Fate/Last Master   作:三代目盲打ちテイク

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カルデアサマーメモリー ~癒やしのホワイトビーチ~
カルデアサマーメモリー ~癒やしのホワイトビーチ~ 1


「よーし、準備完了だ。ダ・ヴィンチちゃんが指定した座標だから心配だったけど、観測結果は良好そのもの。実にいい無人島だ」

「はっはっは。喧嘩売ってるねロマニ。いいとも、売られた喧嘩は買うのがダ・ヴィンチちゃんだ。我が万能をもって、すっごいお仕置きをしてやろう」

「はーい、レイシフト開始ー」

「覚えておくんだねロマニ――」

 

 という感じのやり取りがあって、オレたちは無人島へとレイシフトした。第六グランドオーダー完了により、第七特異点へのレイシフト証明の為の時間を使っての休暇だ。

 なんでもダ・ヴィンチちゃんが見つけた特異点もどきという場所らしく、敵もそれほどいない安全な無人島だとのこと。

 

 そして、珍しく、それは正しかった。

 

 青い海、青い空、白い砂浜に木々生い茂り自然豊かな森。とてつもなく素晴らしい光景にただただ絶句する。これほどまでに美しい海が、浜が、あっただろうか、いいやない。

 海というものの概念がぶち壊されるほどの美しさ。この美しさを形容しようとしたのならば一晩以上は余裕でかかってしまう。

 

 ゆえに、ただ一言に万感の思いを込めるのだ。

 

「綺麗だ……」

 

 もはやそれで十分。それ以外には不要。余分な装飾こそ、この美しさを損なうのだと知れ。

 

「おーおー、師匠のやつ張り切ってんなぁ」

「クー・フーリン?」

「なんでもねえよ」

 

 ――?

 

 そんなクー・フーリンのつぶやきが気になったが、海の綺麗さの前には些事に等しい。早く水着に着替えて泳ぎたいくらいだ。

 水着はダ・ヴィンチちゃんたちが用意していると言っていたからほとんど手ぶらだ。みんなにどんな水着を用意したのかとても気になる。

 

 すごく気になる。いや、ものすごく気になる。マシュとか、マシュとか、マシュの水着とか! とても気になる。いいや、ならなはずがない。

 

「それで、ダ・ヴィンチちゃん、水着は」

「そう焦らない焦らない。今回は、ちょっとした協力者がいてね」

「協力者?」

「私だ」

「――っ!? スカサハ師匠!?」

 

 いきなりの他人の声にそこにいたのは水着を着た師匠だった。艶やかな紫色のビキニ水着にパレオといった姿。赤い花の髪飾りをつけて南国スタイルで何やら得意気にドヤ顔で腕を組んでスカサハ師匠その人が立っていた。

 

「そんなに驚くな。ここは私の個人的なプライベートビーチという奴でな、オマエもいろいろと苦労したと弟子に聞いたがゆえに、ゆっくりと休める場所と水着を提供することにしたのだ」

「ありがとうございます」

「はは。礼は要らん。さて、やるべきことは多いぞ。まずは、そら全員、水着に着替えると良い。いつもの装いでは熱かろうし、何より、いろいろと余分なものがなくなって動きやすくなる」

 

 というわけで、水着に着替える。緑を基調にして黒で様々な紋様が描かれた水着。なんでも魔術礼装でもあるらしく何かあっても安全。防御力は当社比いつもの倍だとか。

 

「お、マスターも結構鍛えられてきたじゃねえか」

 

 青の布地に赤の槍模様の入った水着に着替えたクー・フーリンが、オレの体を見ながら言う。

 

「そうかな。クー・フーリンほどじゃないけど」

「はは。オレと比べんなよ。ちゃんとマスターは鍛えられてるぜ。一番最初に比べたらな」

「野郎の体なんて見ても楽しくないからね、さっさと行って、水着女子たちを待とうよ!」

 

 ライムグリーンを基調とした水着に着替えたダビデは早速駆けだしていた。

 

「いや、早すぎでしょ」

「いいや、これでいいのさ。早く行かないと、女子の着替えが終わっちゃうからね」

「それは……やめておいた方が良いんじゃないかなぁ」

 

