あーつまんねぇのが完成しちまったぜ。
かなり心が広い方のみどうぞ
───異界の地獄───
─side ヘカーティア・ラピスラズリ(異界)─
「で!純狐に来てもらったのは他でもないわ!」
いきなりで難だけど、純狐にある相談に乗ってもらおうと地獄に呼び出したのだけど、どうやら純狐はご立腹のご様子で…。
「何なんだ?ぐっすり気持ちよく寝ているって言う時に電話を120件も送ってきて…キレそうなんだが?」
「悪かったわよん。でも大問題が起こっちゃってるから仕方がないじゃない」
「その大問題とやらを聞かされずただ来いと言われた私の身にもなってくれ」
「だから悪かったってぇ、お礼にハンバーガー奢ってあげるから!」
「なぜハンバーガーなんだ?」
「地球の私からハンバーガー最高(≧∇≦)ってメールが来てね、なんか幻想郷で流行ってるみたいだから」
「何をやってるんだ、地球のお前は」
それは私が知りたい。地球の私が一番忙しいと言うのにハンバーガー片手に自撮りなんてどう見てもサボってる。
そもそも私の仕事はそれぞれの世界の住人の管理を行っており、亡くなったときは大きな仕事が待ち受けている。亡霊自体は閻魔に裁かれ輪廻を待つのだが、霊にも善悪は分かれる。そのため、地獄の神である私が請け負うのだけど、地球の霊はあくまで地球の私が処理する。それに当たり、月人や異界人の寿命は結構長いから暇だったりするが地球には人間と言う寿命が極端に短い種族が生息するものだから忙しいったらありゃしない!ってこの前言ってたっけ?
「まぁとにかく、来てもらったのは大問題が起きてるから。その大問題を説明しないとね」
「早くしてくれ、私は早く帰って寝たいんだ」
「あぁごめんねぇ…って!寝たいってどう言うことよ!!目の前の友人様が頭抱えてるってのにあんたは寝るの!?」
純狐ってこんなに冷めた奴だったっけ?確かに真夜中の3時に起こしたのは悪かったけど…友人のピンチに時間なんて関係ないのよ!
「当たり前だ。今何時だと思ってる?冗談はそのシャツだけにしてくれ」
あなたもそれ言っちゃうの?地球の緑髪の巫女にも言われたわよ?…そんなに変かな?Welcome hell!ってカッコ良くない?
でもそんなことにムキになって喧嘩に発展してしまったら至極面倒くさい。今は頼れるのは純狐しかいない。月の私は起こしたら殺すなんて留守電コールにしてあるし…。
「まぁ…埋め合わせは何時かするから!んで、大問題と言うのは他でもない、クラウンピースが居なくなっちゃったの!」
「………………………」
なんだろう、この静けさは…。まるで天使が通って行ったようだわ…。
「その為だけに、私を呼んだのか…?」
「まぁまぁ話くらい聞いてよん。ほんの五時間くらい前なんだけどね…。私とクラウンピースでデザートのアイスを食べてたんだけど、ちょうど冷凍庫の中に1つ余っててどっちが食べるかって話をしてたら喧嘩になっちゃって…。結局、気分が失せて寝たんだけど心配で様子を見に行ったらいなかったって言う…」
「小学生の姉妹かお前らは…。で、私はクラウンピースを探してほしいから呼ばれたって事か?」
「察しが良いねぇ!まさにその通り!」
「身から出た錆じゃないか、私はパスだ」
「えぇ!何でぇ!?」
「それに、クラウンピースだって一人では何もできないお子ちゃまってワケでもないぞ?心配しすぎじゃないか?」
「子を心配するのが親でしょう!」
「いつから親になったんだよ…」
「とにかく!どこにいったか目星くらいつけておきたいわね。でもこの時間帯に誰か起きてるかしら?」
「起きてるわけないだろ!早く寝かしてくれ!」
仕方がないわ。純狐も含めて他の連中は活動しない時間帯にいるから、朝まで待ちましょう。時は焦らずとも自ずと来るってね。
「何でも良いが、この時間に呼ばれた怒りは今ぶつけても良いんだよな?」
へ…?
「歯ぁ食いしばれ!キッツイのが行くぞ!」
何でこうなるのよー!!
