IS インフィニット・ストラトス 〜太陽の翼〜   作:フゥ太

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新年あけましておめでとうございます。今年も鈍足更新となりますが、太陽の翼をお願いいたします!




では普段と比べると格段に短くなりますが、新しいお話に向けてのプロローグとなります!


さあ、フゥ太がラブコメ書き始めたぞ!

正気を疑え、読者諸君!


甘すぎる夢

 

 

晴れた夜だった。

 

 夜空に広がる、世界中の宝石を散りばめても尚足りない数の星の輝きがあって、それはまるで手を伸ばせばすくえそうで、そして静かな砂浜に細やかな飛沫を上げる波の音がゆったりとした時間を伝えてくる。

 昼間の茹だるような暑さはなりを潜め、適度に冷やされた夜風は時折強く吹けども肌に心地よく、夜の海岸線を歩くシャルロットは真っ白いワンピースの裾を抑えながら、自分の隣を歩く少年に微笑みかけた。

 

「今日は晴れてよかったね、ヨウタ」

「ああ、そうだな」

 

 いつもと違い、穏やかな表情で自分と話をしてくれる陽太に、シャルの胸の鼓動は徐々に高鳴りだす。

 

「こんなにいい星空なら皆も一緒に見に来ればよかったのに」

「皆が遠慮してくれたんだよ」

 

 そう不意に呟いた陽太がシャルの手を握り、彼女を自分の腕の中に引き寄せると、真剣な表情で彼女を見た。

 何度か見たことのある真剣な表情。でも今日のそれは殊更に緊張しているようで、彼の胸の高鳴りが自分にも伝わってきそうなほどだった。

 

「綺麗だ、シャル」

「ヨ、ヨウタ!? ど、どどどどどうしたの、急に?」

 

 使い慣れない言葉を照れくさそうに言った陽太の視線が自分から外れる。

 

「本当に思ったことを口にしただけさ」

 

 そして陽太はポケットの中に入れていた指輪をシャルの薬指につけると、彼女にこう宣言する。

 

「シャルロット・デュノアさん、俺と結婚してください」

「!?」

「君しかもう俺には見えない!」

 

 彼の衝撃の告白に硬直してしまうシャルであったが、突如その身体がフワリと持ち上がる。陽太が彼女の体を童話の中のお姫様のように優しく抱き上げたのだ。

 

「ヨ、ヨウタッ」

「………………」

 

 吸い込まれるような視線。彼に見詰められ続けるシャルロットには、言うべき言葉は一つだけであった。

 

「ふ、不束者ですが………よろしくお願いします!」

 

 シャルの返事を満足げに聞き、陽太は笑いながらゆっくり歩きだすと、申し合わせたかのように用意されていたコテージの扉を開き、シャルを寝室のベッドに寝かせると、顔を徐々に近づける。

 

「もう我慢できない………いいよな?」

「ふえっ!?」

 

 強引である。あまりに強引な流れであるが、シャルはまるで何かに急かされるように瞳を閉じて陽太を受け入れる体勢を取った。

 

「子供は何人がいい、シャル?」

「そ、そんなの…」

「大丈夫………優しくするから」

 

 ゆっくりと近づいてくる陽太の吐息………。

 高鳴る自分の鼓動、溶け合う互いの熱、互いを阻む布を全て取り払い、二人をありのままの姿のままに、唯一見守っている夜空の星々の下…………そして永遠の愛を誓い合った二人は、これから暖かな家庭を作り、幸せに暮らしていくのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ギ、ギブギブ………は、はな……シャ、シャル!!」

「でへぇへぇ~~~………もう、これ以上求められても身体が持たないよ、ヨウタ~」

 

 寝ぼけたシャルのフロントチョークスリーパーによって、酸素の供給が遮断され、今にもヴァルハラ(あの世)に旅立とうとしているラウラは、自分の仲間でありルームメイトである少女を甘い夢の中からたたき起こすために、残った力の全てを振り絞って彼女の腕を叩き続けるのであった。

 

 

