西の村を出発してから二日、アーラシュの奇行から一週間、ようやく東の村が見えてきた。ずいぶんと長く離れていたようにも思える。
色々とありすぎたからだろう。
「人間大砲……」
「なになに? 楽しい話?」
「おう、楽しいぞう! 大声上がるの待ったなしだ!」
大声というか悲鳴というか。たぶん三蔵ちゃんはやめた方が良い類のアレだ。オレだって必要に迫られなければ二度とやりたくない。
帰り道もどうかと提案されたがきっちりとお断りした。人数も増えたし、何より藤太の俵は結構重いからどのみち帰り道は届かなかっただろうから、それでいいのだ。アーラシュは非常に無念そうにしていたが。
そんなことより安全の方が大事だ。何かあってからでは遅い。サーヴァントたちなら問題はないだろうが、オレは死ぬ。そう死ぬ。三蔵ちゃんもなんか死にそうだから。
「おかえり、マシュお姉ちゃん!」
そんなこんな村に入った途端、ルシュドがマシュに抱き着く。
「ひゃあ!」
「フォウ!」
「はっはっは。これルシュド、気持ちはわかるが物陰からとびかかるのは良くない」
なにせ、静謐のハサンや三蔵ちゃんであった場合、一日はものが通らない体になってただろう。静謐のハサンは毒があるし、三蔵ちゃんはアレで反射的に手が出る。意外に武闘派なお師さんなのだ。
性格は武人じゃないからまったくもってアレだけど。そこがいいところなのだが。
「そこは大丈夫! 人を選んでやっているからね」
――こいつ将来絶対に大物になるな、これ……
今の時期から大した観察眼だ。穏やかな者と乱暴な者の見分けがつくというのがすごい。
「うむ、その目利きがあるならば今後も安心だ」
「あの……それでも、いきなり抱き着かれるのは驚くといいますか……でも、ルシュド君が元気なのは何よりです。ただいま戻りました。村にお変わりはありませんか?」
「うん、ないよ! キントキの兄ちゃんとかいっぱい遊んでくれたし!」
「うむ。それは良かった。そうだ。藤太殿」
「任されよ! 前回ほどではないが蓄えていたところだ。いくぞ!」
西の村での宴を東の村でも!
「うわああ、すごーい、弓の兄ちゃんすごい。アーラシュの兄ちゃんよりもすごい!」
「ああ、トータ殿はまさに救いの神だからな! 俺も見習いたいもんだ」
すげぇ、比べられてるのに笑顔で見習いたいとか言えるアーラシュさんまじかっけえ。オレもあんな風な大人になりたいものだと思う。
「なれるさ。ま、ゆっくりとな」
東の村の人たちのにも料理を振る舞う。その間、オレはジキル博士とジェロニモのところへ向かった。
「博士、ジェロニモー」
「戻ったね。無事で何よりだよ」
「うむ。心配したが、これもまた精霊の導きだろう」
「ありがとう。村では何か変わりは?」
「特にないね。金時君が、子供たちと遊んでくれるから村は明るかったよ。ダビデ王なんかは、村の夫人たちを捕まえていろいろと知恵を披露して村の改善に努めてくれていたからね。エリザベート君は、ライブをしようとしたから止めた。マスターがいないからね」
「グッジョブ」
それは英断だ。どうにもエリちゃん、オレがいるときはいいのだが、オレがいないと駄目に戻るらしい。気が緩むとかなんとか。
誰かのために歌う時は綺麗な歌声なんだから、誰にでも歌ってほしいと思うんだけど、どうにもまだまだ難しいらしい。
「マスター! 帰ったわね! 無事っぽくてなによりよ!」
噂をすればなんとやら。エリちゃんがやってくる。その手には、なんか魔獣の死骸っぽいもの。
「どうしたのそれ?」
「最近のアイドルはなんでもやるらしいのよ! 博士から聞いたわ。なんでも、建築とか狩猟とか! 流行には乗らないとね」
「なるほど」
