plus ultraを胸に抱き   作:鎌太郎EX

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episode9 出来る

 

 

 

 

 ――三つ巴の戦いとプレゼントマイクは言ったが、彼らを狙っているのは別に彼ら自身だけではなかった。

 既にハチマキを取られているチーム。

 まだ自分のハチマキを持っているが、上位には届かないチーム。

 形勢逆転を狙う都合4チームが、第1種目で上位に並び立った4人のチームが睨み合っている所に突っ込んでいく。

 B組の拳藤一佳が騎手を務めるチームもまたそうだった。

 あの3チームは何かしらの因縁でもあるのか、睨み合って何やら話している状況。爆破の個性を使う男子生徒、爆豪のおかげで隙が出来た。

 今が狙い目。

 ……だがそれは間違いだった。

 

「取れ――「……やれ、上鳴」

 

 拳藤の声と、白と赤の髪の毛の男子生徒、焦凍の声が被って聞こえた瞬間、

 

 

 

 文字通り、拳藤チームも含めたその場にいる全チームに電流が走った。

 

 

 

「〜〜〜〜!!」

 

 全員がそれぞれ、声にならない悲鳴をあげる。

 死にはしないレベル。だが感電の感覚とは予想以上に強烈なものだ。筋肉は強張り、騎手のみならず騎馬達も含めた全員の足が止まった。

 

「残り6分弱。後は引かねえ。

 ――悪いが、我慢しろ」

 

 それは、先ほど拳藤が考えていた物よりも確固とした〝隙〟だった。

 足が、あり得ない速度で凍りつく。感覚は無くなり、指一本動かせない。

 やられた。第1種目でも使った技が、より確実なものとなって、拳藤も含めた4組のチームを拘束する。

 

「ついでにお前らのハチマキも、」

 

 動かない、いや動けずにいるハチマキを持ったチームの元に、焦凍の騎馬が近づくが――それを気楽に見続けていられない人間がいた。

 

「取らせるかよ、クソ半分野郎!!!!」

 

 BOOMという特徴的な爆発音を立てて、爆豪が宙に舞い、まるで川面に顔を出している岩に飛び乗っていくように、ハチマキを奪いながら他のチームの騎馬の上を跳ねる。

 焦凍が取れたのは、結局1つだけ。残り2つは爆豪に取られた。

 

「……どうあっても俺らにポイントは譲らねえってか。やっぱみみっちいな、爆豪」

 

「うるせぇ!! 俺が欲しいのは〝完膚なきまでの〟1位だ!!

 テメェにもデクにもクソ吊り目にも! 誰にも勝ち目なんざくれてやらねェんだよ!!!」

 

 瀬呂が飛ばしたテープで自分の騎馬に戻ってきた爆豪が、少し面倒臭そうにしている焦凍を睨みつける。

 

「……動島は、」

 

 視線を向ける。

 そこには、上鳴の放った電流にも、焦凍が放った氷結にも無傷な出久チームが、その場を離れようとしていた。

 しかし、この場での離脱は出来ない。

 

「させねえっ」

 

 一瞬で、氷の壁が形成される。

 振武の瞬刹と踏空を警戒してか、その壁は競技を行う舞台と観客席を隔てる壁よりも尚高い。

 逃さない。邪魔な爆豪をここでどかして、動島と出久のチームを確実に潰す。それが、轟焦凍の中では既に決定事項だった。

 

 

 

「……なんなんだよあいつら。本当にあたし達と同じヒーロー科かよ」

 

 

 

 氷結で動けなくなって最早再起は不可能になった拳藤は、小さく、しかし口惜しそうに呟いた。

 

 

 

 ◆

 

 

 

「G a A A a A a a A a !!!!」

 

 最初に放った猿叫で爆豪と焦凍を牽制する。

 騎手本人達は両手が空いているから効果が薄い。耳を塞がれれば、この猿叫もそれほど効果がないのは分かっている。

 だが騎馬は違う。

 騎手の体勢を維持し続ける為には、両手は常に騎馬の形を維持しなければいけない。

 故に、一瞬の隙が出来る。

 

