実況パワフルプロ野球‎⁦‪-Once Again,Chase The Dream You Gave Up-   作:kyon99

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 ――合宿二日目。
 昔の仲間と出会うのは、突然か偶然か。


第28話 早川あおいは、昔の仲間と出会う。

 

 合宿二日目を迎えた。

 午前六時と朝早くから身支度を整え外周のランニングから身体を慣らし、浜辺で五十メートルダッシュを行い朝飯を食べてから午前中の練習メニューが本格的に始まった。

 まず野手陣はバッティング練習を行っていた。

 早川と星はブルペンでピッチング練習を行わせる予定だったが、星はバッティングがやりたいと駄々を捏ねたので代わりに椎名をマスクを被せピッチング練習をしている。

 種類豊富に揃っているバッティングマシンは全てミゾットスポーツ社の選りすぐりばかりだった。

 そんな中の最も適した「球青年」と呼ばれる百三十キロ〜百四十キロのストレートがランダムで投げ出され、変化球はカーブ、スライダー、時折フォークボールを投げるマシンを立たせ、野手陣には定位置を守らせた。

 これで打撃と守備の両方の練習が出来る。

 俺はファーストの定位置につく頃、最初に打席に立った海野から直ぐさま金属音が飛び交った。

 変化球のレベルはやや低めに設定されているだけに目が慣れるのは早いが『ドライブ・ドロップ』を投げる極亜久高校の悪道浩平、『真魔球』を投げるときめき青春の青葉春人の二人のオリジナル変化球は、これ以上である事は全て頭に入れながら打席に立たせている。

 ■ 恐らく両者とも前に戦った時と比べて更に磨きを掛けてくるに違いない。

 ——だが、せめて起動さえ読み取ってくれれば打ち負ける事は決してないと、少なからず俺は思っている。

「くそっ! 全然当たらねえぜ! おいおい! コレ、ぶっ壊れてるんじゃあねェのか!?」

 打席に立って百三十キロ中盤のストレートを空振りして、二番目に打席に立った星が吠えるように叫ぶ。

 壊れてる壊れてる、としつこく言う星ではあったが、かれこれ十球連続で空振りしてる腹癒せだろうな。

「星! 頭の中で二塁か三塁に、ランナーがいると想定してバットを振ってみろ!」

「――あんッ?」

 俺はそうアドバイスを促す。

 星は顰めっ面を浮かべ明らかに舌打ちをし二、三回程素振りを見せながらバットを握りしめてボールを待った。

 球青年から放り出されたインコース低めに落とされるフォークボールを掬うように星はバットを振り抜いた。

 真芯で捉えた心地の良い金属音が響くと共にセンターで構える矢部くんの頭上を越えてバックスクリーンへと突き刺さる大飛球を飛ばしてみせた。

「よっしゃー! 見たかテメェら! これが、星雄大様の実力じゃい!」

 十一球中一球と芳しくない成績だが、ようやくホームランを打ったことで喜ぶ星は、高笑いを浮かべながら天に向けてガッツポーズをしていた。

 これで把握した事が一つある。

 星の勝負強さは本物であるという事だ。

 俺のアドバイスで星に頭の中でチャンスの場面を想定させた途端にこの当たりだ。

 星はランナーがいると打者としての能力が格段に上がる事。

 確実に点を取る為にはやはり一番、二番打者には確実に塁に出れる奴じゃないと先手必勝は狙えない。

 そして、満足してブルペンへと戻って行く星の後続には矢部くんに打席に立って貰った。

 打撃センスはお世辞でも良いとは思わない矢部くんだが、去年と春先に比べれば確実に実力を上げている。

 特に矢部くんは、ときめき青春高校戦で三森兄弟が見せた技を次の流星高校戦で見せつけたとっておきの盗み技がある。

 これから更にミート力を上げて自慢の脚を上手く使えれば攻める戦略も広がっていく事が出来るはずだ。

 矢部くんは十球中、ヒット性の当たりは二球とも上手くカーブボールを捉えただけで、ストレートには滅法弱いと言うこれからの課題が見える成績を残した。

 矢部くんの後に毛利、古味刈の初心者組の打撃練習をして、俺と早川を残す全員の打撃練習が終わった所で、早川の順番になったのだが、打撃には自信がないと言って拒んだ為、次に俺が打席に立つことなった。

 右打席に立ち、十八.四四メートル離れている球青年を睨んだ。ギギギ……と軋む音が聞こえると、マシンから繰り出される真ん中低めからアウトローへと逃げるように曲がるスライダーを上手く叩き、ライトの頭を越えてフェンス直撃の好打球させる。

