実況パワフルプロ野球‎⁦‪-Once Again,Chase The Dream You Gave Up-   作:kyon99

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 三十話突入!
 恋恋高校VS球八高校―――。


第30話 VS 球八高校

 天気は連日の晴れ模様とは一転、夏の空とは思えない雨雲混じりの灰色の雲が空を覆っていた。

 耳元を掠める風は少し冷たさは夏の終わりを告げて次の秋を誘うかの様に感じてしまい何処か寂しい気持ちになる。そんな中、俺たちは球八高校との練習試合を迎えていた。

 試合前のウォーミングアップを済ませ、試合に備えて意識を段々と集中させていく。一塁側に座る恋恋高校のベンチには、いつもと少し違うただ寄らぬ様子が伺えるのも、それは夏の大会に起こった早川の問題を乗り切り、早川を再び部員として復帰させる事が出来、再スタートを切る事になった俺たちにとって、今日の練習試合が最初の試合になる訳で、それを皆もキチンと意識出来ているだけで成長したと言う実感が湧き上がる。

「よし、それじゃあ今日のオーダーを発表するから皆、集まってくれ!」

 深呼吸し、俺はベンチに向かって声を張り上げた。足早に目の前に集まり俺は全員の顔を見つめながらニヤリと口元を緩めてしまう。

「よし、揃ったな。今日の試合はお前達が思ってる通り大事な試合だ。夏の悔しさを胸にきつい練習を積んで来た、だからこそ今日はその鬱憤をこの試合で吐き出してくれ!」

「オゥ!!」

 俺の言葉を受けて全員が威勢の良い声を張り上げて返す。予想以上の活気の返事に対してまた口元が緩そうになったが、チームのキャプテンとして、また試合の前ではそんな表情は見せる事は出来無かった為、ギュッと堪えながらオータを読み上げる。

 

 一番 センター 矢部明雄

 

 二番 セカンド 海野浩太

 

 三番 キャッチャー 星雄大

 

 四番 ファースト 小波球太

 

 五番 レフト 山吹亮平

 

 六番 ショート 赤坂紡

 

 七番 ライト 御影龍舞

 

 八番 サード 毛利靖彦

 

 九番 ピッチャー 早川あおい

 

 見た通り今までのオーダーとは少し変えている。以前まで二番に座っていた星と三番を任せていた海野の打順を変えたのだ。昨日の打撃練習を見てそつなくこなした海野に二番を任せることでチャンスの場面をより一層作りやすいのでは無いのかと言う考えに至った。そして、チャンスに滅法強い星が次に控える事で確実に一点を取りに行く攻める戦法を取ったのだ。今はまだこの采配が上手くいくかどうか不安はあるのだが、普段の練習では得ることの出来ない経験を積むには、この様な練習試合でしか試す事は出来ない。

 守備陣も僅かだが変動がある。初心者組で練習を熱心に積んでいる古味刈には悪いが、守備面ではフライは愚か、ゴロを取るのにも未だにおぼつかない為、今回はベンチスタート、その代わりに外野全般を得意と入部時に自己アピールで語っていた一年の御影を初スタメンで使うことにした。

「よっしゃー! このオレ、星様が球八高校をギャフンと言わせてやるぜ!」

 星が威勢良くバットを振り回してやる気十分息巻くのは大層ご立派な事だが……星、言っておくが俺たちは後攻だぞ。

 そんな茶番は良いからさっさとキャッチャーのプロテクターを付けてくれ。

「それよりもオイラ、一番気になってるのが矢中くんでやんすね。あおいちゃん、矢中くんはどんなピッチャーなんでやんすか?」

 矢部くんがグローブを左手にはめた時、早川にふと尋ねる。それは俺も少し気になっていた事だった。同じ中学を通っていた早川なら、今現在、どのようなピッチャーなのがは不明だが矢中のピッチングはある程度、把握しているはずだからな。

