遊戯王~伝説を受け継いだ兄妹~   作:龍南

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駆「お待たせしました、第54話です」

留姫「今回は私がアキに挑むわ」

駆「アキさん相手に留姫がどこまでいけるか」

留姫「厳しいかもしれないけど、行けるところまで行くわ」

駆「それでは、第54話、スタートです」


第54話 アカデミアトップのパーフェクトデュエル

留姫side

 

『これより、準決勝第2試合、加藤留姫(中等部1-1)vs十六夜アキ(高等部1-1)の試合を始めます。』

 

準決勝・・・正直、ここまで来れるとは思ってなかったわ。

 

対戦相手は・・・アカデミアのトップに君臨するアキ。

 

アキが魔女状態だった時にアルカディアムーブメントでやった時は途中で中断した・・・けど、あの時のアキとは比べ物にならないほど強いはず。

 

「留姫・・・勝たせてもらうわよ」

 

「こっちだって負けるわけにはいかない。アカデミアトップのあなたを倒し、決勝に進ませてもらうわ」

 

決勝で駆が待ってる・・・ここは勝たせてもらうわ!

 

「それではデュエル開始!」

 

「「デュエル!」」

 

留姫 LP4000

アキ LP4000

 

先攻は・・・どうやら私みたいね。

 

「私のターン、ドロー!」

 

・・・あんまり手札がよくないわね・・・なら、

 

「私はワイトルークを召喚!」

 

ATK/1000

 

「カードを1枚伏せてターンエンドよ。」

 

これで様子を見る。多少のダメージは覚悟の上よ。

 

「私のターン、ドロー・・・留姫、一気に行かせてもらうわよ。」

 

「え?」

 

「夜薔薇の騎士を召喚!」

 

ATK/1000

 

夜薔薇の騎士・・・いきなりブラック・ローズでくるのね。

 

「夜薔薇の騎士の効果、召喚に成功したとき、手札からレベル4以下の植物族モンスター1体を特殊召喚することができる。レベル4のロードポイズンを特殊召喚。」

 

ATK/1500

 

「Lv4のロードポイズンにLv3の夜薔薇の騎士をチューニング!冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、ブラック・ローズ・ドラゴン!」

 

ATK/2400

 

「いきなり出してくるのね。」

 

「えぇ、ブラック・ローズの効果発動!シンクロ召喚に成功したとき、場のすべてのカードを破壊する!ブラック・ローズ・ガイル!」

 

ぐっ・・・それを使ってきた・・・ってことはおそらく次はあれが来るはず!

 

「罠発動!針虫の巣窟!デッキの上からカードを5枚墓地に送る!」

 

墓地に落ちたカード

・ワイト

・餓者髑髏

・ネクロ・ガードナー

・ワイトプリンセス

・隣の芝刈り

 

隣の芝刈りに餓者髑髏がおちた・・・これは痛い・・・私の手札はワイト、ワイトキング、ワイト夫人、ジャンク・シンクロン・・・次のドローによっては餓者髑髏もできたし、クロスフュージョンもできたのに・・・そしてワイトルークは戦闘で破壊されないと効果が発動できない・・・

 

「さらに私はフィールド魔法、白薔薇の回廊を発動。このフィールド魔法は1ターンに1度、手札からローズと名の付いたモンスター1体を特殊召喚できる」

 

ローズを特殊召喚するフィールド魔法・・・初めて見るわね。でも私は死者蘇生で来ると思ったのだけど・・・予想が外れたわね。

 

「白薔薇の回廊の効果で手札から凛天使クイーン・オブ・ローズを特殊召喚!」

 

ATK/2400

 

「バトル!クイーン・オブ・ローズでダイレクトアタック!」

 

「さすがに2400のダイレクトアタックはごめんよ!墓地のネクロ・ガードナーの効果発動!このカードを除外して攻撃を無効にする!」

 

「今のセリフ・・・攻撃力5桁のモンスターを出す留姫が言っちゃいけないと思うわよ(汗)」

 

「まぁ・・・確かに(汗)」

 

私は平気で攻撃力5桁でダイレクトアタックするから・・・光学迷彩アーマーを装備させて相手にモンスターがいてもやるから(汗)

 

「けど私の攻撃はまだ終わってないわよ!速攻魔法、過去世!自分の場のモンスター1体をリリースし、リリースしたモンスターと同じレベル・攻撃力のモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚するわ!」

 

同じレベルで同じ攻撃力・・・普通はブラック・ローズなんだけど・・・ブラック・ローズはさっき召喚し、効果で墓地に行ったはず・・・いったい何を出すつもり?