 よし! バットもいい感じに振れているぞ。

 続く二球目――。

 インローの百四十キロに近いストレートを上手くレフトスタンドの中段へと打ち込む事が出来た。

 そして、俺の結果は十球中七球、その内五球は柵越えとチーム内トップの成績を残す事が出来た。

 球青年では物足りず、プロのバッターがよく使うと言われている柔軟派のピッチングマシンである「球仙人」に挑戦しようと試みてみたものの生憎その「球仙人」は貸し出し中で置いて居なかった。

 

「アホかテメェは! ほぼホームランじゃあねェかよ! こんなんじゃあ、俺たちの守備の練習にならねェだろ!?」

「そう言われてもな……」

 打撃練習の終わりを告げ、俺はヘルメットを取りベンチに引き返そうとした時だ。星が悔しさを滲ませながら俺に言葉を投げると、矢部くんがやれやれと首を横に振りながら俺たちの側までやって来た。

「星くんより、全然マシでやんすよ。そう言う文句を垂れる前に、まずはバットにボールを当ててから言ってほしいでやんす」

「……な、なんだと!? も、もう一回言ってみろ! 矢部ェ!」

「ちなみに・・・・・・オイラは十球中二球当たったでやんすよ? 星くんは何球でやんすかね? はるかちゃん?」

 ニヤリと笑う。その顔はどこか憎たらしく見える。

「え〜と、星さんは……十一球中一球ですね。矢部さんより劣ってますね」

「いやいや! この俺が矢部に劣って――って!! ちょっと待って下さいよ! は、はるかさん!? いつの間に貴女は矢部派の味方になってしまったんですか!?」

 マネージャーの七瀬がニコッと明らかに矢部くんに加担している様に意地悪い笑みを浮かべながら言う。

 星にとっちゃ矢部くんにバカにされるよりも七瀬に言われる方がよほど心に来そうだな……。

 それより、いつどこで矢部派とか星派とかの派閥が出来上がってたんだ? 疑問に思うだけ無駄だけど。

「そんなの……あんまりだァァァァァァァァーー!!!!」

 星の苦心の叫び声が上がると共に、俺たちはケラケラと笑いながら午前の練習が終わった。

 

 

「そんなのあんまりだッ!」

 少し怒り口調で青年はテーブルの上を両手拳を握りしめて叩いた。

 一体、何に対してムカっ腹を立てているのかすらも知らず目の前に座りたった今、食堂のケータリングの昼食をそれぞれ選んだばかりの三人は目を点にしながら見つめていた。

「い、一体何に怒ってるだ? 遊助」

 三人の中で飛びっきり身長が低く本当に男かどうか疑ってしまう程の童顔の青年が眉を寄せながら尋ねる。

「何に怒ってる? いいか、俺はお前に怒ってるだぞ! 智紀!」

「ほう……」

 智紀と呼ばれた青年は名前を言われるなり苦笑いを浮かべ、ケータリングから選んだ湯気が立つうどんを食べようと割り箸を割った。

「ほう……じゃあねえやい! おい、ツネ! 真剣な話の最中に笑ってんじゃねえよ!!」

「あははは! 悪い悪い、なんだか笑えて来たわ。な? 雄二?」

「……ふっ」

 遊助からツネと呼ばれた男は、ニヤニヤと意地悪さうに笑みを浮かべると隣に座り、智紀とは少し違ったかき揚うどんを食べながら鼻で笑った。

 智樹と呼ばれた男は小波球太達がいる恋恋高校と同じ地区である、球八高校の野球部で二年生の矢中智紀(やなかともき)であり、ツネと呼ばれた男は同じ球八高校の中野渡恒夫(なかのわたりつねお)、雄二と呼ばれたのが一年生から四番を任されている滝本雄二、そして今にも煮え切った怒りは収めないぞと言わんばかりに真っ赤に染まった顔面を見せているのは塚口遊助だ。