─そして夜が明けた─
さて朝になったけど、純狐は純狐で探せるところを当たると言ってくれた。あれっだけ愚痴を溢していたけれど、やっぱり協力してくれるなんて、持つべきものは友達ね。
それはさておき、友人より信用ならない私へ聞いてみないといけないわ。正直言って他の私と話すのはややこしくなるし、我ながら面倒くさい性格してるから骨が折れる。
「だからって行動に出ないわけにもいかないわね。まず可能性が低そうな月の私に…」
自分が自分に電話を掛けるなんて、慣れたんだけど呪われそうね。
『あぁもしもし?私?どうしたん?』
「久しぶりね、私。様子はどう?」
『月人は長生きでまだ誰も死んでないから本当に暇だよ。純狐が嫦娥を殺そうと死に物狂いだが、殺されたらこっちが面倒だから適当に止めておいてちょうだい』
「元気そうで何よりね。んでね、ちょっと聞きたいんだけど、ウチのクラウンピースがそっちにお邪魔してない?」
『あぁ、一回ウチ来たけど、散々私の愚痴を言ってどこいったわ。何があったの?』
「それが…」
神様説明中…。
『…呆れて物も言えないな。通りでクラウンピースの愚痴の内容がアイス関係が多かったんだね』
「気を使わせたようで悪かったわね、こんど私のTシャツ送ってあげるから」
『月の神が地獄へようこそ!なんてシャツ着たらおかしいだろう?とにかく、ここに来たのは確かだ。多分、地球に行ったんじゃないか?』
「そうかもね。でも地球の私は面倒くさいのよねん。結構ひねくれてて話すの嫌だなぁ」
『まぁ頑張れ私』
「うん、ありがとう私」
この電話中、一体何回私と言っただろうか?最後なんて自分を応援してるみたいだし…。
月には一応行ったようだけど、長居はしなかったのね。地球には留まってて欲しいわ。
「まぁまずは電話電話ーっと」
さっきも言ったが、地球の私に電話をかけるのが本当に嫌だ。結構自由奔放でなんか問題は起こしてはこっちにとばっちり来るし、この前なんか地球の妖怪を捕まえて神様にならないか?なんてよく分からない勧誘してたし。
「はぁ…嫌だなぁ。…」
『あ、もしもしー?私?』
「そうよ、異界の私よ」
『珍しいねぇ、私に電話寄越すなんて、何かあったのかぃ?』
「それがね…」
神様説明中…(2回目)。
『あっははは!私も過保護だねぇ!』
「親が子供を心配するのは当たり前でしょう!?」
『私はいつ親になったんだよ…。それで、クラウンピースは私んとこには来なかったけど、地球に来た形跡はあったよ』
「本当!?」
『えぇ、良ければ私が様子を見に行ってメール送ろうか?』
「うん、お願い!」
助かった!クラウンピースに何かあったら私…どうすれば…。
「地球のお前がえらくすんなりと引き受けてくれたのは珍しいものだな。何か企んでるんじゃないか?」
「あ…確かに…でも、この際目を瞑るわ…」
「本当に神様か…お前は」
───幻想郷、魔法の森───
─side クラウンピース─
それにしても地球って楽しいなーご主人様と一緒にいてもつまらないし、いっそこっちに越してこようかな。
…ん?誰かいる。背に羽があるし…、でもちょっと違う気がするけど、私と同じ妖精と言ったところかしら?そーだ、ちょうど松明持ってるし、遊んでみようかな。
「うにゅ…さとり様に社会勉強だってお使い頼まれちゃったけど、何を買うのか忘れちゃった。メモもらった気がするけど、どこかいっちゃった」
なんかキョロキョロと探しているようだけど、邪魔をするのも悪くないかも…。よーし!
「うーどうしよ…さとり様に叱られちゃうかな…」
「どうしたの?何か探し物?」
「うにゅ?あ…見ない顔だね、初めまして。探し物してるんだけど、見つからなくて…」
「なら、私も探してあげるよ!」
「え?良いの?わぁーいありがとー!」
「その代わり、この松明の炎を見つめて…」
「こう?」
かかったな?何も怪しむことなくまんまとはまってくれる…地球の生き物ってチョロいのね♪
「うにゅ…。…」
黙りこんだわね、さぁどうなるかな?
「ウガアアアァァァァァァァ!!」
おお!凄い!でもこの能力では手下に出来ないのが使い勝手が悪いな…。でも凄い!面白いわ!
「ウグウウウウゥゥゥ!!」
こいつ妖精じゃなかったの?妖怪獣だったのだろうか?言葉を話さなくなった。とか言ってる場合じゃないかもしれない。右腕に付いた砲みたいな棒がこちらを向いてる…ヤバイ。
「ウガアアアァァァァァゥゥゥ!」
先っぽが光始めた…マズイよ!スッゴくマズイ展開になっちゃった!