「智紀くんは、ボクと同じアンダースロー投法で、投げれる変化球は……四種類位かな? 兎に角、打ちづらいアンダースロー特有のストレートが特徴的だったはずだよ」

「同じアンダースロー……ね」

 ファーストミットに手を伸ばし早川からアンダースロー投法と聞いた時だ。ピン、と一つ頭の中で思い出した事がある。それは、リトルリーグ時代、おてんばピンキーズには二人のアンダースロー投法のピッチャーが居たのだが、その内の一人が早川だと言う事は高木幸子と一打席勝負をする前に解ったが、そのもう一人が矢中智紀だと言う事だった。それにしても本当に世間は狭過ぎるだろ……。

「まあ、今日の試合はオレに任せな! オレは早川の球を何十球、何百球と受けて来てるんだからよ! やなきともかだったか? そいつからホームランを大量生産してやるぜッ!!」

「誰でやんすか? 『やなきともか』って? それを言うなら、矢中智紀でやんすよ!」

「――ッ!? バ、バカ野郎! 試合前の場を和ますジョ、ジョークに決まってんだろ!」

 いや、今のは完全に素で間違えたな。

 星の奴、顔を真っ赤に染めて否定してるやがる。オマケに耳まで真っ赤だ。全く、ここまでいい雰囲気で来ていたのに星のいつもの調子で台無しだな。

 ま、これもある意味恋恋高校らしいと言えばらしいのかな?

「ねぇ、それより球太くん」

「……ん? おう、どうした?」

 哀れむ様に星を見ていると、早川が俺の肩をちょこんと指先で突きながら名前を呼んだ。あの日の夜以来、俺の事を「小波くん」から「球太くん」へと呼んでいるが中々慣れないせいか返事が鈍ってしまった。

 それに早川が「それより」と付けて呼んだ事からすると、星の旧友の名前の間違い発言にはどうやら何もツッコミすら入れないのだな、と見た。

「智紀くんには勿論、注意はしていて欲しいんだけど、ツネくん……いや、中野渡くんは元バッテリーで守備は鉄壁、オマケにミート力は抜群でバントも上手いんだ」

 不安げな表情を見せながら早川が言う。それもそうだ、球八高校打線は簡単には抑えられ無いだろうとはある程度予測は出来ていた。何故なら向こうのエースである矢中智紀は、早川同様アンダースロー投法を用いるピッチャーである事、チームメイトも何度か打席に立ったりしていて目を慣らしているはずだし、同級生が二人もいるし癖も見抜かれている訳で、やや不利な状況だ。

「なるほど、な。お前が不安なのは解るぜ。でも早川、そう不安がるなよお前だって確かに成長してるよ。それにさ、自信なくたって別に良いじゃんかよ、お前が頑張ってる事くらい俺は解ってる」

「……」

「その努力を自信に変えるのはお前自身だ、早川。俺はその支えになれるだけで良いんだよ」

 と、歯を出すように笑ってみる。俺自身、そんなに歯を出して笑うタイプではないが、今の言葉は割と本心で言った言葉だが……。

「ありがとう、やっぱりキミって優しいんだね」

 ニコッとした表情をみて俺は安心した、どうやら、言葉は伝わったらしい。

 最近、ふと思う……。

 早川の笑顔にドキッとしてしまう事に……。

 

 

 正午を知らすサイレンの音と共に、恋恋高校対球八高校の試合が始まった。

 先攻は、球八高校だ。

 

 一番 セカンド 塚口遊助

 

 二番 ショート 中野渡恒夫

 

 三番 センター 藤原克樹

 

 四番 キャッチャー 滝本雄二

 

 五番 ピッチャー 矢中智紀

 

 六番 ファースト 田里豊

 

 七番 ライト 座安直樹

 

 八番 サード 服部大

 

 九番 レフト 如月恭一郎

 

 