なるほど、あの五人組。たしかカルデアにもなぜか暇つぶし用のDVDとしてあったなぁ、あの番組。たぶん博士はそこからの入れ知恵なんだろうけど、エリちゃんのやる気をいい方に回してくれたらしい。
「さて、帰ってきて早々なんだけど、出る準備をしてほしい。博士は悪いけど、また留守番。村で指揮を任せる。クー・フーリンはエリちゃんと交代。ジェロニモはついてきて」
「わかった。誰かが指揮をやらないといけないからね」
「交代? わかったわ。それでどこに行くの?」
「村よりさらに奥。幽谷。アズライールの廟ってところらしい」
アズライール。それは死を告げる天使の名。天命の下、万人に師を告げる大天使の名だ。その名を冠された初代アサシンに会いに行くことを告げる。
「初代山の翁……か。まるで、魔術王みたいだね」
「博士、いま、なんて?」
「魔術王みたいだねってところかい?」
「どうして、そう思ったの?」
「この村で僕らが黙って待っていたわけじゃないってことさ――」
「ダビデ!」
やあ、と軽い調子でやってきたダビデ。盛大に何やら頬にモミジが咲いているのはまあ無視するとして、
「それで、何をしていたんだ?」
「もちろん、今、君の話に出たアズライールの廟ってのの調査ってところかな。名前まではわからなかったけれど、暗殺教団の周辺を聞き込みしてたんだよ麗しのアビシャグたちからね」
目ざとく夫人たちと話をしていて偶然知った初代山の翁が教団を守護しているという話。それについて気になって人妻たちをとっかえひっかえしながら情報を収集したのだという。
それ実利と趣味を両立したかっただけなのではと思いたくもなったが、今の時代、未亡人というのは多い。あの難民たちの中にも多くいたし、この村でも被害が出ていないということはないのだという。
そこにつけこ――いや、癒しを与える代わりにといろいろと話をしてきたのだという。男に話を聞くよりこういった場所のおばちゃんたちの方がものを知っているのだ。
井戸端会議ネットワーク。かつて現代のオレの母親もそうだった。もはや顔も名前も思い出せはしないが、それでもどんな親だったのかはまだ、覚えている。
オレが悪さをすれば母さんにバレないように行動していたはずなのになぜかバレていたことがあった。その時はわからなかったが、どうやら母さんの友達がオレを見て報告していたのだという。
そんな風に、地域のご婦人たちには独自のネットワークというものがあり、それは時に関係者すらも知らないような驚愕の事実を持ってきたりするのだ。
今回もそこからの情報らしい。ダビデらしいというか、まったく。
「初代山の翁。ハサン・サッバーハ。最初にして、最後の者」
「それで、それがどうして魔術王と一緒なんだ?」
「なんでも、ずっと生きているとかそういう噂があるんだ」
「ずっと……」
「そうずっとだ。それに強きものも、弱きものもその刃の前には一つの命にすぎないと言われているらしいよ」
自らの力ではなく、相対したものは自らの運命に殺される。直死の魔眼なのか。それとも何か違う別のものか。ともかく明らかに他とは異質な何かを感じる。
「だから魔術王と一緒。つまり、グランドアサシンと言いたいのか? それにしたって性急すぎないか?」
「そうだね。まあ、ほとんど僕と博士とジェロニモの想像でしかないわけだが、グランドのサーヴァント。おそらくは七騎いる。それが英霊のクラスに対応しているのであれば、アサシンのグランドならば初代ハサン以外にはありえないと僕は少なくとも思う」
なるほど、確かに。グランドのサーヴァント。魔術王がグランドキャスターならば、アサシンのグランドサーヴァントはハサン・サッバーハなのは自明の理。
なぜならばハサン・サッバーハこそアサシンの言葉の源流なのだ。ハシシを使いて人々を先導し、暗殺者とした山の老人の伝説から端を発するアサシン教団の伝承その源流の名。
