――飲み会。
それは大人の社交場。
四季が巡る度に様々な名目で様々な人間が集まる。アルコールという百薬の長にも人の理性を綺麗に吹き飛ばす魔薬にもなり得る飲み物を摂取し、健康的にはあまりよろしくないジャンクな食べ物を食す集まり。
健全な大人をダメな大人に、ダメな大人をよりダメにする魔の集まりになる事もあれば、様々なドラマを生み出す事もある。
さて、では目の前の集まりはどうだろう。
男女、年齢など、みてわかる共通点は1つもない集まりに見えるだろう。
だが、根本はちゃんと繋がっている。
――ヒーローを目指す子供を身内に、大半は子供に持つという共通点を。
「――良いですか、ざっくり言ってしまえば、料理に手をかける必要性はありません。勿論、ある程度はどうしようもないですけど、平日は弁当、土日はきっちり三食食べさせなければいけません。
だから、抜ける手はとことん抜きましょう。と言う訳で今日は僕がインスタントを使わずに手を抜ける料理をご紹か「なんの話をしている貴様!!」ガフッ」
セリフの最中に壊の脳天にエンデヴァーの拳が炸裂した。
「そもそも、何故お前そっちに座っているんだ! 流れ的にこっちだろう!?」
――授業参観が終わってから。
同じヒーロー科に子供達を預けている身。保護者同士の交流を深めようという話に自然となり(エンデヴァーは激しく拒否した)、子供達にその旨を伝えるとすぐに学校近くの居酒屋に来た(エンデヴァーは壊に引きずられて来た)。
そして誰が言い出す訳でもなく、男性は男性。女性は女性にと固まり始めた。
だが。
何故か壊は女性の塊に引き寄せられ、飲み会開始一時間で何故かお料理講座を始めようとした。
「いや、炎司、僕も不思議なんだけどね、なんか話が合うんだよ。ほら、君と違って僕は主夫もやっているからね……君と違って!!」
「何故二回言った喧嘩売ってるのか」
エンデヴァー……いや、今はコスチュームを来ていないので炎司なのだが、の言葉に、壊は少しだけ怒ったような顔をする。
「冬美ちゃんから聞いたよ? 「お父さんは仕事から帰ってくると家事をろくに手伝ってもくれない」って」
「冬美ィ!! 余計な事を言うな!!」
まさか、娘から告げ口されているとも知らなかった炎司が怒鳴ると、サワーを飲んでいる冬美は苦笑する。
「実際事実でしょ? 仕事終わったらお風呂やご飯が用意されているって決めつけて、出来てなかったら怒って。私だって仕事してるんだから、毎日は流石に無理だって分かるでしょ?」
「ぐっ……」
その言葉に、何も言い返せずにおし黙る。
――いや、炎司だって悪いとは思っているのだ。
壊に諭されただけではない。自分が親としてちょっと……いやかなり……だいぶダメだというのは、自覚している部分がない訳ではない。
だがそれを簡単に直せる訳がないし、そんな簡単に素直になれるなら今まで何十年もの間に問題は解決出来ているはずなのだ。
家事を娘に投げっぱなしというのも、その直すべき点の1つだ。
……だが、直せる訳がない。
靴下の場所すら分からない炎司がそう簡単に全てを出来るようにはならないのだ。
「冬美ちゃんは本当に良い子だねぇ。
家事全般出来るし、こんなダメ親父の下でも我慢出来るし、彼氏さんいないのが不思議なくらいだよ」
冬美の肩に手を置きながら、壊は炎司を攻撃する。
絵だけ見ればイケメンが女の子を口説いているように見えるのだが、本質を見れば知り合いの娘を褒めるおばちゃんのようだ。
「いえいえ、壊さんの方が凄いです。家事も完璧にこなして副業もやって、最近ヒーローに復帰したんですよね? 私だったら体力持ちませんよ」
ここ最近父から壊の話を聞いていた冬美は、素直に尊敬の念を伝える。
そもそも、お昼のテレビ番組で料理研究家としても登場する事もある壊。顔は知っていたが、まさか息子と弟が同級生だとは思ってもみなかったのだ。
「上手い手の抜き方を知っているだけさ。
今度教えてあげるよ」
「あ、嬉しいです! 是非教えてください!!」
