留姫「今回はホーンテッドキャンパス組の2人のデュエルよ。」
駆「恋人対決。勝つのはどっちかな?」
留姫「準々決勝唯一の高等部対決、スタートよ。」
こよみside
『これより、準々決勝第1試合、灘こよみ(高等部1-2)vs八神森司(高等部1-2)の試合を始めます。』
準々決勝・・・とうとうここまで来ました。
正直ここまでこれるとは思いませんでした。確かに私は高等部トップ5に入ってはいます。だから周りの人から見れば普通だと思われるかもしれません。
けど、さっきの試合のように、中等部、小等部の人も上位の人たちはほんとに強い。現にベスト8の中で高等部は私を含めても3人しか残っていません。
そんなレベルの高い大会のベスト8に私はいる。これは胸を張っていい成績だと自分では思ってます。
ここまでくればもうほんとに強い人たちばかり。
しかも私の対戦相手は先輩・・・私の彼氏です。
おそらく第1試合のデュエルを見て皆刺激を受けてるでしょう。私もその1人です。
このデュエルは思いっきり楽しむことにします。楽しみながら自分のデュエルをする。それが一番です。
「こよみちゃん・・・」
「先輩、どっちが勝っても恨みっこなしですよ。」
「もちろん。正々堂々、手加減なしだよ。」
「はい。」
「それでは、デュエル開始!」
「「デュエル!」」
こよみ LP4000
森司 LP4000
先攻は・・・私ですね。
「私のターン、ドロー。私はサイレント・マジシャンLV4を召喚します。」
ATK/1000
「サイレント・マジシャンLV4をリリースし、手札から沈黙の魔術師-サイレント・マジシャンを特殊召喚します。」
ATK/1000
「フィールド魔法、魔法族の里を発動してターンエンドです。サイレント・マジシャンの攻撃力は私の手札の枚数×500ポイントアップします。現在の私の手札は3枚なので1500ポイントアップします。」
ATK/1000→2500
これで先輩の魔法は封じました・・・と言っても、魔法使い族モンスターを出されたらその瞬間解かれますけど・・・
王宮のお触れは今回は必要ありませんね。先輩も王宮のお触れを使うロック戦術ですから。
「俺のターン、ドロー!(こよみちゃん相手に先行取られたらこうなるよな・・・ならこっちは1点突破あるのみ)自分の場にモンスターが存在しないとき、フォトン・スラッシャーは手札から特殊召喚できる!フォトン・スラッシャーを特殊召喚!」
ATK/2100
「フォトン・スラッシャーをリリースし、サイレント・ソードマンLV5をアドバンス召喚!」
ATK/2300
ここまでは想定内・・・でも魔法カードが使えない今、レベルアップは使えない・・・だからLV7までは呼べないはずです。
「カードを1枚伏せてターンエンドだ。」
やっぱりそうですか・・・でもなぜ攻撃表示?
「私のターン、ドロー!」
あ、なぜ攻撃表示かは容易に想像がつきます。手札にオネストがあるからですね。それ以外に考えられません。
なら、
「私は妖精伝姫-シラユキを召喚します。」
ATK/1850
「このカードの召喚に成功したとき、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを裏側守備表示にします。」
「何!?」
「この効果でサイレント・ソードマンLV5を裏側守備表示にします。」
「ぐっ!(裏側表示だと手札のオネストが使えない・・・さすがこよみちゃん。この程度の罠は避けるよね)」
サイレント・ソードマンLV5の守備力は1000だからシラユキで倒せますね。
「バトル!シラユキで裏側表示のサイレント・ソードマンLV5を攻撃します!」
「ぐっ!」
「そしてサイレント・マジシャンで先輩にダイレクトアタックです!」
森司 LP4000→1500
「ターンエンドです。」
これでかなりのリード。
先輩、魔法が使えないこの状態でどう逆転しますか?
