留姫「今回は私達だけで進行させてもらうわ。」
駆「そりゃね・・・俺たちにとって運命の時だから。」
留姫「えぇ・・・それじゃあ早速行くわよ。」
駆・留姫「「第35話、スタートです。」」
駆side
留姫が2人きりで話したいことって・・・一体何だろう?
めっちゃ気になって仕方ないんだけど。
まぁ今気にしても仕方ないか。
とりあえずは今からの実技デュエルに集中!
「あなたが山岸駆ですわね。」
んなこと思ってたら相手方から声をかけられた。
「そうですね。今日はよろしくお願いします。」
「えぇ、フォーチュンカップ準優勝者の実力、見せてもらいますわよ。」
お嬢様口調か・・・お嬢様口調の人は大抵嫌な人ばっかりなんだけど・・・神田さんからはそんな雰囲気を感じないな。
「行きますわよ。」
「はい!」
「それでは実技試験デュエル開始!」
「「デュエル!」」
駆 LP4000
沙紀 LP4000
先攻は・・・俺か。
「俺のターン、ドロー!」
さてどうするか・・・相手は留姫たちを倒したことがある実力の持ち主・・・迂闊には行けないな・・・
だがこの手札・・・まさかこの3枚が揃うとは・・・ならば・・・あれをやるしかないね!
「俺はE・HEROフォレストマンを守備表示で召喚!」
DEF/2000
「カードを4枚伏せてターンエンド!」
「いきなり4伏せ・・・あなたらしいですわね。」
「へぇ、随分と俺のデュエルを研究してるみたいですね。」
「あなたはもうこのアカデミアでは有名ですわよ。だから自然とあなたの戦い方は耳にしますわ。HEROにしては特殊な戦い方だと。」
あぁ、やっぱ耳に入るんだそういうの・・・だから有名になると嫌なんだよ・・・
「ではいきますわ!私のターン、ドロー!」
さて、神田さんはどういうデッキだ?
「私は手札のシャドウ・リチュアの効果を発動しますわ。このカードを墓地に送り、デッキからリチュアの儀水鏡を手札に加えますわ。」
「リチュアか・・・」
あれ結構手ごわいんだよな・・・
「いきますわ!リチュアの儀水鏡を発動!同時に手札のヴィジョン・リチュアの効果を発動!水属性の儀式モンスターを特殊召喚する場合、このカード1枚で儀式召喚のためのリリースとして使用できますわ。ヴィジョン・リチュアの墓地に送り、イビリチュア・ジールギガスを儀式召喚!」
ATK/3200
ジールギガス・・・リチュア最大の攻撃力を持つモンスター・・・攻撃力もそうだが効果もまた厄介。
「ジールギガスの効果を発動!1ターンに1度、ライフを1000払うことでカードを枚ドローしますわ。ドロー下カードを互いに確認し、確認したカードがリチュアと名のついたモンスターだった場合、場のカード1枚を持ち主のデッキに戻しますわ。ドロー!・・・私が引いたのは邪神の大災害。バウンス効果は発動しませんわ。」
沙紀 LP4000→3000
ふぅ、だが邪神の大災害・・・厄介なカードを引かれたな・・・
「バトル!ジールギガスでフォレストマンを攻撃しますわ!」
「くっ!」
「そして私もカードを4枚伏せてターンエンドですわ。」
「へぇ、リチュアで4伏せですか。」
「こんなこともありますわ。今回は手札が悪い方ですわ。」
「みたいですね。そしてそれは僕の罠にかかったも同然!」
「え?」
さぁ、いくよ!
「リバースカードオープン!クリボーを呼ぶ笛!デッキからクリボーを特殊召喚!」
『クリリー!』
DEF/200
「え?クリボーを場に?その魔法カードの効果はクリボーを手札に加えることもできたはずですわ。」
「その通りです。でも今回はこれでいいんです。」
「何をするつもりです?」
「今にわかります。さらに速攻魔法、増殖を発動!クリボーをリリースし、クリボートークンを自分の場に可能な限り守備表示で特殊召喚する!」
DEF/200×5
「クリボートークンが5体・・・一体何を・・・」
ふふ・・・会場の皆が驚いてる。さぁ、今回のメインカードを発動しようか!
