遥「ついに姿を現した第2の魔女。」
駆「彼女の身に何があったのか。」
遥「そしてデュエルの実力は?」
駆「戦慄の第11話、スタートです。」
駆side
「加藤留姫・・・あの女の子こそが・・・第2の魔女だから。」
「えぇ!?」
「あの人が!?」
「・・そうでしょ?」
「・・・あぁ、その通りだ。」
やっぱり・・・
「何でわかったの?まさか1度会ったことある?」
「あぁ・・・魔女としてのあの子に会ったことある。」
マスクしてたと言っても体形はほぼ同じだし、髪型も一緒。
「そして荒川涼太・・・あんたがこの大会に参加してるのは、あの子を魔女の状態から救い出すことも1つの理由?」
「はい、そうですよ。っていうか、フルネームじゃなく下の名前で呼んでもらってもいいですよ。」
「私もいいよ。」
「俺もな。」
「じゃあ遠慮なく。涼太と美菜に隆、あなたたち3人はあの子とどういう関係なの?」
「私たちは留姫とクラスメートなの。」
「それでいていつも4人で一緒にいました。」
「俺たち3人と留姫の4人で中等部四天王って言われてたからな。」
なんだそりゃ・・・四天王って・・・ポケモンかよ。
「それはつまりあの子もあなたたちと同様の実力を持ってるってことか。」
「そうですね。」
一体どんなデッキを使うのか・・・
「「デュエル!」」
留姫 LP4000
ジル LP4000
「始まったわね。」
「我がターン、ドロー!」
先攻はあの原作キャラか。
「マスクド・ナイトLv3を召喚!」
ATK/1500
「そしてモンスター効果発動!相手に400ポイントのダメージを与える!ペルソナ・ブラスト!」
留姫 LP4000→3600
「さらに魔法カードレベルアップ!を発動!マスクド・ナイトLv3を墓地に送り、マスクド・ナイトLv5を特殊召喚する!」
ATK/2300
「そしてマスクド・ナイトLv5のモンスター効果!相手に1000ポイントのダメージを与える!ペルソナ・ツイン・ブラスト!」
留姫 LP3600→2600
「我はカードを1枚伏せてターンエンド。」
『さぁ、畳みかけるような攻撃で、加藤は自分のターンを迎えるまでもなく1400のダメージだ!』
「確かに・・・先攻であれだけのダメージを与えるのは見事だ。だが・・・」
「留姫相手じゃ、一瞬で終わるわよ。」
「一瞬?」
・・・一瞬ね・・・さて、どんなデッキなのかな?
「進化するナイトの恐ろしさ、その身に染みたであろう。」
「・・・私のターン、ドロー。」
「無視か・・・薄気味悪い娘だ。」
「魔法カード、おろかな埋葬を発動。デッキからモンスターを1体墓地に送る。私はワイトプリンスを墓地に送る。ワイトプリンスの効果、このカードが墓地に送られたとき、手札、デッキからワイトとワイト夫人を1体ずつ墓地に送る。」
「ワイトだと?そんな弱いモンスターで我に立ち向かおうとはな。」
ワイトのどこが弱いんだか。確かに単体では弱いかもしれないけども・・・結束したワイトは強いよ。
「・・・魔法カード、テイク・オーバー5を発動。デッキの上からカードを5枚墓地に送る。」
墓地に送られたカード
・ワイトメア
・死者蘇生
・ワイト
・ワイトプリンス
・針虫の巣窟
「ワイトプリンスの効果、再びワイトとワイト夫人を墓地に送る。」
おいおい・・・これで墓地のワイトの数は・・・8体・・・1ターンでこれか・・・
「儀式魔法、餓者髑髏の復活を発動。」
ぎ、儀式魔法!?ワイトデッキで!?