「話を戻そう。それで? 遊助は俺に対して何に怒ってるんだ?」

 割った割り箸をキチンとうどんの器の上に乗せ矢中智紀はキリッと塚口の顔を見つめながら本題に入ろうとした。

「お前・・・・・・。さっき、この合宿所の女将さんのべっぴんの娘さんにアドレス聞かれてなかったか?」

「オォー! マジか! 智紀! やるぅー!」

「…………」

 ズルズルと麺を啜りながら、驚いた声を上げる中野渡を引き気味に横目で見ながら、矢中はコクリと頷いた。

「確かに聞かれたけど? だけど断ったさ。今の俺は彼女作るよりも高校野球を楽しむ方で精一杯だよ」

「でたでたでた! はいはいはい! モテるやつは皆そう言うんだよ! 中学時代、親友の高柳春海が良く言ってたぜッ!」

 そんなの聞き飽きたぜ、言わなくてもそう聞こえて来そうな表情を浮かべる塚口。

 今、名前が出た高柳春海とはきらめき中学出身の同級生である事が伺える。

「まさか……遊助。それを怒ってるのか?」

「あっ――たり前だろ! 前から思ってたけど、お前と高柳は似てるんだよな!」

「きらめき高校の高柳くんと俺がか?」

「ああ、ムカつくほどな! 童顔で優男! はい! モテる要素を兼ね備えてるゥ!」

「遊助。お前が言いたいのはこうだろ? 智紀みたいな可愛らしい男に女子の視線が集中して自分には焦点すら当たらない、と」

「そう! 良く解ってくれたぜ、ツネ! だから、そんなのあんまりだって言ったのよ!」

「あははは……」

「アホか……くだらねェだろ」

 智紀は苦笑いを漏らすと同時だ。今迄、無口だった滝本雄二がボソッと呟いたが、その声は聞き取れるほど大きな声だった。鋭い目つきに威圧を感じる、どこか高校球児とは思えない風格の滝本である。

「雄二……。いいか? 俺はだな……今、切実にモテたい!」

「だから、アホって言ってんだ。寝言は寝て言うんだな。それよりも良いのか智紀」

「何がだい?」

 冷静に流された塚口はその場で止まったかのようにショックを軽く受けていた。クスクスと中野渡は笑いながらうどんを食す。

「俺たち二年……ま、俺たち以外は昼寝してる訳だけだが、一年生達は今も練習中だろ? オマケに球仙人とか使わせているが……」

「良いのさ。一年達は昨日の疲労が残ってるから午後からの参加にさせたんだ。それに折角の合宿なんだし、俺達先輩が入れば何かと気を使う事があるだろ? たまには伸び伸び練習させるのも悪くないさ。な? 雄二」

「フッ……智紀。お前は相変わらずだな」

「そうかい? それよりうどん伸びるよ。さあ俺たちも食べよう!」

 矢中と滝本はお互いに顔をニヤリとさせていた。二人は仲が良いのか悪いのか中野渡も塚口も実際の所は詳しくは知らない。ただし、知っている関係性は、矢中は現在はチームのエースピッチャーであり、滝本はスタメンマスクを被るキャッチャーを務めるコンビである事、ただそれだけだった。優男の矢中と不良気がある滝本の出会いは、後々語るとしよう。

 

 球八高校の四人がそれぞれ食事を済ませ暫しの休憩を食堂で取っている時だった。食堂に通じるロビーの方から大きな声が響き渡ってきたのだ。その声に―――いや、その語尾は四人に対して痛烈な違和感を覚えさせた。

「あ〜〜オイラ、お腹が空いたでやんす!」

「――おい、クソ眼鏡! テメェ・・・・・・俺より優れてるなんて、絶対認めねェからな!」

 「オイラ」そして、語尾に「やんす」と……今確かにこの両の耳が聞いた。一体何処ぞの時代の人物が現代にタイムスリップして来たのかと、思わせる口調に四人はただただ唖然とし言葉を止めた。

 先陣を切るかのように瓶底眼鏡を掛けた丸刈りの男がやってくる。矢部明雄を初見にする四人はまたしても驚きを隠せなかった。今時、丸刈りで瓶底眼鏡なんて居ないだろう。

 矢部を筆頭に星、毛利達と続々と恋恋高校の野球部が食堂に乗り込んで来たが、そこには早川と小波の姿は無かった。

 マネージャーである七瀬が暑さで体調不良を起こして顧問の加藤理香と共に部屋まで送って行っているからだ。

 すると「なんだ? なんだ?」と中野渡が身を乗り出しながら目を凝らす。

 

 

「あん? なんだ? あの四人組……昨日あんな奴らいたか?」

「いなかったでやんすね。オイラ達と同じく合宿に来てる人でやんすかね?」

 星と矢部はチラッと視線を送るだけで黙ったままテーブル席に腰を掛けテーブルの上に置かれているプラスチックの容器の中に冷えた水を注ぎこむと、直ぐさま喉の奥へと流し込んだ。