「さらに速攻魔法発動!機雷化!」
「き、機雷化ですって!?」
「そう、機雷化は自分の場のクリボー及びクリボートークンをすべて破壊し、破壊した数と同じ数まで相手の場のカードを破壊するカード!俺の場にはクリボートークンが5体!よって神田さんの場のカード5枚をすべて破壊する!」
「なんですって!?」
「いけ!クリボートークンたちよ!」
『『『『『クリリー!』』』』』
「嘘ですわ・・・私の場のカードが全滅・・・」
うわお、4枚の伏せカード・・・邪神の大災害のほかに水霊術-葵、儀水鏡の瞑想術、神の恵みを伏せてたよ・・・神の恵みはジールギガスのライフコストが結構重いからな。その対策なんだろうけど・・・にしても結構やばいカード伏せてたな。危ない危ない。
「そして俺のターン、ドロー!」
よし、これで決めれる!
「俺はE・HEROエンジェル・ウィングを召喚!」
ATK/500
『・・・私で決めるの?』
「そうだよ。」
『・・・滅多にないよねこんなの。』
「ないね。」
だってウィングは守護神だもん。攻撃表示で出すことが滅多にない。
「バトル!エンジェル・ウィングでダイレクトアタック!」
『・・・いくよ。』
「この瞬間手札のE・HEROオネスティ・ネオスの効果を発動!このカードを手札から捨てることで場のHERO1体の攻撃力をターン終了時まで2500ポイントアップさせる!」
エンジェル・ウィング ATK/500→3000
「攻撃力3000・・・つまりジャストキルですわね。」
「そうです。お願いウィング!ウィング・カッター!」
『喰らって!』
「きゃあ!」
沙紀 LP3000→0
ふぅ、勝てた。
「まさかクリボーにあんな使い方があるとは思いませんでしたわ。」
「まぁ、普通あんな使い方はしないよ。たまたま3枚揃ったから使ってみただけだよ。」
「普通だったら入れませんわよ。」
「ごもっとも。」
全くの正論である。
「でもさすがでしたわ。またデュエルしてくださいます?」
「もちろん。今度は本気の神田さんと戦いたいです。」
「今日は手札が悪かっただけですわ・・・」
「あはは、まぁそんな時もありますよ。」
なんか意外だなぁ。
お嬢様口調の人の割にはなかなか接しやすい。
この人は例外なのかな・・・
留姫side
「お、お邪魔しまーす。」
「どうぞ。」
実技試験が終わってからの放課後。
セキュリティからの呼び出しはなく、無事駆を私の家に呼べたわ。
さぁ、話さないと。
「へぇ、ここが留姫の部屋なんだね。いかにも女の子らしい部屋だね。」
「・・・どういう部屋を想像してたのよ・・・」
「いや、まず想像すらしてなかったんですが・・・で、話って?」
「・・・駆に話さなきゃいけないの・・・私の正体を。」
「・・・正体?どういうこと?」
「前に駆と遥ちゃんが自分たちが転生者って話を皆にしたじゃない。だから私も話そうと思うんだけど、その前に駆にだけは聞いてほしくて・・・」
「え?・・・それって・・・」
「そう・・・私も転生者なの。」
「えぇ!?」
普通驚くわよね・・・私は駆が転生者だと聞いたときあまりおどろなかったけど・・・なんとなく気づいてたから・・・
「私は高1の時の1月に事故で死んだの。そして気づいたらこの世界にいた。体は小4になってたけどね。」
「(高1の1月?事故?)つまり今から3年前なんだ。」
「えぇ。前世では今とは違う名前で過ごしてたわ。そして1個下の彼氏もいた。」
「(1個下の彼氏!?まさか・・・)違う名前だったんだ・・・どういう名前だったの?」
もう気づいたかしら?