 

 

 ☆

 

 

 

 その数十秒後、ほとんど意識を失くしかけたラウラの最後の力を振り絞った両手叩きによって、シャルは目を覚まし、無意識のうちに副隊長を隊員が絞殺するという事態だけは何とか避けられたようだった。

 

「…………ラ、ラウラ?」

「なんだ!?」

 

 早朝の訓練のために着替えたシャルとラウラであったが、寝言を心配して起こそうとして友人に殺されかけたことで、ラウラはえらくご立腹していた………当たり前のことではあるが。

 

「ご、ごめんね~~~」

「謝罪は先ほどから何度も受けている! だがなっ!?」

 

 朝のアリーナ前を歩くラウラが立ち止まり、シャルの方へと振り返ると、指さして毅然と言い放つ。

 

「その理由を答えろと言っている! 何の悪夢を見ていたというのだ!!」

「あ、悪夢じゃないんだよ………その…」

 

 夢の中で陽太とバカップル全開で色々色々色々してました、なんて言えるわけもない。頭から湯気が噴き出し、顔を真っ赤にしシャルの思考がショートする。その様子が今一つ理解できないラウラは、事情を察することができず、再び同じ質問をしている始末だった。

 

「やはり何か不吉な悪夢を見たのではないのか!? さあ私に相談しろシャル!! こう見えても最近は部隊の運営のために隊員のメンタルカウンセリングの為の本も読んでいるんだ!! 祖国の部下であるクラリッサからススメられたのだが、これがまた中々に興味深い。将棋という日本伝来のボードゲームと日常を織り交ぜた偶像劇という…」

「………それ、この間ドイツから届いてたに持つに入ってた漫画じゃ…」

 

 何の勉強をさせているのだろうか、ラウラの副官の人は? ラウラの言葉によって落ち着きを取り戻したシャルであったが、その時、突如アリーナ内部で激しい爆音が聞こえてくる。

 

 ―――爆弾が炸裂したかの様な音と、半歩遅れて空に浮かび上がる大量の水蒸気―――

 

「!?」

「あれって………まさか!?」

 

 この間の試合で見た光景に非常に近い気がする。シャルとラウラの思考が一致すると、二人はアリーナの内部に全速力で走る。

 階段を数段飛ばしで駆け上がり、中央観客席からアリーナ内部に出ると、そこには三機のISが互いの武装を向け合い、空中で激しい高速機動戦闘を繰り返してた。

 

 ―――右手にヴォルケーノ、左手にフレイムソードを携えたブレイズブレードがプラズマ火球を連射して空中を疾走する―――

 ―――蒼流旋・改を右手に持ちながら、左手で氷の障壁を展開し、火球を受け止めながら、リュオート・プルトゥーネは氷の礫を連射し続ける―――

 

 そしてもう一機、陽太と楯無の激突を空中で静止しながら白式を展開した一夏が見守り続ける。

 

 高速機動で飛翔しながら互いに炎と冷気をコーティングした剣と槍を鍔迫らせ、火球と冷気が空中で何度と激突して水蒸気爆発を起こさせる。その蒸気を切り裂いて陽太が斬り込んでくるが、楯無は冷静に対処し、カウンターのダイヤモンドダストを解き放つ。高圧の凍気の竜巻が直撃し全身が凍り付き始めるブレイズブレードであったが、陽太の闘気の高まりに呼応するように全身から発生した火炎が凍気を瞬時に弾き飛ばし、ダイヤモンドダストを耐えきってみせるのだった。

 

 相当熱の入ったガチ模擬戦の様子に、一瞬だけ我を忘れて観戦してしまうシャルとラウラであったが、やがて我を取り戻すと、観客席で見入っている箒、セシリア、鈴の元に走っていくと血相を変えて問いかける。

 

「な、なんで、皆して観戦してるの!?」

「この間の一件があるのだぞ!? 早く止めなければっ!!」

 

