を流した。

 

(先ほど俺に特攻させた雷遁影分身は俺にダメージを与えるためではなく、背後にあった土遁の壁に当てる為の物……土遁は雷遁に弱いため、強度が低くなる。そして先ほど奴が池の中から作りあげた土遁の壁は俺に奴が逃げた物と勘違いさせるためのものではなく、この術によって発生する水流を外に逃がさず、かつ跳ね返すためのものそして――――)

 

(水遁・大瀑布の術の水流は奴が作り上げた土遁の壁によって全て跳ね返り、そして雷遁の雷撃によって強度が薄れたもう一方の土遁の壁は、性質変化の相性では劣っている水属性でも、威力によっては破壊される。つまり――――)

 

 ――――互いが放った大忍術から発生した水流によって、カカシとナルト達を分断していた土の壁は、破壊される!

 

(そして、餓鬼共を避難させ、壁をぶち破った水流はジジイや餓鬼共を狙っていた大勢の抜け忍達を巻き込む、そして――――自身もその水流の中に潜みこんで……)

 

 

 

 

 ――――雷遁・千鳥流し

 

 

 

 

 再不斬を含め、大勢の抜け忍たちがその水流に巻き込まれ、そしてその水流の中に潜んでいたカカシは全身全霊の多量の雷遁チャクラを練り、そして水流の中で一気に放電した。

 

『ギャアアアアアアアアアアアアアアァッ!!!!!!!!』

 

 再不斬を含めて大勢の忍びたちの断末魔が水中に響く。

 先ほど再不斬が影分身からうけた雷撃とは比較にならないほどの雷遁のチャクラが水中へと広がり、木の上へと避難したナルト達を除き、大勢の忍びがその電撃を水流を介してまともに受けてしまう。

 

「グオオオアアアアアアアアアアアアアアアァッ!!!」

 

(最初から……これが狙いだったのか、はたけカカシぃ!!)

 

 他の抜け忍たちと同様、千鳥流しの雷撃を食らって悲鳴を上げる再不斬。

 水遁・大瀑布の術をもろに食らったダメージもある再不斬にとって、この雷撃は地獄以外の何物でもなかった。

 

 

 ◇

 

 

 水流に押し流され、木に引っかかりようやく地に足を付けることができた再不斬。

 しかし、禁術を見事に喰らい、しかもその中で雷遁による放電のダメージを受けた再不斬にもうまともに体を動かす力など残っていなかった。

 

「う……く……」

 

 あたりを見回してみれば、大勢の抜け忍たちがカカシと再不斬の術に巻き込まれ、更にカカシの千鳥流しによる放電ダメージを受けて屍と化していた。……かろうじて生きてる者も少なくはないが

 

「使えん奴らが――――ぐぉッ!?」

 

 悪態を吐きながらも、木に背を付けて立ち上がろうとする再不斬。

 しかし、次の瞬間、四本の苦無が再不斬に投擲され、両手、両足の四肢にそれぞれ一本ずつ苦無が突き刺さる。

 それによって立つ力すらも失った再不斬。

 

「終わりだ」

 

 再不斬が背を付けている木の上に陣取ったカカシが、苦無を構えて再不斬に殺意の視線を送る。

 

「……そういうテメエも、そうしていられるのが限界ってとこか……。いや、そうまでして俺を殺そうとしている、というべきか」

 

 後ろでどんどん緩やかになってゆく水流の音を聞きながら、再不斬もカカシを見る。

 

「ああ、お前をここで殺しておかないと色々厄介な事になるからな」

 

 そう言って、カカシは苦無を再不斬の首元目がけて投擲しようとしたその時。

 

 それより先に別の方向から、飛んできた二本の長針が再不斬の首に突き刺さった。

 

「――――ッ!?」

 

 咄嗟の出来事にカカシはすぐに針が飛んできた方向に視線を向ける。

 

 ――――そこの木の上には、霧隠れの追い忍部隊の面を付けた少年(?)が立っていた。

 

「……ありがとうございました。僕はずっと確実に再不斬を殺す機会を窺っていた者です」

 

 少年は言う。

 自分は霧隠れの追い忍部隊の一員であり、霧隠れの抜け忍であり、里の重要情報を持つ再不斬を殺害しに来たものであると。

 カカシも倒れた再不斬の体を確認し、彼の死亡を確認した。

 