「・・・知りたい?」
「うん。」
「・・・駆、あなたは知ってる名前よ。」
「え?俺が知ってる名前?(そんな・・・まさかほんとに)」
「えぇ、話の続きするわね。その彼氏はほんとに優しくてかっこよくて、と思ったら時に思いっきり甘えてきて可愛くて・・・私にとって理想の彼氏だった・・・その彼氏と最初にあったのは・・・学校で図書委員をしてた時。」
「図書委員!?」
「・・・もう気づいたんじゃない私の名前?」
「・・・ほんとに・・・そうなの?」
「えぇ、私の前世の名前は清永智子。私もあの時の恋、忘れてないよ・・・ぎー君。」
「と、智子さん・・・ほんとに・・・」
「ほんとよ。髪の色はこの世界に来た時に気分転換に変えたし、名前は当初記憶消失だったから変わっただけよ。」
「あ・・・智子さん!」
「きゃっ!」
駆に・・・いいえ、ぎー君に抱きしめられた///
「ぎー君?」
「ずっと・・・会いたかった・・・」
泣きながら言うぎー君。
「・・・私だって・・・ずっと会いたかった・・・そしてこうしたかった。」
私もぎー君の背中に手を回す。いわゆる抱きしめあう形に。
「智子さん・・・」
「ぎー君・・・」
しばらくそのまま抱きしめあった私達。
私達にとって、それほどのことだった。
やがて互いに手を離し、
「ぎー君、ぎー君さえよかったら、私ともう1度・・・」
「待って智子さん。」
「え?」
「前世では智子さんから言ってくれた。だから今度は俺から言わせて。」
「・・・うん。」
「智子さん、ずっとずっと好きです。僕と、もう1度付き合ってください。」
「はい、喜んで。」
「あはは・・・なんだか恥ずかしい///」
「今更でしょ。」
「まぁね。」
「・・・ぎー君。」
「何?」
「・・・キスしよ。」
「・・・うん、いいよ。」
そして抱きしめあい、キスする私たち。
ずっとこうしたかった。
この世界に来ても、ぎー君のことが頭から離れなかった。
そしてもう会えないと思ってた。
もう夢なんかじゃない
夢なら・・・ずっと醒めないで。
やっぱり私には・・・ぎー君しかいない。
ぎー君以外の人との結婚は考えられない。
だから今・・・ものすごく幸せだよ。
そんな思いを込めてずっとキスする。
それは・・・ぎー君も同じだった。
「・・・プハッ・・・智子さん・・・」
「ぎー君・・・私、今すごく幸せだよ。」
「僕も、すっごく幸せです。」
2人で幸せをかみしめる。
「ほんと奇跡よね。死んだ2人が別の世界で再会するなんて。」
「ほんとですね。こんなこと普通はないですし。」
「ねぇ、2度目の初デートはどうする?」
「そっか、初デートも2度目になるんですね。初になるのか疑問だけど・・・」
「いいんじゃない。この世界では初だもの。」
「それもそうですね。前世での初デートは・・・互いに中学生だったからあんまり遠いところいけなかったからってデパートで買い物してましたもんね。」
「そうね・・・まぁ今回も中学生なんだけど・・・」
「前回よりは自由がききますね。どうします?」
「うーん・・・ねぇ、もうすぐアカデミアで文化祭があるからその時一緒に回らない?」
「文化祭ですか。いいですよ。」
「決まりね。じゃあ今日は・・・」
「・・・もうちょっとここにいたいです智子さんと。」
「・・・私も。」
そのあと、ずっといちゃいちゃしてた私達。
今日から、私とぎー君の新しい恋が始まる。
今度は手放さない。ずっとずっと・・・ぎー君のそばに・・・
駆「以上、第35話でした。」
留姫「ぎー君とつながった///」
駆「またよろしくね智子さん///」
留姫「///えぇ」
駆「で、今回俺と対戦した神田沙紀さん。この人も前作でも登場してます。」
留姫「しかも同じ中間テストの実技試験。でもあの時とは違うデュエルだったわね。」
駆「あの時はね・・・俺が後攻で、俺のターンが回ってくる前に俺の手札が0になるという大惨事・・・」
留姫「でもなぜかそこから手札を0から7枚にしてワンターンキルをするという大惨事・・・」
駆「何やってるんでしょうね・・・」
留姫「あなたがやったのよ。」
駆「アハハ(汗)」
留姫「今回も今回で何してるのよ・・・クリボーをあんな使い方するなんて・・・」
駆「誰もがしないだろうと思ったことをする。それが俺です。」
留姫「まったくよ・・・まぁ、クリボーも活躍できて嬉しいんじゃないかしら。」
駆「クリボー出番2回目だったからね。」
留姫「さて、次回は・・・前作ではやらなかった文化祭よ。」
駆「作者が通ってた大学をモチーフにした文化祭。クラスの出し物での奮闘や・・・俺と留姫の初デートをお送りします。」
留姫「デュエルないからちょっと短くなると思うわ。」
駆「タイトルは『2度目の初デートの文化祭』です。」
留姫「それでは、次話もお楽しみにね。」