アサシンイコールハサンなのだ。だからこそすべての元となったらしい冬木の聖杯戦争においては、アサシンと来ればハサン・サッバーハのみが呼ばれるという。
ドクターにも確認した事実だ。ならばそのクラスのグランドとなれば初代ハサンは濃厚ということか。
「それにグランドじゃないならないで良いんだよ」
「そう。マスターの負担にならないからね」
「グランドでなくとも強きサーヴァントは多い。彼のカルナやアルジュナのようにな。極論、円卓に対抗できれば良いのだ。ただ、シャーマンとしての勘と精霊の言葉を信じるのであれば、想定しておいた方がよい。グランドであるかもしれぬとな」
備えておけば心構えができる。
「…………そうだね」
グランドキャスター魔術王ソロモン。オレは、奴に完全に砕かれたのだから。だから、心構えをしろ。もうあんなのは、あってはいけないんだ。
「――大丈夫よマスター!」
「……エリちゃん?」
「なんてったって、このトップアイドルの
「……そうだね。うん、それじゃあ、頑張らないとね」
「うんうん、これなら僕も心置きなく残れるってもんだ」
「って、ダビデ、残るってついてこない気?」
「いやー、人妻の相手が忙しくて」
――おい。
「それじゃあ、僕はそろそろ行くよ」
「お師さんに会っていかないのか?」
「お師匠さんか。……まあ、あとで会うとするよ」
「――?」
なんだ、何か違和感が――。
何かを感じた。だが、すぐにその違和感は消える。いや、意図的に消されたのか。経験の違う王としての彼に――。
「じゃ、頑張ってね。僕は人妻との寝技の練習を頑張ってくるから」
「おい……」
ただ、その時はなにも気が付かなかった。相変わらずダビデはダビデということしか思わず。
「まあいいか。ダビデだから何か考えがあるんだろうし。何かあったら任せるよ博士」
「ああ、任された。マスターの留守は預かる。何があってもこの村の人たちは守って見せるさ。かの高名なアーラシュ殿がいるのならこっちもどうにかできるだろう。二日いや、三日は持たせられるはずだ」
「頼んだ」
そうして、オレたちは初代山の翁へ会いに行くべく、村を出発した――。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
「行ったか。さあて――」
準備しておくとしようか。博士、クー・フーリン、式、金時、アーラシュ。残ったメンバーなら円卓相手にもどうにかできるだろう。
来るのは誰だろうね。円卓の騎士でこちらにきているのは、モードレッド、ランスロット、アグラヴェイン。まずアグラヴェインはないだろう。
砦から逃げ帰ったはず。それに、アレはマスターと同じタイプ。前線に出てくるタイプじゃない。モードレッドもアーラシュのおかげで騎士の誓いで手を出してはこないだろう。
ならばランスロットとトリスタンが来る可能性がある。ガウェインは聖都の門の守りの要。賢明なアグラヴェインがいかに反乱分子をつぶそうとしてもアレを動かすことはありえない。
隣国にエジプト領オジマンディアスという敵を抱えているのだ。ガウェインを動かすはずもないからほとんどこの二人で確定。
「音の弓に刃こぼれのない剣。それに、ランスロットは不明な動きも多いらしいしね。さて――僕のエルサレムってわけじゃないけど、僕の未来の民にやってくれちゃったことの報いは受けてもらうよ」
どちらが来るかはわからないが、最悪を想定する。何事も最悪を想定して動くべきだ。楽観的に動くことなど愚の骨頂。最悪を想定して、想像して、できる限りの対策を練る。
トリスタンとランスロットの両方が攻めてくるとしよう。さて、僕ならどう攻める。エルサレムを攻めた時、僕はどうやって攻めたかな?