(その背丈、その声……ナルトとそう年は変わらないように見えるのに、追い忍とはな)

 

 ただの餓鬼じゃないね、とカカシは呟く。

 正直、いまの状態だったら確実に自分はあの子供に負けると断言できるだろう。

 

 カカシがそう考えている間に、追い忍の子供は再不斬の懐へと飛び降り、その体の片腕を背負い、再不斬の体を持ち上げる。

 

「貴方方の戦いも一先ずこれで終わりでしょう。僕はこの死体を処理しなければなりません。……何かと秘密の多い体なもので。

 それじゃあ、失礼します」

 

 そう言って、追い忍部隊の少年が印を組むと同時、木の葉を巻き上げる小規模の竜巻が少年を中心に巻き起こり、風が晴れると同時、少年の姿は既になかった。

 

「カ、カカシ……先生」

 

「――――っ、そうだ! お前ら、無事か!!」

 

 後ろからサクラの声が聞こえ、カカシは少年の事をとりあえず後にして声が聞こえた方向へ振り向く。

 そこには――――

 

「――――ッ!?」

 

 全身が傷だらけのナルトとサスケの姿だった。

 サクラもナルトやサスケほどとはいかずとも、全身にかすり傷のようなものを負っているが、大事に至るほどの負傷ではなかった。

 

「無事かお前ら! 生きているのなら返事しろ!」

 

 とりあえずは大丈夫そうなサクラを後目に、木の下で倒れているナルトとサスケ、そしてその二人を看ているタズナの方へ向かう。

 そしてナルトとサスケに必死に声をかける。

 そして――――

 

「……へっ、へへへ、カカシ先生。俺たち……やった……ってばよ。なあ……サスケ?」

 

「……ハァ、ア……何とか……な……」

 

 息も絶え絶えという感じであったが、二人とも元気そうだった。

 

「……先生さん。こいつら、守ってくれたよ。儂を最後まで……守り切って……」

 

「……えぇ、そう……みたいですね」

 

 護衛対象のタズナ、そして何よりカカシの大切な部下である三人が無事である事に胸を撫で下ろすカカシ。

 その様子は幾分か弱弱しいものだった。

 

「三人とも……本当、に、よくやったな。よく……タズナさんを守ってくれた!」

 

「へ、へへへ……」

 

「……」

 

 カカシが三人を褒めると、ナルトは照れ臭そうに笑い、サスケもまた声に出さないが笑いをこぼす表情を見せる。

 

「ハ、ハハ。成長……した……な、おまえ、ら……」

 

 笑顔を浮かべつつも、段々と途切れ途切れになってゆくカカシの声。

 やがてカカシの体は後ろへふらつき

 

 ドサ!

 

 カカシの体は仰向きに倒れ、そのまま動かなくなった。

 

『――――ッ!?』

 

 その様子に、タズナも第七班の三人も一斉に顔を青ざめ始める。

 

「カカシ先生!」

 

 身を乗り出したサクラがカカシに大声で声をかけるが、カカシには聞こえてこなかった。

 

 

    ◇

 

 

 目覚めれば、そこは知らない天井だった。

 朦朧とした意識は徐々に目覚め始め、自分が今まで何をしていたのかを思い返す。

 そして全て思い出したカカシは、呟いた。

 

「チャクラを……使いすぎた」

 

 自分が倒れた原因はチャクラによる疲労である事は明白だった。

 というかあれほどのチャクラを使っていれば、自分がこれから倒れるであろう事くらいは予想できたが、今回は相手が相手だったために出し惜しみができなかった。

 

(千鳥流しまで使わされるとはねえ……)

 

 まだ自分が彼の者を追いかけていた時、当時自分の師匠から使えないと評されたオリジナル忍術をもっと別の応用ができないかと思い編み出した術だが、まさかその術にあれほどのチャクラを使う日が来るとは思いもしなかっただろう。

 本来は周囲の敵への牽制のために放つ雷遁の術であるため、そんなにチャクラを使う技ではないのだ。今回は特別だったといえよう。

 

「大丈夫かい、先生?」

 

 ピンク色の衣服に青色のスカートを履いた黒髪ロングの女性に声をかけられ、カカシはその方へ顔を向ける。

 

「いや、一週間は……体を動かすのも、いや、それさえもきつそうです」

 