主婦並みに家事が出来て子煩悩。性格も優しく、おまけにイケメン。この場で最も主婦からの支持力が高いのは、誰がどう見ても壊だった。
……誰も思うまい。
これが、敵には一歩間違えば殺してしまいそうな勢いで容赦がないで有名なヒーロー、分壊ヒーロー《ブレイカー》だとは。
「フンッ、そもそも貴様の飲み物はなんだ!? もっと強い酒を頼まんか!!」
壊の手に握られているグラスの中には、カシスオレンジ。カシスというアルコールをオレンジジュースで割ったカクテルだ。
アルコール度数もそう高くはなく酔いづらい、しかもジュースのように飲みやすい飲み物だ。
「良いじゃん、ここ最近あんまり呑まなくなったし、酔いすぎるのも怖いんだって」
「ハッ、昔はバーでブランデーの味比べをしていた男とは思えないセリフだ!!」
「ム、そういう炎司はなに呑んでいるのさ」
「決まっているだろう――男は黙って、焼酎だ!!」
そんな炎司の手の中にある飲み物は、焼酎のロック。
20〜25度のアルコール度数のこれをロックで飲むのが炎司は好きだった。
「炎司、若い頃から思っていたけど……おっさんみたい」
「俺がおっさんならば貴様もそうだろうが!!」
同い年なんだから!! と叫ぶ炎司に、近くに座っていた麗日の父親がまぁまぁと抑える。
「良えじゃないですか轟さん、今日はヒーローの卵を育てる親同士、仲良うしましょう。
この店意外と料理も美味しいですし! ねぇ、塚井さん!!」
ビールジョッキを傾けながら麗日父は、隣でワイングラスを揺らしている徒勝に話しかける。
「ええ、そうですね……私は正直こういう店に来た事がなかったので、少々心配ではありましたが、こういう料理が美味しいのは嬉しい誤算です。
……お酒は、ちょっと微妙ですけど」
流石に居酒屋で本格的なワインなどは出されないからか、少し残念そうではあるものの、料理が美味しいのはお世辞でもなんでもなく本当だ。
和洋折衷どころか様々な料理が揃っているこの居酒屋のジャンクな味わいは、思いの外徒勝の舌に合う。
「ブルジョワらしい意見だな!!」
「え〜、炎司言い方がちょっと失礼だし、なんか古いよ?」
「だ・か・ら!! 貴様は俺と同い年だろうが!! 一人だけ若いふりをするな!!」
この二人は、相変わらずである。
「あ、あの、動島さん、演習の話聞きましたか?」
女性の中には、少し申し訳なさそうにしている緑谷インコも座っていた。
「ええ、えっと、緑谷さん。授業前に相澤くん……担任から聞きました。
僕も息子同様、気にしてはいません」
『息子さんの過去の悲しい思い出を掘り起こし、傷を抉るような行動をしました。すいません』と、相澤らしく律儀に謝って来たのに、壊は少し苦笑した。
――正直に言ってしまえば、少し前だったら怒っていた所だろう。
妻の死をダシに使われたというのも確かにあるが、それ以上に息子を苦しめるかもしれない状況に追い込んだのだ、許せるはずもない。
だが、今は違う。
振武ならば大丈夫と心から思える。信じられる。
だから、謝罪をされ頭を下げられても困るくらいだ。
「……妻は、ヒーローでした。
武闘派ヒーロー《センシティ》。強く気高い女性でした……でも、皆さん。ヒーローを妻に持ち、ヒーローとして活動し、ヒーローの卵の息子を持つからこそ、言わせてもらいます。
――どんなに強くても、傷ついて、最悪の場合死ぬ事だってあり得ます。それは、今回の演習で理解していただけたかと思います」
全員が、静かにその話を聞く。
ある者は悲しそうに。
ある者は将来に起こりうる悲劇を不安に思い。
ある者は当たり前だと言わんばかりに鼻を鳴らし。
ある者はそれを真剣に、しかし冷静に受け止めている。
――どんなに強くても、どんなに優秀でも。ほんの一瞬、ほんの小さな隙や油断で人は死ぬ。どんなに強力な個性を持っていて防御力に優れていたとしても、どこかに必ず弱点がある。
そこを突かれれば、人間はあっという間に死ぬ。
妻が、そうであったように――。
「ここで僕達に必要な事は、ヒーローへの道を諦めさせる事ではありません。
