緋弾のアリア×IS 緋と蒼の協奏曲   作:竜羽

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続きを期待されていた方々ごめんなさい。大学のPCじゃ本篇を書く気になれずに・・・そして、PCもまだ直っていません。それでも、書けたので投稿してみたいと思います


番外編 キンジ・一夏争奪料理対決

日本の都心のどこかにある広いドーム会場。

そこでは、二人の男子がパイプ椅子に拘束されていた。

 

一人は東京武偵高在学の遠山キンジ。

武偵としては最低ランクのEランク武偵だが、その遺伝子に刻まれた特異体質により様々な難事件をパートナーであるアリアや、武偵高の仲間たちと解決してきたこの小説の主人公の一人である。

戦闘力も、最近では閻魔と恐れられる武偵高の三年生たちの間でも注目されてきている。

現在、複数の女子生徒たちと交際中との噂もあり、武偵高のプレイボーイとして、和麻と双璧を成していたり、いなかったり。

 

そして、もう一人は織斑一夏。

女性にしか動かすことのできないパワードスーツ、インフィニット・ストラトスをなぜか動かせることが判明してしまい、強制的にISのことを学ぶIS学園に入学させられてしまった哀れな少年である。しかも、この小説内ではかなり扱いが悪い。原作と同じことをしているだけなのにね。はたして彼がこの小説の主人公に格上げされるのか?それを知るのは神(作者)のみぞ知る。ちなみに、キンジ以上の鈍感であり、そのうちこいつの無神経な態度にキレた少女たちに無理心中を図られるのではないかと武偵高内で賭けの対象になっているとか、いないとか。

 

さて、そんな個性的な二人の少年がなぜこんなことになっているのかというと、

 

「皆さんお待たせしました!ただいまより、『遠山キンジ&織斑一夏争奪!料理大戦争』を開催いたします!実況はわたくし、みんなのアイドル流無ちゃんと――」

 

「八神和麻がお送りするぜ。二人の姿に今日は笑っていってくれ」

 

ひとえにこのバカップルのせいである。

 

「今回は、本篇とかストーリーとか、人間関係とか作品の枠とか無視してお送りいたします。楽しんでね~♪」

 

「「ちょっと待てえええ!!!」」

 

明るい流無の声にかぶせるように、椅子に固定されている二人が叫ぶ。

 

「何だこれは!?」

 

「さっき言っただろうが。特別企画だ」

 

キンジが叫ぶが和麻は淡々と、しかしシニカルな笑みを隠すことなく応える。

そもそもの発端はなんかISサイドの人物たちで、簪たち以外なんか影が薄いから救済処置を取ろうと作者が考えた結果こうなったのだ。

ならば、一夏たちだけでやればいいとも思うだろうが、キンジも一夏に似て鈍感、ハーレム、原作主人公という似通った点を持っているので、ならばついでにやってみようということになったのだ。

ついでに資金の提供は星伽、更識、ホームズ家が出してもらいました。

 

「というわけだ」

 

「ふざけんな!だったらそこの鈍感バカだけでいいだろうが!」

 

「ちょっと待ってくださいよ!俺は別に鈍感じゃない!!」

 

『…………………』

 

鎖(平賀印の特別製。圧力を加えるごとに強度を増していくという驚異の代物)にパイプ椅子に固定されながらも叫んだ一夏の言葉に、会場からすべての声がなくなった。

そう、それは無音だとかそんな生易しいものではない。

音だけでなく、この世界からあらゆる存在が消滅してしまったかのような、圧倒的な『無』の世界が展開されたのだ。

 

「え?」

 

そんな『無』の世界の中で一夏だけが周囲の状況に困惑してきょろきょろとし始める。

 

「さて、それではまずは審査員の方々から紹介していきたいと思います」

 

「え?スルー!?」

 

