遥「今回は準決勝第1試合!」
駆「遊星と涼太のデュエルです。」
遥「圧倒的な力を持つ青眼。それに対して遊星お兄さんはシンクロ召喚で勝負!」
駆「勝って決勝に進むのはさぁどっちだ?」
遥「第15話、スタートだよ!」
駆side
「お兄ちゃん相変わらず早いね。」
「あら、起こしちゃった遥ちゃん?」
「ううん。時間的にもそろそろ起きなきゃね。」
フォーチュンカップ3日目の朝。
「何調べてたの?」
「ちょっとね。」
俺朝早く起きてちょっと調べもの。
「アルカディアムーブメント?それって・・・」
遥ちゃんが俺のパソコンを覗いて言ってきた。
「あぁ。アキさん、加藤さんがいる場所。」
「気になるんだ。」
「うん・・・」
いずれアルカディアムーブメントには行くことになるだろう。その時のために対策を立てている。
が、気になることが1つ。
ミスティがダークシグナーになるきっかけになる男の子、ミスティの弟のトビーの死の噂が全く聞こえてこない。
トビーの死がいつなのかは知らないけど、そろそろ出てもいいころだとは思うんだけどな・・・
まっいっか。焦っても仕方ないし。
「お兄ちゃん、いよいよだね。」
「あぁ。」
それよりも今日のこと。
加藤留姫・・・遥ちゃんでさえ心を戻すことができなかった人。
でも遥ちゃんの想いは確実に届いていた。じゃなきゃ最後遥ちゃんにあんなこと聞くはずがない。
でもな加藤さんのあの目・・・何か違和感があったんだよな・・・
それも今日確かめればいっか。
涼太side
『さぁフォーチュンカップもいよいよ最終日!準決勝が始まるぞー!』
いよいよ準決勝。相手は遊星さん。
今までのデュエルを見てても強いってことがよくわかります。僕の青眼のパワーと遊星さんのデッキのテクニックの対決ってところでしょうか。
『第1試合!まずはサテライトの流れ星!不動遊星!』
「サテライト住民は来るんじゃねぇ!」
「サテライトに帰れ!」
昨日遥ちゃんが言ったのに観客の罵声は止まりませんね・・・
『対するは青眼を巧みに使いこなす荒川涼太!』
MCのコールで僕はフィールドに上がる。
「頑張れー青眼使い!」
「サテライト住民を倒せ!」
はぁ・・・どうなっても知りませんよこの後・・・
「涼太だったか?」
「はい、そうですけど。」
「気にするな。今はこのデュエルを楽しもう。」
「そうですね。サテライトやシティは関係ない。1人のデュエリストとして、僕は遊星さん、あなたに挑みます!」
「・・あぁ。来い!」
「「デュエル!」」
遊星 LP4000
涼太 LP4000
先攻は・・・遊星さんみたいですね。
「俺のターン!魔法カード、希望の転生を発動!手札のモンスターカード2枚を墓地へ送る。 発動後2ターン目の自分のスタンバイフェイズ時に、 デッキからモンスターカード1枚を選択し手札に加える。俺はボルト・ヘッジホッグとロードランナーを墓地へ送る。俺はジャンク・シンクロンを召喚!」
ATK/1300
「ジャンク・シンクロンが召喚に成功したとき、墓地のレベル2以下のモンスター1体を特殊召喚できる!こい!ロードランナー!」
DEF/300
「さらに墓地のボルト・ヘッジホッグはフィールドにチューナーがいるとき、墓地から特殊召喚できる!」
DEF/800
いきなりモンスター3体・・・凄いですね。
「Lv2のボルト・ヘッジホッグとLv1のロードランナーにLv3のジャンク・シンクロンをチューニング!疾風の使者に鋼の願いが集う時、その願いは鉄壁の盾となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!現れよ!ジャンク・ガードナー!」
DEF/2600
「俺はカードを2枚伏せてターンエンド。」
「1ターン目からシンクロ召喚・・・やりますね。なら僕も行きます!僕のターン!」
この手札なら・・・まずはこれですね。
「魔法カード、トレード・インを発動。手札のLv8の青眼の白龍を墓地に送り、デッキから2枚ドローする!」
「それを待っていたぞ!」
「え!?」
「罠カード、逆転の明札!相手がドローフェイズ以外にカードを手札に加えた時、俺は相手の手札の枚数までデッキからドローする!」
「お、同じ枚数!?」
