遊戯王~伝説を受け継いだ兄妹~   作:龍南

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駆「お待たせしました、第50話です。」

留姫「今回はホーンテッドキャンパス組の2人のデュエルよ。」

駆「恋人対決。勝つのはどっちかな?」

留姫「準々決勝唯一の高等部対決、スタートよ。」


第50話 ロック対決 こよみvs森司

こよみside

 

『これより、準々決勝第1試合、灘こよみ(高等部1-2)vs八神森司(高等部1-2)の試合を始めます。』

 

準々決勝・・・とうとうここまで来ました。

 

正直ここまでこれるとは思いませんでした。確かに私は高等部トップ5に入ってはいます。だから周りの人から見れば普通だと思われるかもしれません。

 

けど、さっきの試合のように、中等部、小等部の人も上位の人たちはほんとに強い。現にベスト8の中で高等部は私を含めても3人しか残っていません。

 

そんなレベルの高い大会のベスト8に私はいる。これは胸を張っていい成績だと自分では思ってます。

 

ここまでくればもうほんとに強い人たちばかり。

 

しかも私の対戦相手は先輩・・・私の彼氏です。

 

おそらく第1試合のデュエルを見て皆刺激を受けてるでしょう。私もその1人です。

 

このデュエルは思いっきり楽しむことにします。楽しみながら自分のデュエルをする。それが一番です。

 

「こよみちゃん・・・」

 

「先輩、どっちが勝っても恨みっこなしですよ。」

 

「もちろん。正々堂々、手加減なしだよ。」

 

「はい。」

 

「それでは、デュエル開始!」

 

「「デュエル!」」

 

こよみ LP4000

森司 LP4000

 

先攻は・・・私ですね。

 

「私のターン、ドロー。私はサイレント・マジシャンLV4を召喚します。」

 

ATK/1000

 

「サイレント・マジシャンLV4をリリースし、手札から沈黙の魔術師-サイレント・マジシャンを特殊召喚します。」

 

ATK/1000

 

「フィールド魔法、魔法族の里を発動してターンエンドです。サイレント・マジシャンの攻撃力は私の手札の枚数×500ポイントアップします。現在の私の手札は3枚なので1500ポイントアップします。」

 

ATK/1000→2500

 

これで先輩の魔法は封じました・・・と言っても、魔法使い族モンスターを出されたらその瞬間解かれますけど・・・

 

王宮のお触れは今回は必要ありませんね。先輩も王宮のお触れを使うロック戦術ですから。

 

「俺のターン、ドロー!(こよみちゃん相手に先行取られたらこうなるよな・・・ならこっちは1点突破あるのみ)自分の場にモンスターが存在しないとき、フォトン・スラッシャーは手札から特殊召喚できる!フォトン・スラッシャーを特殊召喚!」

 

ATK/2100

 

「フォトン・スラッシャーをリリースし、サイレント・ソードマンLV5をアドバンス召喚!」

 

ATK/2300

 

ここまでは想定内・・・でも魔法カードが使えない今、レベルアップは使えない・・・だからLV7までは呼べないはずです。

 

「カードを1枚伏せてターンエンドだ。」

 

やっぱりそうですか・・・でもなぜ攻撃表示?

 

「私のターン、ドロー!」

 

あ、なぜ攻撃表示かは容易に想像がつきます。手札にオネストがあるからですね。それ以外に考えられません。

 

なら、

 

「私は妖精伝姫-シラユキを召喚します。」

 

ATK/1850

 

「このカードの召喚に成功したとき、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示にします。」

 

「何!?」

 

「この効果でサイレント・ソードマンLV5を裏側守備表示にします。」

 

「ぐっ!(裏側表示だと手札のオネストが使えない・・・さすがこよみちゃん。この程度の罠は避けるよね)」

 

サイレント・ソードマンLV5の守備力は1000だからシラユキで倒せますね。

 

「バトル!シラユキで裏側表示のサイレント・ソードマンLV5を攻撃します!」

 

「ぐっ!」

 

「そしてサイレント・マジシャンで先輩にダイレクトアタックです!」

 

森司 LP4000→1500

 

「ターンエンドです。」

 

これでかなりのリード。

 

先輩、魔法が使えないこの状態でどう逆転しますか?

