王下七武海総監督物語   作:グランド・オブ・ミル

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レイはエヴァンゲリオンの「綾波レイ」そのままの容姿をしています。服装は原作の制服を着てると思ってください。


第2話

 

 

 

 

 

 

「マーシャル・D・ティーチ」。それがラフィットの推薦する男の名だった。

 

だが、まったく名の通っていない海賊のため、他の海賊達の威嚇にならないという理由で海軍側はこれを却下した。

 

しかし、ラフィットはその辺も重々承知ですでに計画を立てているので少し時間が欲しいと告げ、去っていった。

 

クロコダイルの後任を決める会議に思わぬ乱入者が現れ、その上その後任が決まるかもしれないという事態にとりあえず一旦解散となった。

 

そんな私が今何をしているのかというと。ドフラミンゴとデート中だ。

 

・・・なんて冗談はさておき、グランドライン上空をドフラミンゴと飛んでいた。ジャヤという島にべラミー海賊団というドフラミンゴの傘下の海賊がいて、彼はその様子を見に行くらしい。それに暇だった私はついてきたというわけだ。

 

「もぐもぐ、ん、おいしい。ドフラミンゴも食べる?聖地マリージョア限定おまんじゅう。」

 

「いや、俺はいい。気にするな。」

 

ちなみに私はマリージョアからくすねてきたおまんじゅうを食べている。さすがに聖地だけあっておまんじゅう1つとっても一級品だ。

 

「フフフフフ!それにしてもお前の能力は便利そうだな。羨ましいぜ。"動物系幻獣種"の能力。」

 

「ドフラミンゴは人のこと言えない。」

 

まあ、確かにふよふよと空を浮遊できる私の能力は便利だ。だが、ドフラミンゴの能力のほうが私より遥かに利便性があると思う。

 

「・・・おいレイ。なぜ俺に構う?俺はお前に強い怒りを感じているんだぞ?あいつと同じように。」

 

「"総監督"だから。これ以外に理由はない。」

 

「フフフフフ!そうか。」

 

私だってドフラミンゴとはあまり関わりたくない。それなりに因縁もある。でも仕方ないのだ。私は"総監督"だから。このお仕事でお給料貰ってるわけだからしっかり働かないと。おっとそろそろジャヤに着くみたいだ。

 

 

 

 

 

 

ジャヤ(西海岸) モックタウン

 

「うわあぁぁぁぁ!!!」

 

「逃げろ!巻き込まれるぞ!!」

 

ジャヤにある小さな街モックタウン。ここでは住人がパニックになる程の騒ぎが起きていた。この街を占めていたべラミー海賊団の船長べラミーとその副船長サーキースが何故か殺しあいをしているからだ。

 

「べラミー!!サーキース!!」

 

「お願いだよやめさせて!!!」

 

べラミー海賊団の船員達は一点に視線を向け懇願する。その先にはサングラスとコートを羽織った男ドフラミンゴと、水色の髪に赤い瞳を持った少女レイが立っていた。

 

「そいつはできねぇなぁ。べラミー、サーキース。この俺のシンボルにドロを塗ったからなぁ。フフフッ!フッフッフッ!」

 

ドフラミンゴは壁に描かれた海賊マークを指す。彼らはこのジャヤに"空島"へ行く手がかりを探しに来た"麦わらの一味"にまるでチンピラのように絡み、そんなものはないと笑い、あげくのはてには麦わらの友達の金塊を盗み出して取り返しにきたルフィに完敗するという失態を犯した。それを知ったドフラミンゴが能力で二人に罰を与えているのだ。

 

「・・・・・・・」

 

それを聞いたレイは表情こそ無表情だが、内心では嬉しく思っていた。ルフィがこんな奴に負けるわけがないと信じていたからだ。同時に仮にも大型ルーキーのべラミーをワンパンで沈める程に成長したのかと喜んでいた。

 

なぜレイがルフィにここまで肩入れするかはまた機会がある時にでも話そう。

 