 もうあんな真似は二度としないと信じたいが、それでもまだ日も浅い。頭に血が上った両者が同じことを繰り返してしまう可能性だってあるんじゃないのか?と気が気でないシャルとラウラであったが、そんな二人とは裏腹に、箒はいたって落ち着いた様子で心配ないと告げたのだった。

 

「心配するなシャル、ラウラ」

「で、でも!!」

「楯無姉さんにはこの間のような危なさも殺気も見受けられない。対して陽太の方からも危な気を感じない。恐らく本当の楯無姉さんの実力がどれほどのものなのか知りたいのだろう」

 

 確かに両者からは殺気や猛烈な緊張感は感じない。あるのは適度な緊張感と高度なやり取りの中に存在する互いへの気遣いだけだ。だが心配なものは心配である。顔色が悪いシャルを思い、箒は珍しく気遣いのつもりで冗談を言ってみる。

 

「大丈夫だ。楯無姉さんは陽太をシャルから取ったりは・」

「!!」

 

 メッチャすごい勢いでシャルに睨まれ、顔を青くした箒は言葉を続けられずに上空に再び視線を送る。

 

 ―――リュオート・プルートネの射撃の間隙を潜り抜け、ついに楯無の懐まで潜り込んだブレイズブレードが炎を纏わせた拳を叩き付けた―――

 

 同じ遠近対応の万能型ではあるが、格闘がめっぽう強いブレイズブレードが近距離戦闘(インファイト)を仕掛けてくれば一たまりもない。

 これにて勝負は陽太の勝ちか、と誰もが思った時、思わぬ出来事が皆の目の前で起こる。

 

 ―――降り抜いた拳に砕かれる氷の鏡像―――

 

「!?」

「ざ~ん、ね~んっ!!」

 

 陽太は振り返ることなく左手のフレイムソードのプラズマ火炎の出力を上げ炎の障壁を作り出すと、蒼流旋・改から放たれる凍気の塊を全弾受け止め、周囲をすばやく確認する。

 

 ―――砕かれた氷を媒介に、次々と現れる楯無の分身達―――

 

 オーガコアと化した簪を翻弄した『鏡合わせの術』を使い、陽太を包囲し始めたのだ。

 足を止めていては危険だと判断した陽太はフレイムソードの切っ先を捻って凍気の射撃を逸らすと、包囲の外に逃れよう飛翔する。が、それはさせないと鏡像と本体の同時攻撃を楯無は仕掛けてきた。

 鏡像の攻撃までもが本物の攻撃とは思わないが、実体と分身を見極める手段が陽太にはなく、全ての攻撃を回避するという選択肢を取らされる中、時間がたつことによって分身は数を増やし、やがてアリーナの上空を覆いつくすほどに数を増やしたのだった。

 それほどの数の全方位攻撃、いくら陽太といえども全て避け切ることは不可能なのか、やがて逃げ道を塞がれ、ついには袋小路に追い込まれてしまう。

 

『もらった!』

 

 全方位から聞こえてきた楯無の声。先ほどまでとは逆転して、今度は楯無が勝利を収めるのか? 皆が見守る中、確かに捉えれた陽太の姿が………。

 

 ―――炎を置き去りに瞬時に消え失せる―――

 

「あれは!?」

「神速機動術(バニシング・ドライブ)!?」

 

 以前使用した時よりも遥かに滑らかに、そして予備動作を最小に、幻のブースト系最高難易度技術を使い包囲網を瞬時に抜け出した陽太は、周囲を取り囲む鏡像を砕きにかかる。

 

 ―――相手の捉えられずにいた楯無の鏡像を背後からの蹴りで一砕きにするブレイズブレード―――

 

「くっ!?」

 

 銃口を向けた瞬間にはもうその姿はどこにもいない。神速の動きを以って楯無の鏡像を次々に砕き始める陽太の姿が、今度は幾重にも分身し、観戦していたシャルたちの視線を困惑させる。

 

「(目の前にすると、ホントに腹立たしいぐらいに強い!!)」

 