「っ、行って!!」

 

 出久の言葉に従い、3人が同時に足を踏み出す。

 氷の壁の穴であると同時に、爆豪チームと焦凍チームの間をすり抜けようと足を進める。

 だが、それも通用しない。

 

「逃げんな、クソ吊り目、デク!!!」

 

 騎馬を全く意に介さない特攻。空中の爆豪は、大きな爆破を出久に直接向ける。それを、すぐ様常闇の黒影が抑え込む。

 それだけではない。

 

「――凍れ!」

 

 焦凍の個性で発生した氷が、まるで波のように出久達の足元に迫った。

 それを、

 

「――踏鳴!!」

 

 振動を纏わせた振武の踏み付けが邪魔をする。

 

「――まずいね」

 

「――まずいな」

 

 一旦距離を離すように後退した時、出久と振武が口にする。

 爆豪は勿論、焦凍も連携を取る気はさらさらないだろう。勝つのは自分だと思っているのだから当然だ。だが、1位を取るにはどうしたって出久の1000万ポイントが必要なのだ。必然的に2人ともこちらを狙ってくる。

 結果的な共闘。

 実際に共闘している時よりも連携は取れないものの、コミュニケーションに掛かる時間がない分、両者とも動きが素早く、2人とも自分自身の動きの阻害にならないように動いているだけではあるが、それが結果としてお互いの自由度を高め合っている。

 

「まずはあの壁を壊して囲いから出なきゃ……動島くん、常闇くん、出来そう?」

 

 出久の言葉に、振武と常闇が同時に首を横に降る。

 

「しっかり分厚く作ってある。とてもじゃないが、拳以外であれを壊すのは難しい。一時的に騎馬を解ければ余裕だが……許してもらえるか微妙だな」

 

 爆豪の跳躍が許されるのならばと思わなくもないが、それはあくまで騎手だからだ。前騎馬が抜けるのは許されるか分からない。分からない以危険な真似は出来ない。

 しかも、前騎馬が抜ける時の組み替えには、大きな隙が生まれる。

 そこを狙ってこない連中ではない。メリットとデメリットを考えればそれは愚策だった。

 

「同じく。――上鳴の個性と、先ほどの爆豪の攻撃で、黒影が弱っている」

 

 常闇の言葉と共に現れた黒影は、涙目で小刻みに震えている。

 ――黒影(ダークシャドウ)は強力な個性だ。しかしそんな個性にも当然弱点がある。

 黒影は闇が深くなればなる程攻撃力が高くなるが、それと引き換えに制御に苦労するほど凶暴化する。反面日光の中では制御可能にまで大人しくなるものの、その攻撃力はそう高くない。

 上鳴の電光と、爆豪の爆炎の光で弱っているのだ。

 

「あの2チームと争っている時点でかなりヤバい状況だったんだね。黒影の弱点がバレてるってことは無さそうだけど、動島くんは、」

 

「……爆豪はさておき、轟はなぁ」

 

 曲がりなりにも共闘、直接対決と色々晒している面は多い。細かい技や何かは、焦凍にも見せていない物が多々あるが、足運びや呼吸(タイミング)などは知られていてもおかしくはない。

 だが、それもこちらだけではない。

 焦凍の個性や戦い方を知っているのは振武も同じ。爆豪の戦い方や癖などは出久が熟知しているし、騎馬になっているクラスメイト達の個性も訓練の中で見ている。

 情報戦という意味では、どちらも互角。

 電光掲示板を見る。

 自分達が1位なのは言うに及ばず、2位は現在物間というB組生徒のチーム。3位4位は目の前にいる爆豪チームと焦凍チームが並んでいる。元々の点数が高かった事も含め、先ほど襲い掛かってきたチームのハチマキを意図せず半分こした結果だろう。

 魔女子は5位。細かいポイントを稼いではいるが今ひとつの状況だし、下の発目チームに下手をすれば抜かされる。

 どこまでが決勝トーナメントに進めるのかわらないものの、このままいけば自分達は余裕。

 ……このままいける、ならば。

 