「俺の手札は0枚!涼太の手札は6枚!よって俺は6枚ドローする!」
こんなことが・・・手札を一気に回復するなんて・・・やっぱり遊星さんは凄い。
こんな凄い人と戦えるなんて僕は幸せですね。
「このカードは、手札の青眼の白龍を相手に見せた場合に特殊召喚できます。手札の青眼の白龍を見せ、青眼の亜白龍を特殊召喚!」
ATK/3000
「青眼の亜白龍は1ターンに1度、相手モンスター1体を破壊することができる!」
「何!?」
「僕はジャンク・ガードナーを選択!」
「くっ!だがジャンク・ガードナーはフィールドから墓地に送られたとき、フィールドのモンスター1体の表示形式を変更することができる。俺は青眼の亜白龍を守備表示に変更する!」
ATK/3000→DEF/2500
「問題ないです。青眼の亜白龍はこの効果を使ったターン、攻撃できませんから。さらに青眼の亜白龍はフィールド、墓地に存在する限り、青眼の白龍として扱うことができます。僕は融合を発動!場の青眼の白龍扱いの青眼の亜白龍と、手札の青眼の白龍2体を融合!現れろ!真青眼の究極竜!」
ATK/4500
「真青眼の究極竜・・・もう出てくるか。」
さて伏せカードはなんなのでしょうか?迷ってもここは攻撃するしかありませんが。
「バトル!真青眼の究極竜でダイレクトアタック!ハイパー・アルティメット・バースト!」
「手札の速攻のかかしの効果発動!直接攻撃宣言時にこのカードを手札から捨てることでその攻撃を無効にし、バトルフェイズを終了する!」
攻撃を無効にしただけではなくバトルフェイズ終了まで・・・連続攻撃ができません。さすがは遊星さんですね。
「僕はカードを1枚伏せてターンエンドです。」
「俺のターン!」
遊星さんの手札は再び6枚。何か仕掛けてくるのは確実ですね。
「手札のモンスター、スピード・ウォリアーを捨て、手札からクイック・シンクロンを特殊召喚!」
ATK/700
「魔法カード、ワン・フォー・ワンを発動!手札のモンスター1体を墓地に送ってデッキからチューニング・サポーターを特殊召喚!」
ATK/100
「そして今墓地に送ったのはダンディライオン!このカードが墓地に送られたとき、俺の場に綿毛トークンを2体守備表示で特殊召喚する!」
DEF/0×2
「Lv1の綿毛トークン2体とチューニング・サポーターにLv5のクイック・シンクロンをチューニング!集いし闘志が怒号の魔人を呼び覚ます。光差す道となれ!シンクロ召喚!粉砕せよ!ジャンク・デストロイヤー!」
ATK/2600
ここでジャンク・デストロイヤー・・・効果破壊を狙ってきましたね。
「ジャンク・デストロイヤーの効果発動!シンクロ召喚に成功した時、素材となったチューナー以外のモンスターの数までフィールドのカードを破壊することができる!素材となったチューナー以外のモンスターは3体!俺は真青眼の究極竜と伏せカードを破壊する!」
真青眼の究極竜の破壊は免れない・・・ですが、がら空きにはしません!
「速攻魔法、銀龍の轟咆!墓地から青眼の白龍を特殊召喚!」
ATK/3000
「がら空きにはできないか・・・シンクロ素材となったチューニング・サポーターはシンクロ素材として墓地に送られた時、カードを1枚ドローする・・・よし、シンクロン・エクスプローラーを召喚!」
ATK/0
「シンクロン・エクスプローラーの効果!召喚に成功した時、墓地からシンクロンと名のついたモンスター1体を特殊召喚する!戻ってこい!クイック・シンクロン!」
ATK/700
またシンクロ召喚・・・1ターンに2回も・・・
「Lv2のシンクロン・エクスプローラーにLv5のクイックシンクロンをチューニング!集いし思いがここに新たなる力となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!燃え上がれ!ニトロ・ウォリアー!」
ATK/2800
「魔法カード、調律を発動!デッキからハイパー・シンクロンを手札に加える。その後、デッキの1番上のカードを墓地に送る。ニトロ・ウォリアーは魔法カードを発動したターン、1度だけ攻撃力を1000ポイントアップする!」
「えぇ!?」
これじゃあ青眼が倒される!