「ほら、だったら暫く動かない方がいいよ」

 

「ええ……」

 

 女性……護衛対象であるタズナの娘のツナミにそう注意され、布団の中で大人しくするカカシ。

 ただ寝ているだけなのもあれなので、頭の中で情報を整理しようとした。

 

(海運会社ガトーカンパニーの社長・ガトー……まだナルトたちには伝えてないが、奴は数週間前に木の葉の要人、およびその一行に刺客を送っている。幸い、奈落の活躍によって要人は無事護衛され、刺客たちは皆返り討ちにした)

 

 船でのタズナの発言から照らし合わせるに、ガトーはおそらく火の国の乗っ取りも画策していると見て間違いないだろうとカカシは踏む。また、刺客たちを態々霧隠れの忍に変装させたという情報から、おそらくは火の国と水の国の間同士で戦争を起こさせ、漁夫の利を得て両国をまるごと乗っ取るつもりだったのか。

 

(だが、波の国はちょうど火の国と水の国の間にある島国だ。漁夫の利を虎視眈々と狙い高見の見物をするには非常に相応しくない場所といえる。となると……奴の目的は国の乗っ取りだけではないという事か……?)

 

「……今考えても仕方ないか。やれやれ、タズナさんが素直にガトーが絡んでいると木の葉に進言していれば、奈落の手も借りる事が――――」

 

 そこで、カカシに嫌な汗が流れる。

 ――――もし、今頃奈落がガトーの居場所を察知しているのだとしたら……。

 ガトーの戦力は現在、この波の国に集中している。

 

 もし、このような状況で奈落が介入してきたらどうなる? 

 いや、この件には水の国が絡んでいる事から、霧隠れの里が絡んでくる可能性だってある。……現に霧隠れの追い忍部隊がこの波の国に来ていたし、抜け忍の再不斬を殺しに来た、というだけではない可能性だってある。

 

 霧隠れ、ガトー一派、奈落……もしこの三勢力が絡んでくれば……

 

 ――――そうなれば波の国は――――

 

「……間違いなく、戦場になる」

 

 

     ◇

 

 

 波の国の近くにあるとある海上にて数隻の物資運送用の蒸気船が走行していた。

 大量の物資を積むための隙間が設けられ、更にはその物資を受け取るために大量の雇われの抜け忍が乗っていた。

 

「それにしても、ガトーカンパニーの奴ら、あんな物を製造して何に使うってんだ?」

 

 一人の抜け忍の男が仲間の抜け忍に聞く。

 

「さあな、俺らは所詮雇われ。詳細なんざ知ったことじゃない。……だがまあ確かに、使いようによっちゃ一般人でも俺らのような忍を簡単に殺せるような代物が出回るとすれば、さすがにちょいと悪寒が走る事実だがな……」

 

「お前もそう思うか。もし次に忍界大戦が勃発すれば、戦力として雇用されるのは俺たちだけじゃなくなるかもな。俺らはこんな物を持たなくとも忍術で十分に戦力として数えられるが、逆にいえばどんな奴でも使いこなせる人材であれば戦力になるってこった」

 

「連発銃とか言ったか? あれも大量に製造されたら戦場は荒れると思うぜ。忍術みたいな規模はないが、逆に言えば地味に目立たず簡単に人を殺せるともいえる。勿論、チャクラではなく道具を使っているのだから、感知タイプにも感知される心配がないという訳さ」

 

「お~怖い怖い。ま、今の俺たちには関係のない事だ」

 

「ハッ、まったくだ」

 

 そんな他愛のない会話をする抜け忍たち。

 自分たちの生活を考えれば、明日にはもう自分の命は既にないかもしれないという者たちばかりだ。

 今でさえこうして他愛のない会話をしているが、次会ったときは敵か味方かは分からない。

 そんな世界で生きてきた彼らにとって、“これからの心配”をするなど愚の骨頂、死ぬときは死ぬのだ。

 

「おい、そろそろ向かいの船が物資を渡しに来るだろう。船の外よく見ておけ」

 

「あいよ――――っと、もう来たみたいだぜ」

 

 霧の奥から向かいの蒸気船が見えてくる。

 あの蒸気船が運んでくる物資を、こちら側にある数隻の蒸気船ごとに違う種類の物資を受け渡し、こちらの数隻の蒸気船が波の国まで運送するという算段だ。

 向かいの船はあくまでこちらが波の国に運ぶであろう物資を、途中まで送り届ける船だ。

 