――お恥ずかしい話ですが、僕は少し前までは似たようなことを思っていた人間です。死ぬくらいならば、ヒーローである必要性はないと」
誰かを傷つけ、人を殺してでも、生きて帰って来れるように。
あの時はそれが正しいと思っていたし……今のその考えが全面的に間違っているとは思っていない。
自己防衛。他人の命を守る前に、自分の命を守る。
ヒーローが自分の身を守る上で、最低ではあるものの、最後の手段として必要なものだ。それは壊の思想ではない。ある種この仕事を選んだ人間が最後の最後の選択肢としてついて回るもの。
「――でも、息子に怒られて、ちょっと考え方が変わりました。
僕は、信じて送り出します。時には自分に出来る手伝いをします。親が出来る事って、それだけなんじゃないかなって……随分遅い答えですけどね」
子の道を妨げない程度に、背中を押す。先の道を歩めるように手伝いをする。
それだけなのだ、親に出来る事など。
「単純で難しいですが……お互い、頑張っていきましょうって話なだけです」
「……それは、辛くはないですか?」
壊の言葉に、インコは悲しげな顔で聞く。
子供の命が危険に晒される。そんな選択をする子供を持っているからこそ、その辛さを感じないのか、と。
その言葉に、壊は笑顔を崩さない。
「辛いです。でも、息子は約束してくれました。
「自分も含めた全てを救う」って」
死なない。死なせない。殺させない。
この3つは、振武の根幹であり信念だ。
その言葉を口にすれば、それだけ背負った重みでは尋常ではないはずなのに。壊の息子は笑って歩き始めていた。
自分が想像したよりずっと、強い息子だった。
「……良い息子さんをお持ちですね。
昔から、息子さんは素晴らしい方でしたから」
八百万百の母の言葉に、壊は誇らしそうに笑みを浮かべる。
「はい! 妻に似てとても強い子です!!
いや〜、そういう所は僕に似なくて良かった!!」
戯けた言葉に、微笑ましそうに皆笑みを浮かべる。
いや、皆ではない。1人エンデヴァーだけは鼻を鳴らす。
「ハッ、あの女に似ているというのは、俺にはあまり良いとは思わんがな」
一見良い話に水を差すような言葉だが、壊はその素直ではない言葉に隠された本音を知っているので、なんとも思わず笑顔を浮かべる。
「炎司だって、覚ちゃんが可愛いのは知ってる癖に〜」
「眼科に行け……いや、なまじ顔は良い分行動がダメだったなあの女は。ならば脳の検査に行け」
「酷いなぁ。僕は一生覚ちゃん一筋なの知ってるだろう?」
「ほう、お熱いですねぇ! じゃあ、妻自慢でもしますか!!
私の妻は天然で可愛いですよ!!」
「おいやめろ、えっと麗日! その話を壊にするのは――」
「おっと、妻自慢なら絶対に負けない自信があります!
覚ちゃんを褒める要素だったら108は用意出来てますからね!!」
「煩悩か!!」
真剣な空気は霧散し、何故か男性陣で始まる妻自慢大会。
女性陣は女性陣で、「自分の夫はね〜」と楽しそうに惚気話をし始めれば、状況はあまり良いものとは言えない。
その姿は、不思議と1年A組の教室風景とどこか似ているあたり、「この親にしてこの子あり」という言葉は間違ってはいないだろうと分かるだろう。
◆
所変わって、学校の近所のファミレス。
普段から別に繁盛していないわけではなかったが、今日はいつも以上に賑やかだ。
理由は簡単。保護者達が飲み会に行って夕食が無かったりする生徒達が率先してプチ打ち上げをしようと宣言し、嫌がる爆豪なども引っ張って全員でご飯に来ているのだ。
22人の団体客などファミレスは想定していないので、席を無理やり繋げたりして対応している状況。ファミレス側からすれば、唐突な大繁盛に喜ぶと同時に、人手が足りなくて大変だった。
「動島、これ超美味いから食ってみろよ!」
「あ、私のもあげる」
「動島、ポテトあげるから元気をお出し」
「良いお母さんとお父さんを持ったんだなぁ」
「良い子に育って……」
「お前ら、保護者達と同じリアクションしないでくれない!? 慈愛に満ちた眼で見ないでくれない!?