「……取り敢えず、2チームと同時に戦っている状況が辛い。せめて僕がどっちかに専念できれば良いんだけど……」

 

 ポイントの関係上、出久達が無理にハチマキを奪うように戦う必要はない。この囲いから逃げるため、相手を退ければそれで良い。

 だが、クラスの実力者である2人の騎手を出久1人で相手するのは得策ではない。黒影はどちらかと言えば防御メイン、攻撃や払い除けに使えるほどの攻撃力はこの状況ではそもそも見込めない。振武は焦凍の氷結対応をして貰わなければいけないし、麗日は重量軽減の為入れたのであって、攻撃に期待出来ない。

 ……そう、出久なら悩んでいるのだろうな。

 そう振武は思っていた。

 緑谷出久は分析力とそれに基づいた作戦立案という点では、塚井魔女子にだって負けてはいない。むしろ完璧さではなく人間同士の信頼に訴えかけるのであれば、出久の方に分があるくらいだ。

 だが、その甘さが、むしろここで枷になっている。

 無理をお願い出来ない。生来の気弱さなのか、いまいち押しが弱いのが緑谷出久の優しさであると同時に、ここでは弱点になり得る。

 ……まぁ、振武が申告していない小技もあるからこそ、彼の中に選択肢が少ないのかもしれない。

 別に、意地悪でそうしているわけでは無い。明かさないのは決定力に欠けるからだ。

 振武は拳で戦う男だ。

 拳以外はまだ研究段階でしかない。不確定な技はあまり使いたく無い。

 ないが、

 

(今は、そんな事言ってらんないもんな)

 

 意を決する。

 

「緑谷、俺が轟の相手をする。お前は爆豪チームの方に専念してくれないか」

 

 なんでも無いように言った言葉に、出久も、麗日も、常闇すら驚く。

 

「む、無茶だよ!! 動島くん、騎手じゃなくて騎馬なんだよ!? しかも前騎馬!

 手が空いてない状態で戦えるわけ無いし……そもそも、騎手に攻撃届かんのちゃう!?」

 

 動揺して途中から関西弁が出ている麗日の言葉に、隣の常闇が同意する。

 

「俺が動くならばあり得るが、お前には難しいだろう」

 

 ……まぁ、この2人はそう言うだろう。

 苦笑を浮かべながら答える。

 

「まぁ、大丈夫だよ。俺の機動性なら飯田を抑え込みながら轟の相手が出来る。まだ見せてないもんもあるんだ。勿論、常闇や麗日のバックアップが前提になるけど……うん、ハチマキを取らなくても良いなら」

 

 逃げ切るだけ。相手を妨害するだけなら、振武にも出来る事はある。勿論、長時間相手には出来ない。一回の接敵で払い除け、そのまま機動力で相手を抜く。そういう戦法くらいしか取れないだろう。

 

「でも……で、デクくん! デクくんもなんか言うてよ!!」

 

 振武の言葉を聞いて黙ったままな出久に麗日が話しかけるが、出久は何も答えない。

 いや、考えに集中していた答える事が出来ないのだ。

 振武が諸々の小技などを隠している事を見抜いていた出久だ。情報はいくつか出ている。振武が口に出さなくても、振武が何をするのかは分かっているのだろう。

 

 

 

「――出来るんだね(・・・・・・)、動島くん」

 

 

 

「――やるんだよ(・・・・・)、緑谷」

 

 

 

 言葉は少ない。

 それほど仲良くもない。クラスメイトになって話すようになったが、時間としては長くない。いつも一緒にいるメンバーではない。

 それでも、この場では、その言葉だけで十分だった。

 

「……動島くんは移動する時にちゃんと指示だして、麗日さんは、それに合わせて。常闇くんは……大変だろうけど、僕と動島くん両方のフォロー。何かあった時に対応出来るように」

 

「……分かった」

 

「い、良いの、デクくん?」

 

 常闇は不承不承納得するが、麗日は不安げに出久の横顔を見上げる。

 その麗日に、出久は笑顔を浮かべた。

 

「大丈夫――信じるよ、動島くんを」

 

 

 

 

『さァ残り時間約1分!! 驚くほど拮抗したこの状態を、覆すことが出来んのか!?