「Lv3のワイト夫人を手札から墓地に送り、手札から餓者髑髏を儀式召喚!」
『ケケケ、我登場だぜ。』
ATK/1000
あのモンスター・・・儀式モンスターだったんだ。
「餓者髑髏は墓地のワイトの数×1000ポイント攻撃力・守備力がアップするわ。墓地のワイトは9体。よって9000ポイントアップよ。」
ATK/1000→10000
「攻撃力10000だと!?(伏せカードの殉教者の旗を使ってもとうに及ばない攻撃力だと!?)」
おいおい・・・あのモンスターもワイトの数でパワーアップするのかよ・・・ワイトキングは含まれないらしいけどそれでも強い・・・
「終わったわね・・・対戦相手。」
「あぁ。」
「・・・バトル・・・餓者髑髏でマスクド・ナイトLv5を攻撃。偽りの騎士よ、馬鹿にしたモンスターの恨みを知りなさい!ダーク・ソニック・ウェーブ!」
『ケケケ!喰らいな!』
「な、なんだこの力は!?うわぁぁぁぁぁぁぁ!」
ジル LP4000→0
攻撃を受けたジルはその場で倒れた・・・あれほどのサイコパワーをもろに喰らったらそうなるか・・・
『決着ー!しかしこの力は黒薔薇の魔女と同等のものだ!となるとー?』
「第2の魔女だ・・・」
「魔女だー!」
・・・観客が騒ぎ始めたね。
「これが留姫の力です。」
「やっぱりサイコパワーなんだ。」
「そうよ。怖い力よ。」
「・・・怖くないよ。」
「・・・え?」
だよね遥ちゃん。
「むしろ、あの人が悲しく見える。」
「悲しい?」
「それは私もわかる・・・次に遊星と対戦する人も。」
龍可が言ってるのはアキのことか。
「何であの人はあぁなっちゃったの?元からあぁなったわけじゃないんでしょ?」
「・・・まぁそうだな。」
「留姫はいじめを受けてたんですよ。」
「いじめを?」
「えぇ、でも暴力じゃない。暴力だったらむしろ武道が強い留姫には返り討ちにあうだけ。だから留姫がいない隙に留姫の持ち物を隠したりして・・・。」
・・・定番のいじめだな。
「留姫は気にしてなかったけど・・・あるものを取られたときに豹変したわ。」
「あるもの?」
「水霊使いエリアのカードだ。」
「カード?そのカード大事にしてたの?」
「留姫にとってそのカードはミスティからもらった大切なカード。いつもお守り替わりで持ってたわ。」
「お守りか・・・」
「そのカードを取られた瞬間、留姫は豹変した。そしてあんな感じになり、学校にも来なくなった。」
「おまけに留姫のデッキは見ての通りワイトデッキ。馬鹿にする人が多くてね・・・それも重なったてあぁなってしまったわ。」
「いじめか・・・」
やっぱりいじめは許せないね。
「私たちは必死でフォローしたんだけどね・・・。」
「だから僕は留姫を元に戻したい。だから僕はこの大会に出てるんです。」
「それは私もよ。」
「・・・あ、さっきの私の対戦相手。」
「ミスティ!?」
トップモデルのミスティ登場。
「私も留姫を元に戻そうとこの大会に参戦したのよ。」
「何でミスティが・・・」
「あるとき、私が仕事で行き詰って気分転換に喫茶店に行ったのよ。それが留姫の母親の文子さんが経営してるお店。文子さんは仕事で行き詰ってる私に的確なアドバイスを送ってくれた。文子さんのおかげで私は立ち直れた。」
「あ、それから留姫の喫茶店の常連客になったんですか?」
「そうよ。よく知ってるわね。」
「留姫から聞いたことがあったから。」
「そう・・・留姫にも会ったことあるわ。私の弟、トビーと一緒に行ったときも優しく接してくれた。そんな留姫が魔女になった・・・そう聞いたとき、私はすぐに決心したわ。留姫を元の留姫に戻すって。だからこの大会の参加要請が来た時に留姫が出るって聞いたときにすぐに了承したわ。」
なるほどね・・・ミスティもそういう理由だったんだ。
「でも・・・私は逃げないよ。そういう理由なら、私は私のデュエルであの人を元に戻してみせるよ。」
「そうだね・・・むしろ遥ちゃんの純粋な思いのほうがあの子を元に戻す確率は高いかもね。」
こういう時は子供の純粋な思いがむしろ効くことのほうが多い。
『さぁ今日の対戦はこれで終了だ!そしてこれが明日の準々決勝の対戦カードだ!』
第1試合:不動遊星vs十六夜アキ
第2試合:龍可vs荒川涼太
第3試合:リチャード・フォン・シュレイダーvs山岸駆
