留姫「今回は私のアカデミア復帰戦よ。」
駆「相手は隆。中等部屈指のパワー対決です。」
留姫「それじゃあ、第30話、スタートよ。」
留姫side
「「デュエル!」」
留姫 LP4000
隆 LP4000
「俺のターン、俺はサイバー・ヴァリーを守備表示で召喚。」
DEF/0
「カードを1枚伏せてターンエンドだ。」
サイバー・ヴァリー・・・厄介ね。私のデッキに効果破壊するカードは非常に少ない。
「私のターン・・・魔法カード、おろかな埋葬を発動。デッキからワイトプリンスを墓地に送るわ。ワイトプリンスの効果、墓地に送られた時、ワイトとワイト夫人を1体ずつ墓地に送る!さらに魔法カード、ワン・フォー・ワン発動!手札のワイトプリンスを墓地に送り、ワイトキングを特殊召喚!」
ATK/?
「ワイトプリンスの効果で再びデッキからワイトとワイト夫人を墓地に送るわ。ワイトキングの攻撃力は墓地のワイトキング、ワイトの数×1000ポイントとなるわ。小等部の皆もいるから一応説明すると、ワイト夫人、ワイトプリンスは墓地にいる限りワイトとして扱うことができるわ。よって私の墓地にワイトとワイトキングは6体!よって攻撃力は6000よ!」
ATK/?→6000
サイバー・ヴァリーがいる以上、手札にある2枚目のワイトキングは出さなくていいわね。
「バトル、ワイトキングでサイバー・ヴァリーを攻撃!」
「サイバー・ヴァリーの効果発動!攻撃対象になったとき、このカードを除外して1枚ドローし、バトルフェイズを終了させる。」
「でしょうね。カードを1枚伏せてターンエンドよ。」
さぁ、隆がどう来るかね。
「俺のターン・・・いくぞ!魔法カード、パワー・ボンド発動!」
「えぇ!?」
もうパワー・ボンドですって!?
「手札のサイバー・ドラゴン3体を融合!現れろ!サイバー・エンド・ドラゴン!」
ATK/4000
「パワー・ボンドの効果でサイバー・エンド・ドラゴンの攻撃力は2倍になる。」
ATK/4000→8000
それで私のワイトキングを倒せても私のライフは削りきれない・・・手札にオネストかリミッター解除があるわね。
「バトルだ!サイバー・エンド・ドラゴンでワイトキングを攻撃!エターナル・エヴォリューション・バースト!」
「ワンターンキルを狙おうったってそうはいかないわ!永続罠、不知火流 輪廻の陣!この効果で私はワイトキングを除外する!」
「何?ならばそのままダイレクトアタックだ!」
「無駄よ。輪廻の陣はアンデット族モンスター1体を除外することでこのターンの私が受けるすべてのダメージを0にする!」
「なるほど・・・読まれていたか。」
バレバレよ。
「ならば俺はサイバー・ジラフを召喚。」
ATK/300
「サイバー・ジラフをリリースすることでこのターンのエンドフェイズまで俺への効果ダメージは0になる。これにより、パワー・ボンドのデメリット効果も受けない。ターンエンドだ。」
さすがね。失敗した時の保険も用意してあった。だからこそワンターンキルを狙いに来たんでしょうね。
そしてカードは伏せなかった・・・ということは手札にオネストがあるか・・・あるいは1ターン目から伏せてたカードがリミッター解除なのか・・・どちらにしろ、サイバー・エンドに迂闊に攻撃はできないわね。
「私のターン、ドロー!」
よし!これならオネストもリミッター解除も関係ないわ!
「ワイトキングを召喚!攻撃力はさっきと同じ6000よ!」
ATK/?→6000
「装備魔法、光学迷彩アーマーをワイトキングに装備!光学迷彩アーマーはレベル1のモンスターにのみ装備可能で装備モンスターは相手にダイレクトアタックができるわ。」
「何!?」
「バトル!ワイトキングでダイレクトアタックよ!」
「させん!罠発動!ガード・ブロック!戦闘ダメージを0にし、カードを1枚ドローする。」
伏せカードはガード・ブロックだったのね。ということは、隆のあの手札はオネストってことね。
「まぁそう上手くはいかないわよね。ターンエンドよ。」
「俺のターン、俺はプロト・サイバー・ドラゴンを守備表示で召喚。」
DEF/600
プロト・サイバー・ドラゴン・・・まさか!