『無』の世界から何とか最初に持ち直した流無は、いまだにきょろきょろしていた一夏を無視して司会を進める。

そして、会場の一角にスポットライトが灯ると、そこに座っていた人物たちの姿が現れた。

 

「「ぶっ!?」」

 

それはキンジと一夏のよく知る人物たちだった。

 

「まずは東京武偵高校探偵科(インケスタ)教諭、高天原(たまがはら)ゆとり先生です!」

 

「どうも~ゆとりで~す」

 

流無の紹介に、いつもの穏やかな笑顔で応える高天原教諭。

 

「続いて、IS学園教師、山田麻耶先生です!」

 

「よろしくお願いします」

 

隣に座っていた山田教諭も笑顔で応える。

この二人、雰囲気がほとんど同じなのでまるで姉妹であるかのような錯覚を覚えてしまう。

 

「東京武偵高の狙撃科(スナイプ)の麒麟児、レキちゃん!」

 

「……」

 

無言だが、ぺこりと緑色の髪の頭を下げるレキ。

 

「IS学園一年一組所属の布仏本音ちゃん!」

 

「やっほ~」

 

特徴的な袖の長い手を振りながら、本音も応える。

 

「最後に、IS学園一年四組所属の日本の代表候補生、更識簪ちゃん!」

 

「…どうも」

 

レキとは違い、軽く一言言ってから頭をぺこりとする簪。

 

「以上が審査員の方々です」

 

「見事にキャラが似通った人物を集めたな」

 

和麻の言うとおりである。

この五人の中で、高天原教諭と山田教諭、そして本音は癒しオーラを常時放ち、レキと簪はともに無口ながらハイスペックな身体能力や才能を持つ才女。ついでに原作では主人公に癒し要因として見られている。見事にキャラに統一感が見られる。

 

「まあ、そこは作者の趣味ね」

 

そうだよ、悪いか?

 

「それでは、まずはキンジ君のほうから逝ってみましょう!」

 

字が違うのはご愛嬌。

 

「言い忘れていたが、まずはキンジに女子たちが料理を作ってやり、審査を行う。そして、後片付けをしながら軽く暇つぶしを入れて、一夏のほうをやるという感じだ。そして、最も得点の高い料理を作ったやつが二人とデートする権利を得ることができるという王道的な内容だ」

 

暇つぶしに関してはお楽しみに♪

 

「さあ!それではキンジ君に料理を作ってくれる女の子たちを紹介しましょう!」

 

流無がそういうと、観客から歓声が上がる。その中にはキンジを呪う呪詛のような声も聞こえたが。

 

「おい!この中に武偵高のやついるだろ?!さっき武藤の声が聞こえたぞ!!」

 

「まずは、神埼・H・アリア!」

 

「俺まで無視かよ!?」

 

無視です。

会場の一角からホワイトスモークが上がり、その中からピンク色のツインテールをした小柄な少女、アリアが現れた。……なぜかエプロン姿で。

 

「っ!?」

 

武偵高の防弾制服の上にピンク色のエプロンをかけており、恥ずかしいのか顔を真っ赤にしている。言葉もないらしい。

そんなアリアの姿にキンジは軽くヒスりそうになったのは本人だけの秘密だ。

 

「星伽白雪!」

 

「ど、どうも」

 

アリアに続いて白雪も登場。

もちろんエプロン。しかし、彼女は日本の大和撫子らしく割烹着に身を包んでいた。その格好がまたよく似合い、観客席のM・Gさんは血の涙を流したとか。

 

「峰理子ちゃん!」

 

「リコりん登場☆!」

 

スモークの中から、ではなく天井から現れる理子。

 

『『『うおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!』』』

 

その格好は……なんと裸エプロン!