「ぷはぁぁぁー! くぅ〜〜生き返るぜ! やっぱ、疲れた体に天然水ッ!! 決まりだなッ!」

「おっさんか、お前は」

 星の頭を手のひらで叩く。

 そこには小波の姿があった。真っ黒なくせ毛が彼方此方に跳ねらせながらゆっくりと、星の隣の席に腰を下ろす。

「痛ェな! 小波! そんで、お前は女将さんに何を聞きに行ったんだ?」

「まあ、ピッチングマシンの球仙人をどうしても使いたくて管理してる女将さんに聞いたんだけど、どうやら他の高校が使用中らしい」

「他の高校だァ?」

「ああ、それが中々興味深い話で・・・・・・」

「俺は、そんな事より昼飯にしてェぜ! もう、お腹空いちまって限界だからよ……今にも死にそうだ」

「……興味深い話でやんすか?」

「おい、矢部ェ!! 俺は腹減って今にも死にそうだって言葉聞いてただろ!? 話を聞こうとすんな!」

 ニヤリと笑い焦らす小波に、聞きたくてソワソワし始める矢部。

 星はテーブルに顔を伏せ今にも召されても可笑しくない死んだ瞳を浮かべて天を仰いでいた。

「実は俺たち、恋恋高校以外にも合宿に来てる高校があったんだ。その高校が球は―――」

 小波が高校名を言おうとした瞬間だった。

 

 

「あ、あおい!?」

「と、智紀くん!?」

 余りにも大きな声だった為、周りの全員がバッと顔を向けると……そこには食堂に入ってきた早川が驚いたまま立っている姿と、立ち上がったまま固まっている身長が早川と変わらない程の高さの人物である矢中智紀の二人の姿があった。

「どうして、ここに智紀くんがいるの?」

「それはこっちの台詞さ! それより卒業以来だから……約一年半年ぶりだな! 久しぶり」

「うん、久しぶり——じゃないよ!! 一体、どうしたの?」

「えっと、俺たち今は秋の大会に向けて夏の強化合宿をしに此処に来でたんだけど……まさか、あおい達の恋恋高校も此処に来ていたとはね」

「あれ? 智紀くん、ボクが恋恋高校に進学したの知ってたの?」

「まあね。ときめき高校戦も見ていたし、それにあおいの件は……ほら、色々ニュースにもなっていたからね。それに弟の龍喜が何よりも心配していたから」

「そっか……心配かけたもんね。龍喜くんに、心配してくれてありがとうって伝えておいてくれる?」

「ああ、きっと龍喜と喜ぶさ!」

 へぇ〜なるほどな。

 驚いたのは、早川と矢中の二人が同じ中学の同級生だった訳だからか。

 それにしても世間と言うのは意外と狭いものなのかもしれないな。

 ん? 待てよ。同級生って事は……ソフトボール部の高木幸子とも同級生って訳だよな?

 高木幸子が言っていた二人の事を色眼鏡で見ていた奴らにあいつも該当するのか……?

「おい! 早川! まさか俺の事も忘れてる訳じゃあねえよな?」

「ツ、ツネくん! キミも一緒だったんだ!」

「おうよ! 忘れもしねえ中学時代! 先発は早川、リリーフは智紀のリレーを束ねたのは、この俺だぜ!」

「もう! よく言うよ。ボクは、あの時はただ見世物。頑張ってたのは智紀くんの方だよ」

「いいや、そんな事は無いよ。俺より、いつもあおいの方が頑張ってたさ」

「それより、ツネくんは今もキャッチャーをしてるの?」

 久しぶりの会話に心を弾ませ、早川がツネと呼ぶ奴に声を掛ける。話の一部を聞いてみたが「ツネ」・・・・・・いや、中野渡とか言うやつもどうやら中学時代のチームメイトのようだ。

