留姫「今回は・・・まぁタイトル通りデュエルは短いわ。」
駆「その代り何試合かやるけどね。」
留姫「早速行くわよ。」
駆・留姫「「第44話、スタート!」」
留姫side
『これより、2回戦第1試合、十六夜アキ(高等部1-1)vs石原法子(高等部1-1)の試合を始めます。』
アカデミア杯2日目。
今日は個人戦の2回戦と準々決勝が行われる。
私の2回戦は第2試合。つまり今から行われる第1試合の後。
第1試合は優勝候補筆頭のアキがクラスメイトと対戦。この2回戦唯一の高等部同士の対決よ。
しかし2回戦に勝ち残った16人。クラス別でみてみると随分と偏りがあるのよね。
中等部1-1が私、美菜、隆、駆、涼太の5人が残ってる。続いてアキが所属してる高等部1-1、森司さんとこよみさんが所属してる高等部1-2、遥ちゃん、龍可、龍亞の小等部5-3がそれぞれ3人ずつ。そして中等部1-3が香澄1人。最後に高等部3-2が1人残ってる。この高等部3-2の人が私の2回戦の対戦相手。
2回戦で唯一残ってる最上級生として意地を見せてくるでしょうね。
「それでは、デュエル開始!」
「「デュエル!」」
アキ LP4000
法子 LP4000
「私の先攻、ドロー・・・・え?」
ん?何かあったのかしら?
「わ、私は地帝家臣ランドローブを守備表示で召喚。」
DEF/1000
「カードを1枚伏せてターンエンドですわ。」
それだけ?あの人のデッキ、確か帝デッキだったはず。
帝デッキって初ターンこんなに動かないものだったかしら?
「あの人・・・手札事故起こしてるかもね。」
「やっぱり?」
ちなみに私の隣にいる人は当然駆よ。
「(手札事故を起こしたわね・・・法子はキーカードをまだ1枚ずつしか持ってない。だからこういう手札事故を結構起こすのだけど・・・今回はかなりひどい事故ね・・・事故っても大抵の相手になら問題ないレベルだからまだ高等部の上位に入れるのだけど・・・私相手にそれは致命傷。一気に決めるわ。)私のターン、ドロー!」
さて、対するアキはどうするかしら?
「私は夜薔薇の騎士を召喚。」
ATK/1000
「夜薔薇の騎士の効果で、手札からレベル4以下の植物族モンスター、ロードポイズンを特殊召喚。」
ATK/1500
アキ・・・いきなりエースを出すのね。
「Lv4のロードポイズンにLv3の夜薔薇の騎士をチューニング。冷たい炎が世界の全てを包み込む。漆黒の花よ、開け!シンクロ召喚!現れよ、ブラック・ローズ・ドラゴン!」
ATK/2400
「いきなり出したかアキさん。」
「・・・このターンで決めるつもりじゃないかしら。」
「かもね。相手は帝。事故ってるとはいえ、ぐずぐずしてると立ち直るからね。」
「ブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、フィールド上の全てのカードを破壊出来る!ブラック・ローズ・ガイル!」
「くっ・・・」
「魔法カード、死者蘇生を発動。墓地からブラック・ローズ・ドラゴンを蘇生させる。」
ATK/2400
「さらに速攻魔法、偽りの種を発動。手札のレベル2以下の植物族モンスターを特殊召喚する。フェニキシアン・シードを特殊召喚。」
ATK/800
「フェニキシアン・シードをリリースし、手札からフェニキシアン・クラスター・アマリリスを特殊召喚。」
ATK/2200
「あ、決まったわね。」
「だね。」
「ブラック・ローズ・ドラゴンとフェニキシアン・クラスター・アマリリスでダイレクトアタック!」
「きゃあああ!」
法子 LP4000→0
「勝者、十六夜アキ!」
高等部対決が手札事故によりあっさり終わった・・・
「次は留姫だね。」
「えぇ。」
「頑張ってね。」
「えぇ。勝ってくるわ。」
駆からの応援が何よりもうれしい。
さぁ、相手が最上級生だろうと、容赦はしないわ。絶対に勝って見せる!
