太陽が燦々と照りつけるが、その温もりは嫌にならない春の陽射し。山の奥にポツンとある神社、博麗神社の本堂脇の部屋前の縁側でゆーーーーっくりとお茶を啜っているは、博麗大結界の守り主、博麗霊夢。
─side 博麗霊夢─
「ずずず…、ふぅ~」
暖…楽…。やっぱりどんなに友と騒いだり、人を欺いてみたり、そんな活動的なことをするよりも、こうやってのんびりと陽に当たってお茶を飲むことが大切なのよ…ずずず…。
「霊夢ぅ!!」
なんだろ?遠くから聞いても嫌な予感しかしないこの声は…。まさかそこに幽香がいるとか?なわけな…。
「霊夢!このクソガキが…!」
わ~、なんとそこには赤でチェックのベスト、したにはワイシャツ?スカートも赤チェックかなー日傘を抱えてお怒りの様子でやって来た緑髪の正真正銘の風見幽香さんじゃぁないですか。
「ど…どうしたのよ幽香?」
おいおい…、こんな歩く火薬庫が私に何の用よ?心当たりは…。
「しらばっくれてんじゃないわよ!借金、今日午前中に返すって約束だったわよね?」
「…ぇ。今…何時?」
「午後、2時40分。約束の時間、とっくにオーバーしてんのよねぇ」
ヤバイ…すっかり忘れてた…。なんか今日やることがあると思ってたらそうだった…。昨晩に借金返すの嫌とか良いながら酒を飲んだくれてたっけ…それで借金の事を綺麗サッパリ忘れてたなんて口が裂けても言えない…。今は口が裂けてもおかしくない状況が目の前にあるけど。
「待って幽香!」
「何よ?待っても返さないからここに来てんでしょうが!」
なんかもう地面で正座させれてるし、幽香は日傘を突き立てるし…立ち合いが悪いわね…どうにかして切り抜けないと…そうだ!
「そ…そうね!借金を返してない私が悪いわ」
「ほう…?」
もうちょい!あともうちょい上手く丸めれば事情くらいは聞いてあげる…ってなるわ!そこまで持っていけたら根気戦ね!
「返さない私が悪いけど、深いワケがあるのよ…」
「良いでしょ、その素直さに免じて弁解を聞いてやろうじゃない」
かかったな~?ここまで来れば私の勝ちよ。
「ありがとう…幽香」
とはいえ、自分を弁護できる言い訳が浮かばない…適当でも脳筋バカ幽香は分からないわよね?
「これは昨日の出来事だった。幽香に金を返すための貯金が貯まったから、大切なものを保管するところとして、お賽銭箱の中に入れておいたの。どうせ誰も入れないだろうし」
自分で参拝客が少ないことが自覚してるだけこの自虐は空しいわね…でもそれどころじゃない!
「まぁ、誰も顔を覗かせないお賽銭箱なら安全ね…」
「でしょ!?でも、今朝見ると、お金がないの!」
「……」
幽香が本当かマジで疑ってる顔をしてるわね…確かに都合が良すぎるけど…。
「焦ったわ…、私を信じて貸してくれた幽香に顔向けが出来ないって…」
ここで心を揺さぶりにかかってみよう。緊迫した顔が解れてきた…この調子!
「その話は…本当なんでしょうね?」
「ほ…本当よ!嘘じゃないわ!」
く…、何で今日に限って鋭いんだ?
「…たぶん、お金は…魔理沙が盗んだのよ!普段から色々盗んでるもの!間違いないわ!」
我が身が命の危機に晒されてるところを友が助ける(強制的に了承得ずして)、あなたの犠牲は無駄にしないわ、魔理沙。
「…。分かったわ、魔理沙のところに行ってみましょう」
よし!勝利確定来たコレ!
「霊夢ー起きてるー?」
何?この声はアリス?何で?
「あ、起きてた。幽香もいるの?ならちょうど良かった」
「私がいるとちょうど良いの?」
ノヤロ…何を言うつもりだ?
「霊夢、昨日借金の金返すなら使ってやるって酒飲みながら言ってだけど、やっぱ返したほうが良いわよ?」
…オワタ。スベテガオワタ…。いきなり来たと思えば爆弾発言しやがって…。と言うか…こいつそのときいたっけ…。ーーーーーあ、確か途中まで魔理沙とアリスで飲んでたんだっけ…。借金はその酒代に消えたんだった…。都合良く金の事だけ忘れてた…。
「…どういう事かしら?霊夢」
「い、いやぁ悪い冗談よしてよアリス~」
「良いから黙れクソガキが!」
「は…はいぃぃ!」
なぜだ…なぜ途中まで上手くいってたのに…もうちょっとでやり過ごせたのに…。
このあと霊夢は隅々まで本当の事を白状させられ、幽香にフルボッコにされたとさ
こんな霊夢の幻想郷での日常をお送りします
初めまして!博麗の神主を読んでいる方はありがとうございます!
かなり手抜きで作っております。そこはご了承を