考える。考える考える。
「こちらの戦力を相手は知っている。特にランスロット卿と僕らは搗ち合っている。それに西の村での報告も受けていると想定しておこう。つまりこちらのサーヴァントの全戦力は敵にバレている」
そう想定すると敵はどうやってくる。真正面から道を通ってやってくる? 軍勢を引き連れてやってこれる道は二つ。東の峠と村の入り口に続く道だけ。
まさか真正面からやってくることはないだろう。アーラシュという最高の射手がいることがバレているのならば、のこのこやられに馬鹿正直にやってくるわけがない。
トリスタンならば対応できるにしても、それを頼りにやってくるというにはあまりもお粗末。円卓の騎士がそれほど馬鹿なはずもない。
アレはかつてブリテンという島を数多の蛮族から守りぬき、多くの冒険を乗り越えてきた騎士どもだ。ギフトもあって純粋強化されているにしても真正面から馬鹿正直に戦うような奴らじゃない。
戦場においては卑怯だ、なんて言葉を使う奴は馬鹿だからね。
「確実を求めるならば、騙し討ち、不意打ち、奇襲。そこらだろうね。どう思う博士?」
「いきなり話を振らないでほしいよ。でも、そうだね。奇襲はできない。この村に至る道は決して多くないし発見もされていない。だから奇襲をしたくてもできないだろう」
「少なくとも馬鹿正直に山狩りしてるらしいランスロットには僕らを探す手段が人海戦術の山狩りしかないということを考えると。トリスタンが見つけるかもね」
「見つかったとしたら、騙し討ちか不意打ちをとるんじゃないかな。正面から攻めるしかないと見せかけて、後ろから刺すなんて、うちのマスターならやりかねないけど?」
「ああ、それありそうだね」
アーラシュの狙撃に対応できるだろうトリスタンで対応している間に一気に近づいて切るなんてのはアーチャーに対して最も有効な手段だ。
「その線で想定しておこうか。だったらやっぱり正面はトリスタンかな?」
「そう思うよ。ランスロットは、マスターが言っていたけれど、姿隠しなんてのに長けてそうらしい」
「そういう逸話があるんだってさ。敵の名前がビックネームだとやりやすいね、これで真名がわからなかったら目も当てられないや」
想定する。二人の騎士が攻めてくると想定し、それがトリスタンとランスロットであると想定して動くことにする。
ガウェインは動かない。アグラヴェインはそもそも前線には出てこない。モードレッドが怪しいが騎士の誓いは守るだろう。
ならば、積極的に動いてくるのはトリスタンかランスロットのみと考える。二騎が向かってきたとして、どう動くか。
「正面にトリスタンを配置し、アーラシュの足止め。その間に、ランスロットが後ろから来る」
おそらくこれが敵が取りうる最も確率の高い作戦だろう。だってそうだろう。アーラシュ・カマンガーなんて英雄の危険性は人類史に多く刻み込まれているのだから。
そもそも正面から攻められればそちらに手を回す。後ろは気にするだろうが、積極的に気にすることはできないはずだ。
敵は軍勢なのだから。その隙をランスロットが付いてくると想定しておこう。
「ランスロットは隠れているとしてまあ、式なら見つけるでしょ。あの第六感すごいし」
もしどちらも正面から来たのなら、その時はこちらも正面から相対すればいい。楽になるだけだ。
そして、マスターが発って三日目。敵がやって来た。
「女子供はみんな避難だ!」
ジキル博士の指示が飛ぶ。避難場所はとっくの昔に把握済み。男も女も全員を避難させる。こちらはサーヴァントが6人。
敵は村に入るまでは射程外。
「さて、大口叩いたんだ手早く全滅させるぜ」
ルシュドに手早く全滅させると言ってやってきたアーラシュが狙撃を開始する。
「さて、僕もやるとしますか」
積み上げた大量の石。正面はアーラシュに四の警告、従わないのならば必中。
――
アーラシュが敵を二十人減らしたところで、
「矢が弾かれる! トリスタンか!」
敵は正面から来ている。それもトリスタン。
「式!」
「ああ、任せな」
想定通り、警戒する。
「そこだ!」
「っ――!」
潜んでいた騎士ランスロットに対して式がナイフを投擲。そこにいるなどとはわからない。だが、第六感によって何かがいると思ったゆえの攻撃。それを防げば隠形は解ける。