「魔法カード、エヴォリューション・バースト!俺の場にサイバー・ドラゴンが存在する時、相手の場のカードを1枚破壊する!プロト・サイバー・ドラゴンは場にいる限りサイバー・ドラゴンとして扱われるので効果発動!不知火流 輪廻の陣を破壊する!」
やっぱり!
「なら輪廻の陣の効果発動!ワイトキングを除外してこのターンのすべてのダメージを0にする!」
「だが、これで次のターン以降の攻撃は防げないだろう。ターンエンドだ。」
さすが隆ね・・・あの2枚のドローで輪廻の陣の破壊するカードを引くなんて・・・これで私に残されたターンは1ターン・・・このドローにすべてがかかってるわ。
「私のターン・・・・ドロー!」
このカードは・・・使うしかないわね。
「魔法カード、手札抹殺!互いのプレイヤーは手札をすべて捨て、捨てた枚数分ドローする!」
「何!?」
これでオネストは墓地に行ったわ。今のドローで2枚目のオネストを引かれてたら・・・負けね。
そして私が引いたカードは・・・まだいける!
「魔法カード、埋葬呪文の宝札!墓地のおろかな埋葬、ワン・フォー・ワン、手札抹殺の3枚の魔法カードを除外して2枚ドロー!」
これはさっきのデュエルで駆も使ってたドローカード。多分魔法カードを多用する人がほとんどの人が入れてるカードでしょうね。
さてドローカードは・・・いけるわ。オネストがあろうとなかろうと。隆のあの場だったらいけるわ!
「私はジャンク・シンクロンを召喚!」
『出番ですな!』
ATK/1300
「ジャンク・シンクロンの効果で墓地のレベル2以下のモンスターを守備表示で特殊召喚するわ。墓地のワイトを特殊召喚!」
DEF/200
『さぁ、俺の仕事の時間っすね!』
「いいえ、残念だけどジャンク、今回はシンクロじゃないわ。」
『・・・え?違うんすか?』
「えぇ、ごめんなさいね。」
『いいっすよ。勝つためなら。』
「いくわよ!魔法カード、融合発動!場のジャンク・シンクロンとワイトの2体の闇属性モンスターを融合!」
「何!?」
「融合召喚!きなさい!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン!」
ATK/2800
「なんだこのモンスターは!?」
これが私の新しいカード。ここで使うことになるとはね。
(確かに前に留姫に渡したね。ここで出てくるとはね。)
「スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンは自分の場の闇属性モンスター2体を融合することで融合召喚できるモンスター。そしてこのカードの融合召喚に成功した時、相手の場の特殊召喚されたモンスター1体を選び、そのモンスターの攻撃力分だけこのカードの攻撃力をターン終了時までアップさせるわ。私が選択するのはもちろんサイバー・エンド・ドラゴン!」
ATK/2800→10800
「攻撃力10800だと!?」
「さらにスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンの効果発動!1ターンに1度、相手の場のレベル5以上のモンスター1体を選択し、ターン終了時まで選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る!当然サイバー・エンド・ドラゴンを選択!」これでスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンは貫通効果を得たわ。」
「くっ・・・」
「これで終わりよ!スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンでプロト・サイバー・ドラゴンに攻撃!」
これで貫通ダメージを与えれれば・・・あれ?スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンが動かない?