 

「レベル7、攻撃力2400のクイーン・オブ・ローズをリリースし、清廉なる花園に芽吹き孤高の薔薇よ 蒼き月の雫を得てここに開花せよ!月華竜ブラック・ローズ!」

 

ATK/2400

 

「月華竜ブラック・ローズ!?」

 

もう1体のブラック・ローズ・・・そういえば龍亞君が駆とのデュエルでもう1体のパワー・ツールを出してた・・・パワー・ツールみたいにシグナーの龍すべてにこういうモンスターがいるとしても・・・不思議じゃないわね。パワー・ツールは厳密にはシグナーの龍じゃないけど・・・

 

「月華竜ブラック・ローズでダイレクトアタック!ローズ・レクイエム!」

 

「きゃあ!」

 

留姫 LP4000→1600

 

「カードを1枚伏せてターンエンドよ。」

 

1つも無駄がない・・・これがアカデミアのトップデュエリスト・・・アキの実力・・・

 

この大会、ここまでアキは1度もライフが削られてない・・・1、2回戦はともかく、準々決勝の龍可ちゃんとのデュエルは凄かった・・・

 

このデュエルも針虫の巣窟でネクロ・ガードナーが落ちてなかったらワンターンキルだったわ・・・

 

そして月華竜ブラック・ローズ・・・どうやら相手の場にレベル5以上のモンスターが特殊召喚されたとき、特殊召喚されたモンスター1体をバウンスする効果があるみたいね・・・これはジャンク・ウォリアーもワイトキングも封じられたわね・・・

 

正直厳しい・・・でもこのまま負けたくない!お願い、私のデッキ!力を貸して!

 

「私のターン・・・ドロー!」

 

・・・・・おろかな埋葬・・・そう・・・これはつまり、原点に立ち返れってことね。

 

「魔法カード、おろかな埋葬を発動!この効果で自分のデッキからワイトプリンス1体を墓地に送る。さらにワイトプリンスの効果!ワイトプリンスが墓地に送られたとき、ワイト、ワイト夫人を1体ずつ手札・デッキから墓地に送る!」

 

これで墓地にはワイトが2体、ワイト夫人、ワイトプリンス、ワイトプリンセス、ワイトルークが1体ずつ・・・十分ね!

 

「ワイトキングを通常召喚!ワイトキングの元々の攻撃力は墓地のワイトキング、ワイトの数駆000ぽいんとの数値となる!墓地にはワイトキングはいないけど、ワイト、ワイト扱いのモンスターが6体!よって攻撃力は6000よ!」

 

ATK/?→6000

 

「攻撃力6000・・・」

 

「ワイトキングのパワーで相手を圧倒する。アキ、これが私の原点よ。」

 

「・・・だったわね。いつの間にかいろんな方法がとれるようになってたけど、根本はそれよね。」

 

「えぇ・・・行くわよ!バトル!ワイトキングで月華竜ブラック・ローズに攻撃!」

 

「罠発動!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローする!」

 

「ぐっ・・・ターンエンド。」

 

月華竜は倒したけどダメージを与えられない・・・確かに単調って言われればそこまでなんだけど・・・

 

「私のターン、ドロー、魔法カード、死者蘇生発動!墓地よりブラック・ローズ・ドラゴンを蘇生!」

 

ATK/2400

 

「そしてチューナーモンスター、コピー・プラントを召喚。」

 

ATK/0

 

ブラック・ローズにチューナー・・・私の負けね。

 

「Lv7のブラック・ローズ・ドラゴンにLv1のコピー・プラントをチューニング!赤き炎が黒き薔薇を包み込み、黒き薔薇は紅に輝く!シンクロ召喚!咲き誇れ!クリムゾン・ローズ・ドラゴン!」

 

ATK/2800

 

「クリムゾン・ローズ・ドラゴンの効果発動!このカードのシンクロ召喚に成功した時、このカード以外のフィールド上のカードをすべてゲームから除外する!ローズ・ディメンション!」

 

私の場は全滅・・・もう攻撃を防ぐ手立てはない・・・

 

「バトル、クリムゾン・ローズ・ドラゴンでダイレクトアタック。クリムゾン・ローズ・ブラスト!」

 

「きゃあああ!」

 

留姫 LP1600→0

 

「勝者、十六夜アキ!」

 

はぁ・・・結局何もできなかったわね・・・

 

「さすがねアキ・・・これで今大会ノーダメージ継続ね。」

 

「ノーダメージ・・・あ、そういえばこの大会まだダメージ受けてなかったわね私。」

 

「気づいてなかったのね(汗)」

 

「えぇ」

 

「でもさすがアキね。トップデュエリストは伊達じゃないわね。」

 

「自分で言ってるわけじゃないけどね・・・でも高等部1位として、負けるわけにはいかないのよ。」

 

「まぁそうよね。下のクラス相手には勝って当然とか言われてプレッシャーもあるでしょ?」

 

「そうね。年齢は関係ないのにそんなこと言われて、正直腹が立つわ。」

 

「確かに・・・」

 

デュエルの強さに年齢は関係ない・・・けど年功序列がこういうところで残ってるのよね・・・

 

『決勝戦、山岸駆(中等部1-1)vs十六夜アキ(高等部1-1)の試合は15分後に行います。』

 

「いよいよ決勝ね。」

 

「えぇ、相手は駆・・・一番怖い相手ね。」

 

「やっぱり何をしてくるか分からないから?」

 

「そうよ。」

 

やっぱそうなのね・・・

 

「頑張ってね。」

 

「えぇ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「はぁ・・・」

 

デュエル場への入場ゲートの壁に背をかける私。

 

この準決勝・・・ほんとに何もできなかったわ・・・

 

デッキの回りが悪かったと言われればそれまでなんだけど・・・それにしても・・・

 

「なぁに落ち込んでるの」

 

「え?・・・駆・・・なんでここに・・・」

 

「なんでって次決勝だから。」

 

「あ・・・そうよね」

 

「留姫にしては落ち込みすぎじゃない?らしくないよ」

 

「分かってるわよ・・・でもさすがに何もできなさすぎと思って・・・」

 

「しょうがないよ。あれはアキさんが強すぎたんだから。」

 

「それもあるけど・・・もうちょっとやりようがあったんじゃないかって・・・」

 

「・・・はぁ・・・全くもう」

 

ギュッ!