あと誰だ食いかけのポテト突っ込んで来た奴ぶん殴るぞ!!」
今日の動島振武はいじられ役だった。
保護者達に優しくされたのもそうだが、壊のインパクトが大きかった。
びっくりだろう? 手紙読んだら3行目で目が潤んで、最後には普通に泣いてるんだぜ?
「ケロ、あのお父さんが動島ちゃんのお弁当を作っているのね……今度作り方を教えてほしいわ」
弟達に作ってあげたいと言ってはいる蛙吹に、振武は苦笑する。
「やめておけ。最初は喜んでも、作る側が気合を入れれば入れるほど、貰う側は冷めていく」
「実感伴い過ぎだろ」
瀬呂の言葉に、そりゃそうだと頷いた。
何度も言うが、父の事が嫌いなわけでも、父の料理が嫌いなわけでもない。
ちょっと愛情が、料理に込める情熱が過多で、それにちょっとだけうんざりしているだけだ。
「お前らも愛情過多の親を持ってみろ! 割と疲れるんだよ日々!!」
「いやあんな親多分お前だけだし」
無情なツッコミは振武を救ってはくれない。
ダメだ、今一緒に食事をしている
……あれで息子の命のためならば敵の命は計算に入れない、分壊ヒーロー《ブレイカー》とは思わないだろう。そもそも世代的に彼がヒーローだと今日知った生徒も多かった。
そしてそれ以上に、
「動島くんのお父さんは凄い人だよ!!
サイドキックを少数しか雇っていなかったしちょっとダーティーだったけど影で法律違反をするヒーロー達を自分が嫌われる事も気にせず次々と捕まえて彼の行動がヒーロー関係法案や規律強化見直しに繋がったその当時の社会を動かしたヒーローと言っても過言ではないし《分解》という強力な個性で戦闘能力も抜群で最近では料理番組を持ったりモデルとして活躍して主婦層から若い女性まで幅広い層に人気が出ているのはヒーロー界でも中々見かけないしそれに、」
「は〜い緑谷スト〜ップ!! 落ち着いて、ちょと恥ずかしいから」
振武の父が分壊ヒーロー《ブレイカー》だというのは、流石の出久も分かっていなかったらしい。それを知ってからもう大興奮。個性まで使用してダッシュで購買に行き、色紙とペンを購入してサインまで強請っていた。
今も興奮気味に色紙を抱きしめている。
書くなよ、父さん。
「武闘派ヒーロー《センシティ》かぁ……俺、実はセンシティ好きだったんだよなぁ。
格闘技使い始めたのってあの人の影響だし」
「あ、それ分かるわ! 俺の1番は
尾白と鋭児郎の言葉に、振武は嬉しさと同じくらいの恥ずかしさで顔を赤らめる。
親を褒めてもらえるのは嬉しいが、やはり同年代に正面から言われると少し恥ずかしい。
「センシティも凄い格好良いよね!!
