俺の青春ラブコメはこの世界で変わりはじめる。   作:clp

63 / 170
前回までのあらすじ。

 戸塚とのデートを無事に終えた八幡だったが、彼に奉仕部残留を宣言させようと企む謎の集団の暗躍は続く。果たして八幡は己の意志を貫けるのだろうか?



16.ゆくりなく彼は彼女と遭遇する。

 週末の土曜日。休みの日には珍しく、比企谷家では朝から外出の支度に余念がない。何を入れるつもりなのか、比企谷小町は空のキャリーケースの中を確認して丹念に掃除をしている。比企谷八幡は兄妹の朝食を用意しているが、それと平行して小さな食器や水を入れたペットボトルをテーブルの端の辺りに並べている。

 

「朝メシできたし、先に食べるぞ?」

 

「あ、そだねー。じゃあ、これはこのまま置いておいて……」

 

 おおかた掃除が済んだキャリーバッグの口を開けたままにして、小町がテーブルに着く。声を揃えて「いただきます」を唱えてから、2人は食事を始めるのであった。

 

 

「でさ、場所は幕張メッセで良いんだよね?」

 

「ああ。広告にも出てたし間違いないだろ」

 

 家で新聞を取っていたのが幸いして、この世界でも八幡はコボちゃんを読み続けることができていた。新聞にチラシが付いているのも現実通りだが、それらはこの世界限定のもので、かつてと比べると量は少ない。その中に「今年も幕張メッセに東京わんにゃんショーがやって来る」という広告が入っていたのである。

 

「せっかくだし、先に色々と見て回りたいよねー。カー君を迎えに行くのは最後かな」

 

「おい。あんだけしっかり準備しておいて、カマクラ待たせるのかよ」

 

「え、だってカー君を連れて会場を見て回るの重たくない?」

 

「いや、まあ、そうなんだが……」

 

 

 この日の午前0時にアップデートが行われて、この世界でもペットの飼育が可能になった。大勢のNPCが闊歩している現状を思うといささか遅すぎる気もするのだが、これは現実世界で飼われていたペットとの摺り合わせに労力を取られた結果である。

 

「カー君、どんな風になってるかなー」

 

「いやま、外見は変わらないんじゃね?」

 

「いちおう、家庭内の序列はちゃんと伝えておいたんだけど……」

 

「待て。それって俺が相手にされない展開じゃね?……ま、現実通りと言えばその通りなんだが」

 

 妹に目線だけで「何か問題でも?」と問われているのを察知して、八幡は話題を収拾する。どうせ今となっては修正は不可能だろうし、「押してダメなら諦めろ」が八幡の基本方針である。扱いが悪くなるわけではないのだし、かえって気楽に過ごせるかもしれない。

 

 

 朝食を食べ終えて、兄妹は協力して最後の持ち物チェックを行った。キャットフードや携帯用トイレ、ビニール袋とタオルに加えて消臭スプレーも入れておく。リードと、少し迷った末に迷子札も念の為に用意しておいた。バスに揺られて帰ってくるのだから、道中の粗相や逃げ出さない為の対策が重要だろう。そう考えて2人は支度を整えたのであった。

 

 

***

 

 

 バスから降りて会場に着くと、予想していた以上の人混みが2人を出迎えてくれた。この光景を写真にでも撮っているのか、小町は八幡を待たせて何かのアプリを立ち上げている。すぐにそれを済ませて、兄と妹はこうした場合にいつも行っていたように自然な形で手を繋いだ。軽く鼻歌交じりに繋いだ手を振り回す小町はご機嫌な様子で、前々から約束していたこの日のお出掛けを堪能している模様である。

 

 アップデートの予定自体は以前から告知されていて、各自ペットを迎えに行く形になることも通知されていた。だが、この世界でも東京わんにゃんショーが行われるのは嬉しいサプライズだった。会場内では犬や猫に加えて珍しい動物の展示もあり、大勢が楽しそうに見物している。小町の機嫌が良いのも当然だろう。

 

「これが入場無料って凄いよねー」

 