「バトル!ニトロ・ウォリアーで青眼の白龍を攻撃!ダイナマイト・ナックル!」
「うわぁ!」
ニトロ・ウォリアー ATK/2800→3800
涼太 LP4000→3200
ニトロ・ウォリアー ATK/3800→2800
「ジャンク・デストロイヤーでダイレクトアタック!デストロイ・ナックル!」
「うわぁぁぁ!」
涼太 LP3200→600
「カードを1枚伏せてターンエンド。」
ライフが一気に・・・でも、負けてられません!
「僕のターン、ドロー!魔法カード、復活の福音を発動!墓地のレベル7、8のドラゴン族モンスター1体を特殊召喚する!青眼の亜白龍を特殊召喚!」
ATK/3000
「青眼の亜白龍の効果発動!ニトロ・ウォリアーを破壊します!」
「くっ・・・。」
「さらに魔法カード、死者蘇生を発動!甦れ!真青眼の究極竜!」
ATK/4500
これで手札は使い切りました。この2体に託すしかありません。
「バトル!真青眼の究極竜でジャンク・デストロイヤーにダイレクトアタック!ハイパー・アルティメット・バースト!」
「ぐはっ!」
遊星 LP4000→2100
「ターンエンドです。」
「何?効果は使わないのか?」
「あの効果は融合召喚された真青眼の究極竜しか使えないんですよ。今回は融合召喚じゃないので。」
「なるほど。」
効果を使えれば決めれたんですけどね・・・
「俺のターン!」
盤面はこっちが有利・・・なのに・・・この不安はなんでしょう・・・遊星さんが相手だからですかね。
「希望の転生の効果で俺はデッキからモンスターカードを1枚選択して手札に加える。俺はジャンク・フォアードを手札に加える。ジャンク・フォアードは俺の場にモンスターが存在しないとき、手札から特殊召喚できる!こい!ジャンク・フォアード!」
ATK/900
「さらにハイパー・シンクロンを召喚!」
ATK/1600
「罠発動!エンジェル・リフト!墓地のレベル2以下のモンスター1体を特殊召喚する!こい!チューニング・サポーター!」
ATK/100
また3体のモンスター・・・くる!
「(力を・・・貸してくれ)Lv1のチューニング・サポーターとLv3のジャンク・フォアードにLv4のハイパー・シンクロンをチューニング!集いし願いが、新たなに輝く星となる。光差す道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!スターダスト・ドラゴン!」
ATK/2500
「これが・・・スターダスト・ドラゴン・・・」
遊星さんのエースモンスター・・・綺麗なモンスターですね。
「シンクロ素材となったチューニング・サポーターの効果でカードを1枚ドローする。さらにハイパー・シンクロンがドラゴン族モンスターのシンクロ素材となったとき、シンクロモンスターの攻撃力は800ポイントアップする!」
ATK/2500→3300
「さらに罠発動!シンクロ・バトン!俺の場のシンクロモンスター1体の攻撃力は、俺の墓地に存在するシンクロモンスター1体につき600ポイントアップする!俺の墓地のシンクロモンスターは3体!よってスターダスト・ドラゴンの攻撃力は1800ポイントアップ!」
ATK/3300→5100
攻撃力5100・・・どっちに攻撃されても僕の負け・・・
「バトル!スターダスト・ドラゴンで真青眼の究極竜に攻撃!シューティング・ソニック!」
「うわぁぁぁぁぁぁ!」
涼太 LP600→0
『決着ー!高速シンクロで青眼を制したー!勝者!不動遊星!』
はぁ・・・さすが遊星さん・・・MCが言った通りの高速シンクロ・・・ついていけなかったですね。
「いいデュエルだったな。」
「そうですね。」
「また機会があればやろう。」
「はい、その時はまたお願いします。」
僕たちはがっちりと握手を交わす。
これで僕も敗退・・・留姫は・・・駆に任せるしかないですね。
「さぁ、控室に戻ろうか。」
「ですね。」
駆side
遊星と涼太のデュエルは遊星の勝ちか・・・さすがは遊星。涼太も頑張ったけど、遊星の高速シンクロには今一歩ついていけなかったみたいだね。
そんなことを思いつつ俺はデュエルの準備をしてる。
次のデュエルはこの世界に来てからおそらく一番重要なデュエルになるだろう。
ガチャッ!