静岡を中心に活動していたけど『超感覚』っていう一見単独で戦うには不向きな個性でどっちかって言えばサポートメインなはずなのに圧倒的な武術的な強さで克服しちゃった人でデビューしてからあっという間に名前が知られるようになったし生涯No.10を維持してたんだ今でもネットでは近接最強を決める時にオールマイトと同じく必ず名前が上がるほどで――」
「は〜い緑谷黙ろうね〜」
またもスイッチが入った緑谷の口の中に、さっき貰った食いかけのポテトを突っ込んでおいた。
「ハッ――親が有名ヒーローだからってなんなんだ」
先ほどまで不機嫌そうに黙っていた爆豪が声を上げる。
「んなのクソ吊り目とは関係ねぇだろうが……おい、調子に乗んなよ、クソ吊り目」
「おう、分かってるよ。俺は俺だ。ありがとうな、爆豪」
「あ゛ぁ゛? どう聞いたら礼が出んだよ馬鹿か死ね」
「? そういう贔屓目で見ないって事だろう? 喜ばしい事じゃねぇか」
「……っ!?」
しまったもっと言葉を選んで罵倒すれば良かったという顔をする爆豪に、振武は苦笑する。
こいつも、性根で優しい部分があるのだろう。そういう言葉がさらっと出てくる辺りを見ると。
「全く、素直になれない人間というのは嫌なものですねぇ」
そう言い始めたのは、百や焦凍と一緒にドリンクバーに行っていた魔女子だ。
「爆豪さんはその口調と自尊心を直さないと、いつまで経ってもクソ下水煮込みの称号が外れないですよ」
「魔女子さん!! クッ……その、それを直接言うのははしたないですわ!!」
「ほう、ではなんと言えば?」
「それは……なんと言えば良いんでしょう」
魔女子の軽口に、百は真剣に悩み始める。
そんな姿をよそに、焦凍はマイペースに振武に飲み物を手渡す。
「ほいよ、烏龍茶で良かったよな?」
「ああ、ありがとう」
本当は自分で取りに行こうと思ってたのだが、丁度3人が席に立ったのでついでに頼んだのだ。
3人とも、ドリンクバーに慣れてきた頃合い。そろそろ振武が付き添わなくても大丈夫だろうと思ったのだ。
丁度喋り過ぎて喉が渇いていたので、それを一気に飲み干し――、
「ブゴファ!?」
吹き出した。
「ちょ、動島汚いぞ!!」
「何してんのアンタ……」
近くに座っていた瀬呂と耳郎が使い終わったおしぼりで拭いてくれるのを尻目に、振武は噎せる。
烏龍茶。間違いなくお茶のはずだ。
なのに、異常な程甘かった。下手なジュースよりも。
「ゲホッ、ごめん2人とも――で、説明して貰おうか塚井」
拭いてくれている2人に謝罪をしてから、キッと魔女子を睨む。
「おやおや、私が悪いんですかぁ? 運んだのは私ではありませんよぉ」
白々しく言う魔女子から視線を逸らさない。
あの3人で飲み物を取りに行って、何かトラップを仕掛けるなら、魔女子以外に考えられない。
「ふざけんな何したんだよお前!」
「何もしていません。
――強いて言うなら、紅茶用のシロップを3つ入れてから混ぜて、2つを普通に入れて混ぜずに持ってきましたが」
「それだよ!!」
糖尿になるわ!!!!
「何を仰います。
良いですか動島くん。緑茶、紅茶、烏龍茶の3つは基本的に同じ茶葉です。違いは発酵の度合いや作り方。
不発酵茶が緑茶、完全発酵茶が紅茶。麹菌による発酵で後発発酵されたのが烏龍茶で、」
「だとしてもシロップは絶対に入れない!!」
例え製造法で微妙に変化しているだけで同じものだったとしても、同じ飲み方をするべきと言う話にはならない。
つうか、どっちにしても5個は入れ過ぎだ
「え? 「振武さんはこういう飲み方が好き」って仰ってましたけど?」
「ああ、普通はこういう飲み方するって」
天然2人はようは魔女子に騙されたようだ。
「塚井〜、ちょっと来い」
「拳を握ってどうしました動島くん。女性に暴力を振るうとは」
「大丈夫大丈夫、ちょっとウメボシしてやるだけから」
「なんなのか分かりませんが、文字通りの梅干しではない事は分かりますね」
まるでカバディのようにお互い距離を詰めるか離すかの大接戦(他のお客様のご迷惑にならないように極めて小規模に行っています)を繰り広げ始める。
今日はなんだかんだ言って、動島振武にとっては厄日だったらしい。
《動島壊のお料理♡コーナー》
壊『日々の料理、大変ですよねぇ? 毎日毎日お弁当を作るのも一苦労。そこで今日は、良い意味でお手軽で、美味しく、可愛いお弁当レシピをご紹介していきたいと思います』
振武「お手軽…だと…!?」(芸術作品のような弁当を見ながら)
次回! 振武が部屋の掃除をしているよ! 君も掃除しながら待て!!
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