『これより、2回戦第2試合、打田英人(高等部3-2)vs加藤留姫(中等部1-1)の試合を始めます。』
「よろしくな。」
「・・・よろしく。」
相手のデッキは1回戦を見る限りスキドレバルバ。モンスター効果が無効になるのはきついけど、倒せない相手じゃないわね。
「それでは、デュエル開始!」
「「デュエル!」」
英人 LP4000
留姫 LP4000
「俺の先攻、ドロー!俺は神獣王バルバロスを召喚!」
ATK/3000
「バルバロスはLv8だがリリースなしで通常召喚できる。だがこの時、元々の攻撃力は1900となる。」
ATK/3000→1900
「カードを2枚伏せてターンエンド。」
伏せカード2枚・・・1枚はスキルドレインでしょうから、後1枚はスキルドレインを守る為のカードかしらね。
「私のターン、ドロー!」
「この瞬間、永続罠、スキルドレインを発動!ライフを1000ポイント払い、場のモンスターの効果をすべて無効にする。」
英人 LP4000→3000
「効果が無効になったことにより、バルバロスの攻撃力は3000となる!」
ATK/1900→3000
まぁ、こうなるでしょうね・・・ならまずは。
「魔法カード、ハーピィの羽根帚を発動。相手の場の魔法・罠をすべて破壊する。」
「させるか!カウンター罠、魔宮の賄賂を発動!魔法・罠の発動を無効に破壊する!」
まぁスキルドレインを守ってくるでしょうね。
「魔宮の賄賂の効果で相手はデッキから1枚ドローできる。」
「なら遠慮なく、ドロー!」
あ・・・これはかなりひどいカード引いたわね。
私の勝ち決定ね。
「ワイトプリンスを召喚。」
ATK/0
「攻撃力0で何をするつもりだ?諦めたか?」
「これを見てもそう言えるかしら?魔法カード、強制転移を発動。」
「・・・・・・・・・は?」
「互いに自分の場のモンスター1体を選び、そのコントロールを入れ替える。互いにモンスターは1体ずつ。さぁ、交換しましょうか。」
「・・・・・・・・・・・」
相手はもう放心状態ね。
バルバロスとワイトプリンスを交換。バルバロスの攻撃力は3000、ワイトプリンスの攻撃力は0。そして相手ライフは3000
「バトル、バルバロスでワイトプリンスを攻撃。トルネード・シェイパー。」
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
英人 LP3000→0
「勝者、加藤留姫!」
はい、終わり。拍子抜けね。まぁまさかピンポイントで強制転移引くとは思わなかったけど(汗)
「準々決勝進出おめでとうございます。」
「ありがとう龍可ちゃん。」
フィールドを後にし、観客席へ行く最中、龍可ちゃんに出会ったわ。
「強制転移入れてたんですね。」
「えぇ、まさかあの場面で引くとは思わなかったわ。」
「まさか魔宮の賄賂の効果で引いたんですか?」
「そうよ。」
びっくりした表情を見せる龍可ちゃん。そりゃそうよね。
「次、龍可ちゃんでしょ。」
「はい!」
「頑張ってね。そしてデュエルを楽しんできなさい。」
「ふふ、駆と同じようなことを言うんですね。」
「駆の彼女だもの。」
「そこまで似なくても・・・」
「そうだけど、デュエルを楽しむ気持ちはほんとに大事よ。龍可はそれを間近で見てきたはずよ。」
「遥のことですね。」
「えぇ、駆もそうだけど、一番デュエルを楽しんでるのは遥ちゃんね。」
遥ちゃんはほんとに心からデュエルを楽しんでる。
だからこそあの子は強い。涼太もあるいは遥ちゃんにやられるかもしれないわね。
「行ってきます留姫さん。」
「えぇ、頑張って。」
龍可side
『これより、2回戦第3試合、石原周子(高等部1-2)vs龍可(小等部5-3)の試合を始めます。』
いよいよ私の番。
相手は高等部の人。1回戦見た限りでは強いほう。
でも、世の中絶対に負けない人なんて存在しない。
デッキの回りにも左右されるし、アキさんの対戦相手みたいに手札事故が起こることもある。
はたまたさっきの留姫さんみたいにピンポイントで相性がいいカードを引くこともある。
それがデュエル。だからこそ面白い。
それを私は留姫さんの言う通り間近で経験してきた。駆と遥はそれを私に教えてくれた。
「よろしくお願いします。」
「こちらこそ。」
どんな時も私は諦めない!
私は私らしいデュエルで楽しんで、そして勝利をもぎ取って見せる!
「それでは、デュエル開始!」
「「デュエル!」」
周子 LP4000
龍可 LP4000
「私のターン、ドロー!私はホルスの黒炎竜LV4を召喚!」
ATK/1600
ホルスの黒炎竜・・・LV8までレベルアップしたら魔法の発動を無効にするんだったわね。
「ドラゴン族のホルスの黒炎竜LV4を除外することで、手札からレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンを特殊召喚!」
ATK/2800
「レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンの効果!1ターンに1度、手札か墓地からドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!手札からホルスの黒炎竜LV6を特殊召喚!」
ATK/2300
「さらに魔法カード、レベルアップ!を発動!ホルスの黒炎竜LV6をリリースし、ホルスの黒炎竜LV8を特殊召喚!」
ATK/3000
・・・え?1ターン目で出てくるの?