「おお、なんたって展示即売会だからな。1匹売れるだけで凄い儲けになるんだろうな」

 

 夢も希望もない返事をする八幡であった。彼ら兄妹のように現実でもペットを飼っていたのでなければ、つまりこの世界で初めてペットを飼う人達からすれば、ここにあるのは単なるデータである。それが売れれば丸儲けなのはソシャゲの例を出すまでもなく明白なのだが、運営が売って終わりという姿勢を明確に否定していることもあり、いささか情緒に欠けた発言だった。

 

「お兄ちゃんさ、去年もペンギンの語源が肥満とか無駄な知識を披露してくれたけど……。女の子とデートする時には、変な知識とか語らないでね。笑って聞いているようでも、内心ドン引きだから」

 

「なん……だと。じゃあ、昨日の戸塚も?」

 

「えっと……。お兄ちゃんの中で戸塚さんが女の子なのは、気持ちは分かるし手遅れだから仕方がないけど、ちゃんと相手の反応も確かめながら話してよね。お兄ちゃんは得意げに話し始めると止まらない時があるから……」

 

 真っ先に戸塚の名前を出してくる兄に苦笑しながらも、今ならいつも以上に真剣に聞いてくれそうだと考えた小町は丁寧な教育を兄に施す。実戦経験が無いのになぜか経験値だけはそこそこ貯まっている八幡であった。

 

 

 オウムやインコに観察され、鷲や鷹や隼に見下されながら鳥ゾーンを過ぎると、ハムスターやフェレットなどの小動物が兄妹を待ち構えていた。それらを見た瞬間に八幡が予想した通り、小町はウサギたちとのふれあいコーナーに突撃したまま一向に動き出す気配がない。

 

 小町には懐いているのに、八幡が近付こうとすると小動物は1匹の例外もなくちょこまかと逃げて行く。動物にまで嫌われるという哀しい気持ちを抱えて手持ちぶさたな時間を過ごしていた八幡は、妹が満足するまで付近のベンチに座って無聊を慰めるのであった。

 

 

 小動物コーナーを抜けると、そこはメインの片割れ・わんわんゾーンだった。販売という側面があるからか、犬種は豊富だが子犬ばかりが並んでいる。この世界ではどの程度の価値があるのか判らないが、いずれの子犬にも血統証明書が付いているとのことである。

 

「去年と同じような感じだねー」

 

「そだな。ここで血統書に意味があるとは思えねぇけど、価格をつり上げる為かね?」

 

「だ・か・ら、そういう話はデートの時にはダメだってば。『安心して一緒に飼えるね』とか言っておけば良いんだよ」

 

「何それ面倒臭い……」

 

 いったい妹は俺をどんな風にしたいのだろうかと、遠い目をする八幡であった。

 

 人気の高いコーナーゆえに、付近は大盛り上がりである。飼うべきか真剣に悩んでいる者もあり、この場で犬とふれあって楽しんでいる者もあり、中には大騒ぎをしながら写真を撮りまくっている女性もいる。姿形が身近な国語教師に酷似している女性にできる限り目を向けないようにして、八幡はコーナーの出口へと向かった。こっそり八幡を観察しようとここで待ち構えていた彼女が、つい写真を撮るのに夢中になって彼を見逃してしまったのはここだけの話である。

 

 

 もう一つの目玉コーナーであるにゃんにゃんゾーンでも、来場者の熱気は変わらなかった。八幡は妹と目を合わせて、挑発的な小町の視線に応える形で口を開く。

 

「この猫ここの猫の子猫こにょ……うがー!」

 

「この猫ここの猫の子猫この子猫ね。……ブイ!」

 

 片手は繋いだまま、勝ち誇ったように小町はVサインを見せつける。兄妹はどうやら気付いていないようだが、第三者から見れば間違いなくリア充の2人であった。もしも見逃されていなければ、2人が末永く爆発する呪いが結婚したいという心の叫びとともに、わんわんゾーンから送られて来たことだろう。

 

 この後に飲物を奢ることが確定してしまった八幡は悔しげに辺りを見渡す。ちなみに八幡が勝った時には各自で飲物代を出すという不平等な勝負なのだが、これも妹の教育の賜物と言って良いのだろう。

