おばあちゃん、おばあさん、ばあさん、ババア。呼び方は様々である。して、雌性の生き物には訪れるもの。人間だろうと、妖怪だろうと…。
───幻想郷、八雲家───
─side 八雲 紫─
「ふ~んふふ~ん♪」
鏡を目の前に~♪たまにはおしゃれをしなくちゃね~♪
「やだ~まだ着れるのね!見事に体型維持してるのね♪うふふ」
とんでもなく上機嫌な私は、外から流れついた女学生が着るらしい、せぇらぁ服とやらを着てみている。私のような
「凄いわね、せぇらぁ服って着るだけで気分まで若々しくなるのね~。あら、この言い方だったらまるでお年を召してる様に聞こえるわ。私は永遠の17歳の女の子♪」
「紫…様?」
「ひぃやあぁぁぁぁぁ!!!」
び…ビックリした…心臓止まるかと思ったわ。いきなり藍に声をかけられて、部屋の戸は閉めたはずだけど。それにこんなところ見られて…はぁぁ…。
「ら…藍?部屋に勝手に入ってくるものじゃないわよ…」
「何回もノック致しましたし何回もお声をお掛けしましたし、何回も入りますよと言いましたけど、返事が返ってこないので…」
「わ…分かったわ悪かったわよ…」
もう…藍も言うようになったわね。
「ところで…お着替え遊びも結構ですが、もう6時間は続けてますよ?もうほどほどにされては?」
「い…良いじゃない!たまにはこう言うことしたいのよ!だって私…女の子だもん…」
我ながらこれはかなり男にはグッと来る萌えが出来たわね。やっぱり
「…ぷっ!す…すみません…ククク…急に腹痛が…くく…」
「(ガーン…!)うぅ…藍のばかぁ!もう知らなぁい!」
「あ…紫様!…むぅ、弱ったなぁさすがにマズかったな」
「藍しゃまーどうしたんですかー?」
「あ…あぁ橙、紫さまが出掛けちゃっててな。誕生日は、帰って来たら祝おうな」
───紫のスキマの中───
「失礼ねぇ!女の子は何年経っても女の子なのよ!」
とは言っても、自分でも分かってるのよね。無理して私は年をどうにか忘れようとしてることなんて。
「いや…違う。私はまだ女の子!永遠の17歳は年を取らないわ!こうなったら私は若々しくてピッチピチのかわいいかわいい女の子と言うことを知らしめてあげようじゃない!」
───幻想郷、博麗神社───
「あぢぃ…梅雨はジメジメすっから嫌なのよぅ…うぅ~レミリアじゃないけど溶けるぅ…ん?スキマ?」
「ヤッホー霊夢~遊びに来たわよん」
「ぁぁぁ…」
私が来た瞬間一層ダルい顔を深めたわね…嫌われてるのかしら…。
「そんなあからさまに嫌な顔しないでよーゆかりん悲しいわ(泣)」
「そんな茶番は良いからさっさと用件済ませて帰りなさいよ。今日は一日動かないと決めたのよ」
動かないって、確かに今日はジメジメしてるけど人間としてどうなの?最近幻想郷ではすっかり平和になって霊夢も平和ボケしてるようね…。今はそんなこと気にしてられないわ!異変よりも重要なことを聞きたいのよ!←本末転倒
「まぁそんなに邪険にしないで。1つ聞きたいことがあるのよ」
「…たったそんだけの用で遠路はるばる来たっての?アンタも暇ねぇ」
「…(怒)。たったそんだけってねぇ!どうでも良いこと聞くつもりならわざわざジメった中来ないわよ!」
本当に霊夢も言うようになったわね…。先代の巫女も結構私に食って掛かってたっけ…。…何年前の話よ。
「分かったわよ。んで?聞きたいことって何よ?」
「よくぞ聞いてくれたわね!私って、若々しいお姉さんよね!?」
「…はぁ?」
ものすごい呆れた顔と蔑んだ顔の両方が心に突き刺さるわね…。
「あのねぇ…。アンタ生まれて20年ところか1000年以上生きてんでしょうが。私の50倍以上は生きてるんなら若々しいなんて甚だしいわよ。妖怪から見ても人間から見てもBBAはBBAね」
ひどい!いくらなんでもひどい!確かに1000年は裕に超えて生きてるけど、女性はいつまでも女の子なのよ!
「女性はいつまでも女の子だって甘ったれた考え方ではいつまで経っても老いの現実は受け入れられないわね。まぁ妖怪からかシワがなくてスタイルも良いところはアドヴァンテージじゃないかしら?」
ちゃんとフォローしてくれるところが優しいわね。でも、どんなに優しい言葉で繰るんでも霊夢がBBAだと思っている事実は変わらないわ…。
「そう…。あなたが思ってることは分かったわ、ご協力感謝するわ」
まだよ!今のはあくまで霊夢個人の感想よ!もしかしたら他の人は若いと思ってるかも!よーし、今日は幻想郷中を回るわよ!
───八雲家───
「はぁ。紫様はどこに行かれたのだろうか?」
続く