 つうか、正直ここまで生き残ると思ってなかったぜ、緑谷チーム!!』

 

 

 

 残り時間は、多くはなかった。

 

 

 

 ◇

 

 

 

 舞台の中心で三つ巴が起こっている最中、こちらもこちらで、奇妙な拮抗状態を生み出していた。

 

「――っ!!」

 

 他2チームのサポートを受け、物間が魔女子の騎馬に接近する。

 何度も起こった攻防。

 物間は事前にB組何人かの個性をコピーしている。5分という限定付きだが決して油断出来ない相手だ。万全にする為にも他にも使えそうな個性はコピーして挑んでいる。

 しかし今それは十全に機能しているとは言えない。

 先ほど触れてコピーした爆破の個性を使い、魔女子の上体を崩そうとする。

 威力だけで言うならば、魔女子には為す術も無く倒されるほど強力なそれは、しかし目の前にまたしても広がる様々な色に染まった壁に阻まれる。

 鳥の群れ。

 物間は動物に詳しくないので分からないが、手のひら大の小さな小鳥の群れが、両者の話が終わった瞬間に放たれ、3チームを撹乱する。

 サポート出来ないわけではない。だがその鳥の群れの妨害で、物間達はハチマキを取る事が出来ていなかった。

 しかも、

 

「〝バブルショット・アサルト〟」

 

「っ――円場! 防御!!」

 

「あいよ!!」

 

 物間チームの前騎馬を務める円場硬成が、その声に応えて息を吹き出す。

 空気凝固という個性を持つ彼の壁は、一時的にではあっても泡吹の泡を防ぐ。それで、無理やり距離を取った。

 

「……3チームで相対してこれか。流石魔女、地味に頭良いよね」

 

 騎馬は地味に鉄哲の所為でブレずに前に進む。

 泡吹の狙いすました攻撃で密着している事が出来ない。

 おまけに、魔女子の撹乱が上手い事状況をコントロールしていた。

 襲ってくるチームが1つに絞れるように他のチームを鳥の群れで妨害し、残りは自分のハチマキを取られないように最低限の防御に回す。

 しかも魔女子の個性はコピーしても、物間は動物に詳しくない所為で上手く使い魔を形成出来ない。出来ても制御出来ない。戦いながら制御していれば何方かが必ず疎かになる。

 生き物を一時的に生み出して使役する個性だとは知っていたが、ここまで難易度の高い個性だとは思っていなかった。

 まるでクロスワードを解きながらリフティングしているような状況。

 こんな状況で彼女は指示まで飛ばしている。

 

「……やっぱり魔女だよ、君」

 

 憎まれ口を叩きながらも、どう攻めて良いのか必死で考え続けていた。

 

 

 

 

 

 

 対する魔女子も、良い状況とは言えなかった。

 このチームははめ殺し専門。直接対決の決定力に欠ける。現状では「取られない」状況を維持する事は出来ても、「突破」あるいは「相手のハチマキを奪取する」事は難しい。

 鳥の群れは小型の鳥を選んで集団で飛ばすのが精一杯で、一匹一匹を細かく操る事は出来ない。撹乱を止めれば、真っ先にこちらが狙われる。3組の相手は流石に出来ない。

 

「オイッ、どうすんだ!! こう動きっぱなしじゃ、俺はともかく泡吹と心操が保たねぇぞ!!?」

 

 鉄哲の言葉に、魔女子はちらりと左右を見る。

 呼吸が関わる個性を持っている泡吹は、体力そのものは大丈夫でも少し顔色が悪く息も荒い。このまま動き続けながら個性を使えば、間違いなく酸欠状態になり、騎馬が崩れるだろう。

 一方の心操はそもそも訓練や体力作りが日常的なわけではない、何せ普通科なのだ。おまけに体力の関係ない個性なせいか肩で息をし、目に見えて疲労している。

 ここまで動く予定ではなかった。その見通しの甘さが、今の状況を作っている。

 