 

 付近では猫を前にして難しい表情で考え込んでいる者もいれば、猫の指示に従って遊ばれている者もいる。その中に、猫と向き合ってしゃがみ込んだ姿勢で、喉をこりこりしたり肉球をぷにぷに突いて遊んでいる女の子が居た。八幡からは背中しか見えないのだが、2つに分けて結わえた黒髪にはどこか見覚えがある。

 

 妙に絵になる彼女と猫とのじゃれ合いを写真に収めていた小町も何かに気付いた様子で、傍らの兄に問い掛ける視線を送って来た。ゆっくり頷いて返した八幡は妹と一緒に件の女の子に近付いて行く。

 

「ニャー」

「にゃー」

 

 猫の鳴き声に応えるように、八幡がここ2ヶ月ほどですっかり聞き覚えてしまった声で、その女の子は柔らかい鳴き声を出していた。妹が隣に居ることも忘れて、八幡は胸に抱いた疑問を思わず口に出してしまう。

 

「……お前、こんなとこで何してんの?」

 

 

 雪ノ下雪乃があらわれた。コマンド?

 

 

***

 

 

 この日の早朝から、雪ノ下は幕張メッセの会場内に招待されていた。今週初めの職場見学の時にも彼女らを案内してくれた運営スタッフが直々に雪ノ下の相手を務めている。アップデートが無事に完了していることを確認するのに大わらわな他の運営スタッフを尻目に、彼女が特別待遇なのは理由があった。

 

「開場前から行列ができていますね」

 

「うん。貴女が職場見学の時にあれを提案してくれたお陰で、この世界で動物を飼うことに意味を見出せたからじゃないかな」

 

「いえ。単なる思い付きに過ぎない程度の提案ですし。それを可能にしたのは御社の技術です」

 

 厳しい口調でそう答える雪ノ下だったが、その表情はどこか晴れやかで誇らしげにも見える。それは彼女の提案が受け入れられたこと自体を喜んでいるからではなく、変更内容が彼女の希望に沿った形になったことをこそ喜んでいるからなのだろう。

 

「そうは言うけど、最初の発想ってとんでもなく重要だよ。継続性という貴女の着眼点が良かったからこそ、こうした反応になってるんじゃないかな」

 

「それは……そうだとしたら嬉しいですね。私としては、この世界で動物を飼っても現実に戻ったら無駄になるという、やるせない状況を改善したかっただけなのですが」

 

「うん。やっぱりそれって寂しいよね。ちゃんとした形にするには次の大型アップデートを待つ必要があるけど、データとしては今回のアップデートで問題ないはずだから」

 

 どこか雪ノ下にとって身近な女子生徒を思わせる人懐こい距離感で、運営スタッフは話を途切れさせることがない。強いて彼女と違う点を挙げるとすれば、専門的な話ができることと、こうして雪ノ下の考察を妨げないような配慮を感じることだろうか。

 

 

 今週の月曜日。運営の仕事場で奉仕部3名が別々に見学を行った時間帯に、雪ノ下は今回のアップデート内容を議題にした過去の会議を見せられた。録画され編集された会議の様子を見るのはそれだけでも興味深いものだったが、運営は時折その動画を止めて彼女に意見を求めた。いわば擬似的に会議に参加する形を整えて貰ったのである。

 

 雪ノ下の提案は技術的・金銭的・物理的なコストを考慮しなくて良い立場だからこそ簡単に口に出せたものである。そして運営がその提案を受け入れたのは、この世界に捕らわれたプレイヤーにとって有益であり、そして何より運営にとっても新たな可能性を感じさせるものだったからだろう。

 

 職場見学で自分が提案をした時の事を思い出しながら、雪ノ下は口を開く。

 

 

「私は『睡眠学習』という表現で提案しましたが、厳密に言うと違いますよね?」

 

「うん。どう伝えたら解り易いかな……。質感のある夢という形で記憶に残しておく感じなんだけどね」

 

「それを、この世界にログインする技術を応用して実現させたということですよね?」

 

