遊戯王~伝説を受け継いだ兄妹~   作:龍南

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駆「お待たせしました、第18話です。」

遥「今回はデュエルなしです。」

駆「フォーチュンカップもクライマックス!」

遥「そしてお兄ちゃんが隠していた真実とは?」

駆「第18話、スタートです。」


第18話 フォーチュンカップ終幕!隠された真実

駆side

 

「やっぱりここに連れてこられたか。」

 

遊星とジャックのファイナルデュエル。原作と違い、控室でそのまま見ていた俺達だが、ジャックのレッド・デーモンズ・ドラゴンと遊星のスターダスト・ドラゴンが激突した時痣が輝きだして光に被われ、現在は赤き龍が作り出したであろう空間にいる。

 

目の前に光の道があり、そこを遊星とジャックがDホイールで走っていた。

 

そしてふと周りを見ていると俺と同じように赤い膜でおおわれた龍可とアキがいた。

 

「龍可!」

 

「駆!ここはどこ?」

 

「多分、赤き龍が作り出した空間だと思う。」

 

多分じゃなくてそうだけどね。

 

すると、目の前に祭壇が見えてきた。そして祭壇の下の方にたくさんの人々が跪いて何かをお願いしている。また、上の方では6人の人が手を大きく広げていた・・・6人!?原作では5人だったはずじゃ!まさか・・・、

 

と思い、すれ違いざまによく見ると、6人の腕に龍の痣があり、その中に俺が持っている痣もあった。

 

「やっぱり・・・。」

 

祭壇を過ぎていくと今度はネオドミノシティとサテライトが現れた。

 

「あれは・・・ネオドミノシティとサテライト!」

 

だが、サテライトの所々に青い炎が出てきて、建物が崩壊していった。

 

「何!?どうしたの?」

 

と龍可が言ってるうちに青い炎は蜘蛛の地上絵の形になった。

 

「これが・・・未来・・・。」

 

「これが未来なの!?じゃあサテライトは滅びる運命にあるってこと?」

 

「今のところはね。でもそれは俺達次第で変わる。」

 

「変わるんだ。なら良かった。」

 

龍可、ホッとしているようだけど、それは龍可も入ってるからね。

 

デュエルの方は続行するようになったらしくジャックが2枚カードを伏せてターンエンドした。

 

 

 

 

 

デュエルはまたも一進一退の攻防だったが、逆転で遊星が制した。そして決着がついた瞬間、また目の前が真っ白になり、気がつくと会場に戻っていた。

 

会場の俺と龍可以外の人は何が起きてるか分からないみたいになっていた。

 

「何が起きた?」

 

「赤い龍が飛んだと思ったら、目の前が光になっちまったよ。」

 

「あ、あれ見て!」

 

龍亞が指している方を向くとジャックのライフが0になっていた。

 

「ジャックのライフが。」

 

「このデュエル・・・「遊星が勝ったわ(よ)。」」

 

「「えぇ!」」

 

周りのみんなは驚いてるね。そりゃそうか。キングが負けたんだから。

 

「つ、遂に決着!ウィナー!不動遊星!キングのジャック・アトラスの無敗神話は打ち破られ、ここに新たなキングの誕生を我々は見る!新たななるキング!その名は不動遊星!ニューキングは不動遊星!サテライト出身のキングの誕生だ!」

 

ということでフォーチュン・カップは遊星がキングになるという波乱の展開(アニメ的には普通だが)で幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、スタジアムの地下に移動した俺たち。あの後、遊星に記者達が殺到し、この地下を使って辛くものがれたというわけだ。

 

「それにしてもすげぇぜあんちゃんよ!本当にキングになっちまうんだからな。」

 

「遊星なら必ずキングになるって信じてたよ!」

 

「うんうん。」

 

まぁ、遊星の実力ならキングになっても不思議じゃないと思うけど。

 

「そんな呑気な事も言ってられないぞ。遊星の仲間を誘拐した連中だ。何をしてくるかしれたもんじゃねぇ。」

 

確かにね。

 

「とりあえずは雑賀の隠れ家で大人しくしてるしかねぇな。龍亞と龍可と駆も一緒にいた方が安全だろう。」

 

「本当!?やったー!また遊星と一緒にいられる!」

 

喜んでるな龍亞。それに対して龍可は・・・。

 

「遊星・・私見てた。遊星とジャックのデュエルをあの光の中で。」

 