「あっ、遊星お兄さん、涼太お兄さん、お疲れさま。」
「・・あぁ。」
「残念ね涼太。」
「はい・・・でも遊星さんは強かった・・・」
「あぁ・・・俺も1度戦いたいものだ。」
だろうな。俺も戦いたいもん。次のデュエルに勝てば戦えるけど。
「でも留姫は・・・」
「駆に託すしかないでしょう。」
「お兄ちゃん・・・。」
「任せて。」
そう言って俺は立ち上がる。
「加藤さんは俺が元に戻す。」
遥ちゃんがまいてくれた種もあるしね。
「頼んだぜ。」
「駆、頑張って!」
「・・・駆。」
「どうしたの遊星?」
「・・決勝で待ってるぞ。」
「あぁ、待ってて。」
「お兄ちゃん・・・頑張って。」
「うん。行ってくる。」
そして俺は控室を出る。
さぁ、ショータイムを始めようか。
『さぁ、準決勝もいよいよ第2試合だ!この試合に勝って決勝に進むのはどっちだ!まずはトリッキーなHERO使い、山岸駆!』
MCの紹介で俺はフィールドに上がる・・・って待て待て、トリッキーなHERO使いって・・・準々決勝で5枚伏せとかやったからか?
『対するは恐怖の第2の魔女、加藤留姫!』
「魔女は帰れー!」
「こんなところに来るんじゃねぇ!」
観客の罵声はいまだ収まらず・・・か・・・遥ちゃんがあれだけ忠告したのに・・・どうやら馬鹿な命知らずみたいね・・・
「・・・・・」
加藤さんは俺のことをじっと見たまま動かない。すげぇ見つめられてるから俺も動こうにも動けない。
「・・・私に立ちふさがる敵は・・・すべて排除する。」
・・・なんだろう、凄く違和感があるんだけど。
もしかして・・・俺の中である1つの仮定がたつ。
「行きますよ加藤さん、このデュエルで、あなたの心を取り戻す!」
「・・・やってみなさい。私はあなたを排除するまで!」
「「デュエル!」」
駆 LP4000
留姫 LP4000
先攻は・・・加藤さんか。
「・・・私のターン・・・手札から魔法カード、エクスチェンジを発動。互いのプレイヤーは相手の手札からカードを1枚選んで自分の手札に加えることができる。」
え、エクスチェンジ!?
なぜ加藤さんのデッキにエクスチェンジが?普通は入らないはず・・・
普通は入らないはずのカード。それをわざわざデッキに入れ、実際に発動させた。その意味は・・・
「・・・そういうことか。」
俺はこの瞬間、1つの事項を確信した。
駆「以上、第15話でした。」
遥「あの青眼を倒しちゃった遊星お兄さん・・・。」
駆「遊星の強みはあの速い展開のシンクロ召喚。今回は涼太が少しついていけなかったね。」
遥「さすが遊星お兄さんだね。」
駆「今回は惜しくも勝てなかった涼太。実はリメイク前のデュエルではある共通事項があったんです。」
遥「それは1ターン目に必ず青眼の究極竜を召喚するです。」
駆「つまり、1ターン目に青眼3体と融合が必ずそろうということ。普通はおかしいよね。」
遥「今回も1ターン目に真青眼の究極竜出してるし・・・準々決勝の龍可とのデュエルだけ究極竜がでてないのかな?」
駆「そうなるね。まぁ龍可戦は先攻だったということもあるだろうね。結局次のターンには真青眼の究極竜は出てるし。」
遥「そっか。」
駆「さて、次回は俺のデュエル。」
遥「留姫お姉さんの心を取り戻すための戦いが始まる・・・んだけど・・・」
駆「いきなり予想外のカード・・・」
遥「留姫お姉さんの目的は?そしてお兄ちゃんが確信したこととはいったい何?」
駆「次話の題名は『ブラスターの真の姿とクロスフュージョン』です。お楽しみに。」