「残念だったな留姫。お前のバトルフェイズは既に終了している。」
「え!?」
「さっき手札抹殺によって墓地に送られたこのカードの効果を使わせてもらった。」
「・・・うそ・・超電磁タートル・・・。」
「そうだ、超電磁タートルの効果でこいつを除外してバトルフェイズを終了させてもらった。」
そんな・・・オネストじゃなかったなんて・・・
「・・・ターンエンド。」
私はそう力なく言うしかなかった。
スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン ATK/10800→2800
「俺のターン、バトル!サイバー・エンド・ドラゴンでスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンに攻撃!エターナル・エヴォリューション・バースト!」
「くっ!」
留姫 LP4000→0
はぁ・・・やられたわ。
「いいデュエルだったな。」
「えぇ・・・でもパワー・ボンドを発動した時、残りの手札が超電磁タートルなら何であのターンにパワー・ボンドを発動したの?」
「うん?あぁ、あれは単にワイトキングを破壊しておいた方がいいと思っただけだ。サイバー・ジラフがあったし、ガード・ブロックも伏せてたしな。」
「・・・そう、私が深く考えすぎてたのね。」
「ちなみに手札抹殺のドローでオネストも引いてたぞ。」
「・・・そう。」
はぁ・・・完敗ね。
「惜しかったね留姫。」
「えぇ・・・深く考えすぎたわ。」
最近駆のデュエルばっか見てた影響かしらね。
「では今日の実技授業はここまで。今日の授業はこれで終わりだ。みんな教室に戻ってSHRだ。」
「では小等部の皆も教室に戻りますよ。」
「もうほんと悔しいわ。」
「ねぇ、あそこまで行ったのにね。」
その日の放課後、私は駆と一緒に帰ってる。
私達の前には遥ちゃんや龍可ちゃんたちも。涼太たちはすでに家に帰ってる。すでに涼太たちの家は通り過ぎてるからね。
「駆は最後凄かったわね。2連続融合なんて。」
「たまたまだよ。デッキが応えてくれただけ。」
そのたまたまを何度も見てる気がする・・・でも駆は自分のデッキを信じてる。だからそのデッキもそれに応えてくれる。
「でもアカデミアってすごいね。強いデュエリストがたくさんいるんだから。」
「・・えぇ。」
「これからが楽しみだよ。」
「えぇ・・・私も今度は駆とやってみたいわ。」
「だね。フォーチュンカップの時はちょっと演技しなきゃいけないこともあって本気じゃなかったもんね。」
「えぇ、でも次は負けないわよ。」
「こっちだって負けないよ。」
ふふ、駆と一緒にいると何か楽しい。心が和む。
「あ、留姫の家着いたね。」
「そうね。」
「へぇ、ここが留姫姉ちゃんの家なんだ。」
「大きいですね。」
「そうでもないわよ。」
龍可ちゃんと龍亞君は私の家来るの初めてだったわね。
「それじゃあ、また明日。」
「えぇ、また明日。」
「バイバイ留姫お姉さん!」
・・・言っちゃった駆たち。駆ともうちょっと話がしたかった・・なんて言えないわよね。駆はセキュリティのバイトしてるし、それに加えて遥ちゃんたちの世話もしてるんだし。私も店の手伝いしなきゃいけないし。
はぁ・・・いつ話そうかしら私の正体・・・この前駆は皆の前で自分と遥ちゃんが転生者ってことを明かした。
だから私もいつかは明かさなきゃ・・・母さんにしか話してない私の正体・・・
私も・・・転生者だってことを。
駆「以上、第30話でした。」
留姫「そして今回のゲストは、今回の私の対戦相手だった隆だ。」
隆「丸藤隆だ。よろしく頼む。」
駆「いやぁ見ごたえのあるデュエルだったね。一撃で決まったけど、その一撃が決まるまでが長い。」
留姫「まぁそれがパワー対決よ。」
隆「一度でも攻撃を通せば負けって感じだ。俺と留姫のデュエルはいつもそうだ。」
駆「涼太、留姫、隆はパワー型。そして俺と美菜はテクニック型・・・まぁ綺麗に分かれてるね。」
留姫「まぁいいんじゃないそれで。」
隆「そうだな。」
駆「さてこの俺の中等部最初の実技授業なんですが、リメイク前では対戦カードが違ったんだよね。」
留姫「そうね。その時は涼太と私も2章からの登場だったからね。」
隆「そして駆は編入生だからって2戦することになったもんな。」
駆「そうそう。最初は俺と留姫、その後に隆と美菜、俺と涼太のデュエルと続いたんだよね。」
留姫「結果?駆の2連勝、隆と美菜のデュエルは隆の勝ちだったわ。」
隆「あの時の美菜は暗黒界だったな。」
駆「隆のデッキは同じサイバーデッキ。いやぁあのデュエルも見ごたえあったね。」
留姫「なのに隆と美菜はそのあと出演回数が少なくなって・・・」
隆「誰のせいだと思ってる・・・」
留姫「・・・大概私のせいね。」
駆「さて次回の話の舞台は小等部!」
隆「遥ちゃんが初の実技デュエルに臨むぞ。」
留姫「けど遥ちゃんのデュエルの前にまずはトビー。」
駆「相手は龍亞。どんなデュエルになるかな。」
隆「次話のタイトルは『ディフォーマーvsM・HERO』だ・・・そのまんまじゃねぇか・・・」
留姫「しょうがないわねまぁ。」
駆「それでは次話もお楽しみに!」