「え?」

 

「サテライトが・・その・・。」

 

蜘蛛の地上絵が出たあの映像のことだね。

 

「あれはいったい・・。」

 

「わからない。ただ、あの光景がサテライトの未来なら絶対に阻止する。」

 

「・・シグナーって何なの?」

 

「じゃ~ん!そういう話はわしの出番だ!良いかい龍可ちゃん、シグナーってのは・・おぉっと!その前に世界を股に掛けたわしの冒険の数々を話せばならんの!いひひひひひ。」

 

はぁ、その自慢話はいいっつーの。

 

「なんか大変そうですね。」

 

「あぁ。」

 

そして実は涼太たちも俺たちに交じってきていた。

 

「涼太たちも来るの?」

 

「そうですね。」

 

「聞いてしまったし、龍可の痣を見た以上、俺達も聞きたいからな。」

 

「気になるからね。」

 

あー、控室で龍可の痣を見ちゃったか。なら仕方ないな。

 

その後、雑賀の隠れ家に着いた駆達は本題の赤い竜の話を聞いていて、矢薙のじいさんが赤い竜の痣の集合体の絵を描いていた。

 

「もう随分と昔の話になるからな~。うろ覚えだがこんな感じだ。」

 

完成した絵を見るとそこには原作通りの絵が出来上がっていた。だが1つ違うところがあった。それは、

 

「(俺の痣もある・・・。)」

 

そう、本来なら龍亞が覚醒した後に出るはずの6人目の痣がすでに描かれていた。

 

「この尻尾が・・。」

 

「どうしたの遊星?」

 

遊星は皆に自分の痣を見せた。

 

「「「「あぁ!」」」」

 

それは絵の尻尾にあたる部分と同じ痣だった。

 

「龍可、お前のも。」

 

龍可も自分の痣を皆に見せた。

 

「龍可はこの手の部分・・どういう事なの?」

 

「わしが聞いた星の民の伝説では、赤い竜の頭、翼、手、足、尻尾の5つの部分がそれそれ別れてシグナーと呼ばれる人達に痣となって封印されたの事じゃった。」

 

「待てよ・・今わかってるシグナーは遊星、龍可、ジャック、それに十六夜アキの4人、でもあの赤い竜が現れたって事は・・。」

 

「5人目もどこかにいたのかもしれんの~。」

 

「ちょっと待って!じゃあお兄ちゃんの痣は何なの?」

 

「駆の痣は・・・おそらくこの部分だと思うけど・・・」

 

「しかしわしが知ってる限りじゃこんな痣は知らんの~。」

 

「じゃあ駆はは5人目じゃなく6人目のシグナーってこと?」

 

「そうかもな~。」

 

ていうかそうなんだけどね。ま、知らなくても無理ないか。

 

「俺もどっかに痣がないかな~。」

 

龍亞は痣がないか体中を調べている。ていうかみんな右腕にあるんだから右腕を調べれば十分だと思うんだけど・・・。

 

そんなこと思ってると、龍可が突然倒れそうになったが矢薙のじいさんがなんとか支えた。

 

「どうした龍可!?」

 

「大丈夫。ちょっと疲れただけ。」

 

「無理もないな。この2日はいろいろありすぎたからな。」

 

「ちょっと休みな。」

 

「う、うん。」

 

龍可を寝かせる。龍亞も疲れたのか寝てしまった。

 

「じゃあ僕たちはそろそろ帰りますね。」

 

「あぁ、気を付けてね。」

 

「今度は俺ともデュエルしようぜ。」

 

「私ともね!」

 

「あぁ、その時を楽しみにしてるよ。」

 

隆と美菜か・・・あの2人はどんなデッキを使うんだろう?隆はカイザーの孫ってところから想像がつくが・・・

 

「ねぇお兄ちゃん、ちょっといい?」

 

「遥ちゃん・・・じゃあこっち来て。」

 

俺と遥ちゃんは部屋の端っこのほうで小声で話す。

 

「そろそろ教えてよ。お兄ちゃんが隠してること。」

 

「はぁ・・・誰にでも言わないでよ。」

 

「もちろん。」

 

「実は・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

加藤さんの魔女状態はすでに解除されてるの。」

 

「えぇ!?」

 

「しーっ!」

 

「あ、ごめん・・・・でもいつ?そんな素振り全然なかったけど・・・」

 

「加藤さんが言うには遥ちゃんのおかげでもう元に戻ったんだって。」

 