 白黒の格子模様の水着にパーカーを羽織ったジキル博士が忠告するもあのダビデが聞くはずもない。その後、砂浜に突き刺さった何かがあったが見なかったことにした。

 

「うむ、水着か。なかなかなれぬな」

 

 青と赤と白のラインの入った水着を着たジェロニモがそういう。

 

「似合ってるよ」

「そうか。それならば良いのだが」

「おう、大将オレっちのはどうよ」

 

 ――すごく、ゴールデンです……

 

 金ぴか輝くゴールデン水着。太陽光が反射して正直、とてもまぶしいです。股間が輝いているように見えて、なんかそれはもうやばい感じがしてる。

 

「すごく、ゴールデン、だね……」

「おっ、そうだろ! やっぱ大将はわかってるぜ。んじゃ、オレっちは先に出てパラソルとか準備しておくぜ」

 

 ゴールデンがパラソルなどの荷物を抱えて浜辺へ向かっていった。

 

「あの、私も良いのでしょうか。カルデアに召喚されたばかりですし、休暇などは……」

「良いんだよ。遠慮しなくてさ」

 

 淡い緑に銀の装飾の水着に、パーカーを羽織ったベディを連れ出して浜辺の準備をする。いろいろと用意されていた道具でパラソルをたてたり、バーベキューであったり様々な準備をする。

 そんな風に動いていてもついつい気になってしまう女性陣の水着。どんな水着で来るのかそわそわしてしまう。

 

「お、やってるな男子諸君。お勤めご苦労! さあ、万能の私が来たんだ。さくっと行こうじゃあないか」

 

 まず出てきたのはダ・ヴィンチちゃん。ビキニにパレオ。いつもの装いと似たような配色の水着だが、お胸様が凄まじいです。それに星サングラスをかけてどこぞのセレブみたいである。

 

「ん、なんだいマスター、そんなに見つめて。私なんかに見惚れるよりも、他に見惚れる先があるんじゃないかにゃー」

「…………」

「? おーいマスター?」

「膝枕を!」

「お、おお、君は本当に膝枕が好きだね」

 

 ――はっ!?

 

 オレは一体何を口走っていたのだろう。膝枕? うん、いや、だって、あの太ももを見たら、それをお願いしなくて、どうするのかと。

 惜しげもなくさらされた完璧な黄金律の肢体とか、もうね、いや、もうヤバイです。太陽に白さが、もうまぶしくて。見ていられない。

 

「そう思いながらガン見じゃないか。やれやれ、これから先が思いやられるよ」

「やー、もう準備始めちゃってたんだ。遅れてごめんねー、すぐにてつだうよ」

 

 次にやってきたのはブーディカさん。飾り気のない白のビキニだが、彼女らしくて似合っている。まさに女神かというレベル。

 輝く女神とか、なにそれもう最強すぎません? これで子供がいたという母親なのだから、凄まじい。薄くスケルトンな上着を羽織っているが、ちょっと夏だからと着崩した感がまた、良い。

 

 何より胸元のあの水着の結び目。これほどまでに関心を抱かずにはいられない結び目がかつてあっただろうかいいやない。

 すごく解いてみたいです。

 

「マスター、じゃあ、僕が行こうか」

ダビデ(師匠)!」

「なに、君は見てるだけ。僕の独断。やられるのは僕だけ。でも、僕は間近でそれが見れる。君も得。僕も得。まさか、止めるなんて言わないよね」

「わかった。オレは何も見ていない」

「よし」

「マスター……」

「博士、これもまた、夏の魔力というやつだろう」

「いいえ、女性の衣服を剥ごうなどとは!」

「チッ、まじめ騎士め」

 

 ベディヴィエールに止められて、悲願はならず。まあ、達成されなくてよかったんだけど――。

 

「なーにか視線が邪だぞぉ、マスター」

「い、いや、なんでもないですブーディカさん」

「まあ、男の子だもんね。仕方ない仕方ない。でも、あんまりがっつくと女の子には嫌われちゃうからほどほどにね」

「はーい」

 

 そう額をこてんと弾かれて、ブーディカさんは、長い髪をくくりながら食事の準備に入っていた。食材は、クー・フーリンが早速、スカサハ師匠からパクった槍の因果逆転の呪いを活用しまくって調達していたものを下拵えしていく。

 オレも手伝おうと思ったのだが――。

 

「ぶっ――」

 

 次に出てきたノッブによってそれはできなくなった。

 

「なんじゃ、マスター、わしの格好が何かおかしいか」

「いや、おかしなところしかないよ!?」

 

 え、なにそれ裸マント!? なんで!?