 緊張感を漂わせる第一グラウンド、生憎の天気ではあるがやはり、グラウンドの真ん中に立つもうだるような熱気に包まれている様に空気が揺らめいている。恋恋高校のエースナンバーを背負う早川はチームカラーでもあるピンク色の長袖のアンダーシャツの袖で汗を拭い、丁寧にトントン、とロージンに触れて馴染ませる。

 頬を膨らまて小さな息を吐き、ぐるりと辺りを見渡せしてみた。この前とは違う観客誰一人も居ないグラウンドであり緊張が解した。

 球八高校の一番打者の塚口遊助が右打席に構える所で、早川の碧く大きな目は、目の前に構えるキャッチャーである星のミットに照準を合わせた。

 初球、インコースにボール僅か一個分外れたボール球を放り投げた。塚口は咄嗟にバットを振り抜き、金属音を立てて、打球はサードのファールゾーンへと転がっていく。

 一個分外れたボール球を躊躇無く降っていく辺り、塚口遊助は積極的に打ってくるスタイルらしく、先頭打者では中々珍しいタイプだ。

 続く二球目、緩めのカーブをバット先端に引っ掛けてセカンドフライに打ち取って、まずワンナウトとなる。

 二番は、旧友の中野渡。不敵な笑みを浮かべながらツバの先端を摘む挨拶を交わすと、塚口と同じく右打席に構える。星からのサインはアウトコースに落ちるシンカーが指定される。

 コクリ、早川は頷き、アンダースロー特有の低いリリースポイントからボールが放たれた。

 外角低め、狙い通りのコースにボールが走る。今まで得意として来た早川のシンカーを知る中野渡は変化パターン、キレ、速度と全てを頭の中で計算をして得意のミート打ちでバットを出した。だがボールは、中野渡の予想を遥かに凌ぎ、まずはカットするつもりだったのかもしれないが、タイミングを狂わされてバットは虚しく空を切り、空振りワンストライク。

 予想を超えていた事に驚きを隠せず、ツーストライク、ツーボールと並行カウントとなり再び冷静さを取り戻す。そして、四球目。昔馴染みの勘と言うのだろうか、臭い球は全てカットされて行く。もう既に中野渡に対して九球目を迎えた。そこで星は、ここで早川の今現在で得意とする「Hシンカー」のサイン。早川の頬が少し緩んだ。緩む表情を見て、中野渡は「奥の手でもあるのか?」と眉を寄せ上げる。

「新種か、それともハッタリか」中野渡の脳内では二択に分かれていたが、どうでもいい。来た球を打ち返せば済む話、と強くグリップを握りしめた。

「あっ!!」

 放り投げた瞬間、早川は声を出す。気合を入れた僅かな力がシンカーの回転力を殺してしまったのだ。言わば、棒球だ。

 当然、今はプレー中、タイムと言って試合が止まる程優しいスポーツでは無い。中野渡はテイクバックを取り、一心にバットを振り抜く。

 ――キィン!!

 会心の一撃とも言える金属音は、勢いを増してレフト、山吹の頭を超えるホームランとなった。

「力み過ぎだァ!!! どアホ!!!」

 星がマスクを右手に持ちながら怒鳴る。

 早川がきょとんとした顔つきになった。

 

―――――

 

 