「え?ってことは私とデュエルした日には元に戻ってたの?」

 

「そう、遥ちゃんの想いは、加藤さんに届いてたってこと。」

 

「よかった・・・でもお兄ちゃんは何でわかったの?」

 

「最初に目を見た時かな。その時にもうほぼ確信し、加藤さんがエクスチェンジ発動したときに完全に確信した。」

 

「何で?」

 

「エクスチェンジは互いの手札を1枚交換するカード、つまりプレイヤー同士が近づかなきゃ行けない。そこで何か話したいことがあるんじゃないかなって。」

 

「あ、だからあの時少し長かったんだ。」

 

「そうそう。」

 

「じゃあ加藤さんがお兄ちゃんとのデュエルで魔女状態だったのは全部演技?」

 

「そう、俺も戻ってるのがわかってて説得する演技をした。」

 

加藤さんも演技力高かったな・・・俺は前世でもやってたけど・・・

 

「何で演技なんかを?」

 

「そこまではわかんない。もうすぐわかると思うけど。」

 

「もうすぐ?」

 

「あのエクスチェンジの時に全部は話せない。だから俺は昨日のうちに用意しておいた超小型の通信機とマイクを加藤さんに渡した。今日中に連絡が来ると思うから。」

 

「あぁ、そうだったんだ。用意がいいねお兄ちゃん。」

 

「昨日の時点で俺ももしかしてとは思ってたからね。」

 

「そうなんだ。さすがお兄ちゃん。」

 

「いつも通りだよ。あ、遥ちゃんもこれつけて。」

 

「え?あ、これってまさか。」

 

「そう加藤さんに渡したのと同じ通信機とマイク。それで加藤さんと会話できるはずなんだ。」

 

「でもお兄ちゃんの分は?」

 

「もうつけてる。」

 

「早いね(汗)」

 

「いつも通りだって。ここを押せば連絡できるけど、加藤さんのほうの事情があるから、緊急時以外は押さないでね。」

 

「分かった。」

 

加藤さんはディヴァインやそのほかの人に見つからないように会話する必要があるからね

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかし連絡が来ず、俺と遥ちゃんは取りに行きたいものがあるからと一旦帰ることにした。

 

「さて、遊星たちも心配するし、そろそろ戻るか。」

 

「そうだね。」

 

遊星たちの隠れ家にもう1度向かおうとしたとき、

 

ピピッ!

 

「あ、来た。」

 

「ほんとだ。」

 

ついに加藤さんからの通信が

 

「もしもし?」

 

『待たせたわね。』

 

「留姫お姉さん!」

 

『その声は・・・遥ちゃんかしら?』

 

「うん!声が昨日と違う・・・」

 

『えぇ、あなたのおかげで私は元に戻れたわ。』

 

「よかったー。」

 

「もう大丈夫なのそっちは?」

 

『えぇ、今はだれも私の部屋にはいないわ駆。』

 

「そう、ならよかった。」

 

『ところで遥ちゃんは通信聞いても大丈夫なの?』

 

「あぁ。っていうか、遥ちゃんは俺たちの演技に気づいたみたいだし。」

 

『あら、そうなの?』

 

「うん!」

 

『どうやら私たちの演技力もまだまだのようね。』

 

「そうだね。」

 

「いや、私はお兄ちゃんとずっと一緒にいたもん。違和感もあったし。」

 

『そう・・・ずっといるからこそね。』

 

「そういうこと!」

 

まぁ遥ちゃんの嬉しそうなこと。あれだけ昨日必死で加藤さんを元に戻そうとしてたからね。

 

「じゃあそろそろ本題に入ろうか加藤さん。」

 

『留姫でいいわよ駆。』

 

「そう?じゃあ遠慮なく。」

 

「ねぇ、本題って・・・お兄ちゃんと留姫お姉さんが演技しなきゃいけなかった理由?」

 

「まぁそういうことになる。」

 

『演技しなきゃいけない理由は簡単よ。私が魔女の状態じゃないとアルカディアムーブメントにいられないから。』

 

「まぁそうなるよな。」

 

「でもなんでアルカディアムーブメントにいなきゃいけないの?」

 

「アルカディアムーブメントでやらなきゃいけないことがあるから・・・でしょ留姫?」

 

『間違ってはいないわね。私はこのアルカディアムーブメントでもう1人連れ出したい人がいるの。』

 

「連れ出したい人?」

 

もしかしてアキのことだったりして

 

「その子の名前はトビー。トップモデルのミスティの弟よ。」

 

「何!?」

 

トビーだと!?まだ生きてるのか!