 改めてこの間は陽太が自分に合わせて戦っていたのだと思い知らされ、心の中のヒットマンポイントがまた一つ蓄積する楯無であったが、それはそれと置いておいてもこの動きを短時間で見切ることは無理がある。それほどに陽太の動きは以前の暴龍帝戦よりも格段に速くなっているのだ。

 やがて周囲の鏡像がほとんど砕かれ、丸裸にされかけたとき、ただ空中で待ち続けた男が動き出す。

 

 ―――ツインドライブを発動させ、両肩からエネルギーを吹きあがせた白式が静かに雪片で居合のような構えをとる―――

 

「一夏!?」

 

 突然虚空を見つめて突撃の構えを取った一夏を箒が心配そうに見つめるが、彼の極限まで集中された視線は絶え間なく移り変わるフィールドに釘づけにされていた。

 砕かれる氷の胸像、戸惑う楯無、そして………。

 

 ―――楯無の死角を完全に取ってフレイムソードを振りかぶる炎の空帝の姿―――

 

「ここだぁぁっ!!!」

 

 ―――爆発的な加速で突撃する白式―――

 

「あれは、瞬時加速(イグニッション・ブースト)!?」

「一夏の奴、いつの間に!?」

 

 ブースト系でも比較的上位に位置する技術を、ISに乗って数か月の一夏が完全に使いこなすだけも中々に奇跡的なことでセシリアと鈴を驚かせるが、その一夏の動きに気が付いた陽太は楯無への不意打ちを一旦止め、その場から神速機動術(バニシング・ドライブ)で飛び退いた。

 だが、一夏の驚愕の成長はそれだけには留まらない。

 

 陽太が瞬時に飛び退いたことを見るよりも早く「予測」していた一夏は、白式の両肩のパーツ………ツインドライブのエネルギーの放出口を稼働させてもう一つの『スラスター』として使用したのだ。

 

 ―――瞬時加速中の軌道を無理やり変更すると同時に、更なる加速を得る白式―――

 

「二連加速(ダブルイグニッション)!?」

「馬鹿なっ!?」

 

 ISの操縦技術に長けるシャルと箒もこれには驚きを隠せない。単発の瞬時加速だけでも中々驚異的なだけに、更に上位となる二連瞬時加速(ダブルイグニッション・ブースト)ともなると、それは代表候補性どころか、正規の代表クラスの技術が必要になるからだ。

 

 全身が軋む圧力を食らいながらも、二連加速で急上昇した白式は雪片を水平に構え、神速機動を解除した陽太に迫る。

 

「!?」

「!!」

 

 一夏が雪片による渾身の突きを放ち、陽太はそれを逆手に持ち替えたフレイムソードの刃渡りを利用して受け止めることなく、流れに逆らずに受け流す。

 

 ―――火花を散らし合う剣と刀―――

 

 そして散った火花よりもなお熱い炎のような闘志を宿した二人の視線が、両者を同時に捉え合った。

 

 ―――PICをフル稼働させ、その場で踏み止まりながら両者が反転、空気を破裂させる互いの斬撃を激突させ合う―――

 

「!?」

 

 互いの足が止まった瞬間を見計らい、先に動いた一夏は、余った左手で抜き手を陽太の腹部に向かって放つ。それを陽太は右手のヴォルケーノを手放し、肘で弾くと同時に前蹴りで白式の腹部を強打する。

 

「グフッ!?」

 

 あまりの威力に悶取り打つ一夏だったが、今までとは違い、今日の彼はそこでは止まらない。蹴りの威力で吹き飛ばされた間際、雪片の展開装甲を起動させて烈空を発射していたのだ。

 

「!?」

 

 至近距離であったためにブレイズブレードといえども回避できず、烈空の直撃を食らってしまう。粉塵を巻き上げる中で、一夏が何とか体勢を立て直し、気合を入れ直した瞳で前を向く。

 

 ―――粉塵を斬り裂いて突撃してくるブレイズブレード―――

 

「!!」

「はあっ!!」

 