「ほらいた」
「く――策を見破られていたか」
「最悪は想定しておくもんでしょう。来る確率が高いのは君たち二人くらいだと思っていたからね」
「しかし無意味だ」
ランスロットによる襲撃は回避したが、こちらの狙撃は止まった。
「……ああ私は悲しい」
ならば来るのはトリスタンだ。
「我ら二人を相手に、生き残れると思っているのか?」
「……はは」
そんな物言いに笑う。
「何がおかしい」
「いや、いやいや。君たち僕らを舐めすぎだよ。アーラシュ、金時、式、博士は粛清騎士たちを頼むよ。こいつらの相手は僕がやるさ」
「ぬ、これは!」
僕が竪琴を弾けば、敵味方を問わず攻撃命中率が極端に下がる。敵のギフトがある限り完璧にとは言わないが、それでもだいぶ下がる。
サーヴァント同士の対決ならば敵の攻撃を回避することなど容易くなる。敵の攻撃も当たらず、こちらの攻撃も当たらない。
「時間稼ぎか!」
「はは、時間稼ぎ? そんなわけないとも。ああ、ない。僕はこれで、怒っていたりするんでね」
竪琴を弾きながら、曲の休符に合わせて僕は石を投擲する。僕の宝具は必中。命中率が低下しようが何だろうが、必中の前には意味をなさない。
敵の攻撃を神の加護による恩恵によって躱しながら石を拾い投擲していく。円卓相手ともなるとギフトのせいか意識の断絶にまでは追い込めないが、相手の動きを一瞬止めることは可能。あとは村の広場へと二騎のサーヴァントを誘導する。
これだけ離れれば竪琴の範囲からアーラシュたちは外れる。あとは粛清騎士を倒せば終わりだ。アーラシュの援護があればあの手強い粛清騎士だろうともマスターなしでどうにかなるだろう。
マスター並みとは言わずともジキル博士の指示も結構巧い。だから何とかなる。
「……私は悲しい。決死の時間稼ぎとは」
問題はこちら。徐々にこちらも傷を負ってきた。さすがは円卓。下がった命中率に対応して攻撃してきている。
僕は王様だけど羊飼いだからね。戦闘者じゃないんだ。宝具も決定打にはならないし、本当時間稼ぎにしか見えないだろうね。
「そうだね。僕だけならね――」
「――トリスタン卿!」
「――っ!?」
「その心臓、貰い受ける───!」
刺し穿つ死棘の槍を繰り出す前、絶対の自信を持って告げる宣誓。
紅き軌跡を以て、朱槍が死を貫く――。
穿つは心臓、狙いは必中。
「――
放たれる必殺の宝具。
ルーンによって潜んでもらっていた。気が付いたようだけれどもう遅い。邪魔はさせないよ。今ので四発目を僕は外している。
「――
狙いはトリスタンを救うべく動くだろうランスロット。ただの一瞬でも動きが止まればいい。次の瞬間にトリスタンの心臓は朱の槍に穿たれている。
「く――」
トリスタンが躱そうとする。だが、不可能だ。それを躱すには直感と幸運がいる。
「君、どうみても幸薄そうだしね。無理無理」
ゆえに躱せず、必中に屍を晒す。
「――――ああ、私は悲しい」
その言葉は果たして、どのような意味があったのか。その言葉だけは、彼が放つ言葉の中で、ただ一つだけ、何かが違っているように感じられた。
トリスタンを倒した。
「極光よ、斬撃より湖面を映せ――」
その一瞬の隙、技の間隙。僕の五つの石の四発の警告の間、クー・フーリンの槍を放った一瞬の必然の硬直に彼の騎士は動いた。
「その首、トリスタン卿の手向けにもらっていくぞ――
放たれた斬撃。僅かな傷。戦うに支障はないはずが、だがしかし膨大な魔力が切断面から溢れ、その青い光はまさに湖のように煌き、爆ぜた――。
ダビデ、エルサレムを占拠されたのでじゃっかん本気出す。
というかよくよく考えたらダビデって軍勢率いてエルサレム攻略しているので、再び軍勢を以てエルサレム(キャメロット)を攻めるというのはなんというかすごい運命的ですよね。
そして、兄貴とダビデの必中が仕事しました。トリスタン卿終了のお知らせ。ただしクー・フーリンも終了のお知らせ。
イベントはピラミッド千年パズルは卑怯。
茨木ちゃん可愛い。
勇者エリちゃんの冒険ドロップしました。
な感じです。
次回のlastmasterは
ぐだ男死す。
キングハサン登場
ぐだ男キレる
の三本です。
では次回もよろしくお願いします。