 

「そっか、留姫お姉さんはミスティお姉さんと仲がいいんだっけ?」

 

『正確には私の母とミスティね。私も仲良くさせてはもらってるけど。それでトビーのことも知ってるわけ。』

 

「トビーは今どうしてるの?」

 

『治療中よ。ディヴァインの無茶な実験で意識不明になったのよ。一命はとりとめてるけど・・・治療が終わったらまた実験台になると思うの。』

 

ここでも原作が崩壊してやがる・・・本来はもうそこで死ぬはずだったんだが・・・

 

『だから私はトビーを救いたい。トビーとも仲がいいからね。』

 

「そのためにアルカディアムーブメントに残ってると?」

 

『そうよ。でも私1人じゃどうにもできないかもしれない・・・だから駆、あなたの力を貸してほしいの。』

 

「トビーの救出を手伝ってほしいと?」

 

『そうよ。』

 

トビーは死ぬはずで、それによってミスティはダークシグナーになる。となると、トビーが死なないんだったらミスティもダークシグナーにならないよな・・・とはいえ、

 

「それぐらいだったらお安い御用だよ。」

 

人が死ぬ未来は変えなきゃね。

 

『あなたならそう言ってくれると思ったわ。』

 

「えらい信頼してくれてるんだね。」

 

『今日のデュエルであなたは信頼できるってわかったわ。後、私と同じ性格だということも。』

 

「奇遇だね。俺も同じ。」

 

留姫とは話が合いそうだなぁ。

 

「じゃあ、数日以内にはそっちに行くと思う。その時はまた連絡するね。」

 

『えぇ。なるべく早めに来てくれると助かるわ。』

 

「あぁ。努力する。」

 

「留姫お姉さん!今度ゆっくり話しようね!あとデュエルも!」

 

『えぇ、いいわよ。じゃあそろそろ切るわね。また明日連絡するわ。』

 

「分かった。じゃあね。」

 

「じゃあね留姫お姉さん!」

 

『えぇ、また明日。』

 

ピッ!

 

「まさかトビーが生きてるなんてね。」

 

「え?まさか原作ではその子・・・」

 

「あぁ・・・もう死んでるはずだった・・・」

 

「そうだったんだ・・・」

 

「留姫とトビーを救うか・・・」

 

「どうする気なのお兄ちゃん?」

 

「うーん・・・どうすっかね。」

 

まぁ方法はある。けどせっかくアルカディアムーブメントに潜入するならもういっそのことアルカディアムーブメントを崩壊させたい。あんな組織はあってはならない。

 

「しばらく考えるよ。もしかしたら遥ちゃんに頼むことがあるかもしれないけど・・・」

 

「大丈夫!その時は任せて!」

 

「ありがとう。じゃあ、遊星のところに戻るか。」

 

「うん!」

 

留姫とトビー・・・それからアキさんも救い出す。

 

だとすれば・・・あの時が一番都合がいいかな?

 

うーん・・・ダメだ。今日はちょっと疲れてるわ。

 

遊星のところに戻ったら寝よう・・・すっきりした状態でまた明日考えよっと。

 

しかし留姫・・・やっぱり何か懐かしさを感じるなぁ・・・まさか・・・まさかね。




駆「以上、第18話でした。」

遥「留姫お姉さんすでに元に戻ってたんだ・・・」

駆「遥ちゃんのおかげだよ。」

遥「よかった~。」

駆「今回はフォーチュンカップだけで12話使っちゃったね。」

遥「リメイク前は何話使ったんだっけ?」

駆「えっとね・・・10話。」

遥「参加人数が倍になった割には2話しか話数が違わない・・・」

駆「リメイク前では準決勝前夜というデュエルなし回があったし、俺と遊星の決勝戦も2話連載だったからね。」

遥「あ、そうなんだ。」

駆「さて次話は・・・先にタイトル言おうか。『アルカディアムーブメント突入!』です。」

遥「文字通りアルカディアムーブメントに突入するよ。」

駆「言っても実は遥ちゃんの独壇場だったりする。」

遥「私を怒らせたらどうなるか教えてあげる!」

駆「(いや、怒ってないんだがな。)それでは次話もお楽しみに!」

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