「"空島"があるかないか。そんな事はどうでもいいんだべラミー。たがう意見は利用して・・・ねじ伏せろ!!!」

 

ドフラミンゴは不敵に笑う。

 

「ド、ドンキホーテ・ドフラミンゴ・・・!インフィニティ・D・レイ・・・!」

 

「ひっ!!どっちも"七武海"じゃねぇか!!インフィニティ・D・レイはその"総監督"!!」

 

「元はどちらも3億越えの賞金首・・・!そんな奴らが何故ここに・・・!!」

 

街の人々は突然現れたビッグネームにただただ恐怖していた。

 

「俺の配下にチンピラは要らねぇんだ小僧共!!」

 

ドフラミンゴは能力を使い、サーキースをべラミーに斬りかからせる。

 

ドシュッ!ドサッ!

 

斬られたべラミーは血を吹き出し、その場に倒れる。

 

「も、もう一度・・・チャンスをくれ!!ごほっ・・・!俺達は・・・あんたについていく!!」

 

血を吹きながらもなおべラミーはドフラミンゴに忠誠を誓う。

 

「ウ~~~!泣かせるじゃねぇか従順なる部下よ。俺はお前のそういうとこが好きだぜ。好きにしろ。ただし、俺の部下にはいらん。」

 

クイッ!

 

ズバンッ!!

 

ドフラミンゴが指を動かすとその場に血しぶきと悲鳴が鳴り響く。

 

「はぁ、ドフラミンゴ。私先に帰る。」

 

レイはドフラミンゴのやり方に溜め息をつき、フワリと飛んでその場を去っていった。

 

「フッフッフッ!やがて始まるぞ!!本物の海賊だけが生き残れる時代がやってくる!!力のねぇ奴は逃げ出しな!!手に追えねぇうねりと共に豪傑共の"新時代"がやってくるのさ!!フフフフフフフ!!!」

 

グランドライン、ジャヤ、モックタウン。"嘲りの街"と言われるその街にはドフラミンゴの笑い声がよく響いていた。

 

 

 

 

 

 

 

グランドライン上空

 

ドフラミンゴと別れたレイはそのまま海軍本部へ戻ってガープとお茶会をしても良かったのだが、せっかくなのでジャヤ周辺の島で軽く観光をしていた。

 

そして気も済んだので本部へと飛んでいると気の抜けた声が聞こえてくる。

 

「おっとっと、ゴメンよ。」

 

「あ、クザン。」

 

その声の主は海の上にいた。海面を凍らせ、自転車で海の上を走っている。そして時折顔を出すイルカに声をかけていた。レイはその男「青キジ」クザンの元に近寄っていく。レイが近寄るとクザンも気づいたようだ。

 

「あらら、レイか。こりゃ奇遇だな。」

 

「ん。クザンこそ。任務?」

 

「いや、ちょいと気になる海賊がいてな。その・・・なんだ・・・アレだよ・・・。」

 

「・・・偵察?」

 

「そう!それよ。ほら、こいつだ。"モンキー・D・ルフィ"。」

 

そう言ってクザンはレイに1枚の手配書を見せる。それを見たレイは、やはり表情にはでないが喜んだ。

 

「そう、もうここまで来たんだ。」

 

「あ~、それとこいつの船にあの女が乗っていた。"ニコ・ロビン"だ。」

 

「!」

 

麦わらの一味にニコ・ロビンという女がいると聞くとレイの眉がわずかにピクッと動いた。

 

「・・・お前は会いに行かなくていいのか?」

 

「・・・いい。あなたが会ったならきっとロビンも皆も混乱してる。また今度落ち着いた時に会う。」

 

「・・・そうか。」

 

「それに、ルフィの船なら安心。ロビンは大丈夫。」

 

「ほぉ、何だそりゃ?"親"としての判断か?」

 

「もちろん。」

 

それから二人は他愛もない話をしながら海軍本部へと帰っていった。この後レイがマリージョアのまんじゅうをくすねたことでセンゴクに説教されるのは別の話。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




次回からレイの過去編に入ります。

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