「カードを1枚伏せてターンエンドですわ。(伏せたカードは王宮のお触れ。これで魔法・罠は封じましたわ。)」
いきなり魔法が封じられちゃった・・・そして伏せたカードは・・・やっぱり王宮のお触れかな?1回戦でも使ってたし。
「私のターン、ドロー!」
・・・え?何この手札?ちょっと酷いよある意味。これ、もし伏せカードが本当に王宮のお触れだったらこのターンで終わるわよ(汗)
「このカードは、相手の場にのみモンスターが存在する時、手札から特殊召喚できる。幻奏の歌姫ソロを特殊召喚!」
ATK/1600
「さらにこのカードは、自分の場に幻奏のモンスターがいる時、手札から特殊召喚できる。幻奏の音女カノンを特殊召喚!」
ATK/1400
「ソロとカノンをリリースし、天上に響く妙なる調べよ。眠れる天才を呼び覚ませ。アドバンス召喚!いでよ!幻想の音姫プロディジー・モーツァルト!」
『私の出番ですね。』
ATK/2600
「一気に決めるから頼むわよ。」
『分かりました。』
「モーツァルトの効果発動!1ターンに1度、手札から天使族光属性モンスター1体を特殊召喚する!きて!幻奏の音女エレジー!」
ATK/2000
「エレジーが存在する限り、特殊召喚された幻奏モンスターは効果では破壊されない!さらに特殊召喚されたエレジーがいる限り、私の場の天使族モンスターの攻撃力は300ポイントアップする!」
モーツァルト ATK/2600→2900
エレジー ATK/2000→2300
「さらに幻奏の音女ソナタを特殊召喚!」
ATK/1200→1500
「ソナタも自分の場に幻奏と名のついたモンスターがいる時、手札から特殊召喚できる!そして特殊召喚したソナタが場にいる限り、私の場の天使族モンスターの攻撃力・守備力は500ポイントアップする!」
モーツァルト ATK/2900→3400 DEF/2000→2500
エレジー ATK/2300→2800 DEF/1200→1700
ソナタ ATK/1500→2000 DEF/1000→1500
「う、嘘・・・攻撃力3400に2800・・・魔法・罠なしでこんなに展開されるなんて・・・」
「バトルよ!モーツァルトでホルスの黒炎竜LV8を攻撃!グレイスフル・ウェーブ!」
『はぁぁぁぁ!』
「きゃっ!」
周子 LP4000→3600
「さらにエレジーでレッドアイズ・ダークネスメタルドラゴンに攻撃!」
「この2体の攻撃力は同じですわ!迎え撃ちなさい!レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン!」
「それはどうかしら?」
「え?」
「手札の幻奏の音女スコアを手札から墓地に送って効果発動!自分の幻奏モンスターが相手モンスターと戦闘を行うとき、その相手モンスターの攻撃力・守備力をターン終了時まで0にする!」
「0ですって!?」
レッドアイズ・ダークネスメタルドラゴン ATK/2800→0 DEF/2400→0
「いけ!エレジー!」
「きゃあ!」
周子 LP3600→800
「これで最後です!ソプラノでダイレクトアタック!」
「きゃあああ!」
周子 LP800→0
「しょ、勝者、龍可!」
ほ、ほんとに勝っちゃった(汗)
かなり運がよかったわね・・・あんな手札、普通来ないわよ・・・
でもこれで準々決勝進出。
勢いに乗って次も勝つわ!
駆「以上、第44話でした。」
留姫「今回のゲストはアキと龍可ちゃんよ。」
アキ「十六夜アキよ。」
龍可「龍可です。」
駆「まぁ3人ともひどいワンターンキルを・・・」
アキ「私はしょうがないわよ。相手が事故ったんだから。」
留姫「相手の手札事故はしょうがないわよね。」
龍可「留姫さんは・・・強制転移ピンポイント・・・」
駆「ある意味一番ひどい(汗)」
留姫「きちゃったものはしょうがないでしょ。」
アキ「龍可も龍可で・・・手札がオールモンスターとはね・・・」
龍可「あんな手札、二度と来ないですね。」
駆「きてもらっても困るよ・・・」
アキ「周子が一番可哀想ね。ちゃんとした手札だったのにワンキルされるなんて・・・」
留姫「完全に相性の問題ね。」
龍可「次も頑張らなきゃ。」
駆「次回もある意味ひどいんだがな(汗)」
アキ「2回戦なのになんでこんなひどいデュエルばっかりなんでしょうね(汗)」
留姫「またしても相性の問題ね。」
龍可「魔法・罠を封じられるのはきついですからね。」
駆「封じられても問題ないのは・・・留姫と龍可だけじゃね?あ、アキさんもブラック・ローズでリセットすればいいのか。」
アキ「エフェクト・ヴェーラーで止められたら終わりだけどね。」
留姫「それを言ったらお終いよアキ・・・」
龍可「それだったら私と留姫さんもエフェクト・ヴェーラーで止まりますよ。」
駆「ということで、次話の題名は『沈黙の脅威』です。」
留姫「それじゃあ次話もお楽しみにね。」