「そうね。技術としては問題なかったんだけど、特定の個体の中で相矛盾する記憶にどう収拾を付けるかが難しかったみたい。要は、同じ時間に現実とこの世界と、独立した2つの過去を持つことになるから、自我の問題に繋がるんだよね」

 

「つまり、この世界の記憶を残そうとするほど問題が出て来ると」

 

「うん。この世界で飼い主と過ごした記憶をできるだけ残してあげたいけど、その辺りの調整がね……」

 

 運営としても充分な検証時間が取れなかった為に見切り発車という側面は強い。だがそうした事情も公表した上で、現実に戻ってもペットとの繋がりを継続できる仕組みを目指すという運営の姿勢に対しては、多くのプレイヤーが好意的な評価を示していた。

 

「デジタルな技術と言えば0か1かというイメージになりがちですが、全て残るか全て消えるかの2択ではなく、少しは記憶が残るという曖昧な感じのほうが、受け入れられ易いのかもしれませんね」

 

「うん、そうだと嬉しいね。できれば、この世界は紛い物だとか覚えておく価値は無いとか言わずに、ここで過ごした時間も現実だったと思って貰えたら……ってのは贅沢かな」

 

「私達を拉致監禁している犯罪者でなければ、心から賛同するところですが」

 

 言葉としては厳しいが、雪ノ下の口調はあくまでも柔らかい。自分よりも遙かに年長である目の前の運営スタッフでも、こうして迷うことが多々あるのだ。もしもこの世界に捕らわれた意味を見出せれば、その時には自分の中で何かが変わるのではないか。ふと雪ノ下はそんなことを思い付き、そしてこの思い付きを大切に自分の記憶の中に刻み込むのであった。

 

 

「じゃあ、犯罪者からのプレゼントとかは必要ないかな?」

 

「いえ。プレゼントの中身によっては、受け取ることも吝かではないのですが」

 

 悪戯っぽく尋ねる運営スタッフに対して平然と答える雪ノ下であった。

 

「ふぅん。……ま、喜んで受け取ってくれるなら良いか。この会場内の動物をどれでも、持って帰ってくれて良いってゲームマスターが言ってたよ。ただ、大切に育てて欲しいから、1匹だけにしてくれると嬉しいんだけど」

 

「ええ、1匹だけで問題ありません。猫を飼いたいと思いますので、案内して頂けますか?」

 

「了解。存分に選んでくれて良いよ。決まったらメッセージで連絡してね」

 

 こうして、雪ノ下による長い長い吟味の時間が始まったのであった。

 

 

***

 

 

 数ある猫の中から好みの1体を選び出すという至福の時間の邪魔をされて、雪ノ下はゆらりと立ち上がった。相手がどこの誰であれ慈悲は無い。そう考えて、どこか聞き覚えのある声の主を全力で論破してやろうと企む雪ノ下だったが、かすかに残っていた理性がそれに歯止めをかける。何か大事なことを忘れている気がして、彼女は眼前の存在を無視したまま額に手を当てて思索に耽る。

 

「雪乃さん、こんにちはー」

 

「あら、小町さん。こんにちは、お久しぶりね」

 

「おい。俺の姿って……見えてるよね?」

 

「……比企谷くんも居たのね。もしかして、さっきの声は……」

 

「ああ。なんか熱中してたみたいで悪かったな」

 

 普段のからかうような軽い口調とは違って、真面目に何かを考えている様子の雪ノ下に戸惑っているのだろう。柄にもなく遠慮めいたことを口にする八幡を見て、雪ノ下も少し落ち着きを取り戻した。

 

「いえ。何か忘れていたことがあった気がして考えていただけなので、気にしなくても良いわ。……相変わらず仲が良いのね」

 

 目の前に並んでいる血の繋がったきょうだいは、お互いの気持ちが通じ合っているように見える。人前でも堂々と手を繋いで仲の良い様子を見せつける2人を微笑ましく眺めながら、雪ノ下は少しだけ疼く胸の痛みを誤魔化すように口を開く。

 

「じゃあ、私はこれで」

 