 

 そのくせ、どうやってもお胸のピンクのアレとか、女性の大事なところとか、全然見えないのはどういことなの!?

 

 詐欺じゃないのそれ!?

 

「ふ、夏じゃからな。わしも開放的になってみたというわけじゃ」

「開放的すぎじゃろ……」

 

 あ、口調移った。

 

「サンタからの贈り物だ!」

 

 サンタさんは、サーフボードもって、サンタ風サーファー水着。水着? それともスーツ? なのかよくわからないが、露出ゼロなのは確定だ!

 

「いや、そこは違うでしょおおおおお!?」

 

 露出最大が来たら、露出最低が来ちゃったよ!

 

「夏に来るサンタもいるそうだな。ゆえに、今回もまたサンタだ。トナカイではなくサーフボードに乗ってくると聞いたから、プリドゥエンをサーフボードにしている」

 

 それ、船にもなる盾じゃありませんでしたっけ。

 

「細かいことを気にするなトナカイ」

 

 まあ、サンタさんもなんだかんだ楽しそうだからいいのだろう。うん、そういうことにしておこう。

 

「あの、似合うでしょうか」

 

 リリィ可愛いし。

 ちょっと大きめのジャケット着て意外にもスポーティーな水着を着て、恥じらいながら上目遣いで聞いてくるリリィ。

 超かわいい。なにこれ、超かわいい。

 

「我が王――!?」

「ベディヴィエールが倒れたー!?」

「く、ベディヴィエール卿には刺激が強すぎたか!」

 

 いや、サンタさん、あんた刺激度ZEROですやん!

 

「あわわわ、ベディヴィエールさん、大丈夫ですか!?」

 

 てんやわんやしていると、

 

「なんだ騒々しいな。はしゃぎすぎだろオマエら」

「式、よかった、ちょっとたすけ――」

 

 振り返って絶句した。

 そりゃぜっくする。なにせ、あの式が、あの式がだよ。あの式が――。

 

「なぜに、バニー?」

 

 バニーになっていたからだ。

 

 なんか和服っぽい水着は、まあすごいデザインだなーとか、そういうレベルなのだが、頭にぴょこんと生えたうさぎみみが凄まじい存在感を放っている。

 そして、なぜか持っている刀。どういうことなの? これはツッコミをいれたら負けなの?

 

「オレに聞くなよ。用意されてたのがこれだけだったんだ」

「そ、そうなんだ……」

 

 まあいいか。可愛らしいし。刀の方は見なかったことにしよう。

 

「エリザベート・バートリー。水着アイドル始めましたわ! どうどう?子イヌ! これおじ様が用意してくれたらしいのよ!」

 

 ドーンと勢いよく飛び出してくるのはエリちゃん。赤いビキニの水着。なんか、サイズがあってないような気がするが何をどうやっても見えちゃいけないものは見えないのでそういう水着らしい。

 

「おじ様?」

「ヴラドのおじ様のことよ」

「へぇ、良かったね。似合ってるよ」

 

 サイズが違くね? とは言わない。

 

「えへへ、じゃあ、これでとびっきりのサマーライブにしてあげるから、待っていなさいねマスター!」

「楽しみにしてるよ」

 

 元気よくダッシュしていくエリちゃんを見送ると背後に気配。もうすぐ背後にいるということから誰かは想像がついた。

 

「ま・す・た・ぁ」

 

 それからこの甘い声である。

 

「清姫も着替えたんだ」

 

 振り返ると、上下一体の水着。どことなくスクール水着を思わせるデザインであるが、腰に巻かれたリボンや、長い髪を結んでいるリボン、花飾りなどいつもとは違う装い。

 いつもは着物で隠れていた年齢の割にとても良い発育が水着ということで前面に押し出されており、思わずドキリとしてしまう。

 

「どうですか、ますたぁ、似合いますでしょうか」

「うん、可愛いよ」

「ありがとうございます」

 