 裏の商売をしているという都合上、いくつかの正売品を混ぜて誤魔化さなければやっていけない世界である。

 ガトーカンパニーは良くも悪くもこういうところは徹底しており、態々こんな面倒くさい搬送法さえも行使していた。

 

「さて、物資を渡してもら――――ん?」

 

 向かいの船が近づき、それを見ていた抜け忍の一人がある違和感を感じた。

 

「お、おい。お前ら!」

 

 違和感を感じた抜け忍の男は即座に同じ船に乗っている大勢抜け忍たちに声をかける。

 

『なんだ』

 

『どうした?』

 

『一体何があった』

 

 と次々と仲間の抜け忍が集まってくる。

 

「物資を搬送している向かいの船が近づいてくるんだが……その――――」

 

 

 

「――――人の気配(・・・・)。が……」

 

 

 

 向かいの船はどんどん近づいてくる。

 そして、彼らの乗っている船のちょうど横に並んだ時――――彼は見た。

 

 ――――そこにあったのは、自分たちに物資を渡してくる仲間の抜け忍たちの姿ではなく

 

 

 ――――それらの成れの果てが、血をばら撒きながら倒れているだけだった。

 

 

『――――ッ!!?』

 

 その様子に、彼らは茫然とし、そして青ざめていく。

 やがてその内の一人が――――

 

「舵をきれぇ! あの船から離れろぉっ!!!!」

 

 

 

 瞬間、彼らの船の中に大量の黒い物体が投げ入れられ、そこから閃光が爆ぜた。

 その閃光弾は彼らの視界を封じ、その船に乗り込んでくる影が複数現れた。

 

 乗り込んできた影は黒い僧服の装束を身に纏い、錫杖を手にした集団だった。

 

『な、何だ!? なにが起こって、グハッ!?』

 

『ちくしょう、何者だてめえら――――ガアっ!!』

 

 錫杖を手にした集団は次々と、船に乗っていた彼らを腰の刀や仕込み刀で切り捨て、手裏剣で刺し殺し、または錫杖で撲殺していく。

 

 

 

『しゅ、襲撃だー!』

 

『急げ、援護だ!!』

 

 別の船に乗っていた抜け忍たちもまた、襲撃を受けている彼らの船へ援護せんとするが、彼らの背後からも、海から這い上がってきた僧服の者たちが奇襲をかける。

 

『――――ッ!?』

 

 何人かの抜け忍たちはそれに気づくも、彼らの奇襲に対する攻撃が遅れてしまい、遺体となって次々と海へと投げ出される。

 

 他の船も同様に錫杖を持った集団――――天上の烏達はおかまいなく乗り込み、次々と抜け忍達の命を刈り取っていく。

 冷徹に、ただ無慈悲に彼らの命を刈り取ってゆく。

 

 

 

 

 

 突如、海上を走行していた船の上に現れた天上の烏たち。

 抜け忍たちもまた大勢が応戦するが、寄せ集められた抜け忍たちが連携暗殺を得意とする奈落に集団戦で敵う道理など存在せず、しかも奇襲によって混乱が生じてしまっていたため、彼らは次々と烏達の餌食となっていった。

 

 濃霧が漂う海上の中、ガトーカンパニーが保有する搬送用の蒸気船は、突如現れた烏達に乗っ取られてしまった。

 

 ――――天に刃向かったお山の大将の首に、”彼等の刃”が迫るのももはや時間の問題である

 

 




一つお詫びを、思ったよりカカシ対再不斬の戦闘シーンが長くなってしまったので、ナルト達の戦闘は次話にて回想という形で書きます。
どうかご了承ください。

白が再不斬の経穴に千本を投げて仮死状態にさせるシーンですが、ぶっちゃけ朧さんにやってもらうか、それとも原作通りに白がやるか迷いました。
だってこの二人、同じ技持ってますもん(経穴に針)

最後のシーンでようやく奈落登場。しかし朧さんの出番はまだ先です。

後、見ればわかると思いますがカカシ先生が若干(?)強化されてます。

天照院奈落のどんなところが好き?

  • 錫杖を使っているところ
  • 弓を使っているところ
  • 装束が好み
  • 単純に朧が好きなだけ
  • 全部

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