「(さすがにきついな・・・でもまだ諦めない。今の俺のデッキはサイレント・ソードマンだけじゃない。あのカードさえくればこの局面は打開できる!)俺のターン、ドロー!(よし!)俺は召喚僧サモンプリーストを守備表示で召喚!」
DEF/1600
魔法使い族モンスター・・・これで魔法の制限はなくなりました
「サモンプリーストの効果発動!1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てる事で、自分のデッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する!手札の魔法カード、沈黙の剣を捨て、デッキからチューナーモンスター、復讐の女戦士ローズを召喚!」
ATK/1600
チューナーモンスター・・・シンクロ召喚で打開するつもりですか先輩。
「Lv4のサモンプリーストにLv4の女戦士ローズをチューニング!赤く漲る炎を宿し、その真紅の刃で敵を切裂け!シンクロ召喚!いでよ!クリムゾン・ブレーダー!」
ATK/2800
「そのモンスターでこの局面を打開するつもりですか?」
「いや、もう1枚、これがほんとの切り札だよ。」
「え?」
「墓地の光属性モンスターのフォトン・スラッシャーと闇属性モンスターのサモンプリーストをゲームから除外し、手札からカオス・ソルジャー-開闢の死者-を特殊召喚!」
ATK/3000
カオス・ソルジャー!?まさかこれを召喚するためのシンクロ召喚・・・闇属性のサモンプリーストをを墓地に送る必要があったから・・・さすが先輩です。
「カオス・ソルジャーの効果発動!1ターンに1度、場のモンスター1体を除外することができる!この効果でサイレント・マジシャンを除外する!」
「あ!」
サイレント・マジシャン・・・除外なら効果が発動できない・・・
「カオス・ソルジャーはこのターン攻撃できないけど、これで十分。バトル!クリムゾン・ブレーダーでシラユキを攻撃!レッドマーダー!」
「きゃあ!」
こよみ LP4000→3050
「クリムゾン・ブレーダーが戦闘で相手モンスターを破壊し墓地へ送った時、次の相手ターンで相手はレベル5以上のモンスターを召喚・特殊召喚できない!これでターンエンドだよ。」
レベル5以上のモンスターを召喚できない・・・きついですね・・・一気に追い詰められた感じです。しかも先輩の手札の残った1枚はおそらくオネストですね
ここからどうしましょう・・・このターンは耐えるしかないですかね。
「私のターン、ドロー!」
エフェクト・ヴェーラー・・・1ターン遅いです・・・
「召喚僧サモンプリーストを召喚!」
DEF/1600
「サモンプリーストの効果で手札の魔法カード、サイレント・バーニングを捨て、デッキからサイレント・マジシャンLV4を守備表示で特殊召喚します!」
DEF/1000
あ、でもこれ・・・どうしようもないですね。次のターン、オネストを出されて・・・終わりですね。
「ターンエンドです。」
「俺のターン、オネストを召喚!」
ATK/1100
「バトル、カオス・ソルジャーでサモンプリーストを攻撃!さらにカオス・ソルジャーは攻撃でモンスターを破壊したとき、もう1度だけ攻撃することができる。サイレント・マジシャンLV4をに攻撃!」
「くっ!」
「クリムゾン・ブレーダーとオネストでダイレクトアタック!」
「きゃあ!」
こよみ LP3050→0
「勝者!八神森司!」
負けちゃいました・・・さすが先輩・・・
「大丈夫こよみちゃん?」
「大丈夫です・・・さすがですね先輩。」
「最初はひやひやしたけどね。カオス・ソルジャー入れててよかった・・・」
「強いですからね。」
「それでは準決勝の組み合わせ抽選を行います。勝者はこちらへ。」
「いってくる。」
「はい。」
先輩は誰と対戦することになるんでしょうか・・・
「八神森司、1番」
1番ってことは・・・あ!先輩の準決勝の対戦相手は・・・駆さん。
相性的には先輩が有利なんですけど・・・駆さんは何をしてくるか予想がつきにくいですからね・・・