陶磁のような白い肌に、輝くハニーゴールドのエプロン。そのエプロンに背格好に不釣合いな胸が収められたことで大きさが強調され、その姿に会場の男性陣は色めき立つ。

 

「ふんっ!」

 

「ぎゃあああああ!!??」

 

そして、彼氏(主に和麻など)は彼女(主に流無など)に目潰しされていた。

ついでにキンジは――

 

「キーくーん!」

 

「な、何やってんのよ理子!?」

 

「キンちゃんから離れなさい!この泥棒猫!!」

 

理子に抱きつかれ、それを見たアリアと白雪が理子をキンジから引き離そうと引っ張り、それに理子も抵抗し――

 

「いだだだだだだっ!!?」

 

実は固定されていた椅子に縛り付けられているキンジの体が引っ張られて、その痛みにもだえ苦しんでいた。

ついでに一夏はどこからともなく飛んできた出席簿に撃沈していた。

まあ、一言で言うならカオスな空間だった。

 

「さ、さあ、少しハプニングがありましたが」

 

若干疲れた顔をする流無。

あのカオス空間を収めるのにちょっといろいろ(IS使ったり色金の力を使ったり)しちゃったが、何とかなった。元凶である理子も普通にアリアと同じく制服エプロンになっていた。

 

「最後に、まさかの登場、カナさんです!」

 

「はぁ~い♪」

 

「はああああああっっ!!?」

 

まさかの人物の登場に、キンジが大声を上げる。

キンジだけでなく、カナのことを知る人物たちは皆驚愕の表情をしていた。

そんななか、札幌武偵高(サツコウ)の制服に水色のエプロン姿で登場するカナ。

長い茶髪を三つ編みにまとめ、まるで人形のような完成された美を持つ顔立ちに、しなやかな体つき。

その美貌はアリアや流無などの美少女たちと比べても遜色ないほど、否それ以上に輝いており会場中の人々を魅了する。

 

「何でここにいるんだよ、カナ!?」

 

「なにやら面白そうな雰囲気を感じちゃって♪」

 

キンジの問いに悪戯っぽい表情で返すカナ。その表情を見て簪は「お姉ちゃんに似てる」と思ったのはここだけの話。

 

「さて、それでは参加者が全員そろいましたのではじめたいと思います!ルールは簡単!用意された食材を使って各々料理を一品作ってもらいます!それを審査員の方々とキンジ君に食べてもらい、得点を決めてもらいます!」

 

用意された食材とは、一般的な野菜や肉類から世界三大食材まで様々である。まあ、中には明らかにおかしいものまであるが。

 

「それでは開始です!」

 

「風魔、神楽。やれ」

 

和麻の命令に、後輩二人は忠実に役割をこなす。

ぐわあああああんん、という銅鑼の音が響き料理対決はスタートした。

 

「さて、まずは白雪ちゃんにカナさんの二人は迷うことなく食材を選んで調理を始めましたね」

 

「おおむね予想通りだな。残りの二人は……」

 

すでに料理を始めている二人とは対照的に、アリアと理子は……

 

「おいしー!!」

 

「理子ちゃ~ん!自分で食べないで!!」

 

理子はりんごやオレンジなどの果物を勝手に食べていた。流無に注意されてしぶしぶ理子も食材を選んで調理を開始する。

一方のアリアは、

 

「ねえ、桃まん持ってきて」

 

スタッフ(という名の武偵高の一年生。手伝いです)に桃まんを注文していた。

 

「企画の趣旨がわかっていないんじゃないのか?」

 

和麻の言葉に全員がうなずいた。

そうこうしている間に調理は続く。

白雪は肉、たまねぎ、ジャガイモ、にんじんなどを切り、しょうゆをベースにした味付けをしながら煮込んでいく。

 

「あれは肉じゃがだな。日本の定番だがだからこそおくが深い料理だ」

 

「割烹着姿ですから様になっていますね」

 

一方のカナは魚介類を下ごしらえし、米を炒めている。

 

「見たところパエリアみたいですね」

 

「香ばしい匂いが漂ってきているな。味のほうも保障できそうだ」

 

そして、つつがなく全員の料理が完成した。(描写が少ないのは作者の力不足です。すみません)

 

「さて、それでは試食のほうに行きましょう!」

 

さあ、キンジの運命やいかに?