「……安心してください、鉄哲さん。考えてはあります」

 

 ――それに関して何も考えていない魔女子ではなかった。冷静な言葉で焦る鉄哲に言うと、泡吹の方を向いた。

 

「泡吹さん、もう少しだけ頑張ってください、貴女にはギリギリまで援護して貰わなければいけません」

 

「……勝て、るの?」

 

 息荒く訊いてくる泡吹の目は、話し声とは違いブレずに真っ直ぐにこちらを見ている。

 他の人が見ればどこか焦点が合っていない、俗にいう「ぼおっとした目」に見えるのだろうが、その奥の方にはこちらを値踏みするような冷静さがある。

 当然だ。その冷静さも含めて魔女子は彼女をスカウトしたのだ。

 

「はい、彼らは私達を見ているので、大丈夫でしょう。おそらくこちらの細かいポイントも掻き集めて2位というポジションを盤石にしたいのと、何をしでかすか分からない私を最後まで他のチームにポイントを餌にして押さえつけさせたい気持ちがあるんだと思います。

 だからこそ、攻めれます」

 

 上位陣を狙う気がないのだ。彼らは1位にしか興味がないのもあるが、上位陣よりも魔女子の方が邪魔だと思っているのだろう。

 彼の友人は、一体自分をどんな風に伝えたのか。土壇場で奇跡でも起こす本物の魔女とでも思っているのだろうか。

 ――それが、好都合だ。

 泡吹もそれが分かっているのだろう、少し逡巡するそぶりを見せてから小さく頷く。

 

「そして心操さん……当初の話とは違いますが、貴方には最後の最後の〆でもお願いしようと思います。貴方の個性は、そういう単発で便利ですからね」

 

「さ、流石に3つの騎馬を、一気に、操るのは、……っ、無理っ」

 

 泡吹以上に荒い呼吸で答える心操。想像以上に体力がない。

 これで決勝に行こうと最初に思っていたあたり、考えが甘いなぁと思わずには……いや、こちらと組まなければ騎手をやっている予定だったのだからそうでもないか。

 

「そこまで高望みをしているわけでは無いです。ちょっと騎手の気をそらしてくれているだけで十分です。それまで動き回る事になりますが、出来るだけ耐えて、最後に個性を使えるようにしておいてくださいね」

 

「無茶、言うよなっ、お前……そもそも、どうやって、取る気だよっ」

 

 荒い息で反論される。

 その反論は至極当然だ。今この場で取れない自分が騎手を止めて取る事が出来るのか。騎手を止めても騎馬がいる。しかも心操の個性は少しの衝撃で解除出来る脆弱なものだ。振動激しい騎馬の上ではすぐに解除されてしまうかもしれない。

 そうでなくても、不自然な様子に気づいた仲間に起こされるだろう。

 

「ご心配なく、すでに手は打ってあります。あとはタイミング……決定的に隙を作れる。そう思った時にしか効果がありません」

 

 失敗すれば。

 失敗すれば、それこそ自分はハチマキを取られて終わりだろう。そうなれば決勝トーナメントには進めない。

 自分の今回の目的の舞台はあくまで決勝トーナメント。こんな場所でいくら〝彼〟に勝っても意味はないが、ここで負けたら根幹から崩れる。

 絶対、勝たなければいけない。

 少しの油断も許されない。

 

「大丈夫ですよ、皆さん。信じてください……は、無理でしょうけども。

 私は、出来ない事はしない主義です」

 

 魔女子は、いつもの無表情……ではない。

 その眼には、普段では表さない、

 

 

 

「――つまり、これは〝出来る〟という事です」

 

 

 

 闘志が宿っていた。

 

 

 

 

 

 




途中までは細かい順位の変動からポイント計算までしていたのですが、流石にそこまで考えていると時間がかかり過ぎるし書けないし! と思ってふんわりです。
さて、三つ巴の結果は?
魔女子は何を考えて動いているのか。
どうかお楽しみに。

……話の長さ的に、次回予告を久々にクリア出来なかった……。
次回こそ、マジックハンド大活躍!!


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