 

「(さすがにきついな・・・でもまだ諦めない。今の俺のデッキはサイレント・ソードマンだけじゃない。あのカードさえくればこの局面は打開できる!)俺のターン、ドロー!(よし!)俺は召喚僧サモンプリーストを守備表示で召喚!」

 

DEF/1600

 

魔法使い族モンスター・・・これで魔法の制限はなくなりました

 

「サモンプリーストの効果発動!1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てる事で、自分のデッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する!手札の魔法カード、沈黙の剣を捨て、デッキからチューナーモンスター、復讐の女戦士ローズを召喚!」

 

ATK/1600

 

チューナーモンスター・・・シンクロ召喚で打開するつもりですか先輩。

 

「Lv4のサモンプリーストにLv4の女戦士ローズをチューニング!赤く漲る炎を宿し、その真紅の刃で敵を切裂け!シンクロ召喚!いでよ!クリムゾン・ブレーダー!」

 

ATK/2800

 

「そのモンスターでこの局面を打開するつもりですか?」

 

「いや、もう1枚、これがほんとの切り札だよ。」

 

「え?」

 

「墓地の光属性モンスターのフォトン・スラッシャーと闇属性モンスターのサモンプリーストをゲームから除外し、手札からカオス・ソルジャー-開闢の死者-を特殊召喚!」

 

ATK/3000

 

カオス・ソルジャー!?まさかこれを召喚するためのシンクロ召喚・・・闇属性のサモンプリーストをを墓地に送る必要があったから・・・さすが先輩です。

 

「カオス・ソルジャーの効果発動!1ターンに1度、場のモンスター1体を除外することができる!この効果でサイレント・マジシャンを除外する!」

 

「あ!」

 

サイレント・マジシャン・・・除外なら効果が発動できない・・・

 

「カオス・ソルジャーはこのターン攻撃できないけど、これで十分。バトル!クリムゾン・ブレーダーでシラユキを攻撃!レッドマーダー!」

 

「きゃあ!」

 

こよみ LP4000→3050

 

「クリムゾン・ブレーダーが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、次の相手ターンで相手はレベル5以上のモンスターを召喚・特殊召喚できない!これでターンエンドだよ。」

 

レベル5以上のモンスターを召喚できない・・・きついですね・・・一気に追い詰められた感じです。しかも先輩の手札の残った1枚はおそらくオネストですね

 

ここからどうしましょう・・・このターンは耐えるしかないですかね。

 

「私のターン、ドロー!」

 

エフェクト・ヴェーラー・・・1ターン遅いです・・・

 

「召喚僧サモンプリーストを召喚!」

 

DEF/1600

 

「サモンプリーストの効果で手札の魔法カード、サイレント・バーニングを捨て、デッキからサイレント・マジシャンLV4を守備表示で特殊召喚します!」

 

DEF/1000

 

あ、でもこれ・・・どうしようもないですね。次のターン、オネストを出されて・・・終わりですね。

 

「ターンエンドです。」

 

「俺のターン、オネストを召喚!」

 

ATK/1100

 

「バトル、カオス・ソルジャーでサモンプリーストを攻撃!さらにカオス・ソルジャーは攻撃でモンスターを破壊したとき、もう1度だけ攻撃することができる。サイレント・マジシャンLV4をに攻撃!」

 

「くっ!」

 

「クリムゾン・ブレーダーとオネストでダイレクトアタック!」

 

「きゃあ!」

 

こよみ LP3050→0

 

「勝者!八神森司!」

 

負けちゃいました・・・さすが先輩・・・

 

「大丈夫こよみちゃん?」

 

「大丈夫です・・・さすがですね先輩。」

 

「最初はひやひやしたけどね。カオス・ソルジャー入れててよかった・・・」

 

「強いですからね。」

 

「それでは準決勝の組み合わせ抽選を行います。勝者はこちらへ。」

 

「いってくる。」

 

「はい。」

 

先輩は誰と対戦することになるんでしょうか・・・

 

「八神森司、1番」

 

1番ってことは・・・あ!先輩の準決勝の対戦相手は・・・駆さん。

 

相性的には先輩が有利なんですけど・・・駆さんは何をしてくるか予想がつきにくいですからね・・・

 

「いやー駆さんとかぁ」

 

「相性はいいですけど厄介な相手ですね。」

 

「だね。」

 

そのまま私と先輩は同じゲートからデュエル場を後にすることに

 

あ、このゲートの外側の入り口って・・・今誰もいませんよね?皆観客席にいるはずですし・・・だったら、

 