「恋符『マスタースパーク』!」
なに!?どこからか図太いビームが狂った妖怪に直撃して、助かった…。しかし、見たことがある技だ…。
「うるせぇんだよさっきから森の中でうがあああぁぁぁぁぁとかうぐううううぅぅぅぅとかこっちは寝れなくてイライラしてんだよ!」
ん?あいつは確か…友人様が起こした異変の時、博麗の巫女と一緒にいた魔法使いだ。この当たりに住んでるのだろうか?なんにしても助かった。
「大丈夫か?ん?お前は、確か月で…」
「あのときは名乗ってなかったっけ?私はクラウンピース。助けてくれてありがとう。私は狂わすことはできても、食らわした奴を制御できないから参ったよ」
全く、自分で言うのもなんだけど、本当に使い勝手が悪い。正直言って、友人様に純化されないと戻すなんて儘ならないし、いたずら心が止まらない私からすれば困ったものだ。
「今のは完全に自業自得だぜ?偶然私が近くにいたから良かったが、誰もいなかったら助けなんていないし、今ごろ消し炭になってたとこだ」
「うぅ…分かってるんだけど辞めらんないだよねぇ…妖精であること故なんだよ…」
「ウグウウウゥゥゥ!!」
「…!まだ解けていなかったのか!」
「しかしまぁ面倒な奴を狂わしたもんだぜ…核兵器が暴れてるのと同じだからな。も一発行っとくか!」
魔法使いが今一度六角形の道具を構えている…そんなときだった。
「あらあら、面倒な敵と対峙してるのね。クラウンピース?」
「ん?なんだあいつは?」
そこには、地球のご主人様がいた。何も無きままにここに来るのはおかしい。きっとご主人様の差し金だろう。何かと反省してるみたいね。
「あなたね、異界の私を倒したって言う人間は」
「異界?私?ああ!月に行ったときの変なTシャツ野郎!」
やっぱり誰が見ても、あのTシャツはセンスが悪いと感じているようだ。私も正直言ってどうかと思うな。でも全身星条旗で一輪車漕ぎながらジャグリングしてる人みたいな格好してる私が言えたものじゃないけど…。
「思い出したようね。でも私からすれば初めましてだね。まぁとにかく、クラウンピースのおかげで面倒な奴に襲われそうだから、ささっと片付けちゃお」
と言って、地球のご主人様は狂った妖怪獣の元に行って、手に取った月の玉を投げつけると、一発で妖怪獣を仕留めた。すげぇ…!
『ピピピピピ…』
電話だ。今ここで電話を持ってる奴は一人しかいるまい。
「はーい、もしもしー?」
『ちょっと!あんたまた月の玉ぶつけたわね!結構痛いんだから止めてって言ってるでしょ!?』
「仕方がなかったのよ!一番効果的なのは月の玉をぶつけることなんだもの!」
『その度に私は頭を打ったような痛みが唐突に来るんだぞ!結構痛いんだよ!?』
「まぁ死なないだけ良いじゃないの。またハンバーガー奢ってあげるからさ」
『要るかー!(怒)』
言い争いをしている地球のご主人様は放っといて、妖怪獣の手当てをしないとね。
─数分後─
「うにゅ…」
「あ、気がついた?」
良かった、さすがに殺したとあっではご主人様の顔に泥を塗ることになるからね。
「は…!さとり様のお使い!どうしよー!」
あぁ…行っちゃった。まぁ良いか。
「ふぅ。ありがとう、魔法使い」
「魔理沙だ。霧雨魔理沙」
「ふふ…。ありがとう、魔理沙」
何だかんだ言って、結構楽しかった地球旅行だった。
因みに、地球のご主人様は月のご主人様に頭がカチ割れる程、地球の玉をぶつけられたらしい。人の神経が共用されているものを無闇にぶつけてはならない。新しい教訓だね。
───異界の地獄───
─side へカーティア・ラピスラズリ─
「帰ってきて良かったわ。あの子がいないと寂しいからね」
「全く、とんだ親バカだよ。過保護過ぎるんじゃないか?」
「純狐、分かってないねぇ。あの子が一人で行動するようになってみなさい。妖精だからイタズラ心が湧いて能力で遊び出すでしょう?それを神様である私が許したんじゃだめじゃない?」
「ほう…。お前にしてはまともなこと言うじゃないか」
「そりゃどうも。純狐も人のことばかりではないでしょ?あなたも嫦娥のことスッゴく気にかけてるクセに」
「…なっ!?バカ言うな!アイツは私の永遠なる敵だ!今でも殺してやりたい!」
「でも不毛な戦いなのは分かっておきながら殺してやりたいと思ってんなら、…ねぇ?」
「違うぞ!私はただ…」
「良いねぇ、純狐の赤顔(笑)」
「シめるぞ?」
終わり