第4試合:川上遥vs加藤留姫
「遥ちゃんはその純粋な思いをぶつければいい。後には俺がいる。」
「うん。」
遥ちゃんならあの子を元に戻せる気がする・・・
「ねぇ、駆は心配じゃないの?」
「何が?」
「妹が傷つくのを。」
「もちろん、遥ちゃんが傷つくのは嫌だよ。でも、それを恐れてちゃ前に進めないときもあるから。」
「そう・・・。」
「そしてあの子を戻すのに、傷つくのを恐れてちゃ元には戻せない。それなりの覚悟がなきゃね。」
「・・・そうですね。」
「でもあなたたちには関係ないのに・・・。」
「確かに私たちは関係ない・・・でも、私達、そういうの聞くとほっとけないんだよね。だよねお兄ちゃん?」
「あぁ。」
それに、あの子の苦しみは俺もよくわかるから・・・。
「・・・すまんな。巻き込んでしまって。」
「気にしなくていいよ!」
「俺たちが勝手にやるんだから。」
だが、俺はこの時、ある1つの事項を隠した。いや、これは言わなくてもいいことだ。確証がないことなんだから。
『マスター、今よろしいですか?』
スタジアムを後にし、家に帰ってきた俺たち。そこで晩飯の準備をしようとしたらブラスターに呼び止められた。
「どうした?」
『今から精霊世界に来ていただけますか?』
「精霊世界に?何で?」
『詳しいことは精霊世界でお話しします。大事なことですので。』
「お、おう・・・分かった。」
大事なことね・・・ なんだろう?
「遥ちゃん、龍可、ごめんけど晩飯代わりに作ってくれない。」
「いいわよ。」
「何かあったの?」
「なんかちょっと精霊世界に行かなきゃいけなくなって。」
「精霊世界に?」
「うん・・・すぐ終わるから・・・だよね?」
『はい、すぐに終わります。』
「分かった。作って待ってるね。」
「ありがとう。じゃあブラスター、行こうか。」
『はい、では目を閉じてください。』
言われたとおりに目を閉じる。そして次の瞬間には・・・精霊世界へと場所を移していた。
「一瞬なんだね。」
『私の場合はですけどね。では、行きましょう。私についてきてください。』
「OK」
ブラスターの後を追って歩く。
で、着いたのは・・・王宮?
「っていうかここってヒーローシティだよね?」
『はい。王女様がお話があると。』
「王女様?」
ヒーローの王女って誰だ?
奥に行くと確かに王女らしき人がいる・・・しかし見覚えが全くない。
『王女様、駆殿をお連れしました。』
『ご苦労さま。初めまして駆。私はヒーロー界の王女、ライトニング・プリンセスと申します。』
「ら、ライトニング・プリンセス・・・。」
こんなHEROは見たことないな・・・。
「で、ここに呼んだ用は何?」
『あなたのシグナーの龍についてです。』
「シグナーの龍!?やっぱり俺にもいるの?」
『はい。正確には今のあなたのシグナーは仮にあるだけであり、本当の6人目のシグナーは別にいますが。』
あ、仮なのね。よかった。なら龍亞もこの先シグナーとして覚醒しそうだね。
『しかし仮とはいえ、駆にもシグナーの龍が必要とのことで、現在このHERO界に住んでいるドラゴンをシグナーの龍にしました。』
・・・うん。えっと・・・しました?
「ってかHERO界にドラゴンいるの!?」
『いますよ。』
『私のことですね。』
「・・・え?」
突如後ろからかかった声。振り返ってみると・・・まぁ輝かしいドラゴン。これは女性陣は絶対に綺麗と言うであろう
『申し遅れました。私があなたのシグナーの龍であるムーン・ライト・ドラゴンです。以後お見知りおきを。』
「お、おう。」
ムーン・ライト・ドラゴンか・・・
『これが私のカードです。』
そう言って手渡されたカード・・・あっ、結構強い。HERO界のドラゴンともあって、HEROに関係する効果もあるし。
しかしシンクロモンスターだからチューナー入れないとな。
『チューナーなら私にお任せ!』
今度は元気のいい声がかかったな。
『ちょっとシャイア!出しゃばらない!』
『ったく・・・。』
『ちょうどよかった。あなたたちも駆と共に行きなさい。』
『え!?よろしいのですか。』
『はい、ムーン・ライト・ドラゴンを召喚するにはあなたたちエンジェルヒーローの力が必要ですから。』
エンジェルヒーロー?天使のヒーローか?