 前に一歩踏み込んで放った雪片と、突撃した威力を乗せたフレイムソードが三度激突して火花を散らせ合う。更に今度は陽太が右の拳を握り締め、一夏の顔面目掛けてパンチを繰り出し、答えるように一夏も左の拳を繰り出した。

 

 ―――重量のある質量同士が激突したような低重音を鳴り響かせ、空中で鎬を削り合う右と左の拳―――

 

「………生意気っ!!」

「誰がっ!!」

 

 減らず口を叩き合った陽太と一夏は、互いに拳を引くと、両手で獲物を握り締めて激しい斬撃戦を繰り広げる。

 どうやら陽太も距離を開いて射撃戦闘に切り替える気はない。完全に剣を用いた近接戦闘オンリーになってはいるが、それでも一夏はこの間とは比べ物にならないほどの動きで陽太と渡り合い続け、見ている者達を全てを驚かせるのだった。

 

「………最近、陽太とワンツーマンでスパーリングしているとはいえ……」

「これは………ISに乗って数か月の素人の動きではありません」

 

 チーム内において陽太に並ぶ近接戦闘の達人である箒と、イギリスの代表候補性であるセシリアには俄かに信じがたい成長スピードであったが、思わぬ人物はその理由が何なのか理解をしていた。

 

「………強くもなるさ」

「ラウラ?」

 

 ラウラには二人があそこまで強くなれる理由がよく分かっていた。二人が心の奥底で、本当は戦いたい相手。何があろうとも絶対に勝ちたい相手………彼らには明確な目標となる相手がいるのだから。

 

「底から腹が立ったのだ。だったら遥かに強くなって見返すしかあるまい」

「!?」

 

 シャルの顔色も変化する………ラウラが何が言いたいかわかってしまったから。

 わかったからこそ、本当は聞きたくないから。

 

「二人は………一対一でも勝てるようになりたいのだ。亡国機業幹部の『アレキサンドラ・リキュール』に」

「あ、あの爆乳女に!?」

 

 鈴音としてはそのあまりに圧倒的な強さのために、時間がたった今となっては怒りよりも先に恐怖が沸きだってしまう相手なのだが、陽太と一夏は違う。

 絶対に勝たねばならない相手として想定し、日夜トレーニングに励んでいる。互角に戦うとか、ギリギリ勝つとかじゃない。実力で相手を完全に上回って『完勝』せねば気が晴れない。

 そしてそれはラウラも同じ気持であった。

 

「話を聞き、事情も知った…………だが織斑教官への振る舞いはそれらを全て察してもなお度し難い!!」

 

 敬愛する千冬を足蹴にして否定した相手を『タダ』で許してやる気はない。それこそ全力全開で叩きのめすのみ………ラウラの背中から燃えさかる炎はセシリアと鈴にそれを伝え、二人を若干怯えさせる。

 対して蚊帳の外に放り出されて二人の戦いを呆然と見守る楯無はともかく、激しく打ち合う両者の姿を不安げに見守るシャルロットに対して、箒は優し気に言葉をかけたのだった。

 

「『二人の心が強さを最優先にしてしまうんじゃないのか?』」

「!?」

「気持ちはわかるが、それはない。『無い』と私達が信じなければ」

「箒…………それは…わかるけど」

 

 シャルの懸念する声にも、箒は揺るがずにこう言葉を返す。

 

「お見舞いに顔を出した時に千冬さんにも言われたのだ。私達が傍にいて支えなければならない、と」

 

 そばにいて理解しなければ、自分の二人の親友のようにどこまでも進んで、ついには周囲への理解を諦め、孤高の存在になってしまう…………千冬がそう伝えたかったことを二人は理解したのだ。

 

「………ヨウタ」

 

 IS操縦者として、より強く、より高みに………。

 目まぐるしく変化する世界と周囲に合わせるように、変わろうと足掻く陽太を目の当たりにし、シャルの心と彼との関係も、今、まさに変化の瞬間を求められているのであった。

 

 

 

 




ということで、あとがきはまた活動報告に……………この間の書くの忘れてたな(汗)

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