「先輩」

 

「どうしたこよみちゃ!?」

 

「・・・・・」

 

先輩に突然のキス・・・私がやりたかっただけ///

 

「ど、どうしたのこよみちゃん急に///」

 

「私に勝ったご褒美です///」

 

「嘘つき、自分がやりたかっただけのくせに」

 

「///バレバレですね」

 

「バレバレだよ。皆にはわからなくても俺にはわかるよ。」

 

「うぅ///」

 

「・・・こんなところでアツアツね」

 

「え?」

 

・・・留姫さんがいました・・・

 

「///え、な、何で留姫さんが?」

 

「なんでって今から試合だからよ。」

 

「あ」

 

そっか、留姫さんは第3試合だから・・・恥ずかしいところ見られた///

 

「あの留姫さんこれは・・・」

 

「なんであなたが慌ててるのよ。あなたはキスされたほうなのに」

 

「・・・留姫さんどこから見てました?」

 

「ちょうどあなたがキスをしたところから」

 

「ほとんど最初からじゃないですか・・・」

 

恥ずかしい///

 

「それはそうと、準決勝は駆が相手ね。」

 

「厄介な相手引き当てましたよ。」

 

「相性は明らかにあなたのほうがいいのに?」

 

「駆さんは何を仕掛けてくるか予想がつかないんですよ」

 

「駆はそういう人よ。だから強いのよ駆は」

 

留姫さん・・・ほんとに駆さんのことをよく知ってる・・・

 

「じゃあ私はこれで。」

 

「はい、準々決勝頑張ってくださいね。」

 

「えぇ。」

 

留姫さんの対戦相手は香澄ちゃん。

 

どんなデュエルになるのか・・・急成長した香澄ちゃんがどこまでやれるか・・・

 

「俺たちも行こっかこよみちゃん」

 

「はい、先輩!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『今回出にくかったな。』

 

『どう出ればいいかわからなかったですね。』

 

「サイレント・ソードマンにサイレント・マジシャン・・・デュエル中出てきませんでしたね。」

 

『2人の恋のデュエルを邪魔してはいけないと思ったので。』

 

「いやいや、公式戦だから・・・」

 

私たちの精霊は今回は気を使って出てこなかったようです(汗)

 

 

 

 

 

準々決勝残りの対戦カード

第3試合:加藤留姫(中等部1-1)vs大久保香澄(中等部1-3)

第4試合:龍可(小等部5-3)vs十六夜アキ(高等部1-1)

 

準決勝組み合わせ

第1試合:八神森司(高等部1-2)vs山岸駆(中等部1-1)

第2試合: ③ vs ④




駆「以上、第50話でした。」

留姫「さて今回のゲスト、もちろんこの2人よ。」

森司「八神森司です。」

こよみ「灘こよみです。」

留姫「まさかカオス・ソルジャーを出すとはね・・・」

森司「切り札として入れたらほんとに出ちゃいましたね。」

こよみ「おかげで私は散々ですよ・・・」

駆「こよみさんもサイレント・マジシャン以外の切り札を入れたほうがいいかもしれませんね。」

こよみ「そうですね。今日帰ってデッキ調整します。」

留姫「凶悪なデッキが出来上がりそうね・・・」

森司「しかし次は駆さんとですか・・・」

駆「俺にとって一番嫌な相手ですよ森司さんは・・・相性が悪すぎます。」

こよみ「駆さんのデッキは魔法ロックされたらきついですもんね。」

駆「何とか打開策考えとかなきゃ・・・」

森司「これでとんでもない方法考えて突破されそうな気がするな・・・」

留姫「それが駆よ。誰もが考えないような方法で突破してくるから。」

こよみ「だから強いんですよね駆さん・・・」

留姫「で・・・最後・・・大胆ね。」

こよみ「///あれは・・・」

森司「俺もびっくりしたよ・・・」

駆「たまにはああいう恋愛成分いれないとね。」

留姫「メタ言わないの。」

こよみ「次は留姫さんですね。」

留姫「えぇ。」

駆「相手は香澄。強敵だよ。」

留姫「アカデミア内で一番成長したと言ってもいい香澄・・・相手にとって不足はないわ。」

森司「そんな次話のサブタイトルは『3つ目のクロス 互いの全力』です。」

こよみ「それでは次話もお楽しみに。」

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