「いやー駆さんとかぁ」
「相性はいいですけど厄介な相手ですね。」
「だね。」
そのまま私と先輩は同じゲートからデュエル場を後にすることに
あ、このゲートの外側の入り口って・・・今誰もいませんよね?皆観客席にいるはずですし・・・だったら、
「先輩」
「どうしたこよみちゃ!?」
「・・・・・」
先輩に突然のキス・・・私がやりたかっただけ///
「ど、どうしたのこよみちゃん急に///」
「私に勝ったご褒美です///」
「嘘つき、自分がやりたかっただけのくせに」
「///バレバレですね」
「バレバレだよ。皆にはわからなくても俺にはわかるよ。」
「うぅ///」
「・・・こんなところでアツアツね」
「え?」
・・・留姫さんがいました・・・
「///え、な、何で留姫さんが?」
「なんでって今から試合だからよ。」
「あ」
そっか、留姫さんは第3試合だから・・・恥ずかしいところ見られた///
「あの留姫さんこれは・・・」
「なんであなたが慌ててるのよ。あなたはキスされたほうなのに」
「・・・留姫さんどこから見てました?」
「ちょうどあなたがキスをしたところから」
「ほとんど最初からじゃないですか・・・」
恥ずかしい///
「それはそうと、準決勝は駆が相手ね。」
「厄介な相手引き当てましたよ。」
「相性は明らかにあなたのほうがいいのに?」
「駆さんは何を仕掛けてくるか予想がつかないんですよ」
「駆はそういう人よ。だから強いのよ駆は」
留姫さん・・・ほんとに駆さんのことをよく知ってる・・・
「じゃあ私はこれで。」
「はい、準々決勝頑張ってくださいね。」
「えぇ。」
留姫さんの対戦相手は香澄ちゃん。
どんなデュエルになるのか・・・急成長した香澄ちゃんがどこまでやれるか・・・
「俺たちも行こっかこよみちゃん」
「はい、先輩!」
『今回出にくかったな。』
『どう出ればいいかわからなかったですね。』
「サイレント・ソードマンにサイレント・マジシャン・・・デュエル中出てきませんでしたね。」
『2人の恋のデュエルを邪魔してはいけないと思ったので。』
「いやいや、公式戦だから・・・」
私たちの精霊は今回は気を使って出てこなかったようです(汗)
準々決勝残りの対戦カード
第3試合:加藤留姫(中等部1-1)vs大久保香澄(中等部1-3)
第4試合:龍可(小等部5-3)vs十六夜アキ(高等部1-1)
準決勝組み合わせ
第1試合:八神森司(高等部1-2)vs山岸駆(中等部1-1)
第2試合: ③ vs ④
駆「以上、第50話でした。」
留姫「さて今回のゲスト、もちろんこの2人よ。」
森司「八神森司です。」
こよみ「灘こよみです。」
留姫「まさかカオス・ソルジャーを出すとはね・・・」
森司「切り札として入れたらほんとに出ちゃいましたね。」
こよみ「おかげで私は散々ですよ・・・」
駆「こよみさんもサイレント・マジシャン以外の切り札を入れたほうがいいかもしれませんね。」
こよみ「そうですね。今日帰ってデッキ調整します。」
留姫「凶悪なデッキが出来上がりそうね・・・」
森司「しかし次は駆さんとですか・・・」
駆「俺にとって一番嫌な相手ですよ森司さんは・・・相性が悪すぎます。」
こよみ「駆さんのデッキは魔法ロックされたらきついですもんね。」
駆「何とか打開策考えとかなきゃ・・・」
森司「これでとんでもない方法考えて突破されそうな気がするな・・・」
留姫「それが駆よ。誰もが考えないような方法で突破してくるから。」
こよみ「だから強いんですよね駆さん・・・」
留姫「で・・・最後・・・大胆ね。」
こよみ「///あれは・・・」
森司「俺もびっくりしたよ・・・」
駆「たまにはああいう恋愛成分いれないとね。」
留姫「メタ言わないの。」
こよみ「次は留姫さんですね。」
留姫「えぇ。」
駆「相手は香澄。強敵だよ。」
留姫「アカデミア内で一番成長したと言ってもいい香澄・・・相手にとって不足はないわ。」
森司「そんな次話のサブタイトルは『3つ目のクロス 互いの全力』です。」
こよみ「それでは次話もお楽しみに。」