『やったー!私シャイア!よろしくね!』
この元気のいい奴が見た目どこにでもいるような妖精で、髪の色は黄色い。
『私はウィング。あなたは私が守るわ。』
こいつも見た目は妖精で、髪の色は緑色。翼が他の2体より大きい。
『私はアルドと申します。よろしくお願いいたします。』
こいつも見た目は変わらない。髪の色が青色で、杖を持っている。
『これがこの子たちのカードです。』
手渡される3枚のカード・・・あぁ、だからムーン・ライト・ドラゴンを召喚する際にこいつらの力が必要なんだ。
こいつら・・・チューナーだわ。
『そしてこれが私のカードです。必要となればお使いください。』
「あ、ライトニング・プリンセスも力になってくれるの?」
『もちろんです。』
それはありがたい。
えっと王女の能力はと・・・おう、なかなか使えるな。
『それと私の召喚する際に必要となるカードです。』
もう1枚カード・・・えっと、今日だけで計6枚カードが手渡されたんですがそれは・・・
って!最後のモンスター強い!制限いき確定ですわ。
「って・・・用事って以上?」
『はい。戻っても大丈夫ですよ。私は用があるので後で行きますが。』
ってか・・・精霊一気に増えすぎじゃねぇ?一気に5体も増えたよ・・・
とりあえず、遥ちゃんたちが待ってるし、戻りますか。
どういう晩飯作ったかな?遥ちゃんも料理上手いし、龍可も上手いから楽しみ。
駆「以上、第11話でした。」
遥「やっぱりいじめはだめだよね。」
駆「そうだね。あんな悲しいことはあってはならない。」
遥「それじゃあ今回初めて出たオリカを紹介するよ。」
餓者髑髏(がしゃどくろ)の復活(フュージョニストさん提供オリカ)
儀式魔法
餓者髑髏の降臨に必要。
自分の手札・フィールド上から、レベルの合計が3になるようにモンスターをリリースしなければならない。
また、自分のメインフェイズ時に墓地のこのカードをゲームから除外して発動できる。
レベルの合計が3になるように自分の墓地のモンスターをゲームから除外し、
手札から「餓者髑髏」1体を儀式召喚扱いとして特殊召喚する。
餓者髑髏(がしゃどくろ)(フュージョニストさん提供オリカ)
闇属性 アンデット族 Lv3
ATK/1000 DEF/1000
儀式・効果
餓者髑髏の復活により降臨。
このカードは自分フィールド上に他のアンデッド族が存在する限り、戦闘または効果によって破壊・除外されず、カードの効果の対象にならない。
このカードは墓地の『ワイト』と名のつくモンスターの数×1000ポイント攻撃力・守備力がアップする。
また、1ターンに1度墓地のアンデッド族・レベル3以下のモンスター1体をゲームから除外して発動する。このターン、自分フィールド上のアンデッド族・レベル3以下のモンスターが戦闘で破壊した相手モンスターは墓地へ行かずゲームから除外される。
駆「今回のオリカは、リメイク前の小説をまだ書いてた時にフュージョニストさんからもらったオリカです。」
遥「今回のように大きい攻撃力で攻撃してくるよ。」
駆「しかも他のアンデット族がいたら破壊・除外されず、カード効果の対象にもならない耐性付き。」
遥「最後の効果はあんまり使わないかもね。実際、リメイク前でも1回も使ったことないし。」
駆「大体こいつフィニッシャーだったからな。」
遥「さてやっとフォーチュンカップ1回戦が終わったね。」
駆「だね。リメイク前では10話で終わったフォーチュンカップですが、今回はそれ以上かかります。」
遥「この先どんな展開が待っているかな?」
駆「さぁね。次回からフォーチュンカップ準々決勝!」
遥「準々決勝第1試合は飛ばすよ。」
駆「遊星vsアキだからね。で、第2試合、龍可と涼太のデュエル!」
遥「互いにワンターンキルで勝ち上がってるから白熱すること間違いなしだね。」
駆「次話の題名は『進化した青眼』です。」
遥「それじゃあ、次話もお楽しみに!」