 これで残るはマシュだけだ。

 

「あ、あの、先輩、どうでしょうか――」

「――――」

 

 そう思った時に声がかけられて、振り返った先にいたのは天使だった。

 白いワンピースのような水着のようで露出は少ないが、清楚という感じがしてとてもマシュに似合っている。

 

 ありていに言えば、超かわいい、可愛すぎる、ヤバイヤバイヤバイ。

 

「あ、あの先輩? そんなに押し黙って――はっ! もしかしてどこか変でしたか? やっぱり、水着はわたしには早いということなのでしょうか」

「――違う、逆、可愛すぎて、似合いすぎて、その、茫然としてた。可愛いよ、マシュ、とっても似合ってる」

「そ、そうですか。その、ありがとうございます、先輩。先輩もとてもお似合いです」

 

 こうして全員が、そろったところでスカサハ師匠がぱんぱんと手を叩く。

 

「さて、全員着替え終わったな。というわけで、これからの予定を話すとしよう。これからの予定だが、まずは食事だな。気を利かせた弟子がさっさと食材を調達してもう準備完了といったところ。まずは存分に食って飲むが良かろう。その後は今日の宿泊施設を建設する」

「建設?」

「そうだ。何分、ここは手付かずの無人島でな、気の利いた施設などあるはずもない。野宿というのもアレじゃしな。ゆえに作るというわけじゃ」

「安心したまえ、この万能のダ・ヴィンチちゃんがいるからね。心配はいらないさ」

 

 その点は心配していないが、せっかくの休暇なのだし遊ぶだけではダメなのだろうか。

 

「それではすぐに飽きるだろう? 遊びだけではすぐにやることもなくなってしまうからな。この島の開拓をやりながら、遊ぶというわけだ。何、強制というわけではない。ある程度やるべきことがある方がダレぬからな」

「なるほど。開拓か」

「楽しそうですね、先輩!」

「そうだね」

「ますたぁとの愛の巣が、作れると、つまりはそういうことなのですね!」

 

 清姫の発言は聞かなかったことにするが、確かにまず作るべきは家なのは一理ある。愛の巣云々は別としてだが。

 まずは家というか、泊まる場所が必要だから、まずはこれを作るところから始めるとしよう。ただ、オレにはどんな家を作るかどうかの案なんてないのでアイディアを募るとする。

 

「じゃあ、どんな家が作りたいか案ある人ー」

 

 一番に手を上げたのは清姫だった。

 

「ここはやはり木で作るのはどうでしょう。自然豊かな森があるわけですし、材料も多く加工も容易ですし」

「愛の巣とか言っていたけど、意外に考えられてる!!」

「確かに生活拠点といえば木造じゃのう。一層家などと言わず城でも建てるかのう」

「それはさすがにやりすぎだろ裸マント」

「あ、あの」

 

 おずおずと手を上げるのはリリィだ。

 

「なに?」

「木も良いですが、マスターが住む場所なのですから、もっとこう重厚な? そう、石とかどうでしょう」

「ああ、いいね、石。石づくりの家というのは良いものさ」

「ダビデ殿のいう通り、マスターが住む場所なのですから安全性は必要ですね」

 

 確かに木と違って丈夫さという意味では、安心だな。

 

「木、石ときたら、煉瓦だろう」

「ダ・ヴィンチちゃん……」

 

 煉瓦って、作るところから始めるのはさすがに凝りすぎだと思う。ただ、確かに煉瓦で作るのは家っぽいけど、夜までに作れるとは思えないな。

 

「先輩、とりあえず、この中から選ぶとしましょう。皆さん、いろいろなお考えがあるようですが、最終的にはマスターの好みでいいと思いますよ。もちろん、わたしも文句など言いませんので、ズバっと決めてしまってください、マスター」

「そうだなぁ――」

 

 オレが選んだのは――。

 

 




というわけで、イベント開始です。全然、内容がオリジナルになっています。

そして、何を建築するかは皆さんにアンケートで決めてもらおうと思うので、活動報告の方にアンケートを作るので、そちらに何がいいかを本編の中で提示した選択肢の中から一つだけ選んでコメントしてください。

期間は明日の18時くらいまでです。
では、よろしくお願いします。

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