「おう、じゃあな」

 

 会って早々に解散するという予想外の展開に唖然としている小町を横目に、雪ノ下はしっかりとした歩調で行き止まりに向かって進んで行った。彼女の前に道は無い。彼女の後ろに知り合いが居る。思わず壁に向かって詩を朗読したくなる雪ノ下であった。

 

 仕方がないので颯爽とターンをして、雪ノ下は先ほど別れを告げた2人に向けて歩いて行く。頼むから何も言ってくれるなと願う彼女の痛切な思いは残念ながら伝わらず、雪ノ下は改めて2人から声を掛けられるのであった。

 

「あの、雪乃さん……?」

 

「なんでお前、壁に向かって突進したんだ?」

 

「……ま、迷ったのよ」

 

 この場で堂々と腹を掻っ捌くことができれば、どんなに気持ちが楽だろうかと雪ノ下は思う。彼女はもう少し自分の性別や生きている時代を考えたほうが良いのかもしれない。

 

 方向音痴を疑うような視線を受けて、いたたまれない気持ちの雪ノ下は一刻も早くこの場から撤退したいと思うのだが、対人経験に乏しい彼女は機転を利かせた言い訳がまるで思い浮かばない。それどころか、今の状態で口を開けば確実に噛む自信がある。万事休すの雪ノ下であった。

 

「あ、あの。良かったら雪乃さん、小町と一緒に回りませんか?」

 

 こうした場面では3人の中で唯一頼りになる小町が事態の収拾に乗り出した。雪ノ下としてもありがたい提案のはずなのだが、何かが頭の片隅で引っ掛かっている。私は大事なことを忘れているのではないだろうか。

 

 

 その時、わんわんコーナーの方角から、長毛のミニチュアダックスが悠然と姿を見せた。飼い主の姿はなく、1頭だけでとことこと歩いて来る。放し飼い状態のその犬は、背後から飼い主か誰かに注意を受けたのだろう。突然スピードを上げて、なぜか八幡に向けて一直線に走ってきた。

 

「ひ、比企谷くん。い、ぬ……」

 

 苦手な犬が自分達に向けて凄い勢いで近付いてくるのを見て、雪ノ下は思わず八幡の背後に回ってシャツの背中の辺りをちょこんと掴む。滅多に見られない彼女の混乱ぶりをもう少し見ていたいとでも言いたげな八幡に必死の視線を送ると、彼はようやく動いてくれた。

 

 妹と手を繋いだまま、同い年の女の子にシャツの背中を摘まれたまま、八幡はあっさりと首根っこを押さえて犬を捕まえる。しかし捕まった犬は暴れるわけでもなく、むしろ嬉しそうに八幡に従っている。どこかで見覚えがあるような、と雪ノ下が考え始めた瞬間に、飼い主の大きな声が会場に響いた。

 

「ごめんなさい!……サブレがご迷惑を!」

 

「あら、由比ヶ浜さん……!」

 

 遅まきながら全てを思い出した雪ノ下であった。目の前の女の子は3人が揃っているのを見て驚いていたが、すぐに事前に立てていた計画を思い出した様子である。

 

「ヒッキー!ここで会ったからには、あたしのアニマルセラピーを試しちゃうからね!」

 

 作戦名を堂々と口にするアホの子が、3人の前に立ち塞がっていたのであった。

 

 

 由比ヶ浜結衣があらわれた。コマンド?

 




次回は金曜日に更新の予定です。
ご意見、ご感想、ご指摘などをお待ちしています。

追記。
本話だけを読むと雪ノ下と運営の関わりが唐突で説明が不親切に思えたので、雪ノ下と運営スタッフの会話が途切れた箇所に地の文で説明を加えました。
既に2ヶ月前の話になりますが、2巻幕間で書いた「近々行われる予定のマイナー・アップデートに関する彼女の提案」が今回の話に繋がっています。(1/18)

誤字を1つ訂正し細かな表現を修正しました。(1/18,1/23)
誤字報告を頂いて、八幡が負けた時→勝った時に修正しました。ありがとうございます!(10/22)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。