 それに早川も久しぶりの再会に笑顔だし、この二人は早川と高木を見世物扱いに加担していた訳でも無さそうだと、俺は少し安心した。

「いいや、智紀とはバッテリーは組んでいねえよ」

「——えっ!?」

「今は……、あそこに見える不良気がある陰険みたいなヤツがいるだろ? あの滝本ってヤツが今の智紀の相棒で、俺はお役御免で内野にコンバートさ」

「そ、そうなんだ・・・・・・」

「心配すんな! 俺より滝本の方がキャッチャー向いてらぁ!」

 中野渡がニカっと白い歯で笑い飛ばすと、陰険と言われていた滝本が俺の側まで近付いて来た。

「おい。お前、小波球太だな?」

「そうだけど?」

 なるほど、陰険ね……。

 そう言われるのも思わず頷けてしまう。

 その毒毒しさを漂わせる気配は、以前何処かで感じ取った事があるかのように肌がピリッとサインを出している。

「何か俺に用があるのか?」

「お前に興味がある。是非、俺たちと試合をして欲しい」

「——ッ!?」

「おい! 滝本ッ!! 急に何を言ってんだよ!」

「黙ってろ、遊助」

「ったく、はいはい。解った解った。こうなったらこいつはもう止まらねえんだ」

 お手上げ状態の塚口。直ぐさま滝本が口を開いた。

「なあ、智紀。俺は、こいつらと練習試合をしても面白いと思うんだが?」

「雄二が言うなら俺は良いけど……。恋恋高校側はどうかな? キャプテンは・・・・・・確か、小波くんだよね?」

 すると、矢中が俺の目の前に立つ。

 こうして並んで立つと、かなり目線が下になるな。

 早川より小さいか、同じかと言った所だろう。

 だが、その小ささとは裏腹に今にも押し潰すぞと言わんばかりの威圧が感じる。

 さすがは猪狩守が居るあかつき大附属に負ける準決勝まで、勝ち進めたエースだけある。

 それに、練習試合なんて願ったり叶ったりの好条件だ。

「試合? ああ、受けるぜ。それに丁度良かったぜ。こっちは試合経験不足で相手を探していたからな」

「それじゃあ、成立だね。明日の昼に第一グラウンドで試合開始でどうかな?」

「解った」

 俺と矢中は互いに握手を交わすが、指先に少し変な感覚を感じ取った。

 ―――ん。もしかして、こいつ……まさか。

「楽しみにしているよ。あおい・・・・・・そして恋恋高校の皆、良い試合をしよう!」

 直ぐさま矢中は三人を連れて食堂から姿を消して行った。

 こうして、俺たちは翌日、球八高校との練習試合が行われる事となった。

 

 

――――――

 

「め、飯…………」

「げっ!? 大変でやんす!! ほ、星くんが……気絶してるでやんす!」

 星にしては随分大人しくしているなと思っていたが……。

 トホホ・・・・・・これは、先が思いやられるな。




 漸く来ました、新展開。です!
 恋恋高校始動の一試合目は、球八高校が相手となります。なんと相手はあおいちゃんの同級生である矢中智紀。どんなピッチャーなのでしょうかね? 
 今回、パワプロシリーズではお馴染み(?)のピッチングマシンを登場させましたが……記憶が曖昧な所が多々あります。


《profile》オリパワ
No.5古味刈秀敏 9/29生まれ
【ポジション】ライト
【能力】
弾道1 ミートFパワーE走力C肩力B守備D捕球G
意外性、エラー×、三振、世渡り上手
【人物】
元サッカー部である(高校はバイトをしようと思っていた)

No.6毛利靖彦 2/14生まれ 右投げ/左打ち
【ポジション】サード
【能力】
弾道2ミートEパワーE走力D肩力C守備C捕球B
エラー×、いいやつ
【人物】
元バスケ部(ちなみに万年補欠だったらしい)

No.7 犀川投貴 5/9生まれ 右投げ/左打ち
【ポジション】サード
【能力】
弾道3ミートCパワーC走力B肩力S守備A捕球A
キャッチャー◎、送球5、守備職人、ブロック○、『ささやき戦術』走塁5、盗塁4、アベレージヒッター、パワーヒッター
【人物】
極亜久高校二年のキャッチャー。近畿地方のおしるこ中学出身だが、何故頑張地区に来たのかは今は謎。名前の通り※※※※※も出来るよ。ちなみに読みは《さいかわとうき》

No.8 赤坂紡 (一年生)10/21生まれ 右投げ/右打ち
【ポジション】ショート
【能力】
弾道2ミートEパワーD走力D肩力E守備D捕球C
ムード○、ムードメーカー、パワーヒッター、チャンスメーカー、安定感3、対左投手5
【人物】
とにかく明るい人物。名前の通りこれからの恋恋高校を『紡い』で行ってくれる人物になると思われます。今後、見せ場あるかな……?


No.9 椎名繋(一年生) 3/2生まれ 右投げ/左打ち
【ポジション】キャッチャー
【能力】
弾道2ミートBパワーF走力D肩力C守備C捕球C
キャッチャー○、ローボールヒッター、固め打ち、流し打ち、代打○
【人物】
赤坂と同様、今後の恋恋高校の思いを『繋いで』くれる人物になると思われます。星との争いもあるかも……?

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