「やりぃ! ツネの奴、打ちやがったぜ!」

 ワイワイと喝采を送るセカンドフライに打ち取られた塚口が喜ぶ姿を横に俺は黙ったまま腕を組みベンチに腰掛けて、打たれて落胆の表情を浮かべるあおいを見ていた。

「あのシンカーは、ストライクにならなきゃ意味が無いよ」思わず、言葉が溢れる。

「ん? どういうこった? それは」

「シンカーはあおいの得意球なんだ。恐らく今のは最近取得したであろうHシンカー。それをツネに打たれたとなると……相当なショックを受けるだろうね」

「え、そうなのか? 俺には……さっぱり分からん」と首を傾げる辺り流石、遊助だ。

「最も自信のある決め球を打たれると、通用しないんじゃ無いかって不安になるのさ」

 さっぱり理解できない遊助に対して、俺はやや苦笑いを一つ零して、ダイヤモンドをゆっくりと走るツネに目を向けた後、マウンドに立つ早川に目を移した。

 今のは確かにツネからストライクか空振りのどちらかは取りたかっただろうな。それにしてもシンカーを超えたHシンカーをいつの間にかに取得していた所からすると、あれがあおいの一番の勝負球なのだろうか……? だとしても出すのは少々早過ぎる気もするが、ツネや遊助のような右打者に対して内角低めに球速が速く落ちるアンダースローのシンカーは、厄介な存在だ。低いリリースからライズして行く上、急速に落ちていく様に変化する為、起動も読みづらいだろう。逆の左打者なら外角に落ちていく為、その効果はより一層、厄介だ。

 失投したとは言え成長したな、あおい。

 でも、俺は残念ながらそれ以上、成長しているよ。

 

―――――

 

 結局初回は、中野渡にソロホームランを打たれて一点失点で切り抜けた。後続の藤原をファーストゴロ、滝本にはフォアボール、矢中にはライトライナーと抑えてなんとかスリーアウトを取った――さぁ、反撃と行こう。

 曇り空は時間が経つと共に灰色が濃くなっていく。そしてマウンドに立つのは球八高校のエースである矢中智紀。

 既に完成されたアンダースローのピッチングフォームの綺麗さに思わず拍手を贈りたくなる程だった。身長は今時の高校生と比べると低めだが、侮れない実力を兼ね備えているのは確かだ。球速は早川と対して変わらないが圧倒的に変化球の球種とキレ、コントロールを持っている。

「それじゃ、オイラ。行ってくるでやんす!」

 一番打者には矢部くんが、先陣を切るようにバッターボックスへと駆け向かって行く。今日の矢部くんは何処かやる気に満ち溢れている気がするのだが、例えば星が矢中の名前を間違えた時の素早い指摘などだが……俺の気のせいだろうか?

「なぁ、小波。矢部の奴、なんであんなに張り切ってるか、分かるか?」

 後ろのベンチに腰をかけていた毛利がニヤニヤと気持ち悪い顔を浮かべて話しかけてきた。

「さぁ? なんかいい事でもあったのか?」

「それは、アレを見れば分かると思うぜ?」

「アレ?」

 毛利が指を指す。

 差した指先を視線で辿っていくと、そこは三塁側の球八高校のベンチを指していた。

 そこに一人の女子生徒の姿が在った。

 遠くに居てもそれは、ハッキリと見えて分かる程の透き通るほど綺麗な栗色の髪、少し気の強そうなキリッとした瞳を浮かべ、夏の制服に身を包んで隠れる胸は、少し自己主張が激しく見えた。

「誰?」

「あれは、球八高校のマネージャーで学校ではアイドル的存在の神島巫祈(かみしまみき)ちゃんだ! 因みに彼氏はいないらしくて胸はDカップ! オマケに中学生の妹もいるらしくて、その子も超絶美人らしいぜ!」