 

「え、ちょっ駆!?」

 

抱きしめられた///

 

「そんなに落ち込むなんて・・・らしくないよ・・・智子さん」

 

「///ぎー君・・・」

 

「デュエルはたまにはそんなこともあるよ・・・デッキの回りが極端に悪いときもある・・・そういう時はもう割り切ったほうがいいよ。団体戦が午後からあるんだから」

 

「・・・ふふ、いつもそうよね」

 

「え?」

 

「いつもぎー君はこうやって私を優しく抱きしめて落ち着かせてくれる・・・この優しい感じ・・・ほんとに大好きなのよ」

 

「智子さん・・・」

 

「ぎー君の言う通りよね。だめならだめで割り切らなきゃね・・・」

 

やっぱりこうなるのね・・・やっぱり私にはぎー君が必要だわ

 

「ぎー君、もうしばらくこのままでいい?」

 

「もちろんいいよ」

 

切り替えなきゃね・・・団体戦に向けて

 

まぁ私は今日の団体戦1回戦は出ないけど

 

そして10分後、

 

「そろそろ決勝始まるかな」

 

「そうね・・・頑張ってね」

 

「うん・・・アカデミア最強のデュエリストに・・・どこまでいけるか・・・今からが楽しみだよ」

 

まーた楽しそうな表情してる・・・まっ、それでこそぎー君だけど

 

「じゃあいってくる」

 

「うん」

 

正直今のアキに付け入る隙は私から見れば見当たらない・・・だけどぎー君はわずかな隙も逃さない・・・私には見えない隙が・・・ぎー君には見えてるかもしれない

 

このデュエル・・・アカデミア史上最高の決勝戦に・・・なるかもしれないわね




駆「以上、第54話でした」

留姫「今回のゲストはアキよ」

アキ「十六夜アキよ。2話連続でのゲストとなるわ」

駆「次が僕とアキさんのデュエルですからね」

留姫「惨めなほど何もできなかった・・・」

アキ「そんなことないと思うけど・・・」

駆「それほどアキさんが強かった。まじで」

留姫「せっかく異世界の友との絆のカードを最初に出したのにあっさりやられた・・・効果も発動できずに」

駆「そのオリカが今回初登場なので紹介します」






ワイトルーク (DICHIさん提供オリカ)
闇属性 アンデット族 Lv3
ATK/1000 DEF/400
このカードのカード名は、墓地に存在する限り「ワイト」として扱う。
このカードが戦闘によって破壊された時、自分のデッキから「ワイト」と名のついたモンスターを2体まで選択して墓地に送る。





留姫「戦闘で破壊されたら墓地肥やしするカードよ。前回駆が出したムーン・ドラゴエティクスナイトと同様にDICHIさんが書いてる小説『遊戯王5D's 転生者と未来のカードたち』とのコラボでもらったカードよ」

アキ「が、私のブラック・ローズには意味をなさなかったのね」

留姫「・・・そうよ」

駆「にしてもアキさんが強すぎる・・・いまだ被ダメージ0とか・・・」

アキ「1、2回戦はともかく、準々決勝の龍可戦、そして準決勝の留姫戦はできすぎね」

留姫「まさにパーフェクトデュエル・・・」

駆「まぁ作者がガチデュエルについて行けないのでそんなもの普通に突破できるといわれればそこまでなんだけど・・・」

アキ「この小説はそんなガチ構成のデッキはないから勘弁ね」

留姫「ガチデッキでやれなんて言われたら作者の頭がパンクするから・・・」

駆「だからエクシーズ、ペンデュラムなどがこの世界では使用できないんだから・・・まぁ5D’sの世界の時点でね・・・」

アキ「そもそも駆自体もエクシーズまだよくわかってないでしょ?」

駆「はい、あんまりは・・・やり方は分かりますぐらい・・・」

留姫「ということで、決勝は前作と同じカードになったわね。」

アキ「前作は団体も個人も最後は同じカードで、団体では駆が勝ち、個人では私が勝ったのよね」

駆「さて、今回はどうなるか・・・次話はその決勝戦!」

留姫「サブタイトルは『壮絶な決勝戦 駆vsアキ』よ。またしてもそのまま・・・」

アキ「そして個人戦が終わったらいよいよ団体戦も始まるわ」

駆「開幕戦のカードも次話に発表予定です」

留姫「それじゃあ、次話もお楽しみに」

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