 

「おい!何不吉なことを言っているんだ!」

 

「まずは白雪ちゃんから。肉じゃがです!」

 

そして、審査員の五人の前に並べられる白雪の肉じゃが。そして、キンジには……

 

「キ、キンちゃん。はい、あーん」

 

白雪が伝説のはい、あーんをしていた。

キンジが縛られているのだからこれは仕方がない。

アリアや理子から流れてくる黒いオーラがすさまじいが。

 

ゆとり「おいしいですね。味がしっかりしみこんでいて、まさに日本の肉じゃがです~」

 

麻耶「はい。私もこんな肉じゃがが作れるようになりたいです」

 

レキ「…もぐもぐ」

 

本音「う~ん、にんじんはちょっと、あ、お姉ちゃんごめんなさい、食べるから~」

 

簪「…おいしい」

 

審査員の方々からも高評価だった。

そして、運命の得点は?

 

「さて、得点が出ました!490点です!」

 

「平均で98点か。いきなり高得点だな」

 

「日本人なら誰でも食べるおなじみの味ですしね~」

 

審査員の4人は純日本人だし、レキもかなりグルメである。そんな5人をうならせるほどの肉じゃがだったのだ。

 

「お次はカナさんのパエリアです」

 

「はい。味わってね、キンジ」

 

「カナ……絶対楽しんでいるだろ」

 

「うん。だってなかなかこういう機会なかったじゃない」

 

ほほえましい兄弟?の姿。

 

ゆとり「お魚も食べやすい大きさにしてあって、味付けも油っぽくないですね」

 

麻耶「ごはんもぱらぱらで凄いです」

 

レキ「…もきゅもきゅ」

 

本音「もきゅもきゅ♪」

 

簪「これもおいしい」

 

「さあ、得点は……490点!白雪ちゃんと同点ですね」

 

「食材の味がしっかりと生かされた一品だった。この点数は当然だな」

 

カナは料理もできる完璧超人だった。この美貌で家庭的というまさに理想の女性を体現したような存在だが、実は女装したイケメンということを知る人は少ない。

 

「続いて、理子ちゃんの料理、フルーツシャーベットです」

 

途中でつまみ食いをしていたから、どうなるか不安だったが何とかできたようだ。どうやってこの短時間でシャーベットを作ったのか、それは協力者(ジャンヌ)あってのおかげだった。

何はともかく、様々なフルーツで作られたシャーベットはとてもおいしそうだった。

 

「り、理子、お前なんで自分で食べたシャーベットを!?」

 

「いいじゃ~ん、口移し~」

 

「むぐぐっ!?」

 

キンジについては触れないでおこう。

 

ゆとり「冷たくておいしいですね」

 

麻耶「シャーベットですけれど、フルーツの味がちゃんとします」

 

レキ「…パクパク」

 

本音「おいし~い!」

 

簪「……!?」頭がキーンとなり、震えている。

 

「さて、ちょうどいい食後のデザートでしたね。私も堪能させていただきました」

 

言い忘れていたかもしれないが、流無たちも料理を食べています。

 

「得点のほうは、またしても490点です。皆さん凄いですね」

 

「俺としては理子が料理できることに驚きだった」

 

「カーくん、それどういう意味!?」

 

和麻の言葉に理子が抗議の声を上げるが軽く和麻は受け流す。というか無視する。

 

「さて、最後にみんな気になるアリアちゃんの料理です!逝ってみましょう!」

 

「字が違うのは、まあ当然か。食材に桃まん注文していたし。だがその前にCMだ」

 

 

 

 




次回はアリアの料理と、暇つぶしという名の軽いコラボです。どうなるかお楽しみに

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