 自慢気に語る毛利。

 どこでそんな情報を手に入れたのか知らないが……星と言い矢部くんと言い……ここは野球部だよな? 彼女作る為の恋愛相談所に来ました、的なノリの奴等が多いぞ。

 そんな事に気を取られている内に、矢部くんがベンチへと引き下がってくる。どうやら三振に倒れてしまった様だ。

「どうだった? 矢部くん。矢中のピッチングを目の当たりにしてみて」

「うーん。あおいちゃんが言っていた通り、アンダースロー特有のストレートにどうしても体が拒んでしまって手が出ないでやんす」

 困惑した顔の矢部くん。

「下から上に上がってくるライズボールか……かなり苦戦を強いられそうだ」

「それに抉ってくるし、体感速度はかなり速く感じるからね……」

「でも次は、打てるでやんす!」

 キリッと太い眉毛を尖らせながら言う。

「矢部くん・・・・・・」

「なんせ、神島巫祈ちゃんを前にしてるでやんす。普段接点の無いオイラからしてみれば、良いところを見せたいで―――ぎゃふ!!」

「もう! ふざけないの!」

 早川の鉄拳制裁を喰らい、言葉を遮られた矢部くんたが、これに関しては全く同情の余地は無い。

「球太くんも試合前に言ってたでしょ? 大事な試合なの!」

「それより、早川さん。あなた、いつの間に小波くんを球太くんって下の名前で呼ぶ様になったのかしら?」

「―――えッ!?」

 今の今まで暑さで倒れた七瀬の看病をしていて姿を見せなかった加藤先生が、此処に来てグラウンドに姿を現したのだ。

 冷やかす様な視線で俺の事をチラッと見ると、少し口元は笑っている。

「そ・・・・・・そ、その! な、何でもないんです!」

 早川、お前……明らかに動揺し過ぎだ。赤らめると逆に俺も恥ずかしくなってくるだろ。

「ふぅ〜ん」

「本当です!」

「ま、いいわ。七瀬さんはもう体調は回復したから時期に此処に来るわよ。それにしても酷い天気ね……あら、嫌だわ。雨が降ってきたわ」

 手のヒラを差し出して、これ程かと言いたくなるほど、不機嫌そうな顔で加藤先生が空を見上げて呟いた。

 ポツリ、ポツリと雨雲から地上へと雨が降り注いで来たのだ。この程度ならまだ練習試合は出来るなと思っていたが、俺の思いを吹き飛ばすかの様な強い風が吹くと、雨足もかなり強まっていく。

 

 やがては俺たちも球八高校も練習試合を一時中断し、ベンチで待機する事になった。

「どうすんだよ! この雨じゃ試合もロクに出来やしねぇぞ?」

 苛立つ星。ま、怒るのも無理はない。折角、海野が内野安打で出塁して打席が回ってこれからだという時にこの豪雨だ。それに試合前はホームランを大量生産すると豪語して名前を間違えるハプニングをしていたのに、な。

「ん? コッチに歩いてきてるのは、矢中くんじゃないでやんすか?」

「本当だ、智紀くんだ」

 早川と矢部くんが言葉を放つ。どうやら試合中止の話でもしに来たのだろうか。

「これは、酷い雨だね」

 やや口角を上げて、矢中が言う。

 やや目線は下がるものの……やはり身長は小さい。

「そうだな。この雨はもう暫く止みそうにもないし……今回は見送りにするか?」

「残念だけど、そうしよう」

 お互いに握手を交わす。まだやり足りないと言うのは強く握る熱さで伝わった。

「…………!」

 やっぱり、コイツ。

「あおい。久しぶりの再会して初めて戦うことが出来たのに生憎の天気で残念だけど、またお前が野球を始めてくれて嬉しいよ」

「智紀くん」

「弟の龍喜にも伝えておくからさ、次は春の大会で会おう」

「そうだね。次に戦う時は、今日みたいにはさせないからね!」

「……ああ、それは楽しみにして待つとするよ」

 ニヤリと笑う矢中。

「それじゃ、俺たちは行くね。それじゃ、あおい、小波くん。また戦おう」

「ああ、そうだな。次に戦うまでには『凄い球』見せてくれるんだろうな? 矢中」

「――。なる程ね。流石は小波くん、と言っておくよ。この球は、まだ投げたくない大事な切り札なんでね」

「そうか、それは悪かったな」

 

 

 こうして、球八高校との練習試合は意外な幕引きとなり、俺たちの夏の合宿はこうして終わる事となった。

 合宿をしてどんな成果を得たのかは、まだ未知数だが、僅かながら一歩、小さな一歩は確かに歩んでいると強く確信した。それに、矢中智紀の切り札と垣間見れる日が来る楽しみも増えて、俺たちの二年目の夏は完全に終わり、次なる季節は秋を迎